ソラノカケラ    ⦅Shattered Skies⦆

みにみ

文字の大きさ
上 下
7 / 10
序章

高雄市上空制空戦

しおりを挟む
2027年2月30日午後2時30分

高雄市上空 高度12000ft


「Check six!」
(チェックシックス!)

「Mayday mayday Please help me, please hel………」
(メーデーメーデー 助けてくれ 頼む 助け………)

「帮我!跟在后面」
(助けて!後ろに付かれた)

「Don't fly straight!」
(真っ直ぐ飛ぶな!)

中国軍機と台湾機の怒声が飛び交い
一機、また一機と
揚力を失い市中に落ちていく
現在の消耗率は中国軍1割 台湾軍6割の圧倒的不利
理由としては練度の高い傭兵部隊を司令部が出し惜しみした結果
練度のあまり高くない正規軍と練度の高い中国軍が抗戦する結果となってしまったからだ


高雄市は大きな港を持ちここを手に入れられれば
フィリピンで補給をせざるを得ない海軍も活動を活発にすることができる
高雄市を制圧しようとする台湾軍と
何としても死守しようとする中国軍との間で衝突が発生
陸海空、全ての戦域で戦闘が行われていた


「こちらは志航基地所属ソルティス隊 正規軍様の支援に来た
 全機、花火の中に突っ込むぞ」

バンクをしながら縦列陣で次々と突っ込んでいく


ここに高雄市上空制空戦第二戦線の幕が切って落とされた


「こちら空中警戒機シャッタード・アイ これより貴君らの指揮を取る」

景都が寝ている間に警戒機が編成されて
航空指揮をかなりなめらかに行うことができていた

(隊長機一機ではちょいと厳しい所があったからな)

「現在の味方消耗率は6割 貴君らで戦線を復活させてくれ 頼んだ」

「だとよ、大馬鹿野郎ども 全機突撃 散開しようが何してもいい
 ただ、命までは失うなよ?機体なんざ消耗品 搭乗員が生還したら万々歳だ」

「OK Engage!」

まず、手始めに機位を失ってウロウロ飛んでる
J-15に狙いを定める


アフターバーナーを焚いて
一気に高度を上げる
ロック……オン

「Alice Fox2 Fox2」

放たれたサイドワインダーが敵機を追いかける
ミサイルアラートでなんとか気づいたらしい敵機は
反転急降下して逃げようとするが
判断が遅い すぐに追いつかれて餌食となった

エンジン推力を失った機体がスルスルと高度を下げていく
エンジンにしか着弾していないはずだが…
そう思って近づいてコクピットを覗き見てみると
射出座席が起動しないのだろう
慌てているパイロットが見える
若い士官か


一旦出力を減らして距離を取り
バルカン砲のコンマ数秒のバースト射撃

寸分違わず、コクピットだけを破砕した
すると、自力で這い出たパイロットが落下傘降下していった
若い命の灯火を消さずに済んだらしい

機体を翻して次の敵機に向かう
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

戦艦タナガーin太平洋

みにみ
歴史・時代
コンベース港でメビウス1率いる ISAF部隊に撃破され沈んだタナガー だがクルーたちが目を覚ますと そこは1942年の柱島泊地!?!?

猿の内政官の息子 ~小田原征伐~

橋本洋一
歴史・時代
※猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~という作品の外伝です。猿の内政官の息子の続編です。全十話です。 猿の内政官の息子、雨竜秀晴はある日、豊臣家から出兵命令を受けた。出陣先は関東。惣無事令を破った北条家討伐のための戦である。秀晴はこの戦で父である雲之介を超えられると信じていた。その戦の中でいろいろな『親子』の関係を知る。これは『親子の絆』の物語であり、『固執からの解放』の物語である。

【完結】風天の虎 ――車丹波、北の関ヶ原

糸冬
歴史・時代
車丹波守斯忠。「猛虎」の諱で知られる戦国武将である。 慶長五年(一六〇〇年)二月、徳川家康が上杉征伐に向けて策動する中、斯忠は反徳川派の急先鋒として、主君・佐竹義宣から追放の憂き目に遭う。 しかし一念発起した斯忠は、異母弟にして養子の車善七郎と共に数百の手勢を集めて会津に乗り込み、上杉家の筆頭家老・直江兼続が指揮する「組外衆」に加わり働くことになる。 目指すは徳川家康の首級ただ一つ。 しかし、その思いとは裏腹に、最初に与えられた役目は神指城の普請場での土運びであった……。 その名と生き様から、「国民的映画の主人公のモデル」とも噂される男が身を投じた、「もう一つの関ヶ原」の物語。

奇妙丸

0002
歴史・時代
信忠が本能寺の変から甲州征伐の前に戻り歴史を変えていく。登場人物の名前は通称、時には新しい名前、また年月日は現代のものに。if満載、本能寺の変は黒幕説、作者のご都合主義のお話。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

蒼雷の艦隊

和蘭芹わこ
歴史・時代
第五回歴史時代小説大賞に応募しています。 よろしければ、お気に入り登録と投票是非宜しくお願いします。 一九四二年、三月二日。 スラバヤ沖海戦中に、英国の軍兵四二二人が、駆逐艦『雷』によって救助され、その命を助けられた。 雷艦長、その名は「工藤俊作」。 身長一八八センチの大柄な身体……ではなく、その姿は一三○センチにも満たない身体であった。 これ程までに小さな身体で、一体どういう風に指示を送ったのか。 これは、史実とは少し違う、そんな小さな艦長の物語。

世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記

颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。 ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。 また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。 その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。 この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。 またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。 この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず… 大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。 【重要】 不定期更新。超絶不定期更新です。

大陰史記〜出雲国譲りの真相〜

桜小径
歴史・時代
古事記、日本書紀、各国風土記などに遺された神話と魏志倭人伝などの中国史書の記述をもとに邪馬台国、古代出雲、古代倭(ヤマト)の国譲りを描く。予定。序章からお読みくださいませ

処理中です...