10 / 10
中章
代機
しおりを挟む
「えぇ…まじで廃棄処分なのか?」
「あったりまえでしょ!あんな片羽イーグルどうしろっていうのよ
解体して共食い整備されるのがオチだわ」
「マジかぁ…俺の命の恩人なのに」
「人じゃないでしょ」
天帝隊を撃墜して片羽で景都を基地へ送り届けたF-15Cは
修理されることもなくそのまま解体することになってしまった
「あんたには別の機体を用意してあるわ ついてきなさい」
言われるがまま鳥の雛のようにてくてくと後ろについて歩く
「あんた、イーグル以外操縦したことあるの?」
「え?あるわけない 練習機ならいけるけど」
「あっそう ならいいか」
「?」
「他のみんなには知ってると思うけどF-35が支給されるから」
「え、俺違うの?」
戦線の前進を見た米国は台湾にF-35A型の初期ロットを
供与することに決めた
その機体は唯一まともな能力を持つこの志向基地に運ばれてくる
「あんたはイーグル系列よ」
「なんでみんな五世代機なのに俺だけ四世代機なの~」
「うーるーさーい 基地司令の命令よ」
そんなことを話しながらいつもの格納庫の
滑走路を挟んで反対側に出る
誘導路が地下へと伸びていく先には
分厚い鉄製の扉が
「ここ、にあるのか」
「えぇ、元々は米軍機体を隠すのに使ってたバンカー
今はほぼ私の部屋みたいなもんだわ」
「えぇ………」
暗証番号を入れて扉が開く
ぐーーーーん
景都が見つめる視線のその先にある………
「榛名 電気つけて」
「あっごめん」
電気がついて機体が照らされる
「おいおい…マジかよ」
機種は普通のイーグル
しかし、エアインティーク横には大きなカナード
エンジンの排気口は上下に稼働する二次元推力偏向ノズル
米国に一機しかないF-15S/MTD そのものだ
「MTD………?」
「そうよ 数年前に研究が終わったのは知ってるでしょ?
廃棄処分だったのを安く上が譲り受けたの」
「内部のシステム類は…」
「F-35と同等のものに換装済み
動翼類は新型のもっと軽いものに変更
格闘性能ならカナード&三次元推力偏向ノズル付き
フランカーにも劣らないわ」
「機銃は?」
従来のF-15S/MTDでは
エアインティーク横の20㎜バルカン砲を発射すると
カナードを撃ち抜いて墜落してしまう危険があった
「Yes!もちろん解決済みよ
20㎜バルカン砲を高初速長砲身30㎜単装機関砲に換装
干渉することをなくしてさらに高初速で当てやすく、
口径の大型化で威力も増加 まぁ、秒間あたりの投射量は減ったけど
1発あたりの威力でトントンね」
「神ですか榛名様」
「そうよ もっと讃えなさい」
「ははーっ」
自分を生きて基地に帰らせてくれて
今にも廃棄処分になりそうなF-15Cのことなど
既に眼中にない景都だった
「あったりまえでしょ!あんな片羽イーグルどうしろっていうのよ
解体して共食い整備されるのがオチだわ」
「マジかぁ…俺の命の恩人なのに」
「人じゃないでしょ」
天帝隊を撃墜して片羽で景都を基地へ送り届けたF-15Cは
修理されることもなくそのまま解体することになってしまった
「あんたには別の機体を用意してあるわ ついてきなさい」
言われるがまま鳥の雛のようにてくてくと後ろについて歩く
「あんた、イーグル以外操縦したことあるの?」
「え?あるわけない 練習機ならいけるけど」
「あっそう ならいいか」
「?」
「他のみんなには知ってると思うけどF-35が支給されるから」
「え、俺違うの?」
戦線の前進を見た米国は台湾にF-35A型の初期ロットを
供与することに決めた
その機体は唯一まともな能力を持つこの志向基地に運ばれてくる
「あんたはイーグル系列よ」
「なんでみんな五世代機なのに俺だけ四世代機なの~」
「うーるーさーい 基地司令の命令よ」
そんなことを話しながらいつもの格納庫の
滑走路を挟んで反対側に出る
誘導路が地下へと伸びていく先には
分厚い鉄製の扉が
「ここ、にあるのか」
「えぇ、元々は米軍機体を隠すのに使ってたバンカー
今はほぼ私の部屋みたいなもんだわ」
「えぇ………」
暗証番号を入れて扉が開く
ぐーーーーん
景都が見つめる視線のその先にある………
「榛名 電気つけて」
「あっごめん」
電気がついて機体が照らされる
「おいおい…マジかよ」
機種は普通のイーグル
しかし、エアインティーク横には大きなカナード
エンジンの排気口は上下に稼働する二次元推力偏向ノズル
米国に一機しかないF-15S/MTD そのものだ
「MTD………?」
「そうよ 数年前に研究が終わったのは知ってるでしょ?
廃棄処分だったのを安く上が譲り受けたの」
「内部のシステム類は…」
「F-35と同等のものに換装済み
動翼類は新型のもっと軽いものに変更
格闘性能ならカナード&三次元推力偏向ノズル付き
フランカーにも劣らないわ」
「機銃は?」
従来のF-15S/MTDでは
エアインティーク横の20㎜バルカン砲を発射すると
カナードを撃ち抜いて墜落してしまう危険があった
「Yes!もちろん解決済みよ
20㎜バルカン砲を高初速長砲身30㎜単装機関砲に換装
干渉することをなくしてさらに高初速で当てやすく、
口径の大型化で威力も増加 まぁ、秒間あたりの投射量は減ったけど
1発あたりの威力でトントンね」
「神ですか榛名様」
「そうよ もっと讃えなさい」
「ははーっ」
自分を生きて基地に帰らせてくれて
今にも廃棄処分になりそうなF-15Cのことなど
既に眼中にない景都だった
1
お気に入りに追加
8
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
旧式戦艦はつせ
古井論理
歴史・時代
真珠湾攻撃を行う前に機動艦隊が発見されてしまい、結果的に太平洋戦争を回避した日本であったが軍備は軍縮条約によって制限され、日本国に国名を変更し民主政治を取り入れたあとも締め付けが厳しい日々が続いている世界。東南アジアの元列強植民地が独立した大国・マカスネシア連邦と同盟を結んだ日本だが、果たして復権の日は来るのであろうか。ロマンと知略のIF戦記。
大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を


暁のミッドウェー
三笠 陣
歴史・時代
一九四二年七月五日、日本海軍はその空母戦力の総力を挙げて中部太平洋ミッドウェー島へと進撃していた。
真珠湾以来の歴戦の六空母、赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴が目指すのは、アメリカ海軍空母部隊の撃滅。
一方のアメリカ海軍は、暗号解読によって日本海軍の作戦を察知していた。
そしてアメリカ海軍もまた、太平洋にある空母部隊の総力を結集して日本艦隊の迎撃に向かう。
ミッドウェー沖で、レキシントン、サラトガ、ヨークタウン、エンタープライズ、ホーネットが、日本艦隊を待ち構えていた。
日米数百機の航空機が入り乱れる激戦となった、日米初の空母決戦たるミッドウェー海戦。
その幕が、今まさに切って落とされようとしていた。
(※本作は、「小説家になろう」様にて連載中の同名の作品を転載したものです。)
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる