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第55話 PT名決定!

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今日はダンジョンで出会った剣士のアンナさんと、馬車馬の集いでいっぱい奢手貰う約束の日だ

夜という約束だったが6時について、カウンターに座りアンナさんの到着を待つ

やはりここの酒場の雰囲気はいい

拠点をもってくる機会が減ってしまったが、たまには来るべきだと実感する

サイシアールは今だ封鎖中なんだぜ
昨日ダンジョンで30cmほどの金鉱石を手に入れてよー
新しく出来た教会の神官が美人でよ毎週かよってるぜ
ノース地方も今年は雨が少なく、小麦の出来がよくないみたいだぞ
この前街中で偉い美人なエルフをみつけてな、目が離せなかったんだわ
帝国との国境は今は危険なようだぞ
俺は宮殿の丘にたまに現れる絵描きの美女がいいな、あの絵を描いている時の真剣な表情が

などなど人々の噂話や世間話を耳にし、アンナさんをまってるが。聞こえてくる半分がうちのPTメンバーのことではないのかと思ってしまう

7時、8時、9時とまてどもアンナさんがくる様子は無く、ダンジョンで予定がくるったかな?と思いその日は帰ることにした

「自由な人っぽかったし、その場のノリで約束したようなものだったのかな」

楽しみにしていたが、あまり気にすることもなく帰路についた

王都のダンジョンの攻略をはじめ、1か月がたった頃

アルにギルドから指名依頼が入ったのだ

ノース地方のウェッジコート村に貴族を送り届ける馬車の護衛だそうだ

騎士団からの推薦でこれをこなせれば、アルともう一人のPTメンバーはDランク昇級とのことだった

メンバーは2~3人が望ましいようだ、他のPTも一緒に同行するとの事なのでサイシアールの件で名を売ったアルが、まだEランクの冒険者という事に驚いた副騎士団長がアルのランクを上げるために、取り計らった依頼のようだ

PTメンバーを集めて話し合いとなった夜

「やったぜ!これを成功させたら俺もDランク冒険者だ」

「まだ慣れてないですよ、気が早いですね」

アルがすでに成功した雰囲気でいるので、注意をしてあげる

「おまえは!こんな依頼余裕だろ」

「そのいう気のゆるみが足元をすくわれますよ・・・まったく」

「こいつは・・・正論だから余計に腹立つな」

「それで誰を連れて行きますの?」

ナタリーが本題にはいるのだ、そう連れて行く人も昇級できるようだからだ

「そうだな・・・全員といいたいが、2人~3人とかいてあるからな・・・」

「うちはいいよ、元からDランクだから旨味ないし、孤児院を手伝ってるよ」

孤児院はここ1っか月で、教会としての役割も果たせるようになっていた。アビリティ適正判断は、子供1~14歳までは銅貨1枚と決まった。

成人済みの冒険者には、周りの教会やギルドから目を付けられない為にギルドと同様の銀貨3枚とし、FやEランクの冒険者にはギルドカードを見せてもらい銅貨3枚で請け負っている

この案はターナー先生の案であり、今のところ教会やギルドからは指摘を受けていないので大丈夫だろう

「となると、ティアかナタリーのどちらかだな」

アルがそういうので、僕は最初から連れて行く気ないの!?と思い聞いてみる

「え?僕はなぜ選考からおちてるのでしょうか!!」

「は?逆だ、ノエルお前は連れてく」

逆だったようだ、僕は連れて行く前提で話をしていた

「私は孤児院があるので、ティアいってきてくれないかしら?」

「・・・護衛は二人でいっておいでよ」

女性陣は全員行きたがらない様子だ

「え?いいんですか二人とも、僕は別にDランクに上がりたいと思ってないですよ」

「ええ、わたくしはランクを上げることを重要視していませんの」

「私もー、それより祝福をあげるほうが大事だから」

アルが最初遠慮したシスレーにも聞いてみる

「そうか、シスレーはどうする?空きができたが」

「う~ん・・・二人でいって稼いできて」

結局行きたくないんかい!と心の中でつっこむが

もしや・・・護衛って面倒な依頼なのか・・・

「なんでみなさん行きたがらないんですか?」

僕は気になって聞いてきみるとシスレーが答えてくれる

「だって護衛って・・・あまりわりに合わないんだよ、護衛対象はだいたい貴族や成り上がりの下品な商人で、護衛が仕事なのに女だとそれ以上に求められることがあるんだもん、貴族だと断り辛いし・・・」

あぁ・・・こういうとこでも女性は大変な思いを・・・シスレーもDランクってことは嫌な思いも何度かしてるんだな・・・

「なるほどな・・・そういう事なら俺とノエルだけで行く」

「う~ん・・・僕も辞退したいであります!」

貴族や下品な商人・・・うんすごく行きたくなくなった!

「お前は駄目だ、条件は2~3人となっているんだぞ、シスレーの話を聞いてシスレー、ティアやナタリーを連れていけっていってんのか?」

「ノエル君・・・ひどい、私がそういうめにあってもいいんだね・・・」

「わたくし子供たちの前で笑えなくなってしまいますわ・・・」

「うちもお金の為ではあるのだけど・・・もう体を売ることはしたくないよ・・」

「僕が行きます!」

この空気に負けて僕は軽率に、宣言してしまった・・・

「よかったーよろしくね」

「助かりますわ」

「あっウェッジコートって食べ物美味しいんだ、お土産よろしくー」

この変わり身・・・はめられたか・・・

「よし決まりだな、旅にノエル無しは考えられないからな」

「人を便利道具みたいな言い方を・・・むさ苦しいアルとだけですか・・・」

「そういうな、他の護衛PTに綺麗な冒険者いるかもしれないだろ、それにおまけでDランクになれるぞ」

「・・・シスレーの話を聞いたら、そんな思いは一切できてきませんね、おまけって・・・」

話が一通り落ち着いたので、そろそろ解散かと思ったがまだ本題があるようだった

「まだ皆座っていてくれ、もう一つ決めなくちゃいけないことがある、PT名だ!」

「おぉ!?PT名!」

たしかにPT名って、冒険者っぽい!今まではすぐに解散する物だと思っていたから気にしなかったが護衛依頼などにはあった方が個人名よりも、覚えて貰えるそうだ

「いいですね!PT名!」

「いいねー私も憧れてる」

「拠点があるのにPT名がないのもおかしな話ですわね」

「だねー、普通はPT名はすぐにつけるもんだよ」

「まぁなこれから活動するなら必要な時期に俺たちもなってきたってことだな、みんなで案をだそうぜ俺は ”アルフレッドの剣”これをPT名とする」

「え・・・、自己顕示欲強くないですか?」

「べ、別にいいだろ!俺は有名になりたいんだ!」

「私はー”妖精の泉”こんなのどう?」

「いや、宿屋っぽくねーか?」

「う~ん、ティアやナタリー、シスレーがリーダーならありですが、アルがリーダーですからね・・・妖精って感じじゃないですよアハハ」

僕がそういうとアルに頭をはたかれた

「ではわたくしも”子供たちの自由な翼”なんてどうでしょう」

「・・・それは孤児院か教会の名前にしとけ」

「ですね、PT名っぽくはないですね」

「シスレーは無いのか?あまり答え辛いかもしれないが、前のPTの名前も教えてくれたら参考にできるんだけどな」

おぉ流石アルだ、ナイーブそうなこともサラっとぶっこむな

「前は夕月の暮れだったよ、私は”財宝コレクター”これがいいな」

「なるほどな、前は他にちゃんとしたやつが考えたんだな」

「ですね・・・あんなに絵が上手くても全ての感性がいいとは限らないんですね」

僕は顔を横に振る

「お前は案ないのかよ」

「ノエル君の聞いてみたいな」

「ですわね、あんなに人の駄目だしをするんですもの」

「お姉さんは君の感性を教えてもらいたいよ」

しまった・・・こういうのは人に任せるたちだから、何も考えてなかった・・・

「え・・・えっと、”祝福を貪る者達”!」

ふふ、いきなりだったけどいい線じゃない?これ

「いい様な悪いような、なんか微妙なラインいくな、お前・・・」

「うん、祝福をいれるのいいと思うよ」

「ですわね、祝福をあげる為に最初あつまってますものね」

「へー・・・ノエル君中々やるじゃん」

おぉ祝福をいれるのはよかったみたい、後はみんなが上手く料理してくれるだろう

結局PT名は”祝福探し”これに決まった

これはお互いの、理解の違いで色々な意味で捉えれるとのことで決まったのだった

そこからもう少し詳しく予定を聞くためと依頼受注の為に、メンバーが決まった為アルと二人ギルドへ行くことになった

ノース地方のウェッジコートとはどこにあるのか聞いてみると片道1週間は掛かる距離とのこと

これを聞いて、みんな土地感があるから遠いって事が分かって断ったなと思ったのだ

でもシスレーは食べ物がおいしいと言っていたから、それを楽しみにしよう

ギルドで話を聞くと、他のPTもあらかた集まっているようで3日後に出発のようだった

護衛対象は、カール家という子爵家の令嬢のようだ

アルが貴族と知り、嫌な顔をしたので、貴族にいい思いがないのだろうと感じた

護衛人数は全部で8人となっている

僕達”祝福探し”2人に、DランクPT”狼の疾走” の3人 CランクPT”午後の木漏れ日”の3人だ

顔合わせと打ち合わせに一度会ったのだが、予想通りほぼ男だった

Cランクの午後の木漏れ日の3人は、剣士と魔法使い、僧侶とバランスがいいPTで人当たりもよさそうなリーダーに、雰囲気がとてもよかった

それに比べてDランクのPT3人は、30代ぐらいの荒くれ者って感じがしてこちらが挨拶をしても無視をされてしまった。それに3人とも前衛職だといっていたのだ

食料などは各自準備するようになっている

1週間の旅路の間に3回、街や村に泊まるとの事、その宿泊料は依頼主持ちとのことだった

ウェッジコート到着後、任務完了となりそこで解散となっている為。早くても2週間と1日はかかる依頼内容だ

僕たちはEランクで護衛依頼は通常受けれないのだが、騎士団の推薦により受けるので報酬は少し低めで一人金貨3枚となっている

3週間で金貨3枚・・・安い、かなり安いのだ、ダンジョンに潜れば1日あれば金貨5枚は必ずかせげるからだ

他のPTは多分もっと貰っているのだろうが、今回はお金ではなく達成後のランクアップが報酬みたいなものだから仕方ないようだ。報酬に関してアルが何もいわないので、納得してのことなのだ

ノース地方は山や谷を越えた道なりとなるようなので、食料やポーションは多めに1ヵ月分をイベントリへ詰めた

遭難しても僕とアルだけは最低限生き残れるようにだ

今は夏真っ盛りだろう、サイシアールへ魔物討伐隊へ出向いた時より暑く日差しも強い

僕の冷気、熱耐性のローブも万能ではないので、錬金術師さんに通常のローブに熱耐性がより強力な物を作ってもらったのだ、これは自分が好きなローブに着けてもらったのでかなりお気に入りだ

外は深い青色のに内側は薄い青となり、見た目からしても涼しいそうなのだ

日ごろのお手伝いのボーナスとして貰ったのだけど、2週間は明けると伝えると絶望した顔になっていた。帰ったらすぐにリコールを掛けにくると約束をした

PTメンバーから絶対買ってきて欲しい食べ物リストとお金も受取、すべての準備が整った

アルはやる気を見せているが、問題が起きなければいいなと無駄にフラグを心の中で建ててみる
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