出戻り王女の恋愛事情 人質ライフは意外と楽しい

七夜かなた

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第十章

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「……ん、ユリ、ウス」
「ジセル」

 二人で共に邸へ戻り、人目につかないようにこっそりとユリウスの部屋に向かった。
 部屋に辿り着くと、扉を閉めるのももどかしげに、互いの服を脱いだ。
 ひとつ脱いでは唇を重ね、数秒も離れていられないとでも言うように、服を脱ぎ合う。
 コルセットの紐も半ば引き千切るかのように、ユリウスが解く。
 一糸まとわぬ姿になると、ユリウスはジゼルの臀部を掴んで体を持ち上げそのまま寝台へと運んだ。
 
「ん…んん」

 寝台に下ろしたジゼルの脚を開くと、そこは既にしっとりと濡れていた。

「準備は出来ているようだね」

 ユリウスの陰茎も既に極限まで張り詰め、天を向いている。

「でも、もう少し解さないと、まだ辛いだろう」 
「……ん、あ、ユリウス…んん、ああ」

 ユリウスが開いた脚の間に手を伸ばし、両手で秘唇を開きざらついた舌でベロリとひと舐めした。
 ぬるりとした舌先が蜜口に挿し込まれると、ジゼルは快感に咽び泣いた。

「…ああ、だめ、そんな…」

 捩じ込まれた舌が、ジゼルの膣壁を撫で、同時に花芯を摘まれると、ジゼルの腰が大きく揺れた。

「や、いやあ」

 ブルリと体が大きく揺れて、蜜口から愛液が勢いよく噴き出した。
 
「上手にイッたな」
「あ、だめ…まだ…」

 イッたばかりのジゼルの蜜口に、ユリウスが陰茎の先端を擦り付けた。

「だめ? 君のここは物欲しそうに、俺のを咥え込もうとこんなにビクビク動いているぞ」
「そ、そんな…そんなこと…」

 卑猥な言い方に、ジゼルの全身がかあ~っと赤くなる。

「早く俺の形を覚えてほしい」

 ユリウスはそう言って、先端を秘唇に沿って撫で付け刺激する。
 
「あ、ああ…」

 羽で撫で付けられるように刺激され、ジゼルはもどかしさに身悶えする。
 ギリギリ際どいところで掠める程度に触れられ、イキそうでイケないジゼルは、涙目でユリウスに縋った。

「お願い。そんな…じらすような触れ方…やめて…」
「では、どうしてほしい? 君の望む通りにするよ」
「そんなこと…い、言えない」

 イヤイヤとジゼルは首を振る。
 本当は、お腹の奥が疼いて仕方がない。
 一度ユリウスを迎え入れた時の、あの恍惚とした感覚が忘れられない。
 ドミニコとの行為では苦痛でしかなかったものが、相手が違うだけでこんなにも体の反応が違う。
 心ひとつでこんなにも差があるとは、思わなかった。想いを伝え合った相手との触れ合いが、これほど切なく歓びに満ちたものだと、ジゼルは身を以て知った。

「君の望まないことはしたことがない。言ってくれなければわからない」

 ユリウスのものは、はちきれんばかりに肥大している。彼だって辛いはずなのに、ジゼルの言葉を待っている。
 
「ユリウスのが…ほ、ほしい。私の中に、ユリウスのを、ください」

 それがジゼルの精一杯だった。

「望みのままに」

 ひくつく蜜口に、圧力が加わった。
 ジゼルの太ももを掴むと、ゆっくりと腰を押し出しながら、ユリウスが熱く滾った肉棒でジゼルの中に分け入ってきた。

「……は、ああ」

 膣壁を押し広げながら進むユリウスの存在を、いやというほど感じる。
 
「ジゼル…君の中…温かくて…俺のもの絡め取って…今すぐ果てそうだ」
 
 ユリウスの額に、汗が浮かぶ。 
 戦闘では息を乱さなかった彼が、今は胸を大きく上下させている。

「全部入った。大丈夫か?」
「ええ…」

 自分の中で、ユリウスのものが脈打っているのがわかる。
 体の内と外で彼の温かさが伝わり、ジゼルは幸福感に包まれた。
 こんなにも、ひとつになることが特別だとは思わなかった。

「ユリウス…どんなことがあっても、私を離さないで…」
「言われなくても離さない…もう君以外いらない。俺の伴侶になるのは、君しかいない」 
 
 ギュッとジゼルを抱きしめると、彼女の中でユリウスがまた大きくなった。
 
 
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