精霊の子と呼ばれ恐れられる姫様に、何故か私だけが溺愛されて困ってます!

王家には精霊の血が入っている。
数百年に一度、先祖返りをした子供が生まれ、精霊の子と呼ばれる。
人とは思えぬ美しさと、人とは思えぬ膨大な魔力の流れ。
王の一夜の過ちから芽生えた命。祝福されないはずの子供は精霊の子として生まれた。
罪の証として、悪魔の子と呼ぶ者もいる。
崇め奉られ、恐れられる。
魔物を殺し、血にまみれる、そんな美しい姫はいつも一人。
でも、そんな姫様に関わろうとする人間も一人。
これは一人と一人が紡ぐ、二人の恋の物語。


***


母が死んだ。

私は一人になった。

父も、誰も私を愛さない。

私の目は誰も映さないし、映させない。

それなのに、あなたの姿が私の視界から、思考から消えてくれない。

人のことで笑って、人のために泣くあなた。

私のことを好きだと言ったあなた。

私の心を掻き乱すあなたが、私は大嫌いだ。
24h.ポイント 35pt
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