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第125話 ゴブリンリーダー討伐①

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ゴブリンリーダー討伐の日

「俺たちが一番か、もう少し寝れたか?」

「だねー」

「何言ってるんですか二人とも・・・あっほら来ましたよ」

ダンジョンの地図前で待っていると、レインさんを先頭に中和のPTが歩いてきていた。人数は4人全員、鎧を身にまとい杖を携えていた。

「祝福の4人、今日はよろしく頼むよ」

「こちらこそよろしくお願いします」

中和の力、レインさん含む皆が僕ら祝福より年上だ。エルフのティアは除く。

レインさんから、今日の方針を説明されながら祝福はどのように動いて欲しいか説明されようとした時にフィストと思われるPTもこちらへやってきた。

「フィストだ、よろしく頼む。後ろがメンバーだ」

個人の挨拶はなく大雑把にメンバーを紹介されたが、全員獣人というわけでは無かった。

獣人はリーダーの犬耳のロードさんと狐耳の男と猫耳の女。残り二人はヒューマンの男女だった

「祝福探しのアルフレッド、後ろに3人がメンバーだ」

アルが挨拶をし僕らも頭を下げる

「僕らは中和の力、メンバーはこっちの3人さ。丁度祝福に今日の予定を伝える所だったから一緒に聞いてくれたまえ」

今回は中和の力がリーダーという事になっている為、レインさんが取りまとめている

「ゴブリンリーダーには魔法が効かないとされているが、それは嘘の情報であり、正しくは効き辛いということだ。なので僕ら中和が魔法で砲撃をしリーダーを弱らせた所をフィストに仕留めて貰いたい。その間に祝福は周りのゴブリン達を頼みたい、特にアーチャーやシャーマンのような奴らを真っ先に狙いフィストがリーダーに集中できるようにしてほしい」

「承知した」

「・・・あぁ分かりました」

穴があるような作戦だが、リーダーはレインさんだ。アルは異議がありそうだが先にロードさんが承知したことでその作戦に賛同していた

「よし!それじゃあ今日から2日間よろしく頼む!出発しよう」

「「「おー」」」

レインさんの掛け声に乗るのは中和の力の人達だったが、僕はそうするものだと思い遅れておーといいながら手をあげるとレインさんは嬉しそうにこちらを見ていた。


ダンジョンに入るが、目的地が決まっている為に先頭の中和はドンドンと進んでいく。

ダンジョンは中和の力が先導し、その後ろに祝福、最後尾にフィストだが・・・アルがずっとフィストのヒューマンの女性をチラチラと確認している

「アル?」

「ん?」

「何か気になることでも?フィストの女性をチラチラみて、よくないですよ」

「いや・・・別に・・・」

「今度サーヤさんに会ったら言っておかなきゃいけませんね」

「おい!誤解されるような事いうなよ!」

「どうしたの?」

「なんかアルがフィストのヒューマンの女性をいやらしく見てるんですよ」

「ノエル!適当な事いってんじゃねーよ!」

「とかいってー?」

「へー珍しいね、ああぁいうのがタイプだったの?」

「違うわ!」

アルはずかずかと歩いていってしまった。

僕が注意してしまったので、移動中は振り返ってみることはなくなった。



「敵だ!オーク2匹!僕らが戦うからみていてくれ!」

PT同士は5mぐらい離れて移動している為、前方にいるレインさんから掛け声で僕らは足を止める。

「前方にオーク2匹、中和が戦闘にはいる!」

そしてアルはそのまた後ろのフィストへ伝える。

僕らはその場でとどまると、フィストは僕らの横に並び中和の戦闘を観戦することに

「ウィンドスラッシュ!メイサ、ストーンバレット!」

「おっけー、ストーンバレット!」

レインさんの風の刃がオーク1匹の片腕を飛ばし、メイサさんの石のつぶてが片腕を飛ばしたオークに突き刺さっていく

「よし!リムとゴッツは左に、バーニングハンズとアイスショット!」

「へいへい、アイスショット」

「いくよー!バーニングハンズ!」

ゴッツと呼ばれる気だるげな男性はアイスショットをオークの左足に突き刺し、リムさんは炎のつぶてを3つオークにぶつけた

その4人の攻撃でオーク2匹は簡単に消滅していった。

「ふむ・・・やるな・・・」

隣にいる獣人のロードさんが、レインさん達の戦闘を褒めそのPTの人達もすげーと勝算している

「では進もうか、そうだ報酬だが倒したPTの物ということで納得してくれているんだよね?」

「あぁ承知している」

「こっちもだ」

「それじゃあこの魔石はもらっていくね」

レインさんは魔石を拾い上げ、進み始めた

また少し距離を置いて僕らも進み始めると、中和に僕らの会話が聞こえない距離になるとアルが話しかけてくる。

「なあ・・・さっきの戦闘だけどよ、ノエルがやっぱりすごいのか?それともレインさん達は思ったほどじゃねーのか?」

「あっアル君もそう思った?ノエル君ならオークぐらいならアイスショット一撃だよね?」

「みんなも思ったんだ、でもフィストたちはすごいすごいと言ってたから不思議だったんだよね」

先ほどの戦闘終わりにフィストの人達は魔法を褒めて、声をあげていたが・・・みんなはあれ?という顔をして僕をみていたのだ

「狙いどころとかじゃないですか?僕はオークを一撃で倒すのも額や心臓などの急所を狙ってますからね」

そうは言うが恐らく魔力値の違いが顕著に出ているのだと思い少し焦る。僕だって最初のレベルが低い時は一撃では倒せていなかったからだ。

「ふ~ん、魔法も狙いどころがやっぱりあるんだな」

「まぁうちのノエル君はすごいって事でいいよね」

「はい罰金」

祝福が5になって今の魔力がいくらあがっているか分からないが、それでもヒューマンよりはかなり高い部類となっているはずだ。

みんな僕の魔法に慣れてしまい、魔法使いの常識が覆らないことを祈るしか今の僕には出来なかった



今向かっているセーフティーエリアは、僕が一番最初にダンジョンへ向かった東のセーフティーエリア。女騎士さんと出会った思い出の場所だ。

先導するレインさんが立ち止まっているので、僕らはそれに追いついた

時間は日が傾いた、いい時間だ。今日の野宿場所はセーフティーエリア前の森に入るこの場所となっている為に今日は予定通り順調だったみたいだ。

「移動は順調だね」

「ですね」

「ここが今日の野営場所か?」

各PTのリーダーが集まり予定を確認した後、PT同士少し離れ野営の準備を始めた。

「俺たちはここにするか、見晴らしも悪くねーし、他のPTとも近過ぎず、遠過ぎずだ」

テントを広げ、テーブルなどを並べると食事に。

「見張りは4交代で、各PT一人ずつ出すという事だ。俺たちはティア、シスレー、ノエル、俺の順番でいいか?」

見張りは最初の方がたくさん寝れるため、みんながいる時はアルは僕や自分を後回しにするのだ。何も決めずにもそういう順番でいうアルをカッコよく思う

「僕はオッケーです」
「うちも」
「私もー」

サリアが作ってくれた食事をしながら、僕達はゴブリンの掃討を命じられたことについて話を始める

「そういえばレインさんのリーダーを倒す作戦ですが、うまくいくでしょうか」

「どうだろうな、正直魔法がどれぐらい効くかが分からねーから反論のしようが無かったぜ」

「そうだよね、アル君も少し悩んでた様子だけどすぐに了承してたもんね」

「それはレインさん達がって訳じゃないな。ロードさんは大楯を背負ってるからな、一応フィストもそれなりに準備してるって事だろ、即答でロードさんが了承したからな任せる事にした」

「そういうとこ大人ですよね。じゃあ僕達は周りの取り巻きに集中していいんですね」

「あぁ、俺とシスレーが近場をやるからティアとノエルは、レインさんが言っていたアーチャーやシャーマンがいたらそっちを狙ってくれ」

「分かりました。あっティア、僕がアーチャー狙うのでシャーマンいたらお願いしていいですか?」

「いいよー、バリア張られてたらマジックミサイル消えちゃうもんね」

僕達も取り巻きの対処方をお互いに共有し、前衛のアルとシスレーも動きを打ち合わせしていた

食事も終わり、後片付けをしていると

「なぁノエル後でまたリコールしに回らねーか?」

アルが旅の時の恒例のリコールでの小遣い稼ぎを提案してきたが、今回はそれがメインでないように思えた。

「・・・それ口実ですよね?フィストの子たちが気になるって言えばいいのに」

「お前・・・分かってても口にだすなよ」

「ねーなんでそんなに気になるの?」

「別にいいだろ」

「ふ~ん・・・別に女性として気になってるとかじゃないってこと?」

「聞いてくんなよ・・・言いたくねーんだって」

アルの事だ、サーヤさんがいる今他にうつつを抜かすとは思えない為、シスレーが聞いたように女性として興味を持っているわけでは無さそうだ

「まぁいいですよ、その稼いだお金もポートランド代になるわけだし」

「そうか、やっぱノエルだな。無駄に詮索する女共とはちがうぜ」

「えー、ノエル君は冷たいから興味ないだけじゃん!」

「そうだよ、別にアル君のこと思って詮索してないわけじゃないと思うよ!」

「えっ・・・二人とも僕をなんだと思ってるんですか」

なぜここでまた僕が乏しめられないといけないのだ

「もういいじゃねーか、お前らはここにいろ!ノエル行こうぜ!」

「あっ待ってくださいよ」

アルは余計な詮索をするシスレーとティアを置いていくようにフィストのいる野営場所へと歩いて行った

「僕はまた黙って魔法だけかけるのでお願いしますね」

「あぁ」

「?何緊張してるんですか?怪しまれますよ」

「・・・ふーっ」

アルは大きく深呼吸をし、フィストが野営する場所へたどり着いた。僕達とは10mほど離れた場所にテントを1個立て、その周りにマットを引いている。

「む?祝福探しか?何か用か?」

いち早く、僕らに気が付いたロードさんは立ち上がり、アルに喋りかける。

「今日俺たちは戦闘をほぼしてないからな、うちの魔法使いのMPがかなり余ってるんだ。クリアリコールって魔法の使い手で、フィストの女性にどうかと思いまして。一応銅貨1枚ですが」

銅貨?いつもは銀貨なのに?

「クリアリコールか・・・どうだ、ミラ、キャッツ」

ロードさんはクリアリコールの効果を知っているのか、魔法名を聞くだけで恐らく女性と思われる名前を口にし声を掛けていた

「私はいらないにゃ」

「わ私は・・あ・・」

獣人の女性はいらないといい、ヒューマンの女性はどもって何がいいたいのか分からない。そんな所で

「あっ祝福のリーダーさんいいっすか?うちの姉ちゃんはそのクリアリコールがどんな魔法なのか知らないみたいっす」

そのヒューマンの女性を助けるかのように、もう一人のヒューマンの男性というより15歳ぐらいの少年がアルにクリアリコールの効果を説明を求めた

この女性と少年は二人とも赤毛で本当に姉弟のようだ

「そうか悪いな。簡単にいうと汚れを落とす魔法だな、風呂上りや洗濯後の服をきている気分になるぜ。ノエル俺に今かけてくれ」

「はい、リコール」

いつものようにアルに実演をし、危なくない魔法だという事を証明する

「おぉ!それ男の俺もやってもらってもいいっすか!」

「あぁいいぜ、今回は同じ依頼を受けてる仲間だ。二人で銅貨1枚にまけとくぜ」

そしてまた安くしてる?フィストはロードさん以外Eランクっていってたからかな?

アルは少年から銅貨を受け取ると、僕にリコールを促す

「リコール」

少年の周りを光の玉が走り

「うぉーすげーすげー!姉ちゃんやってもらえよ!すげーよこれ!」

リコールの効果にすごくうれしそうにしている

「あ・・あの、わたわ私も・・おねがいます」

「はい、リコール」

女性にもリコールをかけると

「!?」

声に出さずに驚いた表情で、体の顔や腕をさすりながら服などを確認している

「祝福のリーダーさん、魔法使いさんありがとっす!」

「俺はアルフレッド、こっちはノエルだ」

アルが自己紹介をするので、僕は横で頭だけ下げる

「あっ俺はリゲルっす!こっちは姉ちゃんで名前はミラっす」

少年の挨拶にアルは本当に小声でミラ・・・と呟いたのが聞こえた。その後少しリゲル君とミラさんと談笑した。ミゲル君は人懐っこい性格で、奥手のミラさんとはバランスのとれたいい姉弟だ。

「じゃあ俺たちは戻るからな、また明日の討伐はよろしくな。ロードさん失礼します」

気になっている素振りだったが、別段込み入った話もせずに僕らはフィストの野営地から離れる事に。

「いや、ヒューマン同士だ。これからも仲良くやって欲しい」

アルはロードさんに軽く会釈をしその場を離れていった。

僕は戻りながらアルへと声をかける。

「アルーよかったんですか?」

「・・・あぁ確かめたいことは分かったからな」

「確かめたいこと?僕は銅貨1枚でよかったのか聞いてますが」

「お前ひっかけんなよ!」

「ひっかけって・・・お金にがめついアルが銅貨なんでそっちのが気になるでしょ。それにこのお金もポートランド資金なんですから」

「・・・本当に興味ないんだな。はぁー・・・助かるがなんかモヤモヤするな」

「アル、男のかまってちゃんほど鬱陶しい物はないですよ」

「うるせーよ!」

アルが何が気になっていたのか分からなかったが、ミラというヒューマンの女性は幸薄美人という感じで、アルなら守ってあげたくなるタイプ?のようだが、僕は少しその雰囲気にイライラした。何度かはっきり喋りなさいと声を上げそうになるほど、弟のリゲル君に頼っての会話だったからだ。

サーヤさんとは全く雰囲気も違い、何が気になっていたのか知らないが僕は特段気にすることもなかった。



「やぁノエル君いいかい」

僕らがフィストから戻り、談笑している時にレインさんが僕らのテント先にきた

「はい、なんですか」

「いや魔法使い同士、一緒に話をしようかと思ってね。そちらのエルフのお嬢さんも一緒にどうかな」

「私は少し疲れているのでごめんなさい」

ティアはさっと断りをいれた為、僕は断り辛くなる。

「いいですよ、どうやってゴブリンリーダーに魔法で対応するのかも気になりますので」

「そうかい!流石だ!ではアルフレッド君、少しノエル君をお借りするよ、エルフのお嬢さんもまた街でゆっくりした時にお話しをしよう」

シスレーに睨まれながらも、僕は中和が野営している場所へ

「きたきたー」

「・・・こいつがレインお気に入りの魔法使いか」

「ここおいで~」

あるのはテントに焚火と自炊道具はほぼなく、僕を待っていた3人はパンやナッツなどをかじっていた

「すいません、祝福探しのノエルです。少しお邪魔しますね」

「あっ、ゴッツとは始めましてだよね。ノエル君と同じ水の魔法使いだよ」

「・・・よろしくな」

「はい、よろしくお願いします」

このゴッツという30代ぐらいの男性、前髪をたらしクールな雰囲気が似合わない猿顔だ。

「ノエルはクリアリコール使えるんだよね?お願いしてもらっていい?」

「う~ん・・・同じ魔法使いの仲間なのでいいですよ。でも、いつもはお金をとっているので、リーダーに睨まれたら嫌なので内緒でお願いしますね」

「いえーい、さっすがノエルー」

僕のリコールの効果に、中和の力の4人は満足そうにしている

「すごいな、やはり何としてもノエル君には中和に入ってもらいたいね!」

「アハハ・・・僕は今のPTに満足してるので。あっそうそう、魔法耐性のあるゴブリンリーダーにどんな感じで攻めようとしているのか教えて頂いても」

気に入られようとしていないが、気に入られ過ぎるのも問題だな。話を変えるように僕は依頼について話をもっていく。

「そうかい?まぁいずれ入ることになるさ。PTリーダーに説明した時にいったまんまさ、魔法の波状攻撃で徐々に削る作戦だよ」

「ふむふむ・・・」

本当に特段作戦は立ててない感じ?甘くないだろうか・・・

「本当はね、近接職がダメージを負わせた箇所ほど魔法が通りやすいらしいから、フィストが先に攻撃をした所に魔法を撃つのが有効だけどね。本来は魔法使いのみでゴブリンリーダーを倒せるという確証がほしくて先に魔法でどれぐらい削れるか試したいのさ」

「そうなんですね、魔法は初級魔法で手数勝負ですか?それとも中級魔法などの火力が高い魔法を予定ですか?」

「なるほどね。ノエル君もゴブリンリーダーの魔法耐性について勉強してきてるって事か、勉強熱心なとこも評価できるね」

「あっいえ、やはり僕も魔法がきかないとされる相手に、魔法で倒すことは本当にできないのか知りたくてですね」

「まぁね魔法使いならみんなそれなりに思うことだろうね。先の魔法使いの先輩方が残した資料も沢山あるわけだからね。そこで中級魔法は効くことが証明されているからね、僕らは初級魔法で手数勝負だよ」

「なるほど・・・それはあまり実績がないってことですか?」

「いや初級魔法は効かないとある資料もある、ただそれがどの程度初級魔法を浴びせたのかが書かれてない以上まったく効かないという証明にはならないと思うんだ。もし数を打てば魔法が効くと証明されたらね、数を揃えたら祝福1の魔法使いでもゴブリンリーダーを倒すことが証明できるって事だと思わないかい」

先制攻撃で対処できるなら越したことないが・・・それなら弓兵を数集めた方が強い?あれ・・・でもこれ言ったらレインさん怒りそうだな・・・

ある程度、レインさんのゴブリンリーダーに対する作戦を聞いたが、討伐というよりも実験半分なところがあるようで幸先不安な内容だった

「ふふそんな顔しなくてもゴブリンリーダーはフィストのロードに任せておけば大丈夫だ。彼は何度かゴブリンリーダーを倒しているようだからね」

「あっそうなんですね、フィストの方はロードさん以外Eランクと聞いていたので。でもそれを聞いて安心しました、僕らは取り巻きに集中できそうです」

「それに、魔法使いが2人もいる祝福を危ない目に合わせたくないからね」

う~ん・・・それを言われるとまた不安になるのだけど・・・

「まぁこれぐらいで明日の作戦の内容はいいか、所でノエル君は王都で集会に出られなかったと言ってたね」

「はい、あっそれどういう話をするんですか?」

僕が聞き返すと、ボソっとゴッツさんが長くなるぞと呟いたのが聞こえた。まずかったかと思ったが見張りの時間があるのでそれまでだと思い、興味があった為このまま聞くことに

「基本は2つだよ、魔法使いの地位向上と魔法使いの生存率を高める話さ」

「地位向上と生存率」

・・・地位向上はともかく生存率か、ためになる話なのかな?

「そうさ、魔法使いって10人に1人という割合なのはしってるね?」

「はい、あれ?でも生活魔法をつかっていたらそのうち、属性魔法のアビリティがついて使えるようになりますよね?その人も魔法使いってことですか?」

「いいとことに気が付いたね。その人達はハミッドと呼んでいるが魔法使いの仲間だね。でもアビリティがつくのも才能だという教えがあるからね、いくら頑張ってもアビリティが付かない人もいるから」

「ふむふむ、ハミッド・・・ハミッドと普通の魔法使いの違いは区別できるんですか?」

「あれ?ノエル君は生まれながらに手に入れたアビリティ以外はもってない感じかい?」

「あっはいそうですね。あっ何か違いがでるんですかね?」

「新しいアビリティは熟練度が0のまま変わらないのさ」

「ほー、なるほど・・・」

約1年ぶりにアビリティレベルの話を聞いたな・・・それに恐らくこれはこの世界の常識っぽいな

「熟練度0は1と変わりはないそうだけどね。まぁつまりハミッドは魔法のアビリティが増えても初級魔法以外は使えないってことだね」

「じゃあ鑑定しない限りはハミッドか普通の魔法使いかまでは分からないってことなんですね」

「まぁそうだね、普通の魔法使いはナチュレと呼んでいるよ。まぁ初級魔法しか撃てないのだから、いずれバレる。ハミッド達もあまり隠していないけどね、ねぇゴッツ」

「・・・あぁ俺はハミッドだ」

「まぁハミッドだろうが、ナチュレだろうがどっちでもいいのさ。同じ魔法が使える仲間なのだから」

なるほど・・・ハミッドとナチュレは差別的な物はなく逆にハミッドを歓迎しているような感じか

「そうですね、あっすいません話が脱線してしまって。地位向上と生存率ですよね」

「そこで地位向上はハミッドでもゴブリンリーダーを倒せるのかということで、今回の依頼なんだ」

・・・先ほどの作戦はお粗末すぎた物だったが、このハミッドの話を聞いて少し納得した自分が憎い

レインさんの話は普通になるほどと納得できる話もあり、少し興味深かった

もう少し聞きたかったような気がするが、見張りの時間になってしまった為、シスレーが僕を呼びにきたのでそこで解散となってしまった

集会という言葉に抵抗があったが、場所などは酒場などを貸し切って行われており、公な活動のようで次に王都へいった時は本当に探してみようと思えた。

「ねえなんの話してたの?」

「ゴブリンリーダーをどうやって倒すのかと、魔法使いの集会の話とかですね」

「うげぇ・・・またその話か」

「でも少し興味深い話でしたね、次王都へいった時は顔出そうと思いました」

「えぇ!?ダメダメ!ぜーったい駄目!」

「話聞いてみたら、怪しくなさそうでしたよ。普通に討伐内容などの魔法の有効性などの話もするようで」

「だめ!王都には絶対いかせないから!」

「えぇ・・・シスレーも一緒に参加してくださいよ」

「いやぁ・・・レインさん達の同士は・・・無理無理!鳥肌が!」

頑なに駄目といいはるシスレーをここでは説得が無理だと分かり、僕はどうやって説得しようか悩みながらしばしの休憩にはいるのだった
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