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テンプレってヤツですか?
ルナマリアはこんなヤツ ①
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説明的なお話になるので、旦那様とのやり取りだけ読みたい方は読み飛ばしても大丈夫です。
❁・*:..。o○❁・*:..。o○❁・*:..。o○❁・*
異世界転生した事に気づいたのは幼少期。
10歳の誕生日を迎えた日だった。
この世界の10歳といえば、前世でいう所の高校生くらいの扱いであるがーーーーー
前世を思い出した私からすれば「小学四年生!まだまだ子供でしょ!」と価値観の違いに困ってしまった。
貴族令嬢という生に転生した為、3歳から淑女教育が始まり、5歳から上位貴族令嬢の教育に切り替わり、7歳から子供向けのお茶会に参加をして、大人貴族社会の縮図の社交を始めていた。
前世を思い出した10歳。
しっかりと貴族令嬢教育された私は、上位貴族令嬢らしく気位の高い傲慢な令嬢にすくすくとお育ちしていたようだった。
自領地に暮らす平民は庇護対象だと理解しながら、心の中で虫より少しマシな命だと見下していたし。
かなり嫌な少女だったと思われる。
それでも屋敷で働く使用人は身内認定されていたからか、優しく慈悲深いお嬢様として振る舞っていたのが幸いだ。
記憶が戻って変わった態度に驚かれたり、話しかける度に怯えられたりするのは御免である。
前世日本人の私、なるべく他人と衝突する事なく全てにおいて“事勿れ”主義である。
事勿れ主義は楽で良い。
基本的に周囲との争いになるようなことを極力回避し、面倒なことを避けつつ、周囲からけして浮く事なくバランスを取りながらも、その行動の結果が私にとって良いことであろうとも、面倒を感じれば避けて関わらないようにする。
前世の記憶が現在の世界の価値観に違和感を感じるが、10歳までの今世の記憶もしっかりあるので、擦り合わせつつ精神的なバランスを取っている。
この世界に転生した事で一番の驚きは魔法が使える世界だという事だった。
魔法があるからか、魔物も存在している。
ダンジョンなるものもあるらしい。
小説の中の世界観がそのままあるというのも不思議過ぎて、異世界に来たのだなあとしみじみしたものだ。
記憶が蘇る前のルナマリアは貴族令嬢として当然の事ながら魔物は見た事がない。
以前のルナマリアは見たいとも思わなかったが、今のルナマリアは違う。
魔物を見てみたい、むしろ魔法とか使って戦ってみたい。まだまだ先の事だろうけど。
10歳から望めば魔法の授業が受けられるらしく、ルナマリアもその予定だったようで、記憶が蘇ってすぐの授業は魔法学だった。
上位貴族らしく魔力が豊富だったところに、転生特典でもプラスされたのか、ルナマリアの魔力量は桁違いだった。
最初の授業で人差し指に火を灯すのを、細い火柱をあげた事から何となく察した。
講師の驚愕した顔で色々悟った私は、そこから制御することに注力した。
上位貴族令嬢で魔力が桁違いなんて、王族の妃がおいでおいでするではないか。
そんなの絶対イヤである。
7歳で魔力や属性検査を平民は教会にて、貴族は魔道具を持った神官が屋敷に訪れて検査する。
これは世界共通で強制検査なので受けなければならない。
7歳時のルナマリアの魔力量は4000。
魔力量の平均値は、平民が200程度、下位貴族が700から1000、上位貴族が2000から3000。
そう考えると、ルナマリアの魔力量はかなり高めである。
魔力量だけは7歳で調べられるが、魔法を習う事が出来るのは10歳から。
理由は魔力暴走が起き易いかららしい。
身体や精神が幼すぎる為、魔法が発現した時に激しく動揺してしまうのだそうだ。
確かに小学一年生と四年生では身体も心も凄い差があるもんね。
という訳で、7歳で4000だと判定されたルナマリア。将来が楽しみだと両親はニッコリしていたが…
10歳で私が目醒めて、とんでもない数値になってそうなんだよね。
身体を巡る魔力が体内に留まれずに、外にダダ漏れしてるのを感じる。
魔法学の講師も、何かを感じているのかソワソワしていた。
講師も事勿れ主義なのか、両親に私の異常さを報告しなかったようで、何度授業を受けても両親から一度も魔力量の事を言われた事がない。
それとも、報告しているけど、問題ないと思われてるのか…どちらにしろ私から尋ねる事はないので不明なままである。
13歳を迎える頃には、私の魔法習熟度はかなり上達していた。
それと共にある事にも気付いていた。
私は人と”違う”魔法が使えることに。
もはや、魔法なのか? とすら思うけれど。
勿論、普通の魔法しか講師の前では披露していない。
普通なら魔力枯渇状態になってもおかしくないのに、魔法を連発しても疲れ知らずの身体。
どんなに連発しようとも、相変わらず身体から溢れる程の状態である。
異常とも思える魔力量…
魔法書や魔術書を読み漁っても載ってない私の魔法。
俺様つえー! ウェーイ! は、物語だから出来たのであって、やり直しの効かない現実では王妃を目指すつもりがないのなら、隠蔽するのが正解である。
魔法の上達に比例して、私のダンジョン潜りたい気持ちも上昇していった。
幼い頃から私の専属であった侍女のレイラと護衛騎士のリンクスに「お忍びでダンジョンに行きたいから協力して欲しい」とお願いしてみるも、決行に至る事は無かった。
2人は必死でしつこい私に嫌々ながらも首を縦に振ってくれたのだが、周囲の監視が凄すぎてムリだった。
異世界転生物語でお忍びでダンジョン行けるのって、アレは上位貴族令嬢ではないからだと思う。
上位でしかも公爵家の我が家は監視が多すぎてムリである。影まで付けているみたいだし、私の普通じゃない魔法でも使えば強引にいけそうだが、時間稼ぎが難しく他にいい案も浮かばない為に断念した。
そもそも、上位貴族の最上位だからといって、ここまで監視がキツイものなのだろうか…
以前のルナマリアなら疑問すら浮かばなかったであろうが、私は違う。
正直ウンザリしている。
両親が過保護だとしても上位貴族令嬢ってここまで守らないと常時誘拐や暗殺の危機でもあるのか? と不安しかないではないか。
かといって、お茶会でよく顔を合わせる知人令嬢に「上位貴族って影まで付けますの?」等と訊く訳にもいかないだろう。
どうしたものかと思案してるうちに、新たに同盟を結ぶ事になった国との同盟強化の為の婚約が持ち上がったのである。
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異世界転生した事に気づいたのは幼少期。
10歳の誕生日を迎えた日だった。
この世界の10歳といえば、前世でいう所の高校生くらいの扱いであるがーーーーー
前世を思い出した私からすれば「小学四年生!まだまだ子供でしょ!」と価値観の違いに困ってしまった。
貴族令嬢という生に転生した為、3歳から淑女教育が始まり、5歳から上位貴族令嬢の教育に切り替わり、7歳から子供向けのお茶会に参加をして、大人貴族社会の縮図の社交を始めていた。
前世を思い出した10歳。
しっかりと貴族令嬢教育された私は、上位貴族令嬢らしく気位の高い傲慢な令嬢にすくすくとお育ちしていたようだった。
自領地に暮らす平民は庇護対象だと理解しながら、心の中で虫より少しマシな命だと見下していたし。
かなり嫌な少女だったと思われる。
それでも屋敷で働く使用人は身内認定されていたからか、優しく慈悲深いお嬢様として振る舞っていたのが幸いだ。
記憶が戻って変わった態度に驚かれたり、話しかける度に怯えられたりするのは御免である。
前世日本人の私、なるべく他人と衝突する事なく全てにおいて“事勿れ”主義である。
事勿れ主義は楽で良い。
基本的に周囲との争いになるようなことを極力回避し、面倒なことを避けつつ、周囲からけして浮く事なくバランスを取りながらも、その行動の結果が私にとって良いことであろうとも、面倒を感じれば避けて関わらないようにする。
前世の記憶が現在の世界の価値観に違和感を感じるが、10歳までの今世の記憶もしっかりあるので、擦り合わせつつ精神的なバランスを取っている。
この世界に転生した事で一番の驚きは魔法が使える世界だという事だった。
魔法があるからか、魔物も存在している。
ダンジョンなるものもあるらしい。
小説の中の世界観がそのままあるというのも不思議過ぎて、異世界に来たのだなあとしみじみしたものだ。
記憶が蘇る前のルナマリアは貴族令嬢として当然の事ながら魔物は見た事がない。
以前のルナマリアは見たいとも思わなかったが、今のルナマリアは違う。
魔物を見てみたい、むしろ魔法とか使って戦ってみたい。まだまだ先の事だろうけど。
10歳から望めば魔法の授業が受けられるらしく、ルナマリアもその予定だったようで、記憶が蘇ってすぐの授業は魔法学だった。
上位貴族らしく魔力が豊富だったところに、転生特典でもプラスされたのか、ルナマリアの魔力量は桁違いだった。
最初の授業で人差し指に火を灯すのを、細い火柱をあげた事から何となく察した。
講師の驚愕した顔で色々悟った私は、そこから制御することに注力した。
上位貴族令嬢で魔力が桁違いなんて、王族の妃がおいでおいでするではないか。
そんなの絶対イヤである。
7歳で魔力や属性検査を平民は教会にて、貴族は魔道具を持った神官が屋敷に訪れて検査する。
これは世界共通で強制検査なので受けなければならない。
7歳時のルナマリアの魔力量は4000。
魔力量の平均値は、平民が200程度、下位貴族が700から1000、上位貴族が2000から3000。
そう考えると、ルナマリアの魔力量はかなり高めである。
魔力量だけは7歳で調べられるが、魔法を習う事が出来るのは10歳から。
理由は魔力暴走が起き易いかららしい。
身体や精神が幼すぎる為、魔法が発現した時に激しく動揺してしまうのだそうだ。
確かに小学一年生と四年生では身体も心も凄い差があるもんね。
という訳で、7歳で4000だと判定されたルナマリア。将来が楽しみだと両親はニッコリしていたが…
10歳で私が目醒めて、とんでもない数値になってそうなんだよね。
身体を巡る魔力が体内に留まれずに、外にダダ漏れしてるのを感じる。
魔法学の講師も、何かを感じているのかソワソワしていた。
講師も事勿れ主義なのか、両親に私の異常さを報告しなかったようで、何度授業を受けても両親から一度も魔力量の事を言われた事がない。
それとも、報告しているけど、問題ないと思われてるのか…どちらにしろ私から尋ねる事はないので不明なままである。
13歳を迎える頃には、私の魔法習熟度はかなり上達していた。
それと共にある事にも気付いていた。
私は人と”違う”魔法が使えることに。
もはや、魔法なのか? とすら思うけれど。
勿論、普通の魔法しか講師の前では披露していない。
普通なら魔力枯渇状態になってもおかしくないのに、魔法を連発しても疲れ知らずの身体。
どんなに連発しようとも、相変わらず身体から溢れる程の状態である。
異常とも思える魔力量…
魔法書や魔術書を読み漁っても載ってない私の魔法。
俺様つえー! ウェーイ! は、物語だから出来たのであって、やり直しの効かない現実では王妃を目指すつもりがないのなら、隠蔽するのが正解である。
魔法の上達に比例して、私のダンジョン潜りたい気持ちも上昇していった。
幼い頃から私の専属であった侍女のレイラと護衛騎士のリンクスに「お忍びでダンジョンに行きたいから協力して欲しい」とお願いしてみるも、決行に至る事は無かった。
2人は必死でしつこい私に嫌々ながらも首を縦に振ってくれたのだが、周囲の監視が凄すぎてムリだった。
異世界転生物語でお忍びでダンジョン行けるのって、アレは上位貴族令嬢ではないからだと思う。
上位でしかも公爵家の我が家は監視が多すぎてムリである。影まで付けているみたいだし、私の普通じゃない魔法でも使えば強引にいけそうだが、時間稼ぎが難しく他にいい案も浮かばない為に断念した。
そもそも、上位貴族の最上位だからといって、ここまで監視がキツイものなのだろうか…
以前のルナマリアなら疑問すら浮かばなかったであろうが、私は違う。
正直ウンザリしている。
両親が過保護だとしても上位貴族令嬢ってここまで守らないと常時誘拐や暗殺の危機でもあるのか? と不安しかないではないか。
かといって、お茶会でよく顔を合わせる知人令嬢に「上位貴族って影まで付けますの?」等と訊く訳にもいかないだろう。
どうしたものかと思案してるうちに、新たに同盟を結ぶ事になった国との同盟強化の為の婚約が持ち上がったのである。
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