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216 彼女の舞
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急いで王宮から戻ってみれば、モーリスもローリィも既にそこにはいなかった。
ウィリアムに報告をしろとは言ったが、慌てていたので二人に待つように言わなかったと思いあたりウォリスは自分で自分をなじった。
自分は馬車で、副団長は馬で登城していたので副団長が来客についての詳細を伝えたは詰所に辿り着いてからだった。
「ローリィ・ハインツと言うと、例の?それとモーリス・ドルグランが?」
団長の執務室に呼ばれドルグランが来る間に聞かされた内容を聞いてボイルはわくわくした。
「風変わりなメイドと伝説の男。会いたかったですね」
「まあ、また機会もあるさ。彼女はハレス卿の所にいるそうだから」
二人がそんな話をしていると、息子の方のドルグランがやってきた。
「失礼いたします」
扉の前で一礼してから一歩中に入り、副団長までいることに少し驚いた様子をみせる。
「気にするな。同じ会議に出ていたから一緒にいるだけだ」
トップ二人が居ることに怯んだドルグランに何でもないと団長が説明する。
「それで、なぜ二人がここに来ていた?」
単純に考えればウィリアムに会いに来たとも思えるが、それなら入り口の面会室で事足りる。
「実は……」
ウィリアムはなぜ父とローリィがここにやって来たのかを説明した。
「確かに……踊り子を探す目的は仕事の依頼がもっともではあるが、それならばその男にももう少し詳しく説明がされていてもおかしくないな」
「何でも疑ってかかるのは良くないが、用心はするべきだ。彼らは踊り子のクレアが何者か知らずに探しているのだな」
「男の様子から、あくまで探しているのは王宮の宴で『月下の花』の踊り子として踊ったクレアで、ローリィのことは気づいていないようでした」
「それで、その男に探している踊り子が見つかったと情報を流して様子を見るということだな」
「もし、踊り子の仕事を頼むだけなら、どうする?受けるのか?」
「内容によりますが、踊り子として正式には仕事を請け負っておらず、それで金銭を貰うのは気が引けると言っておりますので、恐らくは断るつもりでおります」
「少し残念な気がするな」
王宮の宴での彼女を見逃したウォリスとしては、競い舞で衣装が破れても最後まで踊りきり見事勝利した踊りを是非見てみたいと思った。
しかも、僅か数日で覚えて仕上げたと聞いている。一見の価値はあるだろう。
「ドルグランは彼女の踊りを見たことがあるのか」
「エドワルド公爵領の祭で、地元の娘たちと踊ったのを殿下とともに……なかなかの出来で他を圧勝しておりました」
それを聞いてますます興味が湧いたウォリスとボイルだった。
ウィリアムに報告をしろとは言ったが、慌てていたので二人に待つように言わなかったと思いあたりウォリスは自分で自分をなじった。
自分は馬車で、副団長は馬で登城していたので副団長が来客についての詳細を伝えたは詰所に辿り着いてからだった。
「ローリィ・ハインツと言うと、例の?それとモーリス・ドルグランが?」
団長の執務室に呼ばれドルグランが来る間に聞かされた内容を聞いてボイルはわくわくした。
「風変わりなメイドと伝説の男。会いたかったですね」
「まあ、また機会もあるさ。彼女はハレス卿の所にいるそうだから」
二人がそんな話をしていると、息子の方のドルグランがやってきた。
「失礼いたします」
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トップ二人が居ることに怯んだドルグランに何でもないと団長が説明する。
「それで、なぜ二人がここに来ていた?」
単純に考えればウィリアムに会いに来たとも思えるが、それなら入り口の面会室で事足りる。
「実は……」
ウィリアムはなぜ父とローリィがここにやって来たのかを説明した。
「確かに……踊り子を探す目的は仕事の依頼がもっともではあるが、それならばその男にももう少し詳しく説明がされていてもおかしくないな」
「何でも疑ってかかるのは良くないが、用心はするべきだ。彼らは踊り子のクレアが何者か知らずに探しているのだな」
「男の様子から、あくまで探しているのは王宮の宴で『月下の花』の踊り子として踊ったクレアで、ローリィのことは気づいていないようでした」
「それで、その男に探している踊り子が見つかったと情報を流して様子を見るということだな」
「もし、踊り子の仕事を頼むだけなら、どうする?受けるのか?」
「内容によりますが、踊り子として正式には仕事を請け負っておらず、それで金銭を貰うのは気が引けると言っておりますので、恐らくは断るつもりでおります」
「少し残念な気がするな」
王宮の宴での彼女を見逃したウォリスとしては、競い舞で衣装が破れても最後まで踊りきり見事勝利した踊りを是非見てみたいと思った。
しかも、僅か数日で覚えて仕上げたと聞いている。一見の価値はあるだろう。
「ドルグランは彼女の踊りを見たことがあるのか」
「エドワルド公爵領の祭で、地元の娘たちと踊ったのを殿下とともに……なかなかの出来で他を圧勝しておりました」
それを聞いてますます興味が湧いたウォリスとボイルだった。
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