上 下
2 / 235

第2話 ディティマールは神の子孫

しおりを挟む
丁度1時間が経過した頃に、近くにいた人が周りに聞こえるように喋り始めたのだ。

「ねぇちょっと聞いてー、今能力を振り終わったんだけど、これから行く場所選べるみたいよ、みんなで固まって行けば、安全じゃない?良かったらここでPTみたいな感じで組んで行かない?私ヒーラーみたいな回復よりにしたから、アタッカーかタンクを担当してくる人いない?」

若くて綺麗な見た目だが、耳が尖っていて喋り方が少しキツい感じからして、種族や年齢なども変更済みなんだろう人が周りにいる人に聞こえるように喋りだす。

そしたら優男のような男が返事をした。

「僕も同じ様な事を思ってたんだよ。でも最初から役割を決めてしまったら、これからの人生が掛かっているからね、スキルの割り振りにあれこれ、指示や意見はしたく無かったんだ、だから声を掛けるタイミングを伺ってたんだよ」

ふむふむ、なるほど。2人が言うことはもっともな事だ、周りを見ても頷いている人がいる為、思う事はみんな同じらしい

「僕は、剣術スキルと火魔法、回復魔法を平均的にとってるよ」
「俺は攻撃を最大限に活かせる様に割り振った、高火力アタッカーだー!」
などなど、PTを組むことを前提となり交渉、勧誘が始まりだした。

ただそんな中で僕は一人立ち上がらずに、自分の思うままに生きる事を決めている。

僕は瞬間移動がしたいのだ。逃げる時は逃げる、ソロで生きていく事を前提にしている為、他の人とどうこう考えていない。

それにまだスキルの詳細も確認出来ていない為、僕はステータス画面へと戻った。


とりあえず・・・まずは種族だ、一番割り振るポイントが大きく先に決めないと調節がきかなさそうだからだ。

4種のピックアップした種族の中だと・・・正直デミゴッド一択の様な気がする。

デミゴッド 不老不死 HP自動回復(中) 神からの助言

デミゴッドの名前の横に種族特性が書かれている。他の種族の特性はどこかおまけのような物なのだが、こいつだけは能力値もさることながら、特性も別格なような気がする。

だけどテレポートを考慮すると・・・ポイントの関係上無理そうだ。

破格な性能故に、これを選ぶ為には700ポイントも必要としたからだ。

空間魔法のレベルが今後上がるのか、スキルブックは簡単に手に入るのか全く分からない今・・・デミゴッドを選ぶのはリスクが高すぎる。一番の目的は瞬間移動で悠々自適に暮らす事だからね。

となるとデミゴッドは選べ無い。残りの3種だ。

ハイエルフ  不老長寿 MP回復率(中)  魔法適正(小)  200ポイント
ハーフデビル 不老長寿 HP自動回復(小) 火属耐性(小) 300ポイント
ディティマール 不老長寿 MP回復率(大) 魔法適正(中) 400ポイント

うーん・・・比べてみるとハイエルフがディティマールの下位互換っぽいな?

僕がいまだに種族を選ぶ初期段階で、隣では既に転移先をどこにするかで話し合いをしているのが聞こえた。

「この港の街とかどう?」
「まぁいいんじゃね?俺魚すきだし」
「う~ん・・・あっ、なんか嫌な感じがしたかも・・・」
「じゃあ無難に王都って場所は?」

少し聞き耳を立てたが、場所も結構選べるのか・・・これは急がないと!

時間は残り40分となっている、周りは意気投合しているような感じでPTでの固まりが見え、談笑かこれからの事とか喋っている様子。


急げ急げと僕もまたステータス画面と種族決めへと戻る。

もし魔力や能力値が上り辛いなら、長距離テレポートのスキルブックと空間魔法4は最初はくさってしまう・・・

テレポート以外にも、目ぼしいスキルは沢山ある。と少し種族が決まらないことで寄り道をし目移り気味に・・・

持ち物系のアイテムでもセット装備があるのだ
旅人セット(服一式、バックパック、銀貨10枚)
戦士セット(服一式、鉄の剣、皮鎧、銀貨10枚)
勇者セット(服一式、聖剣、ミスリルの鎧、金貨5枚)

後、収納袋と言ういっぱい入れられそうな袋などもある。



残り30分となり、騒がしかった周りから徐々に人が消えて行っている。残った人達も、もうほぼPTが決まっている様だ。自分も時間があれば声を掛けようか迷っていたがもう遅かった、それにまだスキルも取りきれていない。

周りに人が居なくなっていく様で焦りを感じ、僕は僕は一つの決断をした。


ディティマール!ディティマールで行こう!


デミゴッドが半神半人という何となくだがそんな意味だったはず・・・だからあの性能。

そしてディティマールのディティは・・・確か神のようなという意味だった気が・・・そんな浅い知識も加味して決めたことだ。マール?それは知らん!

種族が決まればそこからは早かった。

ディティマール                400ポイント
短距離テレポートスキルブック     50ポイント
長距離テレポートスキルブック   100ポイント
空間魔法3                      300ポイント
水属性魔法2                    20ポイント
MP消費軽減5                  50ポイント
危険察知3                        15ポイント
反応速度5                        50ポイント
絵3                                   5ポイント
旅人セット              10ポイント
合計               1,000ポイント

スキルレベルが上がる事に賭ける事にしたのだ。もし上がらなかった場合は短距離テレポートだけで我慢・・・苦渋の選択だが仕方ない。そして長距離テレポートのスキルブックは使えなければ売ればいいと思った。

正直スキルブックの100ポイントがあれば、もっと沢山アビリティは取れてはいたが、そこまで長距離テレポートを捨てることが出来ない優柔不断な結果となった。

後はポイントに関係のない年齢や外見などを残すのみ。

年齢は不老との事なので・・・17歳にして中肉中背にしてっと。見た目は・・・鏡がないから分からなくない?

なんで見た目とかも+-なんだろ?

とりあえず、普通よりちょい上ぐらいな・・・いや少し見栄をはって+8ぐらいで行こう!

それと種族のディティマールって、どこか見た変わったのかな?今どんな感じになっているんだろ?

まぁ・・・肌は白人よりに白く、耳も・・・うん、尖っていないなら大丈夫か。



ここでやっとひと段落出来た・・・ふー、テスト終わりの様な感覚だ。

もう、この空間にいるのも僕を合わせて残り4人しか残っていなかった
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。 ネット小説や歴史の英雄話好きの高校生の洲河 慱(すが だん) いつものように幼馴染達と学校帰りに公園で雑談していると突然魔法陣が現れて光に包まれて… 幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は素晴らしいジョブとスキルを手に入れたのに僕のは何だこれ? 王宮からはハズレと言われて追い出されそうになるが、幼馴染達は庇ってくれた。 だけど、夢にみた迄の異世界… 慱は幼馴染達とは別に行動する事にした。 自分のスキルを駆使して冒険する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。 現在書籍化されている… 「魔境育ちの全能冒険者は好き勝手に生きる!〜追い出した癖クセに戻って来いだと?そんなの知るか‼︎〜」 の100年前の物語です。 リュカが憧れる英雄ダン・スーガーの物語。 そして、コミカライズ内で登場する「僕スキなのか…」がこの作品です。 その作品の【改訂版】です。 全く同じな部分もあれば、新たなストーリーも追加されています。 今回のHOTランキングでは最高5位かな? 応援有り難う御座います。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】

墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~

WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
 1~8巻好評発売中です!  ※2022年7月12日に本編は完結しました。  ◇ ◇ ◇  ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。  ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。  晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。  しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。  胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。  そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──  ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?  前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!

漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?

みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。 なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。 身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。 一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。 ……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ? ※他サイトでも掲載しています。 ※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。

異世界二度目のおっさん、どう考えても高校生勇者より強い

八神 凪
ファンタジー
   旧題:久しぶりに異世界召喚に巻き込まれたおっさんの俺は、どう考えても一緒に召喚された勇者候補よりも強い  【第二回ファンタジーカップ大賞 編集部賞受賞! 書籍化します!】  高柳 陸はどこにでもいるサラリーマン。    満員電車に揺られて上司にどやされ、取引先には愛想笑い。  彼女も居ないごく普通の男である。  そんな彼が定時で帰宅しているある日、どこかの飲み屋で一杯飲むかと考えていた。  繁華街へ繰り出す陸。  まだ時間が早いので学生が賑わっているなと懐かしさに目を細めている時、それは起きた。  陸の前を歩いていた男女の高校生の足元に紫色の魔法陣が出現した。  まずい、と思ったが少し足が入っていた陸は魔法陣に吸い込まれるように引きずられていく。  魔法陣の中心で困惑する男女の高校生と陸。そして眼鏡をかけた女子高生が中心へ近づいた瞬間、目の前が真っ白に包まれる。  次に目が覚めた時、男女の高校生と眼鏡の女子高生、そして陸の目の前には中世のお姫様のような恰好をした女性が両手を組んで声を上げる。  「異世界の勇者様、どうかこの国を助けてください」と。  困惑する高校生に自分はこの国の姫でここが剣と魔法の世界であること、魔王と呼ばれる存在が世界を闇に包もうとしていて隣国がそれに乗じて我が国に攻めてこようとしていると説明をする。    元の世界に戻る方法は魔王を倒すしかないといい、高校生二人は渋々了承。  なにがなんだか分からない眼鏡の女子高生と陸を見た姫はにこやかに口を開く。  『あなた達はなんですか? 自分が召喚したのは二人だけなのに』  そう言い放つと城から追い出そうとする姫。    そこで男女の高校生は残った女生徒は幼馴染だと言い、自分と一緒に行こうと提案。  残された陸は慣れた感じで城を出て行くことに決めた。  「さて、久しぶりの異世界だが……前と違う世界みたいだな」  陸はしがないただのサラリーマン。  しかしその実態は過去に異世界へ旅立ったことのある経歴を持つ男だった。  今度も魔王がいるのかとため息を吐きながら、陸は以前手に入れた力を駆使し異世界へと足を踏み出す――

異世界でハズレスキル【安全地帯】を得た俺が最強になるまで〜俺だけにしか出来ない体重操作でモテ期が来た件〜

KeyBow
ファンタジー
突然の異世界召喚。 クラス全体が異世界に召喚されたことにより、平凡な日常を失った山田三郎。召喚直後、いち早く立ち直った山田は、悟られることなく異常状態耐性を取得した。それにより、本来召喚者が備わっている体重操作の能力を封印されずに済んだ。しかし、他のクラスメイトたちは違った。召喚の混乱から立ち直るのに時間がかかり、その間に封印と精神侵略を受けた。いち早く立ち直れたか否かが運命を分け、山田だけが間に合った。 山田が得たのはハズレギフトの【安全地帯】。メイドを強姦しようとしたことにされ、冤罪により放逐される山田。本当の理由は無能と精神支配の失敗だった。その後、2人のクラスメイトと共に過酷な運命に立ち向かうことになる。クラスメイトのカナエとミカは、それぞれの心に深い傷を抱えながらも、生き残るためにこの新たな世界で強くなろうと誓う。 魔物が潜む危険な森の中で、山田たちは力を合わせて戦い抜くが、彼らを待ち受けるのは仲間と思っていたクラスメイトたちの裏切りだった。彼らはミカとカナエを捕らえ、自分たちの支配下に置こうと狙っていたのだ。 山田は2人を守るため、そして自分自身の信念を貫くために逃避行を決意する。カナエの魔法、ミカの空手とトンファー、そして山田の冷静な判断が試される中、彼らは次第にチームとしての強さを見つけ出していく。 しかし、過去の恐怖が彼らを追い詰め、さらに大きな脅威が迫る。この異世界で生き延びるためには、ただ力を振るうだけではなく、信じ合い、支え合う心が必要だった。果たして彼らは、この異世界で真の強さを手に入れることができるのか――。 友情、裏切り、そしてサバイバルを描いた、異世界ファンタジーの新たな物語が幕を開ける。

処理中です...