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第三次ソロモン沖海戦第二夜戦
米戦艦2隻撃沈破
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ワシントンにサウスダコタが追突してしまい
ワシントンは推進器2基を損傷し
サウスダコタの艦首は下部が抉れてさながら鱶のようになってしまい
どちらとも速力が大きく減少してしまう
そこに次々と36糎砲弾や高初速40糎砲弾が殺到する
「ってー!」
タナガーによる第五斉射
オーパーツレベルの精密レーダーによる射撃は
寸分違わず敵一番艦、ワシントンの艦体に着弾する
一発一発の被害はあまり大きくなくとも
船体へのダメージは蓄積していっていた
36糎砲弾は装甲を貫通することはできない
しかし、着弾すればその分艦は揺れて射撃がしにくいし
小さめの船体に所狭しと置かれたレーダー、副砲、機銃群は
大口径弾に耐えれるはずがない
次々と副砲なども吹き飛び
着実に戦闘力は低下していく
「レーダー上の小型艦が高速接近 駆逐艦 34ノット」
「副砲撃ち方用意 主砲敵小型艦へ
トマホーク撃ち方用意 目標敵一番艦」
「宜候 CIC指示の目標 敵一番艦
トマホーク1、6番投射用意 」
「距離17000 トマホーク発射!」
明るく輝く槍が敵戦艦へと向かう
……………
「高速の飛翔体が接近中 およそ500マイル!」
「対空戦闘!」
「対空砲群全滅しております 有効な対空火器がありません」
その間にも砲弾が降ってくる
「一番砲塔被弾しました 砲塔員と連絡が取れません
弾薬庫温度危険温度まで上昇 注水開始します」
「敵高速飛翔体接近!」
水面ギリギリを飛んだトマホークは近づくとともに
急に高度を上げて 真上から突っ込む
真上から突入箇所を選べるとなれば突っ込む場所は決まっている
煙突だ
突っ込んだトマホークは日本戦艦のように蜂の巣装甲が施されていない
煙突を突き破りボイラー付近で起爆する
すでに被弾で半数が故障していたボイラーに致命傷を与える
「Damage report!」
「機関損傷 航行不n…」
損傷報告の途中に腹の中から揺するような
轟音が響いて艦橋員たちが吹き飛ぶ
「何があった!」
「おそらく…ボイラーによる水蒸気爆発かと…」
トマホークによる内部からの爆発により
機関室の装甲板が破壊されて浸水が発生していた
その海水が真水不足で冷却しきれず熱されていたボイラーに触れ
瞬時に蒸発したことにより体積が一瞬で数百倍に増えて大爆発を起こしたのだ
「Sit!総員退艦命令!」
2034時 戦艦ワシントン 水蒸気爆発による機関停止
被弾による各所の損傷、ダンやウコ誘爆の危険性増大により放棄
乗員、士官計1800名中 生還者は1400名
「ワシントンは艦を放棄した模様です」
速力を20ノットまで下げて砲撃に入ろうとするサウスダコタだが
そこに次々と砲弾が降ってくる
ワシントンと同様にレーダー機器は破壊され
統制射撃はすでに不能で実質的に交戦能力は失っていたが
流石の米帝 主砲に備え付けられた測距儀で直接照準射撃を開始する
観測点が低いため、制度はあまり良くなかったが
散布界がかなり広かったため
散弾銃のような使い方ができ
一発が霧島に命中してしまった
40.6㎝砲弾は不運にも霧島の一番砲塔の側面を捉えた
装甲板は容易く貫通されて砲塔内部で起爆
砲弾、装薬に火をつけて
1番砲ごと吹き飛ばす大惨事となった
即時の注水によって隣接する2番砲塔弾薬庫への誘爆は免れたものの艦首から
1番砲塔までがごっそりなくなってしまった
「ワレキリシマ カンシュタイハ テッタイス」
という発光信号を発しながら朝雲に護衛されながら転舵して
戦場を後にしていった
サウスダコダの艦内はワシントンの敵討ちだ
と歓喜に沸いたが、それが続いたのはごく短い時間だった
「ジャップの巡洋艦2隻のうち1隻を仕留めたか 残るは戦艦、巡洋艦か」
(タナガーを戦艦 金剛型2隻を巡洋艦と誤認)
ギャッチ艦長がそう呟いた瞬間、敵艦隊の方向、右舷に次々と水柱が立ち衝撃が走った
艦橋の床がめちゃくちゃに揺れて
艦橋員を飛ばした
衝撃が収まると同時に傾斜がはじまる 速力も目に見えるほど落ちたようだ
「Damage report!」
「艦首、中央に計九発被雷した模様!機関破壊 傾斜増大中」
「Sit!艦の保持に努めよ!絶対に沈めるな」
そうは言うものの傾斜はみるみる間に増えていき
すでに二十度を超えた
艦橋から手を伸ばせば海面に手が届いてしまいそうだ
「Damn you Jap……… 総員退艦」
そう呟いて艦長室へと閉じこもった
その2分ほど後サウスダコタは傾斜増大により転覆し沈没した
乗組員2500名のうち生還できたのはたった200名ほどで
理由としてはギャッチ艦長が艦の保全に務めるよう命令を飛ばして
数分後に退艦命令が出たことにより
艦深部の避雷箇所や浸水を食い止めるための水密隔壁を閉めていたため
脱出することができず、多くの乗員が艦内でそのまま沈んでいった
のちの引き上げ調査で乗組員の多くは意識を保ったまま沈没しており
各隔壁内で孤立した兵士達は遺書を書いてそのまま酸欠により死亡したことがわかっている
ワシントンは推進器2基を損傷し
サウスダコタの艦首は下部が抉れてさながら鱶のようになってしまい
どちらとも速力が大きく減少してしまう
そこに次々と36糎砲弾や高初速40糎砲弾が殺到する
「ってー!」
タナガーによる第五斉射
オーパーツレベルの精密レーダーによる射撃は
寸分違わず敵一番艦、ワシントンの艦体に着弾する
一発一発の被害はあまり大きくなくとも
船体へのダメージは蓄積していっていた
36糎砲弾は装甲を貫通することはできない
しかし、着弾すればその分艦は揺れて射撃がしにくいし
小さめの船体に所狭しと置かれたレーダー、副砲、機銃群は
大口径弾に耐えれるはずがない
次々と副砲なども吹き飛び
着実に戦闘力は低下していく
「レーダー上の小型艦が高速接近 駆逐艦 34ノット」
「副砲撃ち方用意 主砲敵小型艦へ
トマホーク撃ち方用意 目標敵一番艦」
「宜候 CIC指示の目標 敵一番艦
トマホーク1、6番投射用意 」
「距離17000 トマホーク発射!」
明るく輝く槍が敵戦艦へと向かう
……………
「高速の飛翔体が接近中 およそ500マイル!」
「対空戦闘!」
「対空砲群全滅しております 有効な対空火器がありません」
その間にも砲弾が降ってくる
「一番砲塔被弾しました 砲塔員と連絡が取れません
弾薬庫温度危険温度まで上昇 注水開始します」
「敵高速飛翔体接近!」
水面ギリギリを飛んだトマホークは近づくとともに
急に高度を上げて 真上から突っ込む
真上から突入箇所を選べるとなれば突っ込む場所は決まっている
煙突だ
突っ込んだトマホークは日本戦艦のように蜂の巣装甲が施されていない
煙突を突き破りボイラー付近で起爆する
すでに被弾で半数が故障していたボイラーに致命傷を与える
「Damage report!」
「機関損傷 航行不n…」
損傷報告の途中に腹の中から揺するような
轟音が響いて艦橋員たちが吹き飛ぶ
「何があった!」
「おそらく…ボイラーによる水蒸気爆発かと…」
トマホークによる内部からの爆発により
機関室の装甲板が破壊されて浸水が発生していた
その海水が真水不足で冷却しきれず熱されていたボイラーに触れ
瞬時に蒸発したことにより体積が一瞬で数百倍に増えて大爆発を起こしたのだ
「Sit!総員退艦命令!」
2034時 戦艦ワシントン 水蒸気爆発による機関停止
被弾による各所の損傷、ダンやウコ誘爆の危険性増大により放棄
乗員、士官計1800名中 生還者は1400名
「ワシントンは艦を放棄した模様です」
速力を20ノットまで下げて砲撃に入ろうとするサウスダコタだが
そこに次々と砲弾が降ってくる
ワシントンと同様にレーダー機器は破壊され
統制射撃はすでに不能で実質的に交戦能力は失っていたが
流石の米帝 主砲に備え付けられた測距儀で直接照準射撃を開始する
観測点が低いため、制度はあまり良くなかったが
散布界がかなり広かったため
散弾銃のような使い方ができ
一発が霧島に命中してしまった
40.6㎝砲弾は不運にも霧島の一番砲塔の側面を捉えた
装甲板は容易く貫通されて砲塔内部で起爆
砲弾、装薬に火をつけて
1番砲ごと吹き飛ばす大惨事となった
即時の注水によって隣接する2番砲塔弾薬庫への誘爆は免れたものの艦首から
1番砲塔までがごっそりなくなってしまった
「ワレキリシマ カンシュタイハ テッタイス」
という発光信号を発しながら朝雲に護衛されながら転舵して
戦場を後にしていった
サウスダコダの艦内はワシントンの敵討ちだ
と歓喜に沸いたが、それが続いたのはごく短い時間だった
「ジャップの巡洋艦2隻のうち1隻を仕留めたか 残るは戦艦、巡洋艦か」
(タナガーを戦艦 金剛型2隻を巡洋艦と誤認)
ギャッチ艦長がそう呟いた瞬間、敵艦隊の方向、右舷に次々と水柱が立ち衝撃が走った
艦橋の床がめちゃくちゃに揺れて
艦橋員を飛ばした
衝撃が収まると同時に傾斜がはじまる 速力も目に見えるほど落ちたようだ
「Damage report!」
「艦首、中央に計九発被雷した模様!機関破壊 傾斜増大中」
「Sit!艦の保持に努めよ!絶対に沈めるな」
そうは言うものの傾斜はみるみる間に増えていき
すでに二十度を超えた
艦橋から手を伸ばせば海面に手が届いてしまいそうだ
「Damn you Jap……… 総員退艦」
そう呟いて艦長室へと閉じこもった
その2分ほど後サウスダコタは傾斜増大により転覆し沈没した
乗組員2500名のうち生還できたのはたった200名ほどで
理由としてはギャッチ艦長が艦の保全に務めるよう命令を飛ばして
数分後に退艦命令が出たことにより
艦深部の避雷箇所や浸水を食い止めるための水密隔壁を閉めていたため
脱出することができず、多くの乗員が艦内でそのまま沈んでいった
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