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第六話 見て、君の夢はどこに?
見て、君の夢はどこに?(1)
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登成野学園大学の食堂は豊富なメニューと広いスペースのおかげで、時間を問わず賑わっていた。
今はさしずめアフタヌーンティーの頃合いか。
格安のケーキセットを求めて女子学生たちがテーブルを陣取っている。
食堂を出た中庭に咲くネムノキの、小さくて可憐な花を見上げたのは蓮であった。
小柄な体格に不釣り合いな大きなリュックが背に揺れている。
「おい、ご機嫌だな。蓮ちん」
遅い昼食をすませた講師を呼び止めたのは、例によっての三人組だ。
「モブ子さんたちこそ。君たちはいつも楽しそうだね」
アフタヌーンティーというより、大きなテーブルでの原稿作業に時間を費やしていたらしい彼女たちは、なぜだか得意げに顎をあげた。
「そうでもないぞ? アタシらは尻に火がついている」
「おっと、尻にと言ってもそういう意味じゃないぞ?」
「コミケは来月だ。もはや寝る間すらない。金もない」
「………………?」
モブ子らが何を言っているのか皆目分からず、蓮は曖昧に微笑んでみせた。
「まぁ、忙しいのはいいけども。でも、睡眠はしっかりとるんだよ?」
「待て待て、蓮ちん」
教員棟へ戻ろうとする彼の行く手を、堂々と阻むモブ子ら。
「今日はBL検定対策講座の日じゃないだろ?」
「蓮ちん、ついに正式な講義を担当するのか?」
「なら、アタシらが最初の生徒になってやるぞ」
アハハ、そんなわけないよと笑って蓮はぽっと頬を染めた。
講義でない今日、学校に来たのは事務に提出する書類があったからだ。
台風が近づいているからと、蓮にしては珍しく早目の準備をしたのである。
それから、もうひとつ用事が……。
今はさしずめアフタヌーンティーの頃合いか。
格安のケーキセットを求めて女子学生たちがテーブルを陣取っている。
食堂を出た中庭に咲くネムノキの、小さくて可憐な花を見上げたのは蓮であった。
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「おい、ご機嫌だな。蓮ちん」
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「そうでもないぞ? アタシらは尻に火がついている」
「おっと、尻にと言ってもそういう意味じゃないぞ?」
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「まぁ、忙しいのはいいけども。でも、睡眠はしっかりとるんだよ?」
「待て待て、蓮ちん」
教員棟へ戻ろうとする彼の行く手を、堂々と阻むモブ子ら。
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「なら、アタシらが最初の生徒になってやるぞ」
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