【完結:R18】女相続人と辺境伯

七夜かなた

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このひと月の間、ジーン様と一度も会わなかったわけではない。

むしろ式の打ち合わせやリハーサルやダンスの練習などもあり、互いにスケジュールを合わせる必要があった。

ジーン様は折に触れ抱き寄せたりキスもしてくれて、私からもキスを返したりそれなりに触れあってきたが、昔から寝ていた自分の寝台がこんなに広かったのかと実感していた。

逞しいジーン様の体が暖炉の火に照らされているのを眺めながら、もうこの人なしでは生きていけないと切なさが胸を締め付ける。

「何を泣いている?痛くしたか?」

目尻に浮かんだ涙の粒に気づき、驚いたジーン様がそれを拭った。

「愛しています」

涙からそんな言葉を予想していなかったのか、少し瞠目して、すぐに満面の笑みが彼の顔に浮かぶ。

「私も愛しているよ」

組伏せていた体を抱き抱え、今度はジーン様が仰向けになり私が上にうつ伏せになる。

すでにキスと愛撫で濡れていた下半身の敏感なところに、ジーン様の硬く膨張した男根の裏側が触れ、ドクドクと脈打つ熱が伝わってきた。

「ん……」

後頭部を押さえ込まれたまま上からジーン様に口づけ、腰を上下に動かして猛った場所に擦り付けると、どちらとも言えない呻き声が溢れる。

背が高いことを気にしていたが、十センチ足らずの身長差のおかげで口づけと下半身の動作が難なく出来てしまうことに、初めて喜びを覚えた。

もっと背が低かったら、どちらかを諦めなければならない。

胸の上に手を滑らせると、硬い中に弾力のある胸板の両端にあるジーン様のピンと勃った乳首が指に触れ、両手の親指でそこを転がすようにして押し付けた。

時折摘まんでは押し付けたりを繰り返していると、下腹部にあるジーン様のものが更にこれ以上はないくらいに脈打つのが股間から伝わってきた。

「セレニア」

不意に脇下にジーン様の手が入れられて、体を上にずさられる。
下を向いていた乳房がジーン様の口許にぷるんと落ちて、そのままかぶりつかれた。

「あ…はあ」

ちゅばちゅばとジーン様が舌先で敏感になった乳首を転がし、反対の乳房も手でもまれ、空いた片方の手が湿った足の間に差し込まれた。

「んん……ああ」

自分でも驚くほど簡単に達してびくびくと差し込まれたジーン様の指を締め付ける。

お尻にはびんびんに勃ったジーン様のものが当たっている。

ジーン様の手で開かれ、一年近くかけて慣らされた私の体は、すでにジーン様の形を覚えている。

それがどんな風に私の中で暴れまわるか、思い出すだけでまたびくびくと痙攣した。

「ジーン……欲しい……もっと……奥まで」

猛った彼のものを受け入れたくて腰を揺らす。

「腰を上げて」

肘をついて上半身を起こしたジーン様に言われるままに膝立ちになると、自分のものをジーン様が掴んだ。

全体がねっとりと濡れているのは、先端から溢れ出たジーン様の先走りか、さっき擦り付けた私の愛液なのかわからない。

赤黒く極限まで大きく膨れ上がったその先端を目指し、私は自らそこに腰を下ろした。

「はあ…あああ」

ぎちぎちと火傷しそうなほどに熱いものが自分の中を押し開き射し込まれていくのを感じ、喘ぎ声が洩れる。

ぐらつきそうになる私の腰を支えているジーン様の表情は恍惚としていて、うっすらと汗が浮き上がっている。

額から流れるそれを、顔を寄せて舌で舐めとると、微かに塩の味がした。

すとんとお尻がジーン様の太ももにあたり、根元まで呑み込んだのがわかった。

「気持ちいい」
「私もだ。気を張っていないと一瞬で達してしまいそうだ」

お腹一杯にジーン様を包み込み、肩に腕を預けてジーン様の頭を僅かな胸の谷間に引き寄せた。

好きな人と思い合い体を重ねることが、こんなに満たされた気持ちになるものなのか。

「今夜からは、もう薬はいらない」

薬とはもちろん避妊薬のことだ。

体を重ねても、式までに子を設けることはしないと二人で決めて、ずっと飲み続けていた。

いらないと言うことは、これからの行為で妊娠してしまう可能性ができるということ。

「もちろん、すぐに出来る夫婦もいれば、何年経ってもできない者もいる。焦らず、自然に任せよう」
「はい」

無意識にお腹を見る。
今は平らだがやがてここが大きくなり、ジーン様と私の子が生まれる。

「今夜の君は、これまで見た中で一番光輝いている」

「私が輝くのは、ジーンという私を照らす光があるからです。あなたが内から外から私を愛し包み込んでくれるからです」

小さい胸も高い背も、彼が極上の宝のように扱ってくれる。そして優しく、時には荒々しく手や口で触れて、甘い言葉を囁いてくれる。

「もっと輝け。君への愛情も欲望も尽きることはない。生きている限り、惜しみ無く注ごう」

「私も……もらった分だけ……いいえ、それ以上の愛情をお返しします」

「愛しているよ、セレニア」
「私も……愛しています、ジーンクリフト」

どちらからともなく唇を重ね、おもむろにジーン様が腰を動かし始める。

暖炉の前で一度、それから寝台へ繋がったまま移動し、その夜が明けるまで何度も何度も愛し合った。
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