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第三次ソロモン沖海戦 第一夜戦
鉄底海峡に響き渡る轟音
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「艦長!タナガー左方向に発砲!」
「何があった!敵艦か!?」
「タナガーより通信 敵艦隊補足しえり左砲戦40度13隻」
「他の各艦も転舵,最大戦速で突入中 霧島も転舵完了」
「急速転舵!主砲,三式弾より徹甲弾に切り替え装填!」
………
アメリカ海軍 第67任務部隊第4群 旗艦重巡サンフランシスコ
クォォォォォォン
ドドドドドドドドドォォォォォォォォォ
「至近弾9発!」
「総員戦闘配置付け!!!!!!」
司令官のキャラハン少将は焦っていた
レーダー射撃によって先手を取り日本艦隊に
ダメージを与えるという作戦が一瞬で崩壊したからだ
その後も約五十秒毎に敵弾が飛んでくる 幸い,まだ命中弾はないようだが
先ほどから飛んで来る数が増えた
(なんてこった……水柱の大きさから見て,軽く見積もってコンゴウクラス
悪ければナガトクラスだってこともあり得る)
「各艦へ告ぐ!艦隊編成を縦列陣に変更 30ノットで敵艦隊へ向かう
駆逐隊は両脇を挟み込むように突撃せよ」
………
「レーダー反応急速接近中!距離20キロまで接近 残り五分で副砲射程内」
「副砲員砲弾装填 ファランクスCIWSも起動 相手が戦艦なら砲弾を撃ち落とせるようにな」
「敵艦の発砲炎確認 弾着まもなく」
ドドドドドドドドド
「両舷に夾叉弾!」
「あんなもの当たっても貫通せん! 主砲射撃続けろ!」
ドォォォォォォン
「だんちゃーく 今!」
海上にかすかに見える敵艦が大爆発し
残骸が宙に舞うのが見えた
「敵艦一隻の轟沈確実!」
「よし,全艦に通達 我敵艦一隻轟沈確実ト認ム」
「右舷22度距離12000敵駆逐艦捕捉 高速で接近しながら射撃してきます」
「副砲射撃用意 弾種徹甲榴弾 ってー」
ドン ドン ドン ドン
設置された5インチ両用砲が火を吹き
敵艦に砲弾を浴びせ火災を引き起こす
しかもその砲弾は五秒毎に雨のように降り注ぐのだからたまったものじゃない
「敵艦の停止と兵装破壊を確認」
「右舷の味方駆逐艦魚雷を投射 3連装魚雷6発」
「……撃ったのか?」
全くもって魚雷の後に見える雷跡が見えない
「先ほど投射音と魚雷を目視で確認しました
おそらく動力に酸素などを使っているのでしょう」
後方から轟音が響き渡る
比叡と霧島だ
タナガーの40センチ砲には遠く及ばないが
それでも毘式36糎砲は巡洋艦にとっては大きな脅威
対峙する戦艦が3隻もいることに気づいた米艦隊は
優位と考えられていた速力をもって各艦バラバラに離脱しようとする
(米海軍では金剛型の速力を27ノットほどと仮定し中速戦艦と位置付けていた)
だが,予想よりもかなり早い30ノットで追尾してくる
しかもそのうちの見慣れない1艦は33ノットの高速だ
「くそっくそっくそっ」
僚艦のポートランドを沈められすでに焦っていた
キャラハン少将はどうすることも出来ずに思考を停止していた
どれだけ速力を出そうとも巨弾がサンフランシスコを包む
あの戦艦は早い 新型のノースカロライナよりも早いのではないのか
27ノットどころじゃない30ノットは軽く出している
その時,タナガーの斉射した40センチ砲弾と比叡の発砲した36センチ砲弾が
艦の各部に命中 一部は水中弾となり艦の土手っ腹を撃ち抜き竜骨を破壊した
傾斜がみるみる間に増えていく
「………総員退艦せよ」
そういうと艦長室に入り鍵を閉めた
速力を大きく落としたサンフランシスコに精度の高い砲弾が次々と着弾する
とどめに雪風の放った酸素魚雷が中央部に命中
装甲を貫通されボイラー室に海水が流入
水蒸気爆発を起こし みるみる間に沈んでいった
サンフランシスコが言い方は悪いが囮となった間に
残りの駆逐艦やアトランタは離脱することができていた
サンフランシスコの撃沈を確認後
阿部中将が全艦に向けて集合命令を下し
元の任務へと戻るよう命令した
最初と同じような縦列陣を組んだ日本艦隊は
敵の妨害を受けることなく,
積んでいた三式弾を全てヘンダーソン飛行場に叩き込んだ
霧島の零式水偵の偵察によると
飛行場の破壊は確実 炎上する航空機多数とのことだ
戦域から離脱中にタナガーはGFへ電報を打つ
「第十一戦隊ヲ含ム艦隊ハ作戦遂行中ニ敵艦隊ト遭遇 此レヲ撃破セリ
確認出来ウル戦果 重巡二隻 軽巡一隻 駆逐艦一隻撃沈
敵飛行場炎上 地上撃破機体一〇機ニ及ブ」
「何があった!敵艦か!?」
「タナガーより通信 敵艦隊補足しえり左砲戦40度13隻」
「他の各艦も転舵,最大戦速で突入中 霧島も転舵完了」
「急速転舵!主砲,三式弾より徹甲弾に切り替え装填!」
………
アメリカ海軍 第67任務部隊第4群 旗艦重巡サンフランシスコ
クォォォォォォン
ドドドドドドドドドォォォォォォォォォ
「至近弾9発!」
「総員戦闘配置付け!!!!!!」
司令官のキャラハン少将は焦っていた
レーダー射撃によって先手を取り日本艦隊に
ダメージを与えるという作戦が一瞬で崩壊したからだ
その後も約五十秒毎に敵弾が飛んでくる 幸い,まだ命中弾はないようだが
先ほどから飛んで来る数が増えた
(なんてこった……水柱の大きさから見て,軽く見積もってコンゴウクラス
悪ければナガトクラスだってこともあり得る)
「各艦へ告ぐ!艦隊編成を縦列陣に変更 30ノットで敵艦隊へ向かう
駆逐隊は両脇を挟み込むように突撃せよ」
………
「レーダー反応急速接近中!距離20キロまで接近 残り五分で副砲射程内」
「副砲員砲弾装填 ファランクスCIWSも起動 相手が戦艦なら砲弾を撃ち落とせるようにな」
「敵艦の発砲炎確認 弾着まもなく」
ドドドドドドドドド
「両舷に夾叉弾!」
「あんなもの当たっても貫通せん! 主砲射撃続けろ!」
ドォォォォォォン
「だんちゃーく 今!」
海上にかすかに見える敵艦が大爆発し
残骸が宙に舞うのが見えた
「敵艦一隻の轟沈確実!」
「よし,全艦に通達 我敵艦一隻轟沈確実ト認ム」
「右舷22度距離12000敵駆逐艦捕捉 高速で接近しながら射撃してきます」
「副砲射撃用意 弾種徹甲榴弾 ってー」
ドン ドン ドン ドン
設置された5インチ両用砲が火を吹き
敵艦に砲弾を浴びせ火災を引き起こす
しかもその砲弾は五秒毎に雨のように降り注ぐのだからたまったものじゃない
「敵艦の停止と兵装破壊を確認」
「右舷の味方駆逐艦魚雷を投射 3連装魚雷6発」
「……撃ったのか?」
全くもって魚雷の後に見える雷跡が見えない
「先ほど投射音と魚雷を目視で確認しました
おそらく動力に酸素などを使っているのでしょう」
後方から轟音が響き渡る
比叡と霧島だ
タナガーの40センチ砲には遠く及ばないが
それでも毘式36糎砲は巡洋艦にとっては大きな脅威
対峙する戦艦が3隻もいることに気づいた米艦隊は
優位と考えられていた速力をもって各艦バラバラに離脱しようとする
(米海軍では金剛型の速力を27ノットほどと仮定し中速戦艦と位置付けていた)
だが,予想よりもかなり早い30ノットで追尾してくる
しかもそのうちの見慣れない1艦は33ノットの高速だ
「くそっくそっくそっ」
僚艦のポートランドを沈められすでに焦っていた
キャラハン少将はどうすることも出来ずに思考を停止していた
どれだけ速力を出そうとも巨弾がサンフランシスコを包む
あの戦艦は早い 新型のノースカロライナよりも早いのではないのか
27ノットどころじゃない30ノットは軽く出している
その時,タナガーの斉射した40センチ砲弾と比叡の発砲した36センチ砲弾が
艦の各部に命中 一部は水中弾となり艦の土手っ腹を撃ち抜き竜骨を破壊した
傾斜がみるみる間に増えていく
「………総員退艦せよ」
そういうと艦長室に入り鍵を閉めた
速力を大きく落としたサンフランシスコに精度の高い砲弾が次々と着弾する
とどめに雪風の放った酸素魚雷が中央部に命中
装甲を貫通されボイラー室に海水が流入
水蒸気爆発を起こし みるみる間に沈んでいった
サンフランシスコが言い方は悪いが囮となった間に
残りの駆逐艦やアトランタは離脱することができていた
サンフランシスコの撃沈を確認後
阿部中将が全艦に向けて集合命令を下し
元の任務へと戻るよう命令した
最初と同じような縦列陣を組んだ日本艦隊は
敵の妨害を受けることなく,
積んでいた三式弾を全てヘンダーソン飛行場に叩き込んだ
霧島の零式水偵の偵察によると
飛行場の破壊は確実 炎上する航空機多数とのことだ
戦域から離脱中にタナガーはGFへ電報を打つ
「第十一戦隊ヲ含ム艦隊ハ作戦遂行中ニ敵艦隊ト遭遇 此レヲ撃破セリ
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