54 / 328
第7話「カラフル」
カラフル(8)
しおりを挟む
──有夏のことが好きだよ。
──ねぇ、有夏は俺のこと好き?
和・洋・中・イタリアンにエスニックといった具合に、毎日趣向を凝らした弁当。
これがなかなかに美味であり、すっかり胃袋をつかまれた頃合いに告白され、そのままズルズルと数年。
気付けば半同居(ヤツは同棲と言い張る!)という今の状態である。
「ダメだ。起きなきゃ……」
せっかくの自由を享受しなくては。
寝てしまっては勿体ないとの思いと、ダラダラ昼寝に興じる背徳感。
その狭間で揺れていた有夏は、しかし意を決したようにベッドにダイブした。
「30分だけ……」
枕に顔を埋めて、両手をバタつかせる。
「……ひろい」
シングルサイズのベッドだが、やけに広く感じるらしく何度も寝返りをうってはため息をついている。
枕には、幾ヶ瀬の髪の匂いが残っているようで。
スンスン。
顔を枕に埋めた姿勢のまま、有夏は動かない。
──ねぇ、有夏は俺のこと好き?
和・洋・中・イタリアンにエスニックといった具合に、毎日趣向を凝らした弁当。
これがなかなかに美味であり、すっかり胃袋をつかまれた頃合いに告白され、そのままズルズルと数年。
気付けば半同居(ヤツは同棲と言い張る!)という今の状態である。
「ダメだ。起きなきゃ……」
せっかくの自由を享受しなくては。
寝てしまっては勿体ないとの思いと、ダラダラ昼寝に興じる背徳感。
その狭間で揺れていた有夏は、しかし意を決したようにベッドにダイブした。
「30分だけ……」
枕に顔を埋めて、両手をバタつかせる。
「……ひろい」
シングルサイズのベッドだが、やけに広く感じるらしく何度も寝返りをうってはため息をついている。
枕には、幾ヶ瀬の髪の匂いが残っているようで。
スンスン。
顔を枕に埋めた姿勢のまま、有夏は動かない。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
74
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる