第二艦隊転進ス       進路目標ハ未来

みにみ

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台湾奪還支援作戦

戦艦の本懐 駆逐艦の本懐

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「てっ!」

後部砲塔2基の斉射

その間に全部砲塔は装填を済ませる
砲弾は二七式徹甲弾改二

初弾での命中もかなり期待できる


「弾着確認 遠遠遠近 遠夾叉」

瑞天から報告が届き
射撃指揮室で九一式射撃盤が稼働して
着弾地点を計算する

「下げ2 左3 急げ」

前部砲が少し動いて照準を合わせる
こちらでの二度はあちらでの20mを超える


「てっ」


轟音と共に艦が揺れる



たった18ktしか出ないレールガン搭載輸送艦は反航戦を挑む
第二戦隊には追いつくことができない
一方的に撃たれるばかりだ


「弾着確認 敵フリゲートに1発命中 艦尾破壊 他弾は夾叉」

「斉射に移れ 日向も同角で右6で撃ってやれ」

「宜候」


「って!」

伊勢と日向が同時に発砲して
今までと比べ物にならない轟音が響く

それは、敵艦に向けての鎮魂歌レクイエムだった

「弾着確認 敵艦2隻轟沈 …水中弾の命中確認!」

「うぉお…本当か」

戦艦土佐への射撃実験で発見された水中弾効果
帝国海軍の科学力の粋を集めた九一式徹甲弾
その技術を受け継いだ二七式徹甲弾
その水中弾効果 それが効果を出したのだ


10分ほどの砲撃の後
敵艦隊の半数ほどはすでに沈み
残りも被弾し傾斜を起こしていた

「艦長 冬月らから突撃許可を と」

「……敵艦隊も力は残っていない 許可する 叩きのめせ」

「承知 送ります!」

電信を送り 冬月を旗艦とした
第二戦隊隷下一水戦を編成
最大速力で敵艦隊に突っ込む




「敵艦を発見」

「距離!」

「二万!」

「魚雷戦用意!」

装填された魚雷発射管が回って
敵艦の方に向く

「方位角確認!」

「敵艦命中時予想地点右舷四十二度距離三万」

敵艦隊は敗走しているので
輸送艦の出せる速度(被弾しているので15kt)で
撤退していくが
30ktを軽く超える駆逐艦からは逃げることはできない

「距離測定」

「直線距離で1万九千」


「…投射用意 全艦一斉投射で網を作り 敵艦隊を逃すな」

「宜候!」


冬月、響の第一分隊が敵艦隊の右舷側に回って
花月、涼月、初霜の第二分隊が左舷側に回り込む
第一分隊の調定深度は3m 第二分隊は4.5m
魚雷が交差しても誘爆するようなことはないようにに設定

直進する敵艦隊を九十度に設定し
四十五度ずつに角度をとる



「投射開始!」


最初に冬月から4本の九三式魚雷改一、響から9本の九三式魚雷改一が発射され
信号を受けて数十秒してから花月、涼月から4本ずつの九三式魚雷改一
初霜から9本の九〇式魚雷改一が放たれる
計30本

それらが敵艦に向かって突っ込んでいく

九三式魚雷改一と九〇式魚雷改一は5mの誤差修正機能を持ち
対魚雷デコイなどの影響を誘導魚雷に比べて受けにくい
(誘導に全てを頼っていると妨害によって命中の確率が著しく低い方向に持っていかれるため
 誘導能力が低ければ妨害で持っていかれたとしても命中確率が高いまま
 同様の理由で二七式徹甲弾改一、改二も誘導能力を限定的にしている)

「さぁ、当たりやがれ」

冬月艦長の山名中佐は水平線上に遠く見える
敵艦隊を睨みつけていた
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