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第141話 Cランクの下準備

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「ねえ、木漏れ日ってCランクなんでしょ?うち大丈夫かな?」

「大丈夫ですよ、シスレーは優秀じゃないですか」

「そうかな~エヘヘ」

サーヤさんの依頼をアルには伝えずシスレーに話すと、僕が行くという事でシスレーも迷わず行くと言ってくれたのだ

「赤い星ってここら辺だったような~」

「それならもう少し先だよ」

少し迷いながらも、シスレーのおかげで時間通りにサーヤさん達のいる宿へ到着

「やっぱりCランクなだけはあっていい宿に泊まってますねー」

「それはそうだよ、Cだもん」

「でも、ミードさんはCとDに実力の違いはそんなにないと言ってましたよ。経験や知識の違いだって」

「それが大きいんじゃん、そこでどれだけ信頼を集めれるかなんだから」

依頼達成率は信頼度に直結するのか・・・

「やはり信頼されたら依頼料も高くなるってことですか?」

「そうだよ、指名依頼とかくるようになるんだから。今回のうちらが少しそんな感じだよね」

「なるほど、だから僕達がブレッド村にいった時サーヤさん達が馴染みで護衛したわけじゃなく、わざわざ王都から呼んで依頼を出したのか・・・」

「まぁそういうことだよね。うちもDランクだからそのサーヤって人達に聞いた方がいいよ」

「そうですね、じゃあ入りましょうか」

中に入ると、外観もそうだったが馬車馬の集いのような粗野な感じじゃなかった。壁や柱にはわずかな装飾があり、それだけでもグレードの高さを伺えた

「あっあっちで手を振っている人がそうかな?」

「えっ?あっはい、そうですね」

少しキョロキョロとサーヤさんを探さずに、内装をみていると先にシスレーがきずいてくれたようでサーヤさんがいる席へと足を運ぶ

ここも2階から宿屋になっているようだが、ここ1階は酒場というよりかはレストランのような雰囲気だ。シスレーに聞いて服を選んでもらっていてよかったと思う

「こんばんは、祝福探しのノエルです。こちらが斥候職のシスレーです」

席にはサーヤさんの他にアンナさんとデックスさんと知らない男女が2人いたので、先にこちらから自己紹介をすると、僕の言葉でシスレーも

「シスレーです。本日はお呼び頂きありがとうございます」

僕よりも礼儀正しい挨拶をしていた

「ふふ、こちらから依頼を出してるのだから二人ともそんなにかしこまらなくていいわ」

「ノエル久しぶりだな!元気してたか!」

「よぉ久しぶりだな魔法使いのにいちゃん、遠慮なく座ってくれよ」

相変わらずなアンナさんに安堵すると僕達も席に着く

「一応シスレーさんが初めましてなので、こちらも私が代わりに紹介するわね」

サーヤさんが木漏れ日のメンバーを紹介し、女性のノームの人がガナートさん。男性の若いヒューマンがホルドさんという事で軽く紹介を受けた

食事の注文はコースメニューを入れていてくれたようなので、あいさつ程度に談笑が始まる

「なあノエル、まだ私のとここないのか?」

「え?アンナさんにはデックスさんがいるじゃないですか?」

「は?いつの話してんだよ、デックスとはもう終わったぜ」

「えぇ・・・あんなに仲良さそうでしたのに」

「気の迷いだな。私はごついやつは嫌いなんだよ」

つり橋効果も冷静になれば冷めるのか・・・この会話をきまずそうに聞いているデックスさんに申し訳なく思う

「だめよアンナ、ノエル君にはシスレーさんがいるのよ」

「そうかよ、はぁーどこか余ってる魔法使いはいねーのか」

隣でびくっと動いたシスレーだが、サーヤさんからの援護があり安堵している様子だ

食事が運ばれ始めたので、食べながらになり、依頼の話が進んでいく

「シスレーさんはこの依頼を引き受けてくれるかしら?」

「はい、一応その予定でいますよ」

「それは良かった、ではメンバーがそろいましたね」

「あっでもうちは湿地のダンジョンは初めてなので、少し罠発見に時間を頂くかもしれません」

「それは初見なら誰でもそうなのだから気にすることないわ」

「だな、こんな綺麗な若いねーちゃんと一緒に冒険できるんだ」

「あら?デックスそれだと私達が綺麗で若くないみたいな言い方ではなくて?」

「だな、どういうことだ?」

「いや、そんなに本気で怒るなよ・・・このシスレーちゃんを和ませようとだな」

「今の発言は覚えておきますからね」

僕はこの様子をみて、冗談でもああいうことは言わない様にしようと心に決めた

僕らの緊張感を感じて、本題に入る前に少し談笑してくれたのはありがたく、僕やシスレーも緊張感が和らいだのだ。こういう細かな気遣いがCランクだなと感じさせられた

「では、お二人にはギルドを通して正式に依頼を出しておくわね。ではダンジョンの詳細と準備物などをお話していくわ」

サーヤさんから、まず木漏れ日が下調べした情報を聞き取る。魔物やダンジョンの様子、採れる物資、構造などを聞きそこから必要物資などの推測、あると便利な物や最低限必要な物など僕達が調べなくてもいいぐらいの情報量だった
 
こういうところでは真面目なシスレーはメモを取り、僕は地頭が良いディティマールの為聞きながら覚えているので恐らくシスレーの方が評価がいいように思われているだろう

途中、シスレーや僕が質問することにもすぐに回答が飛んでくるため、念入りに計画が立てられているのだと分かる

ミードさんが、僕とアルによそのCランクの準備を見た方がいいという事が直ぐに叶った結果だった

サーヤさん達もギルドからの依頼で、湿地ダンジョンのマッピングの依頼を受けていたようだった。こういう依頼はダンジョンが発見されて間もない時にしか出ない依頼だなと、珍しい機会にたちあったなと思う

「ノエル君もシスレーさんも、質問がくるので理解してくれているようで助かるわね」

「だな、本当にお前らDランクか?」

「いえいえ、先にみなさんが分かりやすく調べていただいているからですよ」

「そうですね、最初から調べているとうちらだけだと、恐らく抜けている部分がありますので」

サーヤさん達は褒めてくれるが、集める作業が無い分効率的に知識を取り入れることになり、すんなりとダンジョンの様子が頭にはいった

ダンジョンの話が問題なく終わったので、後は食事をしながらの楽しい時間となった

シスレーはサーヤさんにアルのどこがいいのかなどガールズトークを始め、僕はガナートさんも水属性の魔法使いということで、使いやすい魔法などを享受してもらった

「では、4日後の8時に西門集合ということで依頼を出すわね。明日には手紙が届くと思うから、受け取り次第ギルドで受領してね」

「分かりました」

2時間ほどの食事会を終えてシスレーと拠点へ帰り道

「やっぱりCランクって感じの人達の集まりだったね」

「ですね、サーヤさん、デックスさん、アンナさん、ガナートさんがCランク。ホルドさんがDランクっていってましたね」

「はぁー、アル君がサーヤさんを好きになるのも分かるわ」

「でも最初はサーヤさんのほうがアルにべったりだったんですよ」

「サリアさん・・・今まで話聞いて付け入る隙がどこかにあるかなって思ってたけど、無理だね」

「やっぱりそう思いますか」

「だってサーヤさん、あれで歳は23歳なんだって。もう少し年上かと思ったのに」

「えぇ!?大人の色気が溢れてますよ、あれ23歳でだしていいものじゃないですよ!」

サーヤさん、前世だったら恐らく25、6、7ぐらいだと思っていたのに・・・

「それとアンナさんだよ!美人だったし、何約束してたの!」

「アンナさんも美人ですよね。何も約束してませんよ、前に行く当てが無かったら養ってあげると言われただけなので」

「まったく!本当に自由行動なくさないといけないな!」

「うぇ・・・」

いつも通りシスレーは他所の女性を警戒しているようだが、サーヤさんに関して懐いている様に感じた
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