【BL】隣りの2人がイチャついている!

陣リン

文字の大きさ
上 下
9 / 377
第2話「アマゾンがくるまで」

アマゾンがくるまで(2)

しおりを挟む
「どうするって何? 有夏は何もしなくていいよ」

 俺がするんだからと、白い首筋をはしたない音をたてて吸った瞬間。

 有夏の手が幾ヶ瀬の背を叩く。

 イヤという意思表示でもなく、宥めるふうでもなく、ましてや続きを催促する甘やかな叩き方でもない。

「アマゾン」

「え?」

「アマゾン、くる」

 思考停止したように固まった幾ヶ瀬の肩をリズミカルに叩きながら、有夏は玄関にちらりと視線を送った。

「19時から21時指定なんだよ。今何時?」

「あ、えっと……19時、5分かな。えっと、有夏?」

 幾ヶ瀬が尚も未練がましく有夏のうなじに顔を埋める。

「どうしてもすんの? んじゃ5分、いや3分で終わらせろよ? 配達、もういつ来てもおかしくないんだから」

 これには少なからずムッとしたように幾ヶ瀬が顔をあげる。

「無理だよ、3分なんて」

「そぉ?」

 平然とした表情で小首を傾げる有夏。

「わりと入れた瞬間イッたりしてんじゃない。3分ありゃ余裕じゃね?」

「有夏、可愛いおクチで何てこと言うの! そ、それに俺は終わった後も有夏と抱き合ったりキスしたりしたい」

 ヨ・イ・ンと叫ぶが、有夏は小馬鹿にしたように「アハハッ」と笑う。

「幾ヶ瀬、前戯に異様に時間かける時あるもんな。しつこい、てかエロジジィかって」

 自分だってあんあん言って感じるくせに、と目の前で指先をくにゃりと動かしてみせるが、今の有夏に効果はなさそうだ。

 ハッと笑って受け流されるだけ。
 それより玄関の方へと注意が向いてしまっている。

「じゃあいいよ。自分家に戻ったら」

「ああ、それは大丈夫。隣りにいますってドアにメモ貼ってきたし」

「あぁ、そうなの……そうなんだ……」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

大学生はバックヤードで

リリーブルー
BL
大学生がクラブのバックヤードにつれこまれ初体験にあえぐ。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

処理中です...