黒髪のグロンダイル～ついつい考え込んじゃう絶対精霊兵器の私と剣の中の素敵な彼女と昼間から酒飲みな中年剣士の旅路

番外編

ミツルとお母さん真凜

「私って、人を好きになるって、正直よくわからないの。昔から一人でいることが多かったし、人と触れ合うことも少なかったから、どう向き合えばいいのか全然わからないの」

　私の声にはどこか不安と戸惑いが混じっていた。

うん、それは理解できるよ。自分の気持ちを知るのって、すごく難しいことだから

　幻想の中の真凜は優しく頷きながら、私の目をじっと見つめた。

「そうなの。でも、真凜だけは特別で…。最初からすごく特別だった。一緒にいると心地よくて、とてもどきどきして、これが『好き』っていう感情なんだって実感したんだ」

《《それは素敵なことだよ。あなたが感じていることは本当に大切だと思うし、これからの経験を通じて、自分が何を望んでいるのか、どう感じているのかが見えてくると思うよ」

　真凜は優しく言った。

「そうかな……。でも、どうしても真凜と一緒にいたいし、離れたくないって思うんだ」

《《その気持ちはすごく嬉しいけど、わたしがいなくても、あなたがちゃんと自分の幸せを見つけられるようにしてほしいな」

　真凜は少し寂しげに微笑みながら、真剣な表情を浮かべた。

私は美鶴の力になりたいけど、あなたもあなた自身の未来も大切にしてほしいんだ

「そんなこと、考えたくもないよ……。真凜がいないと、私はどうしたらいいのかわからなくなっちゃう」

　私の目には、涙がにじんでいた。

《《それは理解してる。でも、少しずつでもいいから、自分の未来について考えてみてほしいんだ。わたしの存在がその一部になればいいと思ってるから」

　真凜は優しく、私の手をそっと握りしめた。

「うん、わかったよ。少しずつ考えてみる。でも、やっぱり真凜が一緒にいてくれると、すごく安心するんだ」

　私は真剣な眼差しで、真凜に感謝の気持ちを込めて微笑んだ。

それでいいよ。私も美鶴と一緒にいる時間を大切にしてるから