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124 宴の始まり
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チャールズさんが殿下のために椅子を引き、テーブルと椅子の間に立つと、殿下は皆に向き直った。
「皆さん、お集まりいただきありがとうございます。今年の葡萄の収穫も無事に終わり、今年もいい葡萄が採れました。昨日のパレードについては残念でしたが、怪我人もなく何よりでした。今日は皆さんへの感謝を込めて宴席を設けましたので、心行くまで楽しんでください」
殿下が口上を述べる間に私たち使用人で各々のグラスに乾杯用のワインを注ぐ。
殿下たちのテーブルはチャールズさんとジャックさんたち男性陣の担当だ。
ワインが注がれたグラスを持ち上げ、殿下は皆に飲み物が行き渡るのを確認する。
厨房から最初の料理を持った使用人が乾杯が終わるのを待機している。
「それでは、皆のこれからを祝し、来年の豊作を祈り乾杯」
「「「「「乾杯」」」」」
一斉に皆がグラスを傾け、ワインを口にする。
「それでは暫くの間、ワインと料理を楽しんでください」
殿下が着席するのを見て、皆が次々と座っていく。
着席と同時に楽団の演奏が再び始まった。
使用人たちがすかさず最初の料理を皆のテーブルに並べていく。
周りの丸テーブルにも、次々と料理が置かれていくと、脇に控えていた人たちがわっと料理とワインに群がった。
私たちは厨房を行ったりきたりし、給仕に追われる。
あらかじめ仕込みを終えていたとはいえ、厨房もかなりの戦場となっている。
コース料理の一番の難関はタイミングよく同時に料理を提供することだ。
誰かのところに来たのに、誰かのところにはまだ料理が来ていないということはあり得ない。また、皿を空にするタイミングも人によって違う。
チャールズさんとジャックさんがタッグを組み、絶妙のタイミングで一皿目の前菜の皿が下げられ、スープが入った皿が運ばれていく。
私は経験も浅いためコース料理の給仕は外され、もっぱら立食の方の担当だ。
「あの、あなた、ローリィさんですか?」
不意に声をかけられ目の前に立つ人に意識を向けると、そこには顎髭の男性が立っていた。
「……?はい、そうですが……」
初めて見る人なのに、彼が私の名前を知っているので少し警戒して答える。これほどの人がいる前だ。おかしなことはしないだろうけど。
「俺はガルンと言います。昨日、あなたに助けられたマリエッタの父親です」
私が警戒したのを察して慌てて彼は自己紹介してくれた。
「ああ、あの子の…」
マリエッタちゃんの顔を思いだし、一気に体の力を抜いてガルンさんに微笑んだ。
「改めてお礼を言わせてください。あなたのお陰で娘を失わずに済みました。結婚して八年、ようやく授かった子なのです。お怪我は大丈夫でしたか?」
マリエッタちゃんの年齢にしては父親が少し老けているかなぁと思っていたが、そんな事情があれば尚更大切だろう。
「私は……ただ夢中で、役に立てて良かったです。はい、こうやって仕事ができるくらいなので大丈夫です」
私はガッツポーズをして元気なことを彼に証明して見せた。
「それをきいて安心しました。今度、よかったら我が家に遊びに来てください。お礼にささやかだがごちそうでも」
「いえ、そんな……お気持ちだけで……お礼なんて、マリエッタちゃんの元気な笑顔が見られただけで十分です。私にごちそうしていただく分、お子さんにおいしいものを食べさせてあげてください」
「お優しいんですね。実は、殿下や顔役の方からも見舞だと言ってお金をいただきまして……あまりのことに恐縮の限りです」
「そうなんですか……」
お金のことは初めて聞いたので驚いた。貴族社会ではそこまでする人は少ない。王族や貴族のすることはあるところでは治外封建みたいなところがある。まして昨日の事故など直接的に殿下の責任ではないのだから、無視を決め込んでも誰も文句は言わないだろう。馬車で轢いたってお前が悪いと轢かれた人に文句を言って終わりの貴族もいるのだから。
「俺たちもはじめは断りましたが、これは子どもたちのためだ。今日の事故で感じた恐怖を忘れるような楽しい思いをさせてやって欲しいと言われ、親たちは断れませんでした」
トラウマ対処というわけだ。私も詳しいわけではないが、昨日の事故で怖い思いをしたけど、これを買ってもらったとか、別の楽しい思い出があれば、子どもたちの心に残る傷も少ないだろう。
「初めは殿下が申し出されたことなのですが、顔役の皆さんもとおっしゃって………本当にここの領民でよかったと思います」
ガルンさんの言葉に心を打たれた。
やっぱり殿下はすごい。
「わたしも、こちらで働けて良かったです」
私の言葉にガルンさんも頷く。
「マリエッタも後から来ます。殿下たちからいただいたお金で今日ここに来るためのドレスを新調しに妻と行っているのです。フリルのたくさんついたお人形さんのようなドレスを。ずっと欲しがっていたのですが、日々の衣装とは違い贅沢品ですからね。諦めさせていたのですが、買ってやると言ったら飛び上がって喜んでいました」
その時の娘を思い浮かべて彼は心の底から幸せそうだった。
「娘のドレスを買ってまだ余裕がありそうなら妻にもドレスを買うように言いましたので、どれくらい時間がかかるやら、宴が終わらないうちに来ればいいのですが……」
言い方とは異なり彼からは少しも苛立った様子がない。本当に心から溢れる幸福感に私まで笑顔になる。
「お仕事なのに長々とお話ししてすいません、娘たちが来ましたらまたご挨拶に伺います」
「ご丁寧にありがとうございます。ですが、私のことは気になさらないでください。昨日もマリエッタちゃんからちゃんとお礼を言っていただきましたし」
これ以上は逆に恐縮してしまうのでと、答えるとガルンさんはとても残念そうだった。
「あ、でもお人形さんのようなドレスを着たマリエッタちゃんは見たいので、是非連れてきてください」
そう言うとガルンさんは満面の笑みで是非、と言って仲間の所へ戻っていった。
ガルンさんと話をしているうちにコースの方はスープが終わり、次の料理が運ばれていた。
気がつけば丸テーブルに置かれた汚れた皿が増えてきたので、それらを運んで厨房へ行った。
厨房は変わらず忙しそうで、次の料理が出来上がるのを待っている給仕の青年たちが話をしているのが耳に入った。
「おれ、まじであのテーブルの給仕は勘弁……デリヒさんとこのお嬢さん、アネットさんと他の令嬢たちの雰囲気の悪いこと……こっちが少しでも皿を出したり引いたりするときに物音をたてようもんなら、恐ろしい形相で睨み付けてくるんだぜ………空気悪いったらないぜ」
「俺もにらまれた。っていうか、周りの人も気の毒だ。あれじゃあせっかくの料理も台無しだ」
「殿下が誰かと話しているところへ、何かにつけてアネット嬢が割り込んでくるもんだから、大変だよ」
そこへジャックさんが現れた。
「こら、お前たち、こんなところでいつまでもしゃべっていないで、さっさと仕事をしろ!」
「ジャックさん、すいません」
二人はでき上がった料理を持って厨房をあとにした。
ジャックさんは彼らが出ていく後ろ姿を見送ると、次に私の方に振り向いた。
「元気にしていましたか?……怪我をしたと聞いたので、元気に、とはおかしな聞き方でしたね」
怪我のことなどを聞いているのだろう。
「警護のこと、今は外されているのでしたね。ずっとメイドだけで辛いなら、私から殿下に申し上げましょうか?」
私がクリスさんたちと同じように雇われたことを知るジャックさんが、気遣って訊いてくる。
私は黙って首を横に降った。
「メイドとして中途半端で警護もしていない私は、いつ首になっても仕方ないですが、どんな形であれ、殿下に仕えられるなら今は側にいたいと思います。すいません」
「謝らなくても………もともと女性には荷が重すぎたのです。それにしても、殿下のご様子が少し以前と違っているのですが、何か心当たりはありませんか?」
「違う……とは?」
洗い上がった皿を拭き、重ねながらジャックさんの話を聞く。
「お食事をしたり、テーブルのお客様と話をされたりしていらっしゃったかと思ったら何かを考えていたり、時折、それは優しげに微笑まれるのです。お陰でその時に微笑みを向けられた方がすっかり戸惑われて、それが女性となると、既婚者の方でも頬を赤らめて……」
「………?優しげな微笑み?」
「そうです。それに何か周りが気になられるのか、お料理を下げる際などに周囲を見渡されたり……」
「あの、私はそれほどこういった場での殿下を存じ上げませんので、何とも……」
殿下の変化について語れるほど普段の殿下がどんな風かわからないと言うと、ジャックさんがそうですね、すいませんと言うが、次にジャックさんが言った言葉に思わず持っていた皿を落としそうになった。
「どなたか意中の方でもお出来になられたのでしょうか」
「皆さん、お集まりいただきありがとうございます。今年の葡萄の収穫も無事に終わり、今年もいい葡萄が採れました。昨日のパレードについては残念でしたが、怪我人もなく何よりでした。今日は皆さんへの感謝を込めて宴席を設けましたので、心行くまで楽しんでください」
殿下が口上を述べる間に私たち使用人で各々のグラスに乾杯用のワインを注ぐ。
殿下たちのテーブルはチャールズさんとジャックさんたち男性陣の担当だ。
ワインが注がれたグラスを持ち上げ、殿下は皆に飲み物が行き渡るのを確認する。
厨房から最初の料理を持った使用人が乾杯が終わるのを待機している。
「それでは、皆のこれからを祝し、来年の豊作を祈り乾杯」
「「「「「乾杯」」」」」
一斉に皆がグラスを傾け、ワインを口にする。
「それでは暫くの間、ワインと料理を楽しんでください」
殿下が着席するのを見て、皆が次々と座っていく。
着席と同時に楽団の演奏が再び始まった。
使用人たちがすかさず最初の料理を皆のテーブルに並べていく。
周りの丸テーブルにも、次々と料理が置かれていくと、脇に控えていた人たちがわっと料理とワインに群がった。
私たちは厨房を行ったりきたりし、給仕に追われる。
あらかじめ仕込みを終えていたとはいえ、厨房もかなりの戦場となっている。
コース料理の一番の難関はタイミングよく同時に料理を提供することだ。
誰かのところに来たのに、誰かのところにはまだ料理が来ていないということはあり得ない。また、皿を空にするタイミングも人によって違う。
チャールズさんとジャックさんがタッグを組み、絶妙のタイミングで一皿目の前菜の皿が下げられ、スープが入った皿が運ばれていく。
私は経験も浅いためコース料理の給仕は外され、もっぱら立食の方の担当だ。
「あの、あなた、ローリィさんですか?」
不意に声をかけられ目の前に立つ人に意識を向けると、そこには顎髭の男性が立っていた。
「……?はい、そうですが……」
初めて見る人なのに、彼が私の名前を知っているので少し警戒して答える。これほどの人がいる前だ。おかしなことはしないだろうけど。
「俺はガルンと言います。昨日、あなたに助けられたマリエッタの父親です」
私が警戒したのを察して慌てて彼は自己紹介してくれた。
「ああ、あの子の…」
マリエッタちゃんの顔を思いだし、一気に体の力を抜いてガルンさんに微笑んだ。
「改めてお礼を言わせてください。あなたのお陰で娘を失わずに済みました。結婚して八年、ようやく授かった子なのです。お怪我は大丈夫でしたか?」
マリエッタちゃんの年齢にしては父親が少し老けているかなぁと思っていたが、そんな事情があれば尚更大切だろう。
「私は……ただ夢中で、役に立てて良かったです。はい、こうやって仕事ができるくらいなので大丈夫です」
私はガッツポーズをして元気なことを彼に証明して見せた。
「それをきいて安心しました。今度、よかったら我が家に遊びに来てください。お礼にささやかだがごちそうでも」
「いえ、そんな……お気持ちだけで……お礼なんて、マリエッタちゃんの元気な笑顔が見られただけで十分です。私にごちそうしていただく分、お子さんにおいしいものを食べさせてあげてください」
「お優しいんですね。実は、殿下や顔役の方からも見舞だと言ってお金をいただきまして……あまりのことに恐縮の限りです」
「そうなんですか……」
お金のことは初めて聞いたので驚いた。貴族社会ではそこまでする人は少ない。王族や貴族のすることはあるところでは治外封建みたいなところがある。まして昨日の事故など直接的に殿下の責任ではないのだから、無視を決め込んでも誰も文句は言わないだろう。馬車で轢いたってお前が悪いと轢かれた人に文句を言って終わりの貴族もいるのだから。
「俺たちもはじめは断りましたが、これは子どもたちのためだ。今日の事故で感じた恐怖を忘れるような楽しい思いをさせてやって欲しいと言われ、親たちは断れませんでした」
トラウマ対処というわけだ。私も詳しいわけではないが、昨日の事故で怖い思いをしたけど、これを買ってもらったとか、別の楽しい思い出があれば、子どもたちの心に残る傷も少ないだろう。
「初めは殿下が申し出されたことなのですが、顔役の皆さんもとおっしゃって………本当にここの領民でよかったと思います」
ガルンさんの言葉に心を打たれた。
やっぱり殿下はすごい。
「わたしも、こちらで働けて良かったです」
私の言葉にガルンさんも頷く。
「マリエッタも後から来ます。殿下たちからいただいたお金で今日ここに来るためのドレスを新調しに妻と行っているのです。フリルのたくさんついたお人形さんのようなドレスを。ずっと欲しがっていたのですが、日々の衣装とは違い贅沢品ですからね。諦めさせていたのですが、買ってやると言ったら飛び上がって喜んでいました」
その時の娘を思い浮かべて彼は心の底から幸せそうだった。
「娘のドレスを買ってまだ余裕がありそうなら妻にもドレスを買うように言いましたので、どれくらい時間がかかるやら、宴が終わらないうちに来ればいいのですが……」
言い方とは異なり彼からは少しも苛立った様子がない。本当に心から溢れる幸福感に私まで笑顔になる。
「お仕事なのに長々とお話ししてすいません、娘たちが来ましたらまたご挨拶に伺います」
「ご丁寧にありがとうございます。ですが、私のことは気になさらないでください。昨日もマリエッタちゃんからちゃんとお礼を言っていただきましたし」
これ以上は逆に恐縮してしまうのでと、答えるとガルンさんはとても残念そうだった。
「あ、でもお人形さんのようなドレスを着たマリエッタちゃんは見たいので、是非連れてきてください」
そう言うとガルンさんは満面の笑みで是非、と言って仲間の所へ戻っていった。
ガルンさんと話をしているうちにコースの方はスープが終わり、次の料理が運ばれていた。
気がつけば丸テーブルに置かれた汚れた皿が増えてきたので、それらを運んで厨房へ行った。
厨房は変わらず忙しそうで、次の料理が出来上がるのを待っている給仕の青年たちが話をしているのが耳に入った。
「おれ、まじであのテーブルの給仕は勘弁……デリヒさんとこのお嬢さん、アネットさんと他の令嬢たちの雰囲気の悪いこと……こっちが少しでも皿を出したり引いたりするときに物音をたてようもんなら、恐ろしい形相で睨み付けてくるんだぜ………空気悪いったらないぜ」
「俺もにらまれた。っていうか、周りの人も気の毒だ。あれじゃあせっかくの料理も台無しだ」
「殿下が誰かと話しているところへ、何かにつけてアネット嬢が割り込んでくるもんだから、大変だよ」
そこへジャックさんが現れた。
「こら、お前たち、こんなところでいつまでもしゃべっていないで、さっさと仕事をしろ!」
「ジャックさん、すいません」
二人はでき上がった料理を持って厨房をあとにした。
ジャックさんは彼らが出ていく後ろ姿を見送ると、次に私の方に振り向いた。
「元気にしていましたか?……怪我をしたと聞いたので、元気に、とはおかしな聞き方でしたね」
怪我のことなどを聞いているのだろう。
「警護のこと、今は外されているのでしたね。ずっとメイドだけで辛いなら、私から殿下に申し上げましょうか?」
私がクリスさんたちと同じように雇われたことを知るジャックさんが、気遣って訊いてくる。
私は黙って首を横に降った。
「メイドとして中途半端で警護もしていない私は、いつ首になっても仕方ないですが、どんな形であれ、殿下に仕えられるなら今は側にいたいと思います。すいません」
「謝らなくても………もともと女性には荷が重すぎたのです。それにしても、殿下のご様子が少し以前と違っているのですが、何か心当たりはありませんか?」
「違う……とは?」
洗い上がった皿を拭き、重ねながらジャックさんの話を聞く。
「お食事をしたり、テーブルのお客様と話をされたりしていらっしゃったかと思ったら何かを考えていたり、時折、それは優しげに微笑まれるのです。お陰でその時に微笑みを向けられた方がすっかり戸惑われて、それが女性となると、既婚者の方でも頬を赤らめて……」
「………?優しげな微笑み?」
「そうです。それに何か周りが気になられるのか、お料理を下げる際などに周囲を見渡されたり……」
「あの、私はそれほどこういった場での殿下を存じ上げませんので、何とも……」
殿下の変化について語れるほど普段の殿下がどんな風かわからないと言うと、ジャックさんがそうですね、すいませんと言うが、次にジャックさんが言った言葉に思わず持っていた皿を落としそうになった。
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