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第15話 水の初期魔法
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神官の女性、ナタリーさんから謝礼を受け取った翌日、僕は道具屋へと向かっていた。
昨日ナタリーさんから貰った小袋には銀貨10枚も入っていたのだ。
ゴブリンをナイフで倒すのは魔法使いっぽくないというのは言い訳で、ナイフで刺す感触も気持ちがいいものでは無く、精神的にきつかった。
だから、何か遠距離攻撃ができる水魔法を求めに道具屋に向かう。
道具屋へ着き、ドアを開ける
カランカラン
ドアを開けた先、正面のカウンターにいる店主が見えたので挨拶をしながら入る。
「こんにちは~」
「おう、またすぐ来たな」
一昨日来たばかりなので、顔を覚えてくれていたようだった。
僕はすぐに今日の要件を伝える。
「今日は臨時収入が入ったので、水魔法の初級魔術スキルブックを買いに来ました」
「おめぇさんは水にも適性があるのか?えぇっと・・・まってろよ、水魔法は~おっこれだこれだ、あと初級ならこいつも使えるな」
僕の言葉に、カウンターを挟んだ後ろに並べてある本棚から、店主はガサゴソしながら背表紙が青色の3冊の本を持ってきた。生活魔法の薄い青ではなくこちらはもう少し濃い青色だ。
「これがアイスショットで、こっちがスリップ、これがレインだ」
カウンターに3冊並べて、左から順番に指を指して説明をしてくれる。
「おっ色々あるんですねー」
白い空間でも空間魔法以外は詳しく見れていなかった、初級魔法は1個っていう訳じゃないという事が分かった。
並べられた本を見るが・・・見た目は全部同じだ。表紙に書かれている文字の並びや形は違うようだが読めない為、聞いてみることに
「この文字は店主さんは読めるんですか?僕はどれが何やらさっぱりで」
「読めるといえば読めるがなー、鑑定のアビリティで見えてるって言ったほうが正しいな」
僕の質問に、鑑定を使っていると教えてくれる。
「鑑定って便利なんですね、ん?じゃあ僕みたいな鑑定のアビリティを持っていない人は、ダンジョンでスキルブックを拾っても何か分からないってことですか?」
そしてまた疑問に思ったことを聞いてみる。
「基本はそうだな。スキルブックだけじゃなく、回復アイテムや武器の性能なんかも分からないと思うぜ」
店主は腕を組みながら、少し自慢げというか自信気に説明をしてくれた
「おぉ?ではどうやって物の価値を・・・」
僕がそういうと店主がニカリと笑う
「そのために道具屋がいて、鑑定料をとるってわけだな。ギルドの買取カウンターでも同じことをしているぜ」
そしてどや顔である。
「じゃあもし、高価なスキルブックだとしても価値が分からない僕は店主が安いスキルブックだと言ったらそう思って売るしかないってことですね・・・」
鑑定というものがこの世界でもかなり有能な才能だと感じ、取らなかった事を後悔。
「まぁ、そういうことだな」
ガハハと笑いながら答えた後に、少し真面目な顔つきになる店主。
「でもな客商売は信用が基本だぜ、ここでウソの鑑定をして結果が違うと信用はがた落ちだろ?そいつは2度とここを利用しなくなる。それなら、信用を勝ち取って長く利用してもらう方が店にも利益があるだろ」
もっともな事を言われる。僕も店主が信用できる人と分かれば、ずっと店主のとこでしか売買はしなくなるだろうと思った。
「それもそうですね、僕も末永くお世話になりたいのでぼったくらないで下さいね」
「空間魔法の転移ぐらい持ってきた日には、だましてその場で店たたんでトンずらよガハハ」
気持ちのいいぐらい、豪快に笑いそう冗談を言う店主に少し安心感を感じた
ある程度、鑑定の事を聞けたので、本題のスキルブックについて話を戻すことに
「ところで、このスキルブックの値段はいくらですか?」
その時に、カランカランと誰かが店に入って来たと同時に聞き覚えのある声が聞こえた
「あら?偶然ね、あなたもここの常連なの?」
その声に危険察知ではないが、僕の体は一瞬固まり少し身構える。
「あっ・・・ナタリーさんこんにちは、常連といってもまだ2回目ですよ」
げっ出たよ、もう苦手意識はなくなったけどタイミング悪いな~、この人から貰ったお金でスキルブック買うわけだし
「ふ~ん、スキルブックを買うのね。アイスショットに、スリップ、レイン、水魔法の才能があるわけね」
ナタリーは僕の隣に立つと、スキルブックを見ながら順番にスキルブックを読み上げていく。
「ナタリーさんも鑑定スキルを持っているんですか?」
くっ・・・鑑定持ちって結構多いのだろうか・・・
そう心の中で、羨ましがってしまった
「鑑定?あぁわたくしはスキルブックに書かれている文字が読めるのよ」
僕の質問に、思ってもみない答えが返ってきた。
「へー・・・そんなやり方で判別もできるんですね」
鑑定とは別に、言語か何かのアビリティがあるという事かな?それとも、勉強すれば読めるようになるのかな?
疑問に思うことが多かったけど、僕が考えこんでいると、店主と神官は二人で話を始めていた。
「ナタリーは今日もマジックポーションを買いに来たのか?」
「えぇ、そうよ。マジックポーションを2個いただけるかしら?」
「じゃあ、銅貨2枚だな」
「はい、ではこれで」
ナタリーは銅貨を渡し、マジックポーションを受け取り・・・帰ると思ったがまだ横にいた。僕の買う物を見るようだった・・・
僕は心の中で早く帰ってくれないかなと願っていた為に、この状況は気まずい。
店主は神官との売買が終わり、僕のほうへまた意識を向けて説明の続きをしてくれるようだ。
「で、こっちはスキルブックの値段だよな?アイスショット、スリップは銀貨5枚
レインは銀貨10枚だな。臨時収入っていくら持ってきたんだ?」
(臨時収入って言わないで・・・)
「えっと・・・銀貨10枚ほどです」
少しうつむきながら答える。
チラッと横を見ると何か満足そうな笑みを浮かべている、神官がいる。
「じゃあ全部は買えねぇーな、どれにするか決めたら声かけてくれよ」
店主は僕と神官の仲がいいと思ったのか、カウンターから離れていった。
(あぁ僕は店主のアドバイスが欲しかったのに・・・)
まぁいいや当初の目的通りアイスショットは買いとして・・・、後はスリップを買うかどうか悩むことに
「よかったわね、臨時収入が入って」
まだ満足げな笑顔で語り掛けてくる神官
「その節はどうも・・・」
あれ前にもこのセリフ言ったような
「で、何を悩んでるの?」
「アイスショットを買うのは決めているのですが、スリップはどうしようかと。どんな魔法なのかは想像できるのですが、見たことが無くて」
「スリップは氷を地面に張る魔法ね、相手を足止めするには便利な魔法よ。ただしPTを組んだ場合、前衛の邪魔になる事もあるわ」
神官は冒険者の先輩として魔法に関する情報を分かりやすく、メリット、デメリットを分けて教えてくれた。
基本はソロ活動をしていくと決めた僕には、ちょうどいい魔法だと思い買うことにしたのだ。
「なるほど・・・参考になりました、ありがとうございます」
買う事を決めて、奥に引っ込んでいた店主に声を掛けると、ズカズカと店主がでてきた。
「おう、何買うか決まったか」
「アイスショットとスリップを下さい」
そう言って銀貨10枚をカウンターの上に積み上げる。
「じゃあ・・・この2冊だな」
2冊の本を差し出され、買わなかったレインのスキルブックは本棚に戻されていく。
スキルブックを買った後に・・・ふと重要なことを聞き忘れていた為、聞いてみることに。
「そういえば、アビリティがあってもスキルブックが使えるかどうかはどうやってわかるんですかね?」
そう、スキルブックの使用条件的な物を教えて貰っていない。
「生活魔法の時もそうだったろ?見てないのか?本を持った時に、ここの背表紙の、この文字が白く光るぜ。というか、そんなことも確認しないまま買ったのかよ・・・ほら持ってみろ」
少し呆れ気味に言われ、本を持つように促された。
アイスショットのスキルブックを持ち背表紙を確かめる。
持ってみると、ぼんやりと背表紙に書かれている文字が光っているのだ
「ほんとだ、文字の色が変わりましたね」
続けてスリップのスキルブックも手に取り確認すると、背表紙の文字が光る。とりあえず使えることに安堵した。
「よかった、両方使えるみたいです」
「そりゃ両方とも初期魔法だしな、じゃあお前らまたこいよ」
店主は腕を組んだまま、ニカっと笑う
そのまま店主にお礼をいい、神官と店を出た
店の前で、神官のアドバイスの後押しで買ったので、お礼を言う
「ナタリーさんもアドバイスありがとうございました」
「いえ、いいのよ。PTの方には強くなって頂かないとね」
そう含みのある笑顔で言われるが、僕はその言葉をスルーし、その場を去ろうとお別れの言葉をつげる。
「ではこれで。魔法の試し打ちにいきますので、失礼します」
「わたくしもついていきたいのだけれど、依頼があるから今日は残念だけどいけないわ。またね」
神官は手を振り、僕も軽く会釈をしてその場を後にした。
(用事がなければついてくるつもりでいたのか・・・)
町から出て少し離れた、街道横の草原へ着く
(まずは消費MPのチェックかな、1分でMPが回復してしまうけど誤差だと思い検証だ)
スリップ 消費MP5
スリップのMPがブリンクと同じだけど、かなり有用なスキルだった
スリップで出来た氷の地面に足をのせると、そのまま転んでしまい手をついて起き上がろうとしても、そのついた手も滑る。這うように動いても思うように力が入らないのだ
試しに氷の床へナイフを突き刺すが、かなり固く少し窪む程度。
円型での発動が基本になり、直径3Mほどの大きさ。
氷の床を発生させる場所は、自分から15M以内の場所を指定できるようなのだ
氷の床は20分ほど経つと、自然に消えていく。溶けるというより、消滅するように消える
同時に1個以上の氷の床は張れないようで、2個目のスリップを張ると、最初に張った氷の床は消えてしまう。
スリップについて分かった事はこのぐらいだが、かなりの実用性を感じた。
次にこれから僕の攻撃手段のメインとなる魔法だ。
アイスショット 消費MP2
アイスショットは名前の通り、つららのようなものを飛ばすスキルだ
掌に、氷のつららが1秒ぐらいで作成されて飛んでいく。連射をするにも一定のリズムができる為に、マシンガンのように連続で打つことは出来ないようだ。
ただし、両手で打てるようなので、交互にうつと連続して撃てる感じだ。
検証を終え、検証結果をある程度整理し、空に目をやると夕方に差し掛かっている
(ふー・・・昼ごはんも食べる間もなくしていたんだな、お腹がすいた)
宿屋へ戻り、食事、風呂を終え、鐘の音が鳴っている。
ゴーンゴーン
その音を聞きながら、異世界3日目を終えた
昨日ナタリーさんから貰った小袋には銀貨10枚も入っていたのだ。
ゴブリンをナイフで倒すのは魔法使いっぽくないというのは言い訳で、ナイフで刺す感触も気持ちがいいものでは無く、精神的にきつかった。
だから、何か遠距離攻撃ができる水魔法を求めに道具屋に向かう。
道具屋へ着き、ドアを開ける
カランカラン
ドアを開けた先、正面のカウンターにいる店主が見えたので挨拶をしながら入る。
「こんにちは~」
「おう、またすぐ来たな」
一昨日来たばかりなので、顔を覚えてくれていたようだった。
僕はすぐに今日の要件を伝える。
「今日は臨時収入が入ったので、水魔法の初級魔術スキルブックを買いに来ました」
「おめぇさんは水にも適性があるのか?えぇっと・・・まってろよ、水魔法は~おっこれだこれだ、あと初級ならこいつも使えるな」
僕の言葉に、カウンターを挟んだ後ろに並べてある本棚から、店主はガサゴソしながら背表紙が青色の3冊の本を持ってきた。生活魔法の薄い青ではなくこちらはもう少し濃い青色だ。
「これがアイスショットで、こっちがスリップ、これがレインだ」
カウンターに3冊並べて、左から順番に指を指して説明をしてくれる。
「おっ色々あるんですねー」
白い空間でも空間魔法以外は詳しく見れていなかった、初級魔法は1個っていう訳じゃないという事が分かった。
並べられた本を見るが・・・見た目は全部同じだ。表紙に書かれている文字の並びや形は違うようだが読めない為、聞いてみることに
「この文字は店主さんは読めるんですか?僕はどれが何やらさっぱりで」
「読めるといえば読めるがなー、鑑定のアビリティで見えてるって言ったほうが正しいな」
僕の質問に、鑑定を使っていると教えてくれる。
「鑑定って便利なんですね、ん?じゃあ僕みたいな鑑定のアビリティを持っていない人は、ダンジョンでスキルブックを拾っても何か分からないってことですか?」
そしてまた疑問に思ったことを聞いてみる。
「基本はそうだな。スキルブックだけじゃなく、回復アイテムや武器の性能なんかも分からないと思うぜ」
店主は腕を組みながら、少し自慢げというか自信気に説明をしてくれた
「おぉ?ではどうやって物の価値を・・・」
僕がそういうと店主がニカリと笑う
「そのために道具屋がいて、鑑定料をとるってわけだな。ギルドの買取カウンターでも同じことをしているぜ」
そしてどや顔である。
「じゃあもし、高価なスキルブックだとしても価値が分からない僕は店主が安いスキルブックだと言ったらそう思って売るしかないってことですね・・・」
鑑定というものがこの世界でもかなり有能な才能だと感じ、取らなかった事を後悔。
「まぁ、そういうことだな」
ガハハと笑いながら答えた後に、少し真面目な顔つきになる店主。
「でもな客商売は信用が基本だぜ、ここでウソの鑑定をして結果が違うと信用はがた落ちだろ?そいつは2度とここを利用しなくなる。それなら、信用を勝ち取って長く利用してもらう方が店にも利益があるだろ」
もっともな事を言われる。僕も店主が信用できる人と分かれば、ずっと店主のとこでしか売買はしなくなるだろうと思った。
「それもそうですね、僕も末永くお世話になりたいのでぼったくらないで下さいね」
「空間魔法の転移ぐらい持ってきた日には、だましてその場で店たたんでトンずらよガハハ」
気持ちのいいぐらい、豪快に笑いそう冗談を言う店主に少し安心感を感じた
ある程度、鑑定の事を聞けたので、本題のスキルブックについて話を戻すことに
「ところで、このスキルブックの値段はいくらですか?」
その時に、カランカランと誰かが店に入って来たと同時に聞き覚えのある声が聞こえた
「あら?偶然ね、あなたもここの常連なの?」
その声に危険察知ではないが、僕の体は一瞬固まり少し身構える。
「あっ・・・ナタリーさんこんにちは、常連といってもまだ2回目ですよ」
げっ出たよ、もう苦手意識はなくなったけどタイミング悪いな~、この人から貰ったお金でスキルブック買うわけだし
「ふ~ん、スキルブックを買うのね。アイスショットに、スリップ、レイン、水魔法の才能があるわけね」
ナタリーは僕の隣に立つと、スキルブックを見ながら順番にスキルブックを読み上げていく。
「ナタリーさんも鑑定スキルを持っているんですか?」
くっ・・・鑑定持ちって結構多いのだろうか・・・
そう心の中で、羨ましがってしまった
「鑑定?あぁわたくしはスキルブックに書かれている文字が読めるのよ」
僕の質問に、思ってもみない答えが返ってきた。
「へー・・・そんなやり方で判別もできるんですね」
鑑定とは別に、言語か何かのアビリティがあるという事かな?それとも、勉強すれば読めるようになるのかな?
疑問に思うことが多かったけど、僕が考えこんでいると、店主と神官は二人で話を始めていた。
「ナタリーは今日もマジックポーションを買いに来たのか?」
「えぇ、そうよ。マジックポーションを2個いただけるかしら?」
「じゃあ、銅貨2枚だな」
「はい、ではこれで」
ナタリーは銅貨を渡し、マジックポーションを受け取り・・・帰ると思ったがまだ横にいた。僕の買う物を見るようだった・・・
僕は心の中で早く帰ってくれないかなと願っていた為に、この状況は気まずい。
店主は神官との売買が終わり、僕のほうへまた意識を向けて説明の続きをしてくれるようだ。
「で、こっちはスキルブックの値段だよな?アイスショット、スリップは銀貨5枚
レインは銀貨10枚だな。臨時収入っていくら持ってきたんだ?」
(臨時収入って言わないで・・・)
「えっと・・・銀貨10枚ほどです」
少しうつむきながら答える。
チラッと横を見ると何か満足そうな笑みを浮かべている、神官がいる。
「じゃあ全部は買えねぇーな、どれにするか決めたら声かけてくれよ」
店主は僕と神官の仲がいいと思ったのか、カウンターから離れていった。
(あぁ僕は店主のアドバイスが欲しかったのに・・・)
まぁいいや当初の目的通りアイスショットは買いとして・・・、後はスリップを買うかどうか悩むことに
「よかったわね、臨時収入が入って」
まだ満足げな笑顔で語り掛けてくる神官
「その節はどうも・・・」
あれ前にもこのセリフ言ったような
「で、何を悩んでるの?」
「アイスショットを買うのは決めているのですが、スリップはどうしようかと。どんな魔法なのかは想像できるのですが、見たことが無くて」
「スリップは氷を地面に張る魔法ね、相手を足止めするには便利な魔法よ。ただしPTを組んだ場合、前衛の邪魔になる事もあるわ」
神官は冒険者の先輩として魔法に関する情報を分かりやすく、メリット、デメリットを分けて教えてくれた。
基本はソロ活動をしていくと決めた僕には、ちょうどいい魔法だと思い買うことにしたのだ。
「なるほど・・・参考になりました、ありがとうございます」
買う事を決めて、奥に引っ込んでいた店主に声を掛けると、ズカズカと店主がでてきた。
「おう、何買うか決まったか」
「アイスショットとスリップを下さい」
そう言って銀貨10枚をカウンターの上に積み上げる。
「じゃあ・・・この2冊だな」
2冊の本を差し出され、買わなかったレインのスキルブックは本棚に戻されていく。
スキルブックを買った後に・・・ふと重要なことを聞き忘れていた為、聞いてみることに。
「そういえば、アビリティがあってもスキルブックが使えるかどうかはどうやってわかるんですかね?」
そう、スキルブックの使用条件的な物を教えて貰っていない。
「生活魔法の時もそうだったろ?見てないのか?本を持った時に、ここの背表紙の、この文字が白く光るぜ。というか、そんなことも確認しないまま買ったのかよ・・・ほら持ってみろ」
少し呆れ気味に言われ、本を持つように促された。
アイスショットのスキルブックを持ち背表紙を確かめる。
持ってみると、ぼんやりと背表紙に書かれている文字が光っているのだ
「ほんとだ、文字の色が変わりましたね」
続けてスリップのスキルブックも手に取り確認すると、背表紙の文字が光る。とりあえず使えることに安堵した。
「よかった、両方使えるみたいです」
「そりゃ両方とも初期魔法だしな、じゃあお前らまたこいよ」
店主は腕を組んだまま、ニカっと笑う
そのまま店主にお礼をいい、神官と店を出た
店の前で、神官のアドバイスの後押しで買ったので、お礼を言う
「ナタリーさんもアドバイスありがとうございました」
「いえ、いいのよ。PTの方には強くなって頂かないとね」
そう含みのある笑顔で言われるが、僕はその言葉をスルーし、その場を去ろうとお別れの言葉をつげる。
「ではこれで。魔法の試し打ちにいきますので、失礼します」
「わたくしもついていきたいのだけれど、依頼があるから今日は残念だけどいけないわ。またね」
神官は手を振り、僕も軽く会釈をしてその場を後にした。
(用事がなければついてくるつもりでいたのか・・・)
町から出て少し離れた、街道横の草原へ着く
(まずは消費MPのチェックかな、1分でMPが回復してしまうけど誤差だと思い検証だ)
スリップ 消費MP5
スリップのMPがブリンクと同じだけど、かなり有用なスキルだった
スリップで出来た氷の地面に足をのせると、そのまま転んでしまい手をついて起き上がろうとしても、そのついた手も滑る。這うように動いても思うように力が入らないのだ
試しに氷の床へナイフを突き刺すが、かなり固く少し窪む程度。
円型での発動が基本になり、直径3Mほどの大きさ。
氷の床を発生させる場所は、自分から15M以内の場所を指定できるようなのだ
氷の床は20分ほど経つと、自然に消えていく。溶けるというより、消滅するように消える
同時に1個以上の氷の床は張れないようで、2個目のスリップを張ると、最初に張った氷の床は消えてしまう。
スリップについて分かった事はこのぐらいだが、かなりの実用性を感じた。
次にこれから僕の攻撃手段のメインとなる魔法だ。
アイスショット 消費MP2
アイスショットは名前の通り、つららのようなものを飛ばすスキルだ
掌に、氷のつららが1秒ぐらいで作成されて飛んでいく。連射をするにも一定のリズムができる為に、マシンガンのように連続で打つことは出来ないようだ。
ただし、両手で打てるようなので、交互にうつと連続して撃てる感じだ。
検証を終え、検証結果をある程度整理し、空に目をやると夕方に差し掛かっている
(ふー・・・昼ごはんも食べる間もなくしていたんだな、お腹がすいた)
宿屋へ戻り、食事、風呂を終え、鐘の音が鳴っている。
ゴーンゴーン
その音を聞きながら、異世界3日目を終えた
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