55 / 357
第7話「カラフル」
カラフル(9)
しおりを挟む
「へんりひへにゃい……」
──返事、してない。
あのとき、弁当とともに囁かれた言葉。
それから今朝だって。
これまで何度「好き」と言われたか。
なのに、一度だって返事をしていないことに今気付いたのだ。
「らって、そんなのひちいちひうもんらない……」
──だって、そんなのいちいち言うもんじゃない。
今も耳の奥には幾ヶ瀬の声が残っているようで。
目を閉じると、すぐそばに顔が迫っているようで。
いつもならば、その手が有夏の頬に触れる筈なのに。
なのに、今はひとり。
有夏の両手の指は、枕の端を握り締めていた。
※ ※ ※
──返事、してない。
あのとき、弁当とともに囁かれた言葉。
それから今朝だって。
これまで何度「好き」と言われたか。
なのに、一度だって返事をしていないことに今気付いたのだ。
「らって、そんなのひちいちひうもんらない……」
──だって、そんなのいちいち言うもんじゃない。
今も耳の奥には幾ヶ瀬の声が残っているようで。
目を閉じると、すぐそばに顔が迫っているようで。
いつもならば、その手が有夏の頬に触れる筈なのに。
なのに、今はひとり。
有夏の両手の指は、枕の端を握り締めていた。
※ ※ ※
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる