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第六話 見て、君の夢はどこに?
見て、君の夢はどこに?(6)
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※ ※ ※
時を一年ほど遡る。
青の花びらを見下ろし佇む青年は、周囲の視線を集めていた。
柔らかそうな薄茶色の髪、細身の体躯。
整った容貌は、通りすがる人が思わず振り返ってしまうほどである。
しかし薄い色合いの双眸は無感動に花を映すだけ。
「小野、ごめんごめん」
そう、これは一年前の小野梗一郎である。
名を呼ばれたからか、その目がちらりと動いた。
向こうから駆けてきたのは学ラン姿の青年だ。
いかにも高校生と分かる愛嬌と、それからわずかな緊張感を身にまとっている。
「中島、なんで制服?」
今にも雨が振り出しそうな空の下。
オープンキャンパスという看板の横でちゃっかり自撮りをしている友人を見やり、梗一郎は顔をしかめた。
学校見学のため、登成野学園大学の校門前で待ち合わせていたのだが、朝寝坊常習犯の友人はきっちり十分遅れてきたのだ。
ごめんという一言ですませると、むしろ友人は信じられないという目線で梗一郎を見やる。
Tシャツとチノパンという梗一郎のラフな格好に、彼は呆れている様子だ。
もしかしたら合否判定をする偉い人がこっそり見てるかもしれないだろ、なんてことを小声で囁いてくる。
「そんなわけないだろ。第一、ここは滑り止めって言ってたじゃないか」
「まぁ、そうなんだけど。でも万一ってことがあるし」
どんな頭脳の持ち主でも受験すれば必ず通るといわれている大学である。
受験生の夏休みという貴重な時間を使ってわざわざオープンキャンパスに出向く意味が分からない。
一人で行くのはどうしてもイヤなんだという友人、名を中島という。
彼に付き添うかたちで、興味のない大学にこうしてやってきた自分も相当なお人好しだと梗一郎は思っていた。
「……まぁ、気晴らしも必要だし。あの家にいたら息が詰まるから」
「小野、何か言ったか?」
首を横に振りながら大学構内に足を踏み入れ、梗一郎も友人も驚いたように足を止めた。
滑り止めの底辺校という認識からは想像もつかないほど、キャンパスには人が行きかい活気づいていたのだ。
時を一年ほど遡る。
青の花びらを見下ろし佇む青年は、周囲の視線を集めていた。
柔らかそうな薄茶色の髪、細身の体躯。
整った容貌は、通りすがる人が思わず振り返ってしまうほどである。
しかし薄い色合いの双眸は無感動に花を映すだけ。
「小野、ごめんごめん」
そう、これは一年前の小野梗一郎である。
名を呼ばれたからか、その目がちらりと動いた。
向こうから駆けてきたのは学ラン姿の青年だ。
いかにも高校生と分かる愛嬌と、それからわずかな緊張感を身にまとっている。
「中島、なんで制服?」
今にも雨が振り出しそうな空の下。
オープンキャンパスという看板の横でちゃっかり自撮りをしている友人を見やり、梗一郎は顔をしかめた。
学校見学のため、登成野学園大学の校門前で待ち合わせていたのだが、朝寝坊常習犯の友人はきっちり十分遅れてきたのだ。
ごめんという一言ですませると、むしろ友人は信じられないという目線で梗一郎を見やる。
Tシャツとチノパンという梗一郎のラフな格好に、彼は呆れている様子だ。
もしかしたら合否判定をする偉い人がこっそり見てるかもしれないだろ、なんてことを小声で囁いてくる。
「そんなわけないだろ。第一、ここは滑り止めって言ってたじゃないか」
「まぁ、そうなんだけど。でも万一ってことがあるし」
どんな頭脳の持ち主でも受験すれば必ず通るといわれている大学である。
受験生の夏休みという貴重な時間を使ってわざわざオープンキャンパスに出向く意味が分からない。
一人で行くのはどうしてもイヤなんだという友人、名を中島という。
彼に付き添うかたちで、興味のない大学にこうしてやってきた自分も相当なお人好しだと梗一郎は思っていた。
「……まぁ、気晴らしも必要だし。あの家にいたら息が詰まるから」
「小野、何か言ったか?」
首を横に振りながら大学構内に足を踏み入れ、梗一郎も友人も驚いたように足を止めた。
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