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第168話 クランについて

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サーヤさん達が帰ったその夜にアルはPTを招集した

「集まったなー、今回は2件聞きたいことがあるからな」

恐らく王都に行くことと、クランの話なのではないだろうか

「まず俺は2日後に王都に行くから、ついてきたい奴はいるかー?」

「はい、家に用事もあるので丁度いいですわ」

手を挙げるのはサリア一人だ

「サリアだけか?ノエルは行きたくないのか?」

「僕はどっちでもいいですが・・・僕が行くって言ったらシスレーどうします?」

「そりゃいくよ、アンナさんやサーヤさんも一緒なんだから、ほっておけない!」

「という事なので、シスレーをゆっくりさせてあげたいので今回は遠慮しておきます」

王都となればまた移動だけでまた1週間だ、流石にシスレーは働きづめで可哀そうだと思う

「・・・ティアやナタリーは?」

「いかなーい」

「わたくしもです」

「そうか、じゃあサリアは決定で、ノエルとシスレーは要相談ってことで後だな」

「え?行かないですよ」

「後から相談っていってるだろ。次に木漏れ日からクランに入らないかと誘いがあったが、一人じゃ決めれない。みんなの意見を聞かせてくれ」

漠然とした質問な為、意見といわれてもみんな黙ってしまっている。実際今のままで順調に活動出来ているのだからもある

「みんな黙っているようなので、僕が先に言いますね。僕は反対です、今のままでいいと思ってます」

「なんで今のままでいいんだ?」

「今のままで問題ないからですね」

「そうか」

「ただ、アルがサーヤさんを助けたい気持ちでクランに入るなら止めませんが、木漏れ日からくる依頼では僕は積極的に参加はしませんよ」

「それはめんどくさいからか?」

「いえ・・・僕が助けれるというとおこがましいですが、咄嗟に一緒に回避できるのは多くて二人です。今回レイスと戦ってたまたまサーヤさんが近くにいたからシスレーと一緒にレイスの攻撃を避けましたが、あれが即死級の攻撃だったらと思うと」

「それは俺たちといても一緒じゃねーのか」

「少し違いますね・・・アル達とは最初から空間魔法ありきで戦いを開始するので、少し危ない程度でも回避行動を始めれますが、知らない人とだとそうも行きませんから」

「そうか・・・ノエルの意見は分かった。みんなはどうだ?」

僕の意見に納得してくれたのか分からないが、それ以上僕の話は聞かなかった

クランに賛成はナタリーとサリア、反対は僕とティア、どっちでもいいがシスレーという意見だった

ナタリーは教会や孤児院の輪が広がると考え、サリアも同じように手を取り合う方がいいと考えている

ティアは僕と同じように、現状で満足していることから反対。シスレーはこの話自体に興味をそそられないようだ

「綺麗に別れたな」

「アルは賛成なんですよね?」

「俺は・・・正直反対の方がつよいな」

「あれ?サーヤさんの下なら賛成なのかと思ってました」

「まぁお前のこともそうだが、やっぱ誰かの下っていうのはな・・・名が売れなくなるよな」

「そうですか?木漏れ日の伝手で有名になれるんじゃないんですか?」

「有名になるのは木漏れ日って名前だぞ。今は祝福探しのアルフレッドだが、クランに入れば俺の名前や祝福よりも、サーヤや木漏れ日の方が強く印象に残って記憶に残らねーだろ」

アルはやはり名を売ることを優先して考えている様子

「結局リーダーはアルなんだから、決めてねー」

「そうですわね、こういう時こそアルの判断を尊重しますわ」

「アル君がんばって~」

「アルフレッド様の決めたことに、私サリアは従います」

「お前ら・・・。分かったよ、クランの話は一度断る。もしCランクに上がった時に手が回らないようならまた相談させてくれ」

クランの話は断るという方向で話がきまり、話し合いは終わりをみせたが

「ノエル、シスレーは残ってくれよ」

「えー、うちら話し合いが終わったら夜の散歩いく予定なんだけどー」

「ですね、そろそろゆっくりとしたいのですが」

「まぁそう言わず、座ってゆっくり話しようぜ」

アルに促され、ソファに座ると

「木漏れ日の人と仲良くなれたか?」

「えっえぇそうですね、みなさんいい人達ですよね」

「だねー、Cランクの人の印象がかわったね」

「そうかよかったぜ。でっ相談なんだが一緒に王都にいかねーか?」

「行きませんよ」

「ノエル君が行かないなら行かなーい」

さっき説明したばかりだ

「頼むぜ、サーヤ達もお前らの事気に入ってるしよ、イベントリで酒運ぶのが一番安全なんだよ」

「シスレーは一生懸命働きました、休養が必要ですよ」

「それはサーヤからも聞いた。俺もリーダーとしてお前らの活躍には鼻が高い、けどな俺やサリアも働いてたんだ。サリアがついてきてくれるって言ってんだから楽させてやりたいだろ」

「う・・・アルが人を思いやるとは・・・」

「ノエル君、うちなら大丈夫だよ。アル君王都で何泊するの?」

「決まってねーが、向こうでゆっくり出来る時間はつくってやるよ」

「そんな事言って、アルがサーヤさんと二人っきりになりたいくせに」

「うぜー・・・いや我慢だ俺。シスレーがこう言ってるがどうなんだノエル、サーヤもお前を魔法使いの勉強会に連れて行きたいと言ってたぜ」

「あぁ、それもありましたか・・・」

それにミードさんが僕にいった、ディティマールとゴッドレスを調べてみろと言われ岩街のギルドの資料を見たがそれに関わる文献は探すことが出来ていなかった

僕以外のディティマールの存在が気にもなるため、王都の資料が気になってはいた

「ノエル君、あっちでゆっくりしようよ。貴族に会うのはアル君なんだからうちらは王都を旅行しよっ」

僕が悩んでいる様子に、王都行を決めてくれようとしている

「シスレー大丈夫ですか?」

「うん、もし駄目なら背負って連れてって」

「よっし決まりだな!明日詳しく聞いてくるから、準備頼むぜ!」

アルは立ち上がりながらそう言い、出かけて行った

「もう、準備がめんどくさいだけだったんじゃないですか」

「でもサリアさんを楽にしてあげたいと言ってるのは本心っぽいね」

アルは一度サリアに勘違いさせるような事はするなと言っていたのに、情が湧いてきたのだろうか

「じゃシスレー散歩行きましょうか、屋台でいいものあれば買ってイベントリに入れておきましょう」

「いこー」

「夜はもう涼しくなってきているので、何か羽織るもの持ってた方がいいですよ」

「う~ん、じゃ取ってくる」

僕もローブを着なおしながら、外で温かい飲み物が飲めるように、イベントリ内を探っておく

二階から軽やかな足取りで降りてくる、朝アンナさんと出かけてどうなることかと思ったが、今は機嫌が良さそうで良かった

「おまたせー」

少しコートを羽織るだけでもシスレーはお洒落だ

玄関の扉を開け久しぶりにゆっくりとシスレーと過ごせるなと思っていたが

「おっ出てきたな、いこうぜー」

「こんばんは、またすぐにあったわね」

アルとサーヤさんが外で待っていたのだ
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