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新婚旅行編
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ゆったりとした服に着替えると部屋に戻りそこで夕食をとった。
よく煮込んだ兎肉のシチューと鹿肉のパイとマッシュポテト、デザートはバターと蜂蜜たっぷりの焼きリンゴだった。
「片付けは朝でいい」
食事が終わると、アレスティスは温めたワインにスパイスと柑橘系の果物を効かせたホットワインを呑みながらそう言って、早々に二人きりになった。
「メリルリース、灯りを落としても大丈夫か?」
「ええ」
皆が引き上げると、アレスティスは立ち上がり、灯りのいくつかを消していく。
残した灯りも最低限手元がわかる程度に離す。
部屋がある程度暗くなるとアレスティスが右目の眼帯を外した。
「おいで、メリルリース」
「この目を見るのは久しぶりね」
「旅の間は何があるかわからなかったからな」
アレスティスが右目の眼帯を外す時は滅多にない。
その殆どがメリルリースの前だけだった。
息子のテオドールもまだ彼の眼帯を外したところを見たことがない。
父親の顔はこういうものだと思っている節がある。その内、他の人は眼帯を付けていないことに気付き、なぜ自分の父は眼帯をしているのかと色々訊いてくるだろう。
ランギルスの森での魔獣討伐のことなど、まだテオドールには難しい。
「この旅行から帰ったら、テオにこの目を見せようと思うが、まだ早いだろうか」
メリルリースが好きなアレスティスの金色の瞳を、息子に恐がられないか密かに不安に思っていることをメリルリースも知っていた。
「私たちの息子は、案外肝が座っているわ。もし最初に恐がったとしても、父親が嫌いなわけではないもの。すぐに慣れるわ」
「君の生んだ子なら、母親の豪胆さを引き継いでいるだろうな」
アレスティスが何を言いたいのかわかり、メリルリースはふふっと笑った。
「私がいつも大胆になるのはあなたのことでよ」
「なら、その大胆なところを見せてもらおうか」
ワインの入った杯を置き、アレスティスがメリルリースの体を抱き上げた。
「アレスティス…………」
メリルリースも同意したのか、体の力を抜いて彼に身を委ねた。
互いにさっきの風呂場での行為で満足できなかった体の疼きがまたぶり返す。
「今度こそ……ちょうだいね」
甘い吐息とともにメリルリースが呟くと、アレスティスの下半身に一気に熱が集まった。
「何度でも……」
しっかりした足取りでアレスティスはメリルリースを抱き抱えたまま寝室へと向かった。
寝室は既に暖房が入れられていて暖かい。
暖炉でちろちろと炎がゆらめき、灯りはそれだけだが、アレスティスの足取りはしっかりとしている。
寝台の上にメリルリースをおろし、身を屈めてメリルリースの唇を優しく食む。
メリルリースの頭の後ろに手を回したアレスティスの手が髪をほどく。
口づけが深まるにつれアレスティスが力を加え、メリルリースの体は後ろに傾いて枕の上に彼女の髪が広がった。
彼女が喉を鳴らし、膝を立てるとゆったりとしたワンピースの裾が太ももの上までめくれ上がり、白い足が顕になった。
その裾からアレスティスが手を差し込み、一気に胸元まで引き上げた。
一度唇を離して頭からメリルリースの着ていた布地を脱がすと、パンティだけになったメリルリースが、潤んだ瞳でアレスティスを見上げた。
互いに見つめあいながら、メリルリースに膝立ちに股がったアレスティスが上着を脱ぎ捨てる。
寝台の左側にある暖炉からの僅かな炎が、アレスティスの左半分を照らし、陰影をつくる。
鍛えた胸板が軽く上下し、引き締まったお腹から既に盛り上がった下腹部の方へメリルリースが視線を走らせた。
メリルリースが注視している中、一気に下も脱ぎ捨てる。
力強く立ち上がった陰茎が、暖炉の炎を受けてメリルリースの体に長い影を落とした。
その視線を感じながら、アレスティスが再び唇を重ねてきて、その両手がメリルリースの乳房を包み込んだ。
息子に授乳していたせいで、弱冠色が濃くなり、乳輪が大きくなったとメリルリースは気にしているが、それがさらにアレスティスの情欲を誘った。
自分の血を分けた子を愛しい女性がその身の内で育み、そしてその乳房から命の糧でもある母乳を作り出した結果の変化だった。
それをアレスティスが厭うわけがない。
少女から女性へ、そして母へと成熟していく彼女の体の変化を一番近くで見てきたのはアレスティスだ。
唇から次第に下におりていった唇が、胸の谷間に吸い付き、そこに印をつける。
長い舌が乳房を舐め回し、その頂きを咥え吸い上げた。
「あ……ああ……」
唾液で濡れぴんと勃った乳首から口を離すと、再び唇を重ね、左手の指が下着の上から既に濡れている股間を押し潰した。
よく煮込んだ兎肉のシチューと鹿肉のパイとマッシュポテト、デザートはバターと蜂蜜たっぷりの焼きリンゴだった。
「片付けは朝でいい」
食事が終わると、アレスティスは温めたワインにスパイスと柑橘系の果物を効かせたホットワインを呑みながらそう言って、早々に二人きりになった。
「メリルリース、灯りを落としても大丈夫か?」
「ええ」
皆が引き上げると、アレスティスは立ち上がり、灯りのいくつかを消していく。
残した灯りも最低限手元がわかる程度に離す。
部屋がある程度暗くなるとアレスティスが右目の眼帯を外した。
「おいで、メリルリース」
「この目を見るのは久しぶりね」
「旅の間は何があるかわからなかったからな」
アレスティスが右目の眼帯を外す時は滅多にない。
その殆どがメリルリースの前だけだった。
息子のテオドールもまだ彼の眼帯を外したところを見たことがない。
父親の顔はこういうものだと思っている節がある。その内、他の人は眼帯を付けていないことに気付き、なぜ自分の父は眼帯をしているのかと色々訊いてくるだろう。
ランギルスの森での魔獣討伐のことなど、まだテオドールには難しい。
「この旅行から帰ったら、テオにこの目を見せようと思うが、まだ早いだろうか」
メリルリースが好きなアレスティスの金色の瞳を、息子に恐がられないか密かに不安に思っていることをメリルリースも知っていた。
「私たちの息子は、案外肝が座っているわ。もし最初に恐がったとしても、父親が嫌いなわけではないもの。すぐに慣れるわ」
「君の生んだ子なら、母親の豪胆さを引き継いでいるだろうな」
アレスティスが何を言いたいのかわかり、メリルリースはふふっと笑った。
「私がいつも大胆になるのはあなたのことでよ」
「なら、その大胆なところを見せてもらおうか」
ワインの入った杯を置き、アレスティスがメリルリースの体を抱き上げた。
「アレスティス…………」
メリルリースも同意したのか、体の力を抜いて彼に身を委ねた。
互いにさっきの風呂場での行為で満足できなかった体の疼きがまたぶり返す。
「今度こそ……ちょうだいね」
甘い吐息とともにメリルリースが呟くと、アレスティスの下半身に一気に熱が集まった。
「何度でも……」
しっかりした足取りでアレスティスはメリルリースを抱き抱えたまま寝室へと向かった。
寝室は既に暖房が入れられていて暖かい。
暖炉でちろちろと炎がゆらめき、灯りはそれだけだが、アレスティスの足取りはしっかりとしている。
寝台の上にメリルリースをおろし、身を屈めてメリルリースの唇を優しく食む。
メリルリースの頭の後ろに手を回したアレスティスの手が髪をほどく。
口づけが深まるにつれアレスティスが力を加え、メリルリースの体は後ろに傾いて枕の上に彼女の髪が広がった。
彼女が喉を鳴らし、膝を立てるとゆったりとしたワンピースの裾が太ももの上までめくれ上がり、白い足が顕になった。
その裾からアレスティスが手を差し込み、一気に胸元まで引き上げた。
一度唇を離して頭からメリルリースの着ていた布地を脱がすと、パンティだけになったメリルリースが、潤んだ瞳でアレスティスを見上げた。
互いに見つめあいながら、メリルリースに膝立ちに股がったアレスティスが上着を脱ぎ捨てる。
寝台の左側にある暖炉からの僅かな炎が、アレスティスの左半分を照らし、陰影をつくる。
鍛えた胸板が軽く上下し、引き締まったお腹から既に盛り上がった下腹部の方へメリルリースが視線を走らせた。
メリルリースが注視している中、一気に下も脱ぎ捨てる。
力強く立ち上がった陰茎が、暖炉の炎を受けてメリルリースの体に長い影を落とした。
その視線を感じながら、アレスティスが再び唇を重ねてきて、その両手がメリルリースの乳房を包み込んだ。
息子に授乳していたせいで、弱冠色が濃くなり、乳輪が大きくなったとメリルリースは気にしているが、それがさらにアレスティスの情欲を誘った。
自分の血を分けた子を愛しい女性がその身の内で育み、そしてその乳房から命の糧でもある母乳を作り出した結果の変化だった。
それをアレスティスが厭うわけがない。
少女から女性へ、そして母へと成熟していく彼女の体の変化を一番近くで見てきたのはアレスティスだ。
唇から次第に下におりていった唇が、胸の谷間に吸い付き、そこに印をつける。
長い舌が乳房を舐め回し、その頂きを咥え吸い上げた。
「あ……ああ……」
唾液で濡れぴんと勃った乳首から口を離すと、再び唇を重ね、左手の指が下着の上から既に濡れている股間を押し潰した。
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