それでも僕は空を舞う

みにみ

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mission02A Retaliation

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真正面からミサイルが迫ってくる
距離約200 避けられない
そして着弾 
粉々になった計器が体に突き刺さり
体が焼かれ痛みが全身を覆う

「ガァぁぁぁ!、、、、、、、、、、、はぁ はぁ はぁ」


あの日の空戦から毎晩のように見る悪い夢だ

2が相部屋からいなくなり
1人になったのは思ったよりもこたえた

一番こたえたのは残った遺品を段ボールに詰め
家族に送る時だった
ものを整理して行くと、家族との写真や日記などが出てきた
あの日、自分が咄嗟に威嚇射撃でも行えていれば
死ぬことはなかったのではないか………
そう考えながらこの2日間、落ち込んで過ごしてきた



基地ではレーダーの性能不足により敵機の奇襲を見逃したことで
新型のAWACSを配備することになった
そして、地上で滑走中に鉄屑になった機体の補充と
それらと同じく灰となったパイロットたちの替えもだ


⦅ブーブーブー基地搭乗員は直ちに第8格納庫へと集合せよ⦆


次の作戦が実施される、そう勘づいた空音は軽く上着を羽織って
格納庫へと走った


………


「本日、1500より、敵レキス飛行場を強襲し上陸作戦への布石を行う」
「攻撃隊長はダークスター1 その他10機」
「作戦目標は敵飛行場の機能を喪失させること 具体的には管制塔、格納庫だ 1400出撃 以上解散!」


誰もいなくなった格納庫で空音はイーグルの主翼にもたれかかる
頭に浮かぶのはあの時の空戦の風景だけ


「………おい大馬鹿野郎、いつまでしょげてるつもりだ
 整備に邪魔だからどけ」


「俺は………どうすればよかったんだ どうすればあいつを死なせなかった 一体どうしていれば」


玲奈は近づくと、手を振るった


パチィン!!

「大馬鹿野郎!!! 代わりにお前が死んでたらどうなっていた!
どっちにしろ2には基地の防衛はできない!お前しかできないんだよ!
生き残ったんなら死んだ奴らの分も生きろ!
生きるために敵を墜とせ!じゃなけりゃ死んだ奴らが望んでた平和な世界にはならないだろ!」


そうまくし立てると、
小声で言った

「お前にだけは死んでほしくない…生きて帰ってこい」


「…そうだな、クヨクヨしてたってどうにもならんか」


そういうと、自分の部屋に帰っていった
パイロットスーツに着替え死んだ者の分も戦うために

………
2004 3/14  ソーラ基地第6格納庫

「諸君らの武運を祈る 必ずしや敵飛行場を壊滅させよ!」

『了解!』

パイロットたちが自分の機体へと走る
格納庫内でいくつものジェットエンジンが始動し始め
反響する


キィィィコォォォォン


空音の乗ったイーグルを先頭にして
列機のフランカーやファルコンが出てくる

⦅ダークスター1発進位置についた 離陸する⦆

第2格納庫に設けられた臨時管制塔に無線を送り
許可を得る

動翼チェック、心なしかいつもよりも
動きがいい気がする

⦅大馬鹿野郎 聞こえるか 動翼の動きがいいだろう いつも以上に整備しといた しっかりやってこい⦆

⦅あいよ 行ってくる⦆


エアインティークから空気が吸い込まれ
燃料を注ぎ込まれて高温の炎を伴って
後ろに流れ出る

⦅白虎 テイクオフ!!!⦆


ブレーキの解除された機体は
その出力を前進のために使い一瞬で機体を宙に浮き上がらせる


後ろからは列機が上がってくる

(さぁ、、、やってやる)

様々な気持ちを積んだ編隊はアルラ海へと飛んだ


………
2004 3/14 1500 レキス基地上空

⦅目標捕捉 全機突入せよ⦆

イーグルがバンクすると同時に
列機が降下していくのが見えた


と同時に対空砲火が火を噴く
高射砲の弾幕が空に咲く
機関砲も打ち始めるがほとんど射程外


少し遅れて空音の機体も降下する
管制塔をロックオン
対地攻撃用のレーザー誘導爆弾を投下
ヒュゥゥゥゥゥゥ

音を響かせながら落下し着弾
遅発信管を搭載しているのでコンマ数秒遅れて起爆
管制塔の基礎から吹き飛ばし瓦礫が飛び散る

降下から引き起こす時に近くの燃料タンクに機銃掃射
プロペラ機用のガソリンタンクだったらしく
大爆発が起こり機体が押し上げられる
上昇しながら後方を見ると
飛行場はすでに叩かれ
滑走路は穴だらけ 管制塔も破壊されており
残った機体はスクランブル発進した敵のMiGー29と交戦しており
ほとんどの敵機が撃墜され墜落した残骸が
宙を焦がしていた


⦅本部へ作戦は完了 今後の行動の指示を求む⦆

⦅作戦終了後は付近の哨戒艇停留所を攻撃せよ⦆

⦅了解⦆

列機を集め、黒煙を上げる敵飛行場を後にした
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