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第124話 さてと、スライムコンビが大活躍です。

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前回のあらすじ:ライムとオニキスの新技で、岩塩ゲット。



 セイラさんが、メインターゲットであるオーガを探知した、数は5。私達のパーティでは問題なく狩れると思う。思うというのは、まだこの国の魔物がトリトン帝国の魔物と同種か、より強いのか弱いのかわからないからである。多分同じだとは思うけどね。


「さて、セイラ隊員、まずは5体、オーガを探知したようですが、他にもいそうでしょうか?」


「うん、隊長。探知はできていないけど、この様子からすると、偵察とかではないので、まだまだ数はいると思う。」


「その通りです。セイラ隊員の訓練も兼ねてますので、具体的な数は申し上げませんが、間違いなく5体だけではありません、流石ですね。」


「いや、そう言われると、却って嫌みに聞こえるんだけど。」


「今更とは思いますけど、探知で大事なのは、数ではなく様子を確認することです。私なんて、数こそ広範囲で探知できますが、数だけですからね。様子から他にどれだけいるかとか、そんなのはわかりませんので。」


「いや、アイス隊長くらい広範囲で探知できるなら、それ、必要ないからね。」


 セイラさんの言うことに、他の2人も頷いている。私の場合は、水術以外に攻撃手段以外はスキルがないから範囲を広げるしかなかったというのが実情だ。お互いに無い物ねだりなのかもしれないけど、他の人と同じようにいろんなスキルを使いこなしたかったというのは贅沢だろうか、、、。


「まあ、それはそうとして、今回の魔物はオーガですが、普通に倒すだけでは面白くないので、ライム隊員および、オニキス隊員の戦闘訓練も兼ねた方法で倒してみたいと思います。」


「と、いうことは、アイス隊長、先程オニキス達が取った行動を、オーガ達にも試してみるということですの?」


「そういうことです。皆さんもそれでよろしければ、作戦を伝えますが、よろしいですか?」


 戦姫の3人、マーブル、ジェミニ、ライム、オニキス全員が頷いた。


「では、作戦を伝えます、セイラ隊員が指摘したように、オーガの集団は5体だけではありません。具体的な数は伏せますが、数体のグループがいくつもあるようです。そこで、ライム隊員とオニキス隊員は2手に別れて、先程ショーの実を手に入れたときのように、あの技でオーガ達にぶつかってもらいます。」


「わかったよー!」


「ピー!」


 ライムとオニキスが敬礼のポーズを取る。オニキスは縦に伸びる感じだったけど、ライムは最近体の一部だけを触手みたいにすることができるようになったらしく、それで敬礼のポーズを取れるようになっていた。オニキスもそのうちできるようになるんだろうね。


「残った私達も2手に別れて、それぞれライム隊員、オニキス隊員がオーガに体当たりして倒せなかった分を倒すことにします。オニキス隊員には、アンジェリカ隊員、セイラ隊員、ルカ隊員の戦姫3人が、ライム隊員には、私、マーブル隊員、ジェミニ隊員がそれぞれ付く、それでよろしいですね?」


 全員は敬礼で応えた。様式美になっているから、見事に揃っている、壮観やら目の保養になるやら、非常に良い感じです。戦姫の3人は流石にサマになっているし、マーブルやジェミニは形はバッチリな上に何よりも可愛くてしょうがない。っと、気を取り直して、続きを説明しないとね。


「また、条件ですが、ライム隊員、あるいは、オニキス隊員が新技をきめたオーガへの攻撃しか認めないということにします。あと、2手に別れるとはいえ、離れてしまうと合流が大変なので、そこまで離れてはいけません、私達にはここの土地勘が全くありませんから。万が一向こうが分断を狙って退く場面がありましたら、追撃は不許可とします。ちなみに、追い打ちをかける順番については各自おまかせします、といっても、ほぼ順番は決まっているようなものですね。」


「ええ、決めるまでもありませんわ。」


 そう、今更話し合わなくても順番はほぼ決まっている。特に指定がなければ、私達の場合は、私、マーブル、ジェミニの順だ。戦姫の3人は、個別ではなく3人で安全に1体を仕留めていく倒し方となっているので、順番などを決めるのは今更感が強かった。けど、念のため、ね。


「ということで、1集団ずつ倒していきましょう。あ、そうだ、倒した獲物についてですが、こちらの袋をお渡しますので、仕留めたらそのままその袋に入れて下さい。マーブル印のマジックバッグですが、容量はオーガ50体程度なら余裕で入りますし、時間停止もかけておりますので、それに入れて下さい。」


「マーブル印ですの、、、。ということは、フロストの町で使われているマジックバッグですの?」


「はい、同じマジックバッグですが、あっちで配布されるのは、これより数段性能が落ちます。容量もこれより小さいですし、時間停止も入れてませんしね。それでも、出回らせるといろいろと不味いので、あくまで貸与としています。まあ、領民でない者が手にしても、見た目は小さめの麻袋のようなものですし、万一それがマジックバッグと気付かれた場合は、効果が切れるようにしてあるので、盗難に遭っても被害は皆無ですけどね。」


 こういう話をしつつも、オーガ達との距離は近づいてきている。スキルで探索をしているセイラさんも別の集団の存在をいくつか確認できたようで、そのたびに視線をそちらに向けていた。


 さらに近づいていくと、オーガ達のグループでもこちらに気付いた集団が出だしたようで、こちらを攻撃戦と近づいてきていた。セイラさんもそれを指摘していく。


「オーガ達もこちらに気付いたみたい。いくつかの集団がこちらに向かって来ているよ。」


「了解しました。では、みなさん、手はず通りに。それでは、攻撃開始!!」


 最初に見つけた5体のオーガは、私達、正確には私をターゲットにしたようで、こちらに向かって来た。その5体のオーガの近くにいた4体は戦姫に向かって来た。最初の獲物は私が仕留めることになっているので、弓を構えて矢をつがえる。オーガ相手なので、芯を入れずに水術で作った氷の矢だけで大丈夫だろう。


 ライムは自分の体を後ろに引っ張る感じで構えだした。オーガ達の1体はこちらに対して咆哮してきたが、オーガ程度の咆哮では、私達に効果は全く無い、ただ弱い犬ほどよく吠える、といった程度だ。いや、むしろライム達の格好の的にしかならなかった。


 ライムが「いくぞー!」というかけ声とともに、咆哮したオーガめがけて突っ込んでいった。見事に咆哮していたオーガのアゴ下に命中し、オーガの咆哮が止まると同時に、そのオーガはフラフラしだす。そのオーガに近づいてヘッドショットをきめて、まずは1体。ライムはそれを確認することなく、次々にライム砲をぶつけていく。マーブルは風魔法で、ジェミニは自慢の刃でそれぞれオーガの首を刈り取る。マーブル達には収納袋を渡していないので、マーブル達の仕留めたオーガは私が回収することになっている。マーブル達も心得たもので、仕留めるときにも私が回収しやすいように向きを調整してりもしている。ええ猫達だ。


 戦姫達の方では、オニキスが「ピー!」と張り切って突っ込んでいた。ライムに劣るとはいえ、流石に戦姫とずっと行動を共にしているだけあって、的確に急所にヒットさせて大きく怯ませていた。怯んだところをセイラさんが矢で足を射貫いて動きを止め、ルカさんが火魔法で追い打ちをかけて、アンジェリカさんが首を一閃して仕留めていた。流石の見事な連携だった。危なげなく4体を仕留め終えていた。


 最初の2集団を倒した後、次に近づいてきている集団を探知したとセイラさんから報告を受ける。こちらでも念のため気配探知はかけてわかってはいるけど、今回はセイラさんの探知訓練も兼ねているので、敢えて報告が出るまでは待機していた。


「ちなみに、セイラ隊員はこれらの集団があといくつ存在するか探知できておりますか?」


「うーん、今の状態で探知できているのは、あと5集団といったところかな。」


「了解です。恐らく、あと4集団も倒せば、残りの1集団は退却すると思われますので、その4集団を倒したら、退却した1集団を追いましょう。」


「了解。ということは、隊長は集落が存在すると?」


「はい、集団の数もそうですが、それなりに統率されている感じなので、集落があるのはほぼ間違いないと思います。恐らくですが、小隊長、いや、部隊長クラスがそのボスではないかと見ています。まあ、オークを基準に考えておりますので、オーガについては実際にどうなのかはわかりませんけどね。まあ、それは後で退却するであろうオーガの集団を追いながら考えましょうか。」


「「「「了解!!」」」」


「では、さっさとこれらの集団を倒しましょうかね。では、攻撃開始!!」


 こうして、次の集団に攻撃を仕掛ける。正直、オーガを倒せるレベルになると、オークやゴブリンの集団と戦うよりもラクである。というのは、オーガ自体がなまじ強力な存在なため、あまり連携が上手ではないし、数もそれほどでもないので、各個撃破がしやすい。今回もそんな感じだろう。


 予想通り、アッサリと集団を倒していけている。ライムも慣れてきたのか、次の集団には1回の発射でピンボールの如く、複数体のオーガに、しかも頭の部分に体当たりをきめて、ふらつかせることに成功しており、さらに次の集団だと、1回の発射で集団全員にピンボールショットを決めるまでになった。少ない回数でそこまでできるライムって、初っぱなから人語を話せたりするくらいだから、実は下手をしたら私達よりも賢いのかも知れない。自慢の猫達が優秀なのは親として鼻が高い。


 私達が2集団、戦姫が2集団の計4集団を仕留めると、予想通り残りの1集団は退却した。私達はもちろんそれを追いかける。オーガは基本動きは鈍いけど、長身な分、歩幅が長いので、移動速度は遅くない、というかむしろ速い。


 さらに森の中での移動だから、こちらがいくら追いかけても距離は離れていく。このままだと見失ってしまう可能性が高いけど、正直我が領ではないので、仮に見失っても問題ないという気持ちが強いし、サムイの町で実際どれだけオーガの被害があったのかわからないので、無闇矢鱈と倒すのもどうかと思っているし、何よりも正直飽きた。


 とはいえ、依頼は依頼なので、とりあえずこちらでも気配探知をかけて、集落の存在を確認してから倒す稼働するかは判断することにした。流石に距離が離れすぎてきたので、水術を使っての移動に切り替える。自分たちだけではないので、移動速度はそれなりに抑えてある。


 セイラさんが余裕で探知できる程度の距離にまで追いついてきたので、その距離を保つためにさらに少し速度を落とした。


 退却していたオーガの動きが止まったので、恐らくそこがオーガ達の集落だろうと思い、水術を解除してゆっくりと進んでいく。そこは洞窟になっており、その洞窟に住み着いているであろうことがわかった。洞窟なので、どれだけのオーガが住んでいるのかは私の探知では確認出来なかった。セイラさんもムリなようだ。ということで、マーブル先生、出番です。


 マーブルの探知では、数はそれほどいないようだ。どうしようかと考えていると、オーガ達がこちらの存在に気付いたようだ。ありゃ、見つかったか。まあいいや、と思って迎撃準備しようとしたら、ボスらしき存在のオーガが1体だけでこちらに来た。何か言っているようだが、残念ながらわからない。こういうときはジェミニ先生、出番です。


 話によると、オーガ達はこれ以上戦う気はないようだ。というのも、今ここにいるオーガ達は元々戦う気がなかったようで、町に近づいていたオーガ達は血の気が多い連中だったらしく、ここの住み処でも厄介者だったらしい。表情でも嘘を言っているようには見えなかったし、詳細についてはここまで逃げ延びてきた集団が詳細に話しているだろうから、襲ってこないだろう。向こうに戦う気がない以上、こちらとしても戦う気が失せてしまった。むしろ、少し申し訳ない気持ちも出てきてしまったが、逆に厄介者を仕留めてくれて感謝しているとまで言われた。オーガの世界も大変なんだね。人も大概だけどね、、、。


 どうやら、先程の厄介者はここに無理矢理住み着いてきたようで、今残っているオーガ達はこれだけ体がデカいにもかかわらず、基本肉食ではなく草食がメインらしい。食べ物は何を食べているのか非常に気になったので聞いてみたところ、この辺りはオーガ達が食べられる木の実などが数多くあり、それを見せてくれたのだけど、鑑定したところ、どうも私達は食べられないものが多かった。オーガの長は少し分けてくれようとしたのだけど、私達には食べられない種類のものだったので、気持ちだけ受け取ることにした。


 また、オーガの長は、ここの存在は内緒にしてくれと言ってきたので了承した。私はここのオーガ達に、仮にここの存在に気付いた者がいても、私達には関係がないので、遠慮なく倒してもいいとジェミニに伝えてもらった。


 オーガ達の見送りを受けて、私達は洞窟を後にした。


「アイスさん、ここの場所については内緒にしておくつもりですの?」


「はい、ギルドには伝えない方向でいきます。あの様子からすると、本当に町にちょっかいを出す気はないようですし、あの場所についても、特に重要な素材もないですしね。」


「では、これらのオーガの素材はどう致しますの?」


「流石に手ぶらではまずいので、5体くらいはギルドに卸しましょうかね。」


「そうですわね、報告する気がない以上は、それが妥当だと思いますわ。」


「アンジェリカさん達は、集落について報告しないことに反対しないので?」


「アイスさんが、そう判断されたならそれに従うまでですわ。それに、ワタクシも集落について報告しないという意見に賛成ですもの。」


「私も賛成かな。あと、仮に報告しても、この国の冒険者ではあのオーガ達にまるで歯が立たないんじゃないかなって思う。」


「うん、多分ムリ。」


「なるほど。それでは、5体分だけギルドに卸します。」


「アイスさん、アレは作って頂けますわよね?」


「ご安心を。ギルドに卸すのは5体分の素材だけです。とりあえず今は周りに誰もいませんので、倒した分を解体してしまいましょうか。」


「「「はいっ!!」」」


 数えてみたら、オーガは合計で28体だった。いつもの流れ作業で解体を済ませる。ちなみに、オーガは素材として使えるのは皮と牙くらいで、残りの部分については処分されるのだが、私達のメインはオーガの肉の部分であるので、しっかりと肉は確保しておかなければならない。内臓については残念ながら使い途がないので、穴を掘って火魔法で焼却してから埋める。オーガのモツ、は残念ながらムリそうだという鑑定結果が出てしまったので、あきらめて焼却対象である。


 焼却を終えて、掘った穴を埋めてから、マーブルの転送魔法で町の近くまで転移する。時間的には夕方に近い時間帯だったけど、昼食を食べていなかったので、この場で軽く食事を摂ってから、サムイの町へと戻っていった。

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オーガの長「あの連中、ヤバすぎるだろ(((((((( ;゜Д゜))))))))」

オーガその1「我々が、好戦的な性格でなくてよかったε-(´∀`*)」

オーガその2「言葉が通じて何よりだった┐(´д`)┌」
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