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第72話 パンプ村

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ポートランド移動の旅4日目

「疾風!」

シスレーが舞うような3連撃がインプを襲う

3連撃のうち2発にはシスレーの炎燃結晶のナイフ、黄昏による攻撃によって切られた箇所が一瞬燃えている

「シスレー交代だ!ブリッツアタック!」

アルの突進による突きの攻撃がインプの喉をつきインプは絶命した

このインプはDランクの魔物で、集団で襲ってくるのだ。ゴブリンよりも知能が高く、武器も多彩に扱っている

イースト地方はインプやマッドスネークがよく出るらしく、インプによる襲撃は今日だけで3回目となった

「おつかれさま二人とも」

水を取り出して、2人に進める

「はーうめぇ、向こうも終わってんだな」

「ありがとー、美味しい。ノエル君、チャージお願いしていい?」

シスレーから黄昏を受け取る、魔力を使い果たしオレンジ色の刀身は光を失っていた

黄昏をにぎり、魔法を使う感覚でMPを流すとすぐに輝きを取り戻し綺麗に光輝き始めた

「はい、できましたよ」

「ありがとー、やっぱり黄昏はこうでなくっちゃ」

「チっ・・・俺も早くほしいぜ」

アルはぼやきながら解体を始め、魔石をとりだし始めた

インプは10匹前後ででてくるのだが、僕はアルとシスレーの回復と足止め係をしているので戦闘にあまり参加をしていないのだ

緑の光と破壊僧はCランクなだけあり、インプに後れをとることは無かった

アルとシスレーも囲まれなければやられることはないが・・・中和の力はそうではなかった

魔法の力で難なく倒すのだが、全員ヒューマンなのでMPはそこまで多くないようだ

最初の1戦2戦と他のPTよりも殲滅速度は早く、後ろからみてみた僕も優秀だなと思っていたが継続力がなかったようだ

恐らく全員初級魔法を5~10の間で撃てばMPが切れるようで、今回はほぼ戦う事が出来ず見ているだけだった

MP消費軽減がないと、この世界では豪語出来るほど魔法使いは優秀ではないと思えるのだが

それでも中和の力の人達はMPが切れたら仕方ないというスタンスでいるので、そういうもんなんだろうと口には出さない。なぜなら変な人達でも最底辺のガロ達のことをみていたから、可愛いもんだとおもえるのだ

全員自分達が倒した魔物の解体を終えて、移動が進む

街道沿いの林の木々も葉っぱを落とし、紅葉する前に枯れているようだ

落ち葉を踏むとカサカサと耳が心地よい音を鳴らす。そのいい気分をぶち壊すアルとシスレーの会話

「シスレー、ナイフ一度だけ貸してくれよ!頼む!」

「だめだめ!」

「なんでだよ!一回だけならいいだろ!リーダー命令だ!」

「なにそれ!?ひどくない!?」

あの効果をみたら使いたい気持ちもわかるけど、それはパワハラというものですよアル

「アル駄目ですよ、嫌がってるじゃないですか」

「なんでお前もシスレーの味方してんだよ、一回ならいいじゃねーかよ」

「それぐらい大切にしてくれてるんですよ。はぁ~・・・アルの予算金貨5枚っていいましたけど、本当は金貨10枚までは準備して出せるんですから、我慢してくださいよ」

「ほんとか!?」

「ほんとですよ、先に渡しときましょうか?」

「いやいい、お前ほんとっそういうとこ上手いな!」

背中をバンバンといつも通り叩かれ、髪をくしゃっと撫でられると意気揚々と歩き出していた

「ノエル君ありがとう、アル君の扱い上手だね」

「いーえ、大切にしてくれてるのが伝わってきたので。アルは強くなることに貪欲ですからね、尊敬できる部分でもあるので。あっ戦闘してお腹すきました?何かパンでもだしましょうか?」

「ノエル君すきー!」

「ふふ、シスレーの扱いも上手でしょ。何がいいですか?」

「アル君に食べられた白パン!」

「はい、どうぞ」

アルにも溶岩鳥の串焼きを渡して、移動は続いたのだった

今日は町に泊まるようだが、ちょうど収穫祭をしているようで町は賑わっていた

「ここなんて町でしたっけ?」

「パンプ町だな、カボチャやナスやじゃがいもにビーツが名産らしいぜ」

「ここのカボチャパイおいしいんだよねー」

緑の光のソーリンさんから明日の集合時間と場所を聞いたのち解散となった。時間は4時と早めだが、ここに泊まれば明後日にはポートランドだそうなのだ

「おいおい飲み放題なんてあるぞ!」

「ですね!他にも催し物や、ゲームみたいな物もありますよ!」

「ここは収穫祭の規模が大きいからねー」

町の中央には広場があり、そこにテントや椅子が並べられ、その周りに屋台や露店が並べられている

人も多く活気に満ち溢れていた

「えー飲み放題のうけつけはこちらですー。参加される方はこちらにー、参加料は銀貨1枚ですー」

銀貨1枚で飲み放題って高いのか安いのか分からないがアルがそわそわしているのだ

「アル、シスレー、僕が宿とっておくので先に見てていいですよ。はい一人銀貨5枚渡しておきますね」

「よっしゃ!おっ色んな飲み物ありそーじゃねーか!ノエル頼むな!」

アルは銀貨を受け取ると走り去って行ってしまった

「シスレーもいいですよ」

「ううん折角だし一緒に回ろうよ」

「じゃあさっと宿をとりましょうか、この人数だと宿屋埋まって無いか心配ですね」

急ぐ必要があるなと思って、歩き出すがシスレーは立ち止まったままだった

「宿屋埋まっちゃいますよ?」

「ネバースノーみたいに手繋だら駄目?」

シスレーの方が背が高いが、少し上目遣いで言われる

「ふふ、実は僕もシスレーと手を繋ぎたかったんですよ」

「ほんと?」

「はい!それに守らなければいけませんからね」

すっと手を繋ぐと僕の心の冷たさがシスレーの体温で溶けていく感覚だ

「あたたかいですねシスレー」

「ふふ、いこっか」

一軒の宿屋で部屋が1部屋取れたので、心おきなく祭りを楽しめることになった

「どうします?僕は先に買い出しで野菜を買っておきたいですが」

「うん、まだ日もでてるし収穫祭は夜が本番だからね、先にそうしよう」

広場にまた戻り市場で野菜を購入していく、恐らく僕は料理人か何かだと思われているだろうな。ジャガイモやビーツという豆は木箱ごと購入し冬に備えるのだ

さっきまで明るかったのに時間が6時を差し掛かると、真っ暗になっていた

「そろそろ、シスレーも飲み放題いきますか?僕もカボチャパイとか気になってるんですよね」

「いこーいこー!」

受付に行くと特性のカップをもらいそれに何杯もいれていいようだった。お酒以外にもパンプキンジュースなどもあったので、僕もカップをもらった

カップに飲み物をいれてカボチャパイを一つもって席を探す

「あっあっち空いてるよいこー」

人の波を避けながら進み、やっと座れた。かなり混みあっていて、もとからゆったいりとイスが置かれているため、数が少ないからだ

「では、かんぱい」

「かんぱーい」

シスレーもゴクゴク飲むので、僕は飲み物を一口飲むととパイを食べることに

「うっま!?ぱりぱりのパイ生地とまろやかなカボチャのくりーむ!」

「うちも、あーん」

「はい、あーん」

シスレーは二人の時は結構甘えてくるなと思うが、祭りなのでテンションも上がっているのだろう

「おいしー、やっぱりここのカボチャパイさいこーだよ」

「ですね!ちょっと僕お土産に買って帰りたいのでかってきますね!」

「あっうちのも!2個おねがい!」

「はーい!」

追加で自分用に10、シスレーに2、お土産用に10を購入し。焼くのに時間が掛かるようで、焼き上がる間に他の食べ物も購入し、シスレーのとこに戻ると

「アハハー、ソーリンさんやめてくださいよー」

「いいじゃねーか、祭りなんだしハメはずそーぜ」

案の定酔ったソーリンさんに絡まれていた

「シスレー戻りましたよー。ソーリンさんこんばんは」

「おーう坊主ものんでるかー?運搬依頼でこういうとこ回れるのはこの時期だけだからな、ゆっくり楽しめよ」

う~ん・・・男の僕やアルにはすごいいい人なんだけどな。いるよなこういう人と思いながらも、シスレーを離す必要がある為少し頑張ることに

「ですね、いい依頼を受けましたよ。それに綺麗な彼女も一緒なので最高です」

僕はそういいながらシスレーの横にいき、シスレーを抱き寄せるとソーリンさんから剥がした

「おいおいそういう事なのかよ、わりぃな坊主よ。早くいってくれりゃーいいのによ。嬢ちゃんも悪かったな」

「いえいえ、ソーリンさんなりのスキンシップなのはわかってるので。あっアルがソーリンさんと飲みたそうにしてましたよ」

「おっそうか?じゃあまた明日からたのむな」

ソーリンさんは席を立ちあがり、フラフラと人込みへ消えて行った

「すいません、僕からしたらそこまで悪い人ではないのできつく言う事ができなくて」

「ううん!すっごいスマートでカッコよかったよ」

う~ん?よくあるあしらい方だと思い恥ずかしかったが実戦するとシスレーにはうけたようだ

「それに沢山買ったので遅くなってしまいました、気を取り直して食べましょうか。じゃがいものホクホク焼きなんてものや、ナスの一本焼きも買ってきましたし」

「流石きがきく!遅れたことをゆるそう」

「あっ飲み物からですね、とってきましょうか?」

「ううん、次はうちがいくよ。何がいい?」

「じゃあオレンジュースを」

「おっけー」

シスレーが席を離れると、中和の力のメイサさんとリムさんが席に座る

「ノエルのんでるー?」

「いえ、僕はお酒飲めないのでジュースですよ」

「だめだねーお姉さんがお酒の飲み方教えてあげるよ」

うわ今度はこっちにめんどくさいのがきたなと思いながらも

「二人ともよくお酒飲むんですか?」

「酒は魔力を高めるって言われてるからね、魔法使いたるもの飲まないのは駄目だよ」

初耳だが、恐らく迷信だ

「ねえこっちのPTに入る気ないー?君結構優秀だよね、レインも気に入ってるし勧誘してこいって言われてるんだよね」

「お誘いはありがたいのですが、今のPTに満足してるので」

「そうなのー?こっちきてくれたらサービスしてあげるよ?」

「そうそう、ノエル可愛い顔してるから他のメンバーも優しくしてくれるよー」

すごいぐいぐいくるなこの人達・・・顔は正直地味なのだが、恐らく魔法使いだからか気が大きくなっているパターンかオタサーの姫感覚なのか

「おまたせー」

「あっシスレーおかえりなさい」

「じゃあねノエル君、さっきの事かんがえといてねー」

シスレーが戻ってくると、普通に席をたっていくので、シスレーが席を空けるのを見てたのかのようだ

「何話してたの?」

「PTの勧誘ですよ」

「それにしては、距離近くなかった?」

「ですね、なんか気に入られたようです」

「この浮気者!さっき綺麗な彼女っていってたのにーえーん」

「浮気だなんて、僕はシスレー一筋ですよ!・・・プッアハハハ」

「アハハハ」

軽いコントをして飲み物を受け取って、話の続きをした

「それでも色仕掛けでくるとはねー」

「魔法使いを集めたいんでしょうね、少し王都の集会が気になり始めましたよ」

そういうとシスレーは黙ってしまい、少しの間があいてしまった

「ねえ・・・ほんとにいかない?いなくならない?」

「それはお芝居?それともほんとですか?」

さっきと違いトーンが分からなかったので聞くことに

「・・・お芝居だったら?」

「可愛い彼女をおいていなくなりませんよ」

そういって笑ってみせた

「ほんとだったら?」

立ち上がって、シスレーを後ろから抱きしめると

「シスレーを一人にしませんよ」

と僕も本当のトーンでいってみる

「・・・両方合格、ごめんね変なこといって」

「いえ、何度でも聞いてくださいね。同じ答えをずっというので」

「今日のノエル君はやけにかっこよく見えるよ」

「ふふやっと僕の魅力にきずきましたか」

シスレーを離すと、少し小声であっと聞こえたが。ずっと抱きしめておくわけには行かない。なぜならアルが横でみているからだ

「何やってんだおまえら?」

「ふふ内緒です」

「いつからいたの!?」

「いや、お前ら見つけて歩いてきてたら、いきなりノエルがシスレーを後ろから抱きしめてんだもんよ」

「早く声かけてよ!もう!」

「いや、なんか声かけづれーじゃんか・・・俺あっちいってるわ」

「気を遣わなくてもいいですよ、それよりアルはソーリンさんと会えました?シスレーが絡まれていたのでアルのとこへ行けって優しくいったのですが」

「あぁ会ったが、俺があったときはべろんべろんだったぞ。あぁソーリンさんシスレーにまたなんかやったのか?」

「まぁそんな感じですね、ほら、シスレーはね?」

「そうか。へー、ノエルも人の心が分かるんだな」

シスレーがばつが悪そうだったので、誤魔化せたようだが僕がきずつくわ!

軽く僕のジャガイモをつまみ、宿名と部屋番号を伝えるとまたカップを片手に消えて行った

「なんかフラッときて勝手に勘違いして納得してくれましたね」

「もういいとこだったのに、邪魔してくれたよ全く!」

「横ですっごい見てましたもん。すっごい表情で」

「アハハハそれはちょっと見たかったかも」

食事やお酒を堪能した後に、ゲームなども回っていたら

夜も更け始め、陽気な音楽から、ジャズのような静かな音楽へとかわり、若いカップルや熟年の夫婦などはゆったいと踊っている。時間にして9時頃だ、周りの席も空き始めて人が減っていっていた

「なんかもうこれから帰る雰囲気ですが、まだポートランドにもついてないんですよね」

「あっ分かる!帰ろっかってなってた」

「ですよね、明日も早いので宿にもどりますか」

「えー・・・もう少しいたいよー」

「明日5時30分起きですよ。アルとシスレーを起こす僕の身にもなってくださいよ」

「ちゃんと起きるからっね!」

「ほんとにー?」

「ほら、最後の一杯にしよっ!席もあいてることだし、一緒に好きなのとりにいこ」

席を立つとアルが酔いつぶれ机に突っ伏しているのを発見し、風邪ひくなよと思いながらも最後は温かいパンプキンスープをいれた

「なんでここでスープなの!?」

「だって寒いですよ、それにジュースばっかりのんで体が冷えました」

「うちだって寒いけどさー・・・また後で今度は前から抱きしめてあたためてほしいな」

「いいですよ、帰り道にしましょう・・・あっアルを連れて帰らないといけないのでまた今度ですね」

「アルフレッドー!お邪魔ボーイ!」

祭りを最後まで楽しんで、潰れたアルをおんぶして宿屋まで歩くことに・・・アルの足はずりずりと地面を引きずっている

「あーアル君のせいで手もつなげないー寒いよー」

きずかなかったがシスレーも結構酔っているようだ

「夏ならほっときますが、流石に依頼中なので風でもひかれたら困りますもん」

「楽しかったなー、また来年もこようね」

「ですね、今度はこの町の畑の風景も描いてくださいよ、そしたらこのさきずっと5年後も10年後もずっと一緒にこれますよ。テレポートは覚えてる予定なので」

「期待するけどいいの?」

「はい、まっかせなさい」

宿につきアルを部屋のベッドへ寝かし、僕らも寝ることに

ベッドは2つしかないが、僕は床で寝慣れているので文句はない

「一緒に寝る?こっちおいで」

「・・・?狭いですよね」

「寝てみなきゃわかんないよ、遠慮せずに」 

言われた通りシスレーの横に行くが、体半分でてしまう

「ふふ、お気持ちだけで。これじゃ寝れないので」

「じゃあこっちむいて」

横を向くとシスレーの顔が目の前に

「ほらぎゅっとしてみなさい、さっきみたいに」

その綺麗な瞳に吸い込まれそうになるが

「ぎゅっ」

ディティマールの体よ耐えるのだとずっと念じながら、平常心を保とうとする

「安心する・・・不意に不安や恐怖が襲ってくるんだ」

トラウマなんだろうな、エマさんとシンさんの死体は見つけたって言ってたし、メリアさんも恐らく目の前で魔物に殺されたんだろう。浮ついた気持ちが勘違いだと気づき、シスレーの頭をそっと撫でた

普段おちゃらけているせいか、あまり人に弱みを見せない様頑張っていたんだなと、今日一日を振り返って思い返す

「シスレーもみんなも僕が守りますからね」

しばらく抱きしめて、頭をなでているとスースーと寝息が聞こえてきたので、僕も寝ようかと思うが離してくれないようだったので、そのまま寝たのだが

僕は深夜にシスレーにベッドから蹴落とされた

「ぶへ・・・もう」

布団をシスレーとアルに掛けなおして、結局床で寝るのだった
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