ソラノカケラ    ⦅Shattered Skies⦆

みにみ

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序章

基地防空戦 前編

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2026年 10月8日 黎明0340時

基地内に総員起こしの放送が鳴り響く

『レーダーに敵偵察機2機を捕捉 スクランブル隊は直ちに発進、これを撃墜せよ
 非番の搭乗員は乗機の動作チェックを行い即時発信が可能な状態にせよ』

景都がすぐさま仮眠から目を覚まし
飛行服に着替える

「榛名!起きろ 起きたら機体の動作チェック頼んだ
 敵機来襲中 地上じゃ死にたくねぇ」

「ふにゃ…? Ah OK!すぐやる」

2人で部屋から飛び出して4番ハンガーへ向かう
景都の乗機の置かれているこのハンガーには他に4機の機体がいて
どの機体も離陸に備えてエンジンに火が入れられていた

景都の乗機はアメリカより供与されたF–15Cイーグル
日本で乗っていたF–15J型とほぼ変わらない

榛名が工具を持って昨晩仮止めしておいたボルトを閉める


景都は素早くコクピットに飛び乗り
ベルトを締める

「動翼大丈夫か見てくんない?パッと整備はしたけど」

操縦桿を動かしてみるが異常なし

「OK なんも不備ないぜ」


『敵爆撃機隊接近中 高度10000に8機に護衛機が14機
 全機発進 敵部隊を撃墜せよ』

「だってさ 榛名 出るぞ」

「了解!帰ってきてよ」

「だーれが死ぬかよ」

そう言ってコクピットを閉じる

ふーっ……… さて行くか

「From Alice to the control tower. Ask for permission to take off」
(アリスから管制塔へ。離陸の許可を求める)

「To Alice: Permit takeoff from runway 2. Hurry up. 
 After taking off, your aircraft will be codenamed Soltis 1
  as the first aircraft of the Soltis squadron.」
(アリスへ 2番滑走路からの離陸を許可する 緊急発進急げ
 離陸後貴機はソルティス隊の一番機としてコードネームをソルティス1とする)

「Roger that」
(了解)


エンジンの推力で誘導路を移動して
滑走路に出る
ラストに動翼チェックを行なって発進用意完了

「Alice is about to take off.」
(アリス これより離陸する)

23770lbfの大出力エンジンが機体をあっという間に500キロ近くまで加速させる

脚を仕舞いながら後方を見ると
列機が次々と離陸してきている






「Announcement to all aircraft taking off from the control tower: 
 Enemy bomber squadron approaching from bearing 010 altitude 10000 
 Destroy this     Don't let me touch the base」

(管制塔より離陸した全機に告ぐ 敵爆撃機隊は方位010、高度10000より接近
 これを撃破せよ 基地には触れさせるな)

「Charge! Knock down the crazy Chinese military plane!」
(かかれ!イカれた中国軍機を叩き落とせ!)

元米空軍でF–22に乗っていたという二番機
Chordnameラーウェイがまず最初に突っ込んでゆく

「Raway Fox3!Fox3!」


ラーウェイ機の下部に取り付けられていたAMRAAMが
4発、超音速で発射される

「All machines follow Raway Fox3」
(全機 ラーウェイに続け Fox3)

各機からミサイルが放たれ
敵機に向かっていくが

「Spreading enemy aircraft flares and chaff missile guidance stop ivalide shot」
(敵機 チャフとフレアを散布 ミサイルの誘導停止 無効射)

「It's a dogfight.  watch your back.」
(ドッグファイトだ 後ろに気をつけろよ)

「OK!」


各機が相手の後ろを取るために旋回する

(みんな敵戦闘機を落とすのに必死だが…爆撃機を落とすのが先決か
 戦闘機はJ–15 爆撃機はH–6か あいつら中国軍弱小傭兵部隊と見誤ったか?)

「Alice All Weapons used Fox2 Fox2」
(アリス 全兵装使用 Fox2)

ミサイルアラートが鳴り響いたのか、H-6は急降下して増速し退避しようとするが
最大速度1050キロの鈍足ではそんなことをしても無駄だった

放たれたサイドワインダーがH–6の2基の排気口に向かって誘導され
突き刺さった  ほぼ同時にエンジンから黒煙が吹き出し
ガクンと機首を下げてフラフラと落ちていく

(撃墜確認…次)

エアブレーキを展開して
ひらりと機体を翻し次の敵機に向かう

(しくった ヘッドオン)

敵爆撃機がこちらに迫ってくる

「Head on Fox1」

エアインティークの上部に取り付けられた
20㎜バルカン砲が火を吹く

毎分6000発の速度で放たれた 20㎜弾は
H–6のコクピットに吸い込まれていき
施してある防弾ガラスを吹き飛ばして操縦士と副操縦士を肉片に変えた

操縦手を失った機体は真っ逆さまに落ちていき
途中で機体荷重速度を超えて 空中分解した
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