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第73話 ポートランド

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移動5日目

朝の5時に起床、集合時刻は6時だからだ

ぶるっとする寒さで目が覚めた感じだ

アルとシスレーは気持ちよさそうに寝ているが、あれ?深夜に布団掛けなおしたよなとおもっているが二人とも掛布団を吹き飛ばしている

リコールをかけて、着替えると、朝の散歩をしたかったがそんな時間はない

昨日、収穫祭で飲み過ぎたであろうアルとシスレーを思い、朝食はスープを取り出し、ここからが本番だ

「アル、シスレー起きてくださいよー」

一応最初はこんな感じで優しく声を掛けるが、これは意味のないものである

「アル!」

体をゆすりながらも起こすがこれで起きるのは10%程度

「アルー!」

ぺちぺちぺち

顔を叩きながら起きる確率は50%

これで起きないなら・・・この寒い朝にウォーターの魔法は辛いだろうなと思いながらも最終手段だった

そっと顔に近づけて

「うぉ!?つめてーーーさむっ!?」

「はい、おはようございます」

「だからそれやめろって!」

起こしてあげてるのに、怒られるのは理不尽だ!

「僕だって段階を踏んで起こしてるんですよ!それに今日はシスレーも起こさなきゃいけないんですから!」

「そんな怒んなよ・・・おっスープか気がきくな」

アルは目が覚めると、尾を引かないので一度起こすと楽なのだが・・・

「シスレー朝ですよー」

体をゆする

「んーん、寒い・・・」

シスレーは二度寝体質なので、完全に起きるまで時間が掛かるのだ

「ほら起きて、置いていきますよ」

「ちょっと頭が、ガンガンする・・・」

最悪だよこの冒険者、依頼中に二日酔いになってんじゃないよ!

「起きたら解毒ポーション渡すので、はい起きて」

「わかったからー、揺らすなー・・・」

上半身だけむくりと起き上がり、頭を抱えている

解毒ポーションを渡し、着替えをするように勧める集合まであと30分だ

「もう集合時間きますよ」

「着替え手伝って・・・頭はなおったけど体がだるい・・・」

「いやいやいや!アルもなんとか言ってくださいよ!」

「モグモグ、あぁ?手伝ってやれよ。シスレーの下着姿なんてもう見慣れてんだろ」

アルはアルで食事を終えて自分の着替えに入った

「もう!」

集合時間3分前には到着できたが、他のPTは全員揃っていたのだ

「すいません遅れました」

「いや、遅れてねーよ。昨日あれだけ飲んだんだ、ほかのやつらもさっき集まったとこだ。じゃ出発だ」

ソーリンさん、やっぱ悪い人じゃなくてどちらかというと、いい人よりだ

そんなソーリンさんが出発の合図を出して、この旅最終目的地、ポートランドへ向けて出発した

ポートランドに近づくにつれ秋から冬に変わろうとしているのが、目に見えて分かるぐらい木々は緑をなくしている

魔物の数も少なくなっているように感じたが、これはポートランド付近からなのか寒いからなのか不明な為、後で聞くことに

ポートランド付近は盗賊が多いと聞いたが、僕たちは4PTと御者の全員あわせて14人もいたからか

盗賊に襲われることは無かった

ゲームなどでは盗賊は50人や100人規模の大人数がほとんどだが、この世界では5~10人が現実のようだった。ブレッド村を襲った盗賊15名は大人数に分類されるようだった

なので護衛依頼などは、人数を集めることが大事なのだそうだ

「そろそろポートランドに着くよ」

シスレーが教えてくれる

「やっとですねー、少しはゆっくり出来るんでしたっけ?」

「お前なにも聞い・・・いや、資金集めしてたんだったな。後数日で雪が降るかもしれねーからな。滞在期間が4日しかないぞ」

「僕は別にいいですけど、結構ハードな日程ですね」

滞在期間4日っていうのは3泊4日。実質自由時間は2日だけだった

なだらなか丘の上からポートランドが見えてきた時には、この世界初の海をみたが広大な海が地平線まで広がっていた

その広大な海には何隻もの船が行き来している

ポートランドはセイクリッドストーン、サイシアールの2つの街を合わせたぐらい広大な街だった

「おおきい街ですねー」

「あぁ王都の次に大きな街だな」

雑談をしている間にあっという間にポートランドへ着いてしまい、西門で一度護衛は解散となった。4日後に立つと予定通り言われるが、打ち合わせをする為に3日後の6時にポートランドギルドへ集合とのことだった

「宿どうする?この街はピンキリなんだぜ、海辺は一泊金貨1枚するらしいからな、まぁ夏じゃないからそんな高くないかもな」

リゾート地もかねているのかな?・・・今の手持ちの僕のお金は金貨57枚もあるから泊まれそうだけど

「それっていつも通り一部屋ですか?それとも一人ですか?僕は折角なので高いとこ泊まりたいですが」

「金もってるやつはやっぱ違うな。一人か一部屋かはその宿次第だな」

「うちもいいとこ泊まりたーい」

「じゃあ海沿い行ってみましょうか、金額次第で僕が出しますよ」

「よっ小金持ち」

「やったー!」

僕はこの二人はなんだかんだで結構貯めている事を疑っているが、折角オフシーズンでもリゾート地にきたのだ満喫しなければ勿体ないのだ

海沿いには4階や5階だての屋敷のような建物が並んでいる、その先には白い砂浜だが、この季節だ。泳いでいる人はいない

「どこ行くよ?」

「シスレー選んでいいですよ、泊まりたいとこ行きましょう」

「えぇ!?・・・じゃあのレンガ造りのとこ!」

シスレーが選んだのは一軒一軒が別々のコテージになっている宿が並んでいるものだった、ビーチと繋がっているので夏なら朝おきてすぐに海に飛び込めそうな場所だ

「よっし!いくぜ」

受付へ行くとここは1軒の値段だったが、オフシーズンでも1泊、金貨1銀貨5枚だった。オンシーズンだと金貨3枚するそうなのだ。高級宿らしい受付も上品さがあり、対応してくれるお姉さんも丁寧だ

3泊分のお金を渡し、鍵をもらってコテージへ

「すっごいよ!目の前に海!」

リビングと呼ばれる部屋からは海が一望できた

部屋も4部屋もあり、僕もベッドで寝れそうだ

各自部屋を決めて、時間はもう日が暮れ始めているので食事に出ようということになった

「やっぱり海の幸ですかね!」

「シスレー店しってるか?」

「いやいや、こっちのリゾート地なんて来ないから分からないよ」

「じゃあ受付におすすめを聞きに行きましょう!」

受付へ行くと、このレンガ調のコテージの1個がレストランになっているようで、そこを勧められる。寒い暗い中ウロウロ探したくは無かったので渡りに船だった

「いいのか?高いだろ・・・俺金貨1枚しか持ってねーぞ」

「うちも金貨2枚だけだよ」

「それ奢ってもらおうとしてます?僕はレストランいくので、それでは」

お腹もすいたので、受付の人へ案内を頼む

「ではお姉さん、案内おねがいします。海鮮料理ですか?」

「はい、こちらです。えぇ今は旬な物がそろってますよ」

「おぉそれは楽しみですね」

2人には十分してあげたなと思い、僕はそそくさと二人を置いて行こうとするが、受付さんの会話を聞いて黙ってついてくる二人

ちょっと場違いな服装で来てしまったなと思ったのだ。明らかにドレスコードがありそうなのだ

「あっ・・・こんな服装でよかったですか?ちょっと勝手をしらずお恥ずかしい」

「いえ、そのような事はありませんので」

受付さんとはレストランを入ると別れ、レストランのウェイターが案内を変わり席へ

椅子を引かれ、座る。おぉかなり接客してくれる

いつもは壁にかかったメニューだが、机事にちゃんとメニュー表がある

コース料理があるのか・・・一番いいので銀貨6枚、これにしようかな

「二人は決まりました?」

真剣にじっとメニューを見つめる場違い冒険者2人

「ノエルー」

「ノエルくーん」

ネコナデ声で呼んでくるが

「いやアル気持ち悪いし、僕はこの海鮮フルコースにしますよ。シスレー同じの頼みます?」

「やった!」

「のえるー」

「・・・アルも同じの頼みますか?」

「やりー!」

呼び鈴があるのでそれを鳴らし

「海鮮フルコースを3つと、料理に合うお酒を2にこのオレンジュースを1つお願いします」

ウェイターに注文を伝えると下がっていく

「酒まで頼んでくれるとはな!」

「全く・・・今日だけですからね、残りは知りませんよ」

「はいはい分かってるって、でもお前いくらもってんだよ?」

「みんなと変わりませんよ?今全財産は金貨58枚ほどです、後はポーションや食料に変わってますもん。アルは結局今いくら貯めてるんですか?」

「そんなに持ってんのかよ!?俺は金貨12枚だぞ」

「え!?なんでそんなに少ないの!?シスレーはいくらもってます?」

「うちも21枚ほどかな」

いや・・・一度ダンジョン潜って分配すると一人頭金貨1~2枚だ。サイシアールは宿代やご飯代はPT資金なんてほぼ作ってなかったから、そういうもんかもと自分の金銭感覚がくるってきているのかもしれない

「いっちゃ悪いかもしれませんが・・・休息日も働いたほうがいいですよ」

「う、うるせーよ」

「そ、そうだよ。休息日は休息するもんなの!」

料理が徐々に運ばれ始めて食べ進める、美味しいご飯と飲み物に話も弾む

「明日から2日自由だけど、まずは俺の武器だよなっ!ノエル!」

「え?お金渡すんで一人で見てきてくださいよ。僕だって自分の見て回りたいですし、ティアやナタリーには絶対お土産かいたいので」

「冷たいこというなよ、鑑定ないんだからよ。みんなで見ていいものか見極めてくれよ」

「えぇ~・・・じゃあ明日は自由時間で、アルも目星をつけて、明後日にみんなで探しますか?」

「おう!そうしてくれ!」

「シスレーもそれでいいですか?」

「いいよー」

「あっあと店主さんがハーフリングのとこは融通してくれるかもしれないので、そこも覚えておいてくださいね」

「なんでハーフリング?」

「ハーフリングに好かれやすいので」

「なんだよそれ、まぁ自信がありそうだから頭の隅においておくわ」

久しぶりの海の幸に舌鼓をし、満足してコテージに戻った

「酒も飯もうまかったな!少し飲み足りないから酒だしてくれよ」

「ですねーサイシアールやセイクリッドストーンでは川魚でしたもんね」

「うちもあんなに豪華な食事初めてだったよ」

僕達は満腹だったが、アルは満足してないようなのでアルのエールとつまみになりそうな物を並べる

「ノエル明日はどうすんだ?また早朝からでかけんのか?」

「もちろん!」

「えー、一緒に回ろうよ」

「・・・朝起きれますか?僕よりアルと回った方が起きる時間もあってるんじゃ」

「う~ん、うちはアル君よりノエル君派だから。8時には準備するから!」

「・・・じゃあそれまで僕は一人で散策を」

「だめだって!」

「なんかお前ら距離近くね?なんで俺はお前らがイチャイチャしてるのを見ささられてんだ?」

僕はやれやれという仕草をしながら

「ネバースノー一緒に観光して楽しかったですからね。二人の時はこんな感じですよ」

「へー、シスレーの意外な一面みた感じだわ」

「うるさいの!」

「それにイチャイチャって、僕だってブレッド村からウェッジコートまでのサーヤさんとアルの」

「あぁわかったって!それ以上いうな!」

あの時、サーヤさんがアルにべったりだったがアルも嫌そうにせずに普通に返していた。僕がどれだけ気を使ったことか

「アルはこの街のこと詳しいんですか?」

「詳しくないが、商店区やいい店は海沿い近くにあつまってるからな。そこ中心に明日俺はみる予定だ」

「なるほど海沿いがやはり盛んなんですね」

「ちょっとちょっと!アル君余計な情報教えないでよ!」

「ちゃんと8時には準備しといてくださいよ。着替えも手伝いませんからね」

「とかいってこっそり触ってた癖に~」

「うっわ、ノエルひくわー。むっつり野郎めギャハハハ」

「そりゃ着替えなので、ちょっとはあたるでしょ!もうお金一切出しませんから!僕は明日も明後日も一人で高級レストランで食事しますから!」

アルとシスレーもお酒が入り、すねたとからかってくる。こんなに騒いでも周りとは30mは離れているので聞こえないこのロッジを堪能し夜が更けていった
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