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146 苦い薬
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「これをお飲みください」
アリアーデは、水に粉を混ぜたコップをキルヒライルに渡した。
ちらりと受け取ったコップの茶色く濁った中身を見て、顔をしかめる。
対して彼女はニコニコと微笑んでいる。
横にいるホーク医師は気の毒そうな顔で見つめる。
「不味そうだな……前に飲んだのもかなりきつかったぞ」
王族として毒の耐性をつけるため、密かに色々な薬を飲む。
それは殆どが決して美味と言えるものではなく、毒薬事態は無味無臭が多い中でわざとまずく作っているのではと思うときがある。
不満を言うと、彼女は涼しい顔をして答える。
「その分、効き目は抜群です。頑張ってお飲みになれば、ご褒美に後で甘いお菓子を差し上げます」
「一体私をいくつだと思っている」
「不味そうだと飲むのを渋っているのは何方ですか?」
「まったく、よりによってあなたが来るとはな……」
「幼馴染みの私だから、遠慮せず厳しく殿下を看護できると、陛下たちもお考えになられたのではないですか?」
「じゃじゃ馬が」
「そんなことを言っているともっと苦い薬を飲ませますよ」
彼女の名前はアリアーデ・オーウェン。今は結婚しているからオーウェンではないが、伯爵家の次女であり、宰相やハレス子爵と共に兄と同じ歳の彼女は、昔から姉と慕う間柄で、今は数少ない女性医師の一人として医師団に所属している。
女性が爵位を継げない中にあって、教養のある貴族の子女は王宮で女官などの職に就く者も多い。特に医療関係は男が圧倒的に多いと言えど、王妃や王女などを診るために女性の需要はそれなりにある。
その中でも彼女は特に優秀で、女性ながらに王宮医師団の次席補佐を勤めている。
「まあ、私は治療よりもどちらかと言えば研究する方が得意だから、怪しい薬を盛られた殿下の担当としては適任と言えるかもしれないわね。それに、私は殆ど身内みたいなものだし、秘密を知る人間は少ない方がいいもの」
言いながら、目でさあ、早く飲めと訴える。
もう一度睨んでから鼻をつまんで一気に飲み干した。
「うぐ」
吐き出さないように口許を押さえながら空になったコップをアリアーデに突きだす。
すっかり飲み干したのを確認して彼女は満足して微笑む。
「殺人的な味だ……」
舌が痺れるような苦さに身悶える。これが毒だと言われても信用してしまうだろう。
何とか飲み込んで耐えていると、驚愕の言葉が彼女から発せられた。
「これをあと三日、朝晩飲んでもらうから」
露骨に嫌そうな顔をすると、直ぐ様彼女は「冗談よ」と言った。
「三日は冗談だけど、もう少し様子を見て、後何回かは飲んでもらう必要があるわ」
「鬼だ………」
「女神の間違いでしょ」
「あなたを女神と呼ぶのはあなたの伴侶くらいだ」
「あら、女性と子どもにも優しいわよ」
「私はどちらも当てはまらない」
「………そういえばそうね」
「お嬢さんにかかると、殿下もまだまだ子どもですね」
黙ってやり取りを聞いていたホーク医師が面白そうに二人に声をかける。
かつて彼女はホーク医師の弟子として働いていた。それ故気心も知れている仲だった。
「それで、あの薬を飲んだ時のことを聞かせてもらえる?」
アリアーデは改めて殿下に向き直って訊ねる。
「殿下も思いきったことをされるわね、いくら事前に効果を和らげる薬を飲んでいたとは言え、わざと敵が用意した薬を飲まれるなんて」
「こちらが向こうの策略に嵌まったと思わせれば、向こうも油断するだろう」
薬を飲んだことについては目が覚めた際にホーク医師から聞いていた。
さらにその薬がどういったもので、どのようにもたらされたかは夜のうちに密かに訪れた暗部の者が伝えてくれたので、既に欠けた記憶の一部は埋められている。
何でもないことのように言ってのけるが、体を張った賭けであったことは事実だ。
「ずっと、頭の中に霧が立ち込めているような……記憶は物語をバラバラに繋ぎ合わせたようで、今も抜け落ちている。それに、覚えている過去の体験もその当時より更に強烈な悪夢となって襲ってきた」
「例えば?」
「この傷だ。この傷を負ったのはグスタフとの争いの最中だったが、当時よりずっと恐ろしい体験に感じた」
彼は右頬の傷を指差す。
「他にはどんな記憶が?」
「……母上を亡くした時、私はまだ小さく、死というものがどんなものかよくわかっていなかった。だが、悲しむ父上や兄上を見て、何か大変なことが母上に起こったことはわかった。恥ずかしいが、夜中によく泣いていた。あの時の心細さが、今になって甦ってきた」
「過去の嫌な体験がかなり大きな負担になって精神を追い詰めるのかしら……他にはどんなことが?」
「……うまく言えないが、恐らく記憶が抜け落ちている部分に関係があるのだろう。母上が亡くなった時や頬の傷を負った時のようにはっきり情景が浮かんでこないが、悲しみ苦しみ、そういった感情だけが浮き彫りになる。楽しかったこともあるはずなのに、辛い思いだけが残っている」
「記憶はどの程度戻っているのですか?」
「マイン国から王都に戻ってくる道中のことが思い出せないのに、王都での宴や王都の公爵邸に戻った頃のことは思い出した。だが、ここに来たことは……ネヴィルの落馬や収穫祭の準備をしていたことは思い出したが、収穫祭はいつの間にか終わっていた。」
「それで、どうして書斎に?」
ホーク医師の問いに殿下は複雑な顔をした。
「わからない……いや……気になることがあったことを思い出した」
「何をお調べするつもりだったのですか?」
今度はアリアーデが訊ねる。
「……何が気になったのかを思い出せなくて、書斎に着くと、何故か王都にいる筈のメイドがいて……」
「ああ、あのストロベリーブロンドの彼女ね……彼女がローリィさんでしょ。噂は聞いているわ」
「噂?我が家のメイドのどんな噂を知っているのだ?何故、アリアーデが彼女を知っているんだ。以前から知っていたのか?」
この人は誰だ、とマーサに訊ねた時のことを思い出した。
あの時は本当に記憶が混乱して、彼女が誰かわからなかった。
だが、一晩経ってゆっくりと記憶が甦り、彼女が我が家のメイドだと思い出した。
寝室から抜け出し、途中、頭痛と眩暈に襲われながら書斎にたどり着き、側に行こうと歩きだし、またもや頭痛と眩暈に襲われ、今度は完全にぐらついた。
倒れかけた私を彼女が受け止めてくれた。女性なのにしっかりと支えてくれた。ガンガンと脈打つような頭痛を感じながら唇が彼女の首筋に触れているのがわかり、慌てて起き上がった。彼女は怒るでもなく、ただ心配そうに自分を見つめていた。
アリアーデは、水に粉を混ぜたコップをキルヒライルに渡した。
ちらりと受け取ったコップの茶色く濁った中身を見て、顔をしかめる。
対して彼女はニコニコと微笑んでいる。
横にいるホーク医師は気の毒そうな顔で見つめる。
「不味そうだな……前に飲んだのもかなりきつかったぞ」
王族として毒の耐性をつけるため、密かに色々な薬を飲む。
それは殆どが決して美味と言えるものではなく、毒薬事態は無味無臭が多い中でわざとまずく作っているのではと思うときがある。
不満を言うと、彼女は涼しい顔をして答える。
「その分、効き目は抜群です。頑張ってお飲みになれば、ご褒美に後で甘いお菓子を差し上げます」
「一体私をいくつだと思っている」
「不味そうだと飲むのを渋っているのは何方ですか?」
「まったく、よりによってあなたが来るとはな……」
「幼馴染みの私だから、遠慮せず厳しく殿下を看護できると、陛下たちもお考えになられたのではないですか?」
「じゃじゃ馬が」
「そんなことを言っているともっと苦い薬を飲ませますよ」
彼女の名前はアリアーデ・オーウェン。今は結婚しているからオーウェンではないが、伯爵家の次女であり、宰相やハレス子爵と共に兄と同じ歳の彼女は、昔から姉と慕う間柄で、今は数少ない女性医師の一人として医師団に所属している。
女性が爵位を継げない中にあって、教養のある貴族の子女は王宮で女官などの職に就く者も多い。特に医療関係は男が圧倒的に多いと言えど、王妃や王女などを診るために女性の需要はそれなりにある。
その中でも彼女は特に優秀で、女性ながらに王宮医師団の次席補佐を勤めている。
「まあ、私は治療よりもどちらかと言えば研究する方が得意だから、怪しい薬を盛られた殿下の担当としては適任と言えるかもしれないわね。それに、私は殆ど身内みたいなものだし、秘密を知る人間は少ない方がいいもの」
言いながら、目でさあ、早く飲めと訴える。
もう一度睨んでから鼻をつまんで一気に飲み干した。
「うぐ」
吐き出さないように口許を押さえながら空になったコップをアリアーデに突きだす。
すっかり飲み干したのを確認して彼女は満足して微笑む。
「殺人的な味だ……」
舌が痺れるような苦さに身悶える。これが毒だと言われても信用してしまうだろう。
何とか飲み込んで耐えていると、驚愕の言葉が彼女から発せられた。
「これをあと三日、朝晩飲んでもらうから」
露骨に嫌そうな顔をすると、直ぐ様彼女は「冗談よ」と言った。
「三日は冗談だけど、もう少し様子を見て、後何回かは飲んでもらう必要があるわ」
「鬼だ………」
「女神の間違いでしょ」
「あなたを女神と呼ぶのはあなたの伴侶くらいだ」
「あら、女性と子どもにも優しいわよ」
「私はどちらも当てはまらない」
「………そういえばそうね」
「お嬢さんにかかると、殿下もまだまだ子どもですね」
黙ってやり取りを聞いていたホーク医師が面白そうに二人に声をかける。
かつて彼女はホーク医師の弟子として働いていた。それ故気心も知れている仲だった。
「それで、あの薬を飲んだ時のことを聞かせてもらえる?」
アリアーデは改めて殿下に向き直って訊ねる。
「殿下も思いきったことをされるわね、いくら事前に効果を和らげる薬を飲んでいたとは言え、わざと敵が用意した薬を飲まれるなんて」
「こちらが向こうの策略に嵌まったと思わせれば、向こうも油断するだろう」
薬を飲んだことについては目が覚めた際にホーク医師から聞いていた。
さらにその薬がどういったもので、どのようにもたらされたかは夜のうちに密かに訪れた暗部の者が伝えてくれたので、既に欠けた記憶の一部は埋められている。
何でもないことのように言ってのけるが、体を張った賭けであったことは事実だ。
「ずっと、頭の中に霧が立ち込めているような……記憶は物語をバラバラに繋ぎ合わせたようで、今も抜け落ちている。それに、覚えている過去の体験もその当時より更に強烈な悪夢となって襲ってきた」
「例えば?」
「この傷だ。この傷を負ったのはグスタフとの争いの最中だったが、当時よりずっと恐ろしい体験に感じた」
彼は右頬の傷を指差す。
「他にはどんな記憶が?」
「……母上を亡くした時、私はまだ小さく、死というものがどんなものかよくわかっていなかった。だが、悲しむ父上や兄上を見て、何か大変なことが母上に起こったことはわかった。恥ずかしいが、夜中によく泣いていた。あの時の心細さが、今になって甦ってきた」
「過去の嫌な体験がかなり大きな負担になって精神を追い詰めるのかしら……他にはどんなことが?」
「……うまく言えないが、恐らく記憶が抜け落ちている部分に関係があるのだろう。母上が亡くなった時や頬の傷を負った時のようにはっきり情景が浮かんでこないが、悲しみ苦しみ、そういった感情だけが浮き彫りになる。楽しかったこともあるはずなのに、辛い思いだけが残っている」
「記憶はどの程度戻っているのですか?」
「マイン国から王都に戻ってくる道中のことが思い出せないのに、王都での宴や王都の公爵邸に戻った頃のことは思い出した。だが、ここに来たことは……ネヴィルの落馬や収穫祭の準備をしていたことは思い出したが、収穫祭はいつの間にか終わっていた。」
「それで、どうして書斎に?」
ホーク医師の問いに殿下は複雑な顔をした。
「わからない……いや……気になることがあったことを思い出した」
「何をお調べするつもりだったのですか?」
今度はアリアーデが訊ねる。
「……何が気になったのかを思い出せなくて、書斎に着くと、何故か王都にいる筈のメイドがいて……」
「ああ、あのストロベリーブロンドの彼女ね……彼女がローリィさんでしょ。噂は聞いているわ」
「噂?我が家のメイドのどんな噂を知っているのだ?何故、アリアーデが彼女を知っているんだ。以前から知っていたのか?」
この人は誰だ、とマーサに訊ねた時のことを思い出した。
あの時は本当に記憶が混乱して、彼女が誰かわからなかった。
だが、一晩経ってゆっくりと記憶が甦り、彼女が我が家のメイドだと思い出した。
寝室から抜け出し、途中、頭痛と眩暈に襲われながら書斎にたどり着き、側に行こうと歩きだし、またもや頭痛と眩暈に襲われ、今度は完全にぐらついた。
倒れかけた私を彼女が受け止めてくれた。女性なのにしっかりと支えてくれた。ガンガンと脈打つような頭痛を感じながら唇が彼女の首筋に触れているのがわかり、慌てて起き上がった。彼女は怒るでもなく、ただ心配そうに自分を見つめていた。
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