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43 日々の成長③
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「は、な、なにを言って…」
いきなりの提案に今度はジュストが動揺している。
「目標。僕だって今はこんなだけど、いずれはこうなるんだって言うの、見せてよ」
「ば、馬鹿なこと言ってないで、ほら、ちゃんと洗え! お前の部屋に行って着換えを取ってくるから」
「ちぇ、わかりました」
まあここでゴネて迫っても仕方ないと引き下がった。
出ていくジュストの背中を見てから、座って腰から下が浸かるくらいに浴槽に溜めたお湯に入った。
「う~ん、僕もいよいよだなぁ」
別に前世で生まれ変わったら男になりたいとか思ったことはないけど、女として受け入れるのと、男として入れるのとは、やっぱり感覚からして違うんだろうか。
湯槽の中を覗き込んで、自分のものをちょっと弄ったりしているうちに、何だか変な気分になってきた。
彼氏のを触った時は、彼に言われるがまま、根元から先端に向かって扱いたりした。
あの時確か…
「ふう…あ…」
「ギャ、ギャレット」
お湯の温かさと自分の手の温もりが気持ちよくて、陶酔していると、いつの間にか戻ってきていたジュストが浴室の入り口で立ち尽くしていた。
「ひゃあ、わあ、い、いつから」
慌てて手を離して背中を向けた。ちょっと屹立した股間のものが瞬時に萎えていく。
「ごめん、一応声をかけたんだけど」
見られた方もだけど、目撃しただろうジュストも気まずそうに小声になる。
「そうだよな。そういう年頃だから、興味あるよな」
「う…」
自分の愚かさと迂闊さに情けなくなる。
「健康な証拠だから気にするな。でもあまり弄るといざというとき役に立たないこともあるそうだから、無闇にするものじゃない」
優しく諭すように言われる。
「俺も経験あるから、気にするな。男なら当然だ」
「う、うん…」
「ほら、拭いてあげるから出ておいで、長く浸かっているとふやけるよ」
「い、いい、自分でするから、兄上は外に出ていて!」
「そうか、じゃあ、ちゃんと拭くんだぞ」
浴槽の側にある棚にタオルと新しい下着、それから夜着一式を置くと、ジュストは汚れたものを洗濯物を放り込む籠に入れた。
「水を溢したことにしておくから」
なぜ着替えたのかもし尋ねられた時のために、ジュストは言い訳まで考えてくれた。
涙目になりながら浴槽から上がり、体を拭いて栓を抜いてお湯を流すと、俯いたままジュストの待つ寝室へ戻って行った。
「大丈夫か?」
上目遣いに覗うと、ジュストは寝台の上で、上半身を起こして本を読んでいた。
「まだ起きるのには早いから、眠れないなら横になるだけでもいいからおいで」
黙って頷いて寝台へとよじ登った。
「そんなに恥ずかしがらなくても、誰にも言わない。俺とギャレットの秘密だ」
「うん、わかってる。ありがとう」
ジュストが言いふらしたりからかったりしないことはわかっていた。その点は信用できる。ステファンなら向こう一年はネタにするところだ。
「さっきも言ったが、それは普通のことだから、気にするな」
俯いたままのギャレットの頭を撫でながら、ジュストは何度もそういった。
「兄上も…やったり…ていうか、もしかして、女の人と…」
六歳上のジュストは、今年十七歳。
この国の成人年齢も十七歳。今年ジュストは社交界に出る予定だ。
久しぶりに再会したジュストの、変に色気の漂う様子に、ふと、もしかしてもう経験済なのではないかという疑問が湧き上がった。
寝台の脇に置いた灯りの僅かな光に照らされたジュストの赤い瞳が揺らぐ。
それはギャレットの投げ掛けた質問に対する肯定の証だった。
いきなりの提案に今度はジュストが動揺している。
「目標。僕だって今はこんなだけど、いずれはこうなるんだって言うの、見せてよ」
「ば、馬鹿なこと言ってないで、ほら、ちゃんと洗え! お前の部屋に行って着換えを取ってくるから」
「ちぇ、わかりました」
まあここでゴネて迫っても仕方ないと引き下がった。
出ていくジュストの背中を見てから、座って腰から下が浸かるくらいに浴槽に溜めたお湯に入った。
「う~ん、僕もいよいよだなぁ」
別に前世で生まれ変わったら男になりたいとか思ったことはないけど、女として受け入れるのと、男として入れるのとは、やっぱり感覚からして違うんだろうか。
湯槽の中を覗き込んで、自分のものをちょっと弄ったりしているうちに、何だか変な気分になってきた。
彼氏のを触った時は、彼に言われるがまま、根元から先端に向かって扱いたりした。
あの時確か…
「ふう…あ…」
「ギャ、ギャレット」
お湯の温かさと自分の手の温もりが気持ちよくて、陶酔していると、いつの間にか戻ってきていたジュストが浴室の入り口で立ち尽くしていた。
「ひゃあ、わあ、い、いつから」
慌てて手を離して背中を向けた。ちょっと屹立した股間のものが瞬時に萎えていく。
「ごめん、一応声をかけたんだけど」
見られた方もだけど、目撃しただろうジュストも気まずそうに小声になる。
「そうだよな。そういう年頃だから、興味あるよな」
「う…」
自分の愚かさと迂闊さに情けなくなる。
「健康な証拠だから気にするな。でもあまり弄るといざというとき役に立たないこともあるそうだから、無闇にするものじゃない」
優しく諭すように言われる。
「俺も経験あるから、気にするな。男なら当然だ」
「う、うん…」
「ほら、拭いてあげるから出ておいで、長く浸かっているとふやけるよ」
「い、いい、自分でするから、兄上は外に出ていて!」
「そうか、じゃあ、ちゃんと拭くんだぞ」
浴槽の側にある棚にタオルと新しい下着、それから夜着一式を置くと、ジュストは汚れたものを洗濯物を放り込む籠に入れた。
「水を溢したことにしておくから」
なぜ着替えたのかもし尋ねられた時のために、ジュストは言い訳まで考えてくれた。
涙目になりながら浴槽から上がり、体を拭いて栓を抜いてお湯を流すと、俯いたままジュストの待つ寝室へ戻って行った。
「大丈夫か?」
上目遣いに覗うと、ジュストは寝台の上で、上半身を起こして本を読んでいた。
「まだ起きるのには早いから、眠れないなら横になるだけでもいいからおいで」
黙って頷いて寝台へとよじ登った。
「そんなに恥ずかしがらなくても、誰にも言わない。俺とギャレットの秘密だ」
「うん、わかってる。ありがとう」
ジュストが言いふらしたりからかったりしないことはわかっていた。その点は信用できる。ステファンなら向こう一年はネタにするところだ。
「さっきも言ったが、それは普通のことだから、気にするな」
俯いたままのギャレットの頭を撫でながら、ジュストは何度もそういった。
「兄上も…やったり…ていうか、もしかして、女の人と…」
六歳上のジュストは、今年十七歳。
この国の成人年齢も十七歳。今年ジュストは社交界に出る予定だ。
久しぶりに再会したジュストの、変に色気の漂う様子に、ふと、もしかしてもう経験済なのではないかという疑問が湧き上がった。
寝台の脇に置いた灯りの僅かな光に照らされたジュストの赤い瞳が揺らぐ。
それはギャレットの投げ掛けた質問に対する肯定の証だった。
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