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第123話 作戦会議
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「よし全員そろってるな、依頼いくぞ!」
それは夏に差し掛かる6月下旬
そろそろポートランドへ旅行へ行きたいなとシスレー達と計画を立てている、夕食後のことだった。
「依頼ですか?いいのあったんですか?」
「あぁサイシアールのダンジョンのB1階のセーフティーエリアにゴブリンリーダー率いる魔物が陣取ってるようなんだよ」
「またサイシアールですか・・・それにゴブリンリーダー」
「一番魔物と戦えていいだろ」
確かに手っ取り早く祝福を上げるのは、サイシアールのダンジョンが今のところ一番なのは確かだ。正直岩街のダンジョンは祝福上げには向いていない。
「どうする?一応他のDランクが2PTは集まってるそうだぜ。一応3PTで埋まるそうだから行くなら早めにきめねーとな!」
そうは言うものの行く気満々なアル。オリハルコンを持ってからやる気になっている事は良いことだと思う。
「それいかないと駄目ですか?」
「なんでだ?行きたくないのか?」
「僕、そろそろポートランドへ遊びに行きたいですもん」
今は6月下旬、ポートランドへの準備や道中の事を考えると今サイシアールへ経つとギリギリになってしまわないか心配なのだ。
「・・・お前、こんな祝福あげるチャンス無いだろ」
「僕はメルトゴーレムに、レイクペイントと最近十分一人で戦いましたよ」
「うち、ノエル君が行かないなら行かないよ」
「私もー、ポートランド行くー」
「わたくしは、サイシアールにはまだ戻りたくありませんわ」
「アルフレッド様・・・ポートランド・・・アルフレッド様・・・ポートランド・・・」
「・・・じゃあ俺一人でいくわ、勝手にしろ」
アルはぷいっと顔を背け、ドカっとソファに深くすわってしまった。
「いじけないで下さいよ、それ終わったら一か月ぐらい休暇にしてくれます?」
「それ承諾したらついてくるのか?」
「はい」
「分かった、本当言うと今回の任務は騎士団からの推薦の一つだからな。今回の収入の使い道はノエルに任せる」
「それはつまり、今回の報酬はポートランドで散財していいってことですか?僕の一人占め?」
「そうだ。そのぐらい俺はお前についてきてもらいたいんだよ」
「おぉーそこまで言われるなら、やってやりますよ!」
いつもみんなで分けるために結局、僕に入ってくるのも1/6だったが今回はみんな行かないという事で一人占めできるようだ。
「えっノエル君いくならうちも行くよ」
「私もいこっかなー」
「何だこいつら・・・」
「私はアルフレッド様の側を離れませんわ!」
「サリアさん悩んでたじゃん」
僕が行くという事になり、シスレーとティアも考えが変わる。
「えぇ・・・それじゃあ僕の一人占めに出来ないじゃないですか。それに僕以外にゴブリンリーダーの攻撃避けれる人いるんですか?」
僕とアルは一度ゴブリンリーダーと相対している。それに僕はリベンジをしたいと願っていたのも事実。
だが、舐めてかかれる相手ではないのは確かなのだ。
「普通に避けれねーのか?」
「ブリンク以外に避けれないですよ。魔物もスキル使ってきますよね?」
「あぁ、なるほどな。それスキルのバーサク斬りだろ、防御を捨てて相手にも避けさせない圧をだす攻撃だな」
「ふ~ん、名前は知りませんが、前戦ったゴブリンリーダーやスケルトンになったレギールさんも使ってました。その時、ブリンクでしか避けれませんでした」
「うちは避けれるよ、ブリンクほどのスキルじゃないけどステップっていう短剣術のスキルでそういう攻撃避けれるから」
「なるほど・・・スキルに対抗するにはスキルしかないんですね」
シスレーがそんなスキル覚えてたのもの知らなかったし、みんな魔物もスキルを使ってくる事を分かっているような感じだった
「取り合えず結局誰が行くんだ?人数は2人からだが、俺はノエルについてきてもらえるなら十分だからな。それにさっき言ったが今回の報酬の分配もノエルに一任するぞ」
「僕は二人で良い気がしますけどね」
「えーうちも行くよー。リーダーの攻撃は避けれるし、報酬もポートランドで使ってくれるなら別にいらないよ」
「私もいきたーい、祝福ノエル君においつかれたもん。私は遠距離だから攻撃はされないよ、それに弓術のスキルのバックショットで避けれるよ」
「私もアルフレッド様のお側に、それに私も狼とスピリチュアルウェポンなので中距離ですわ」
「・・・連れて行くメンバーもノエルに一存する。お前が決めろよ」
結局みんな行くと言い出し始めたのだ。
「えぇ・・・こういう時リーダーなんだから決めて欲しいのに・・・う~ん・・・ちょっと考えます」
シスレーは近距離だけどスキルで回避、ティアは遠距離で回避持ち、サリアは狼メインの中距離
・・・これ結局心配なのはアルか?一つの結論がでたな。
「・・・今回はアルと二人で行きますよ」
「え!?どうして!うち避けれて強いんだって!」
「絶対私の遠距離の援護役に立つよ!」
「私の狼も陽動に最適だわ」
僕の意見に3人は難色を示す、みんなの言っている事は最もな事だ。
「正直そうなんですよ。アルや僕よりみんなの方が今回は絶対力になるのは分かってますよ」
「おい!」
「だってアルはリーダーの攻撃よけたり受け止めたりできます?ティアみたいな遠距離攻撃や、サリアの狼のように攻撃を気にせず突っ込めないでしょ」
「そりゃそうだけどよ」
「僕も同じですよ、魔法が効きづらい相手ですから不利なんですよ。でも、ゴブリンリーダーにトドメを刺せそうなのはアルしかいないんですよね、というかオリハルコンの剣ですよね」
「それを言われたら、うちじゃダメージ与えれないかもしれないけど周りのゴブリンは倒せるでしょ・・・」
「私もそうだよ」
「・・・相手が俺たちより格上だ、ちょっと一旦メンバーは保留にするか。一応依頼は受ける形でいいよな?」
「そうですね、何かスキルブックなどで新しいスキルを手に入れて、それも考慮して作戦考えてから臨みますか」
初めての相手が分かった討伐依頼ということで、今までいきあたりばったりの作戦でなく。準備から作戦を練ることにしたのだ
◇
次の日から、アルは依頼を受けゴブリンリーダーに関する情報を、CランクやBランクの冒険者へ何が有効か、どんな攻撃をしてくるかなどの聞き込みを始め
サリアは参加するか分からないが、食料の準備
ティア、シスレー、僕は資料などでゴブリンリーダーに関する情報をまとめた
2日後の夜に、最終メンバーを決める話合いになる
食事を始めながら、みんなで集めた情報共有となる
「まず俺から話しをするぞ。今回の討伐依頼はDランクの2PTが一緒だ、一つは”中和の力”だこいつらは魔法使いの集まりだからリーダーには無力だろう、なぜこの依頼を受けたか意味がわからねー。もう一つは”フィスト”聞いた話じゃ最近Dランクにリーダーが上がったほぼEランクのPTだ。俺たちとあまり変わらねーな。そのフィストは近距離職が多いと聞いた」
「ほんとレインさんはなんでこの依頼受けたのでしょう・・・」
僕の高火力の魔法、レイでさえゴブリンに少し傷をつける程度だった。レインさん達はほぼ初級魔法をメインに使っていたはずだ。役に立たないなんてものじゃないはず・・・
「なっ明らかに適正じゃねーよな。”中和の力”は4人参加。”フィスト”は5人だ。祝福は一応3人以上と伝えてしまったから、俺、ノエルは確定として、もう一人は必ず連れていくぞ」
結局アルが人数は決めてくれたようで助かった・・・
「はーい、うちがいきまーす!」
「シスレー、近接はフィストっていうPTで間に合ってるよ。私が最適でしょ」
「ティアさん、私は陽動と中距離から攻撃できるわ」
「えーでも、2人の攻撃じゃあ攻撃とおらないよ。ここは大人しくDランクのうちに任せない」
「私だってもうDランクぐらいの実力あるもん!」
「いえ、まだティアさんはDランクではないのだからここは譲るべきね」
女性3人が自分が行くと言い出して止まらないのは、働き者だからと喜ぶべき所なのかと悩む
「まぁまぁみんな落ち着きましょうよ、まだゴブリンリーダーの弱点や有効な攻撃方法も話し合ってないのでそこからでもいいじゃないですか」
「そうだな、こっちも先輩たちに聞いてきたから俺が先に説明するぞ。ゴブリンリーダーは知っての通り、魔法が効きづらい、俺も勘違いしていたが効かない訳でなく効きづらいようだ」
レイが聞いたのだからそうだろうと思ってたけど、ダメージが0じゃないのか。となるとレインさん達は物量作戦?
「弱点は斬撃だな。皮膚はそこまで固くないようだから何度か斬りつければ必ず倒せるみたいだぞ」
「前回の騎士さん達はゴブリンリーダーをたやすく倒してましたもんね」
「そうだな。バーサク斬りも盾で受けられる力があれば脅威じゃねーらしいな。盾で受けてその後反撃でダメージを蓄積していくのが一番メジャーな倒し方だとよ」
「アルは受け止めれます?」
「スキル使えば受け止めれと思うが・・・あまり自信はないな」
ゴブリンリーダーはウェッジコートの時に相対した時に強敵だと思っていたが、まだやつはCランクの魔物。倒し方が確立されているメジャーな部類だ。その他にも対処方がある為に会議を続ける。
「じゃあメジャーな倒し方は分かったので、次に僕達が調べたことも話しますね」
「おう」
「僕らが調べたのは、スキルブックですね。回避系のとゴブリンリーダーが斬撃に弱いという事は僕らも調べて分かり、その中で出血耐性が低いそうです」
「出血耐性か」
「そうそう、スキルで出血攻撃がのるのを使うと血がとまらなくなって、いずれ倒れるのを待つってのもメジャーな倒し方だって」
「出血攻撃のスキルブックは一応、剣術、短剣術にありましたのでもう揃えてますよ。シスレーはすでに覚えてます」
「へへーん、これでうちがまず一歩リード!」
「スキルじゃなくても矢に血が固まらない毒を塗った矢があるもん!」
「準備いいな、剣術に回避スキルってあったか?」
「回避というよりチャージっていう突進スキルがあったのですが、これで移動できるかどうかですね」
「だよな、やっぱり俺は盾受けか・・・」
「と思って、一応大防御ってていう盾術のスキルブックも用意してますよ。店主曰くこれが一番汎用性が高く防御が出来るそうです」
「大防御か・・・覚えれっかな。祝福3の時は覚えれなかったんだよな」
アルもシスレーに劣らず物知りだ、スキルの事もある程度把握し何が有用な物なかの理解している為大防御の事もしっていたようだ
「今は祝福5じゃないですか、はいどうぞ」
イベントリから大防御を取り出してアルに渡す
「サンキュー・・・おっ!いけそうだぜ!」
「流石ですわ、アルフレッド様」
アルはそのまま大防御のスキルブックを使いすんなりと覚えた
「よっし、これでリーダーの攻撃はなんとかなるか?」
「アルってMPいくつです?大防御って消費MP3使うそうなので、あまり盾受けできませんよね?」
「MPか・・・恐らく15ぐらいか?詳しくはしらねーがそのぐらいだろ」
「じゃあ5回しか防げませんね、それに攻撃にスキル使えませんね」
ヒューマンはMPが10スタートだったはず・・・アルが祝福5だから上げ幅は1~2の間で人によってランダムとかなのかな?まぁそりゃそうか、シスレーはアルより素早いけど力はおとっていたり、ナタリーはこの二人よりMP多いしなと人それぞれ個性がでるんだなと思う
「はい!うちのステップは消費1で20回使えます!」
そしてシスレーのMPが20と分かった
「5回か・・・これは危ない時ようだな。見極めて使わねーといけないってことだな」
「そういう事ですね。後、こっちはブラッドスラッシュです。剣術の出血攻撃です」
イベントリから出して渡す
「・・・おぼえれねーな」
「なんと・・・予想外でした」
持久戦が一番かと思ったがアルが覚えれないということで、うまく話しが進まないのが会議というものだ
他にも準備していたスキルブックや、ゴブリンリーダーに魔法の中でも有効と言われるものを並べ、途中ナタリーも孤児院を抜けて会議に参加をしてくれて話を勧めた
・
・
・
2時間の話し合いの結果、アルがメンバーと作戦内容をまとめた
「メンバーは俺、ノエル、シスレー、ティアでいく。サリアは悪いがやっぱ防御スキルがないのは厳しいと思うから今回は諦めてくれ」
「そんな・・・分かりましたわ・・・」
サリア以外は少なからず回避か防御のスキルがある為の人選だ。ナタリーがいない為回復も心もとないから一撃で死という危険もあるのだ
「他のPTがどう動くかは明日の顔合わせである程度聞いてくるが、俺たちは出血狙いで倒すってことでいいな。攻撃の要はシスレーとティアだ。俺はシスレーのカバー、ノエルはティアのカバーだ」
「おっけー」
「矢買いに行かなきゃ、ノエル君明日いこうね」
「はい」
「ノエルの空間魔法を使うタイミングは任せるが、今回は中和が一緒だからな。使う時は・・・まぁうまくやれよ」
「分かりました」
ブリンクしながら、アルのオリハルコンの剣で攻撃も考えたが、それは最終手段となった。中和の力は魔法使いの集団だ。自己顕示欲が強く、魔法使いが一番だと思っている人達、そんな人達に空間魔法を見られたら嫉妬や今まで以上の勧誘のオンパレードは目に見えていた。
なら僕らPTだけで行くのがいいかとなるが、それだとリーダーの周りにいるであろうゴブリンを対処するにはサリアを含む5人でも難しいとなった話し合いの結論だった
それは夏に差し掛かる6月下旬
そろそろポートランドへ旅行へ行きたいなとシスレー達と計画を立てている、夕食後のことだった。
「依頼ですか?いいのあったんですか?」
「あぁサイシアールのダンジョンのB1階のセーフティーエリアにゴブリンリーダー率いる魔物が陣取ってるようなんだよ」
「またサイシアールですか・・・それにゴブリンリーダー」
「一番魔物と戦えていいだろ」
確かに手っ取り早く祝福を上げるのは、サイシアールのダンジョンが今のところ一番なのは確かだ。正直岩街のダンジョンは祝福上げには向いていない。
「どうする?一応他のDランクが2PTは集まってるそうだぜ。一応3PTで埋まるそうだから行くなら早めにきめねーとな!」
そうは言うものの行く気満々なアル。オリハルコンを持ってからやる気になっている事は良いことだと思う。
「それいかないと駄目ですか?」
「なんでだ?行きたくないのか?」
「僕、そろそろポートランドへ遊びに行きたいですもん」
今は6月下旬、ポートランドへの準備や道中の事を考えると今サイシアールへ経つとギリギリになってしまわないか心配なのだ。
「・・・お前、こんな祝福あげるチャンス無いだろ」
「僕はメルトゴーレムに、レイクペイントと最近十分一人で戦いましたよ」
「うち、ノエル君が行かないなら行かないよ」
「私もー、ポートランド行くー」
「わたくしは、サイシアールにはまだ戻りたくありませんわ」
「アルフレッド様・・・ポートランド・・・アルフレッド様・・・ポートランド・・・」
「・・・じゃあ俺一人でいくわ、勝手にしろ」
アルはぷいっと顔を背け、ドカっとソファに深くすわってしまった。
「いじけないで下さいよ、それ終わったら一か月ぐらい休暇にしてくれます?」
「それ承諾したらついてくるのか?」
「はい」
「分かった、本当言うと今回の任務は騎士団からの推薦の一つだからな。今回の収入の使い道はノエルに任せる」
「それはつまり、今回の報酬はポートランドで散財していいってことですか?僕の一人占め?」
「そうだ。そのぐらい俺はお前についてきてもらいたいんだよ」
「おぉーそこまで言われるなら、やってやりますよ!」
いつもみんなで分けるために結局、僕に入ってくるのも1/6だったが今回はみんな行かないという事で一人占めできるようだ。
「えっノエル君いくならうちも行くよ」
「私もいこっかなー」
「何だこいつら・・・」
「私はアルフレッド様の側を離れませんわ!」
「サリアさん悩んでたじゃん」
僕が行くという事になり、シスレーとティアも考えが変わる。
「えぇ・・・それじゃあ僕の一人占めに出来ないじゃないですか。それに僕以外にゴブリンリーダーの攻撃避けれる人いるんですか?」
僕とアルは一度ゴブリンリーダーと相対している。それに僕はリベンジをしたいと願っていたのも事実。
だが、舐めてかかれる相手ではないのは確かなのだ。
「普通に避けれねーのか?」
「ブリンク以外に避けれないですよ。魔物もスキル使ってきますよね?」
「あぁ、なるほどな。それスキルのバーサク斬りだろ、防御を捨てて相手にも避けさせない圧をだす攻撃だな」
「ふ~ん、名前は知りませんが、前戦ったゴブリンリーダーやスケルトンになったレギールさんも使ってました。その時、ブリンクでしか避けれませんでした」
「うちは避けれるよ、ブリンクほどのスキルじゃないけどステップっていう短剣術のスキルでそういう攻撃避けれるから」
「なるほど・・・スキルに対抗するにはスキルしかないんですね」
シスレーがそんなスキル覚えてたのもの知らなかったし、みんな魔物もスキルを使ってくる事を分かっているような感じだった
「取り合えず結局誰が行くんだ?人数は2人からだが、俺はノエルについてきてもらえるなら十分だからな。それにさっき言ったが今回の報酬の分配もノエルに一任するぞ」
「僕は二人で良い気がしますけどね」
「えーうちも行くよー。リーダーの攻撃は避けれるし、報酬もポートランドで使ってくれるなら別にいらないよ」
「私もいきたーい、祝福ノエル君においつかれたもん。私は遠距離だから攻撃はされないよ、それに弓術のスキルのバックショットで避けれるよ」
「私もアルフレッド様のお側に、それに私も狼とスピリチュアルウェポンなので中距離ですわ」
「・・・連れて行くメンバーもノエルに一存する。お前が決めろよ」
結局みんな行くと言い出し始めたのだ。
「えぇ・・・こういう時リーダーなんだから決めて欲しいのに・・・う~ん・・・ちょっと考えます」
シスレーは近距離だけどスキルで回避、ティアは遠距離で回避持ち、サリアは狼メインの中距離
・・・これ結局心配なのはアルか?一つの結論がでたな。
「・・・今回はアルと二人で行きますよ」
「え!?どうして!うち避けれて強いんだって!」
「絶対私の遠距離の援護役に立つよ!」
「私の狼も陽動に最適だわ」
僕の意見に3人は難色を示す、みんなの言っている事は最もな事だ。
「正直そうなんですよ。アルや僕よりみんなの方が今回は絶対力になるのは分かってますよ」
「おい!」
「だってアルはリーダーの攻撃よけたり受け止めたりできます?ティアみたいな遠距離攻撃や、サリアの狼のように攻撃を気にせず突っ込めないでしょ」
「そりゃそうだけどよ」
「僕も同じですよ、魔法が効きづらい相手ですから不利なんですよ。でも、ゴブリンリーダーにトドメを刺せそうなのはアルしかいないんですよね、というかオリハルコンの剣ですよね」
「それを言われたら、うちじゃダメージ与えれないかもしれないけど周りのゴブリンは倒せるでしょ・・・」
「私もそうだよ」
「・・・相手が俺たちより格上だ、ちょっと一旦メンバーは保留にするか。一応依頼は受ける形でいいよな?」
「そうですね、何かスキルブックなどで新しいスキルを手に入れて、それも考慮して作戦考えてから臨みますか」
初めての相手が分かった討伐依頼ということで、今までいきあたりばったりの作戦でなく。準備から作戦を練ることにしたのだ
◇
次の日から、アルは依頼を受けゴブリンリーダーに関する情報を、CランクやBランクの冒険者へ何が有効か、どんな攻撃をしてくるかなどの聞き込みを始め
サリアは参加するか分からないが、食料の準備
ティア、シスレー、僕は資料などでゴブリンリーダーに関する情報をまとめた
2日後の夜に、最終メンバーを決める話合いになる
食事を始めながら、みんなで集めた情報共有となる
「まず俺から話しをするぞ。今回の討伐依頼はDランクの2PTが一緒だ、一つは”中和の力”だこいつらは魔法使いの集まりだからリーダーには無力だろう、なぜこの依頼を受けたか意味がわからねー。もう一つは”フィスト”聞いた話じゃ最近Dランクにリーダーが上がったほぼEランクのPTだ。俺たちとあまり変わらねーな。そのフィストは近距離職が多いと聞いた」
「ほんとレインさんはなんでこの依頼受けたのでしょう・・・」
僕の高火力の魔法、レイでさえゴブリンに少し傷をつける程度だった。レインさん達はほぼ初級魔法をメインに使っていたはずだ。役に立たないなんてものじゃないはず・・・
「なっ明らかに適正じゃねーよな。”中和の力”は4人参加。”フィスト”は5人だ。祝福は一応3人以上と伝えてしまったから、俺、ノエルは確定として、もう一人は必ず連れていくぞ」
結局アルが人数は決めてくれたようで助かった・・・
「はーい、うちがいきまーす!」
「シスレー、近接はフィストっていうPTで間に合ってるよ。私が最適でしょ」
「ティアさん、私は陽動と中距離から攻撃できるわ」
「えーでも、2人の攻撃じゃあ攻撃とおらないよ。ここは大人しくDランクのうちに任せない」
「私だってもうDランクぐらいの実力あるもん!」
「いえ、まだティアさんはDランクではないのだからここは譲るべきね」
女性3人が自分が行くと言い出して止まらないのは、働き者だからと喜ぶべき所なのかと悩む
「まぁまぁみんな落ち着きましょうよ、まだゴブリンリーダーの弱点や有効な攻撃方法も話し合ってないのでそこからでもいいじゃないですか」
「そうだな、こっちも先輩たちに聞いてきたから俺が先に説明するぞ。ゴブリンリーダーは知っての通り、魔法が効きづらい、俺も勘違いしていたが効かない訳でなく効きづらいようだ」
レイが聞いたのだからそうだろうと思ってたけど、ダメージが0じゃないのか。となるとレインさん達は物量作戦?
「弱点は斬撃だな。皮膚はそこまで固くないようだから何度か斬りつければ必ず倒せるみたいだぞ」
「前回の騎士さん達はゴブリンリーダーをたやすく倒してましたもんね」
「そうだな。バーサク斬りも盾で受けられる力があれば脅威じゃねーらしいな。盾で受けてその後反撃でダメージを蓄積していくのが一番メジャーな倒し方だとよ」
「アルは受け止めれます?」
「スキル使えば受け止めれと思うが・・・あまり自信はないな」
ゴブリンリーダーはウェッジコートの時に相対した時に強敵だと思っていたが、まだやつはCランクの魔物。倒し方が確立されているメジャーな部類だ。その他にも対処方がある為に会議を続ける。
「じゃあメジャーな倒し方は分かったので、次に僕達が調べたことも話しますね」
「おう」
「僕らが調べたのは、スキルブックですね。回避系のとゴブリンリーダーが斬撃に弱いという事は僕らも調べて分かり、その中で出血耐性が低いそうです」
「出血耐性か」
「そうそう、スキルで出血攻撃がのるのを使うと血がとまらなくなって、いずれ倒れるのを待つってのもメジャーな倒し方だって」
「出血攻撃のスキルブックは一応、剣術、短剣術にありましたのでもう揃えてますよ。シスレーはすでに覚えてます」
「へへーん、これでうちがまず一歩リード!」
「スキルじゃなくても矢に血が固まらない毒を塗った矢があるもん!」
「準備いいな、剣術に回避スキルってあったか?」
「回避というよりチャージっていう突進スキルがあったのですが、これで移動できるかどうかですね」
「だよな、やっぱり俺は盾受けか・・・」
「と思って、一応大防御ってていう盾術のスキルブックも用意してますよ。店主曰くこれが一番汎用性が高く防御が出来るそうです」
「大防御か・・・覚えれっかな。祝福3の時は覚えれなかったんだよな」
アルもシスレーに劣らず物知りだ、スキルの事もある程度把握し何が有用な物なかの理解している為大防御の事もしっていたようだ
「今は祝福5じゃないですか、はいどうぞ」
イベントリから大防御を取り出してアルに渡す
「サンキュー・・・おっ!いけそうだぜ!」
「流石ですわ、アルフレッド様」
アルはそのまま大防御のスキルブックを使いすんなりと覚えた
「よっし、これでリーダーの攻撃はなんとかなるか?」
「アルってMPいくつです?大防御って消費MP3使うそうなので、あまり盾受けできませんよね?」
「MPか・・・恐らく15ぐらいか?詳しくはしらねーがそのぐらいだろ」
「じゃあ5回しか防げませんね、それに攻撃にスキル使えませんね」
ヒューマンはMPが10スタートだったはず・・・アルが祝福5だから上げ幅は1~2の間で人によってランダムとかなのかな?まぁそりゃそうか、シスレーはアルより素早いけど力はおとっていたり、ナタリーはこの二人よりMP多いしなと人それぞれ個性がでるんだなと思う
「はい!うちのステップは消費1で20回使えます!」
そしてシスレーのMPが20と分かった
「5回か・・・これは危ない時ようだな。見極めて使わねーといけないってことだな」
「そういう事ですね。後、こっちはブラッドスラッシュです。剣術の出血攻撃です」
イベントリから出して渡す
「・・・おぼえれねーな」
「なんと・・・予想外でした」
持久戦が一番かと思ったがアルが覚えれないということで、うまく話しが進まないのが会議というものだ
他にも準備していたスキルブックや、ゴブリンリーダーに魔法の中でも有効と言われるものを並べ、途中ナタリーも孤児院を抜けて会議に参加をしてくれて話を勧めた
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2時間の話し合いの結果、アルがメンバーと作戦内容をまとめた
「メンバーは俺、ノエル、シスレー、ティアでいく。サリアは悪いがやっぱ防御スキルがないのは厳しいと思うから今回は諦めてくれ」
「そんな・・・分かりましたわ・・・」
サリア以外は少なからず回避か防御のスキルがある為の人選だ。ナタリーがいない為回復も心もとないから一撃で死という危険もあるのだ
「他のPTがどう動くかは明日の顔合わせである程度聞いてくるが、俺たちは出血狙いで倒すってことでいいな。攻撃の要はシスレーとティアだ。俺はシスレーのカバー、ノエルはティアのカバーだ」
「おっけー」
「矢買いに行かなきゃ、ノエル君明日いこうね」
「はい」
「ノエルの空間魔法を使うタイミングは任せるが、今回は中和が一緒だからな。使う時は・・・まぁうまくやれよ」
「分かりました」
ブリンクしながら、アルのオリハルコンの剣で攻撃も考えたが、それは最終手段となった。中和の力は魔法使いの集団だ。自己顕示欲が強く、魔法使いが一番だと思っている人達、そんな人達に空間魔法を見られたら嫉妬や今まで以上の勧誘のオンパレードは目に見えていた。
なら僕らPTだけで行くのがいいかとなるが、それだとリーダーの周りにいるであろうゴブリンを対処するにはサリアを含む5人でも難しいとなった話し合いの結論だった
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