上 下
26 / 27
台湾奪還支援作戦

共闘

しおりを挟む
基隆市沖合30キロ地点

中国海軍の潜水艦の跋扈する海域を
第二戦隊の各艦は進んでいた
可潜艦から真の潜水艦となった今の潜水艦に対して
意味のない第一警戒航行序列を取りながら
速力20ノットで進む


「レーダーに敵機反応 方位280より12機 J-10戦闘機」

「対空戦闘用意急げ」

護衛艦を含む艦隊ならどうってことのない
敵機の数だが 今は違う

外交上の観点、国内の批判を躱すため
護衛艦を含まない第二次世界大戦時の艦艇しかこの海域には存在しない
防空力は1/3以下に低下している

「主砲二七式対空弾 装填 仰角27の275に備え」

「ESSM 投射用意よし」

「射撃式室指示の目標 1番から2、3、4、5番ターゲットセット」

「撃ち方始め」

元飛行甲板に設置されたVLS、SM-2が五発放たれる
松山機場に置かれている中国空軍機の数を考えると
帰りの分も考えなければならない

放たれたミサイルは高度を上げ、敵機の方向に最大速度で向かう

「弾着まで10秒」

ヘッドオン状態で向かってくるミサイルと敵機の相対速度は
約マッハ5 避ける暇もない 

五発、正確に敵機を撃ち抜き
機数を減らす


「主砲分隊撃ち方用意 投射開始」

噴進対空砲弾が敵機に向かって
スルスルと噴煙を吐きながら向かっていき

敵機をレーダーで1キロ以内に判別した瞬間
前方に向かって黄燐弾子や鉛弾子を飛ばして
敵機に当てる

まぁ例の三式弾の如く
ほとんど効果はない
エアインティークに鉛弾が入って
フィンを壊すなどしなければ、だが



「速射砲投射用意 指揮所指示の目標
 6、7、8、9番 撃ち方始め」

両舷に高角砲の代わりに搭載された
76㎜速射砲が火を吹く


弾幕を張るが
ひらりひらりと躱す敵機には当たらない
無誘導弾では無理がある

「敵機ミサイル発射! 対艦ミサイル六発」

「CIWS投射 目標判別 本艦へ向かうものだけを撃墜せよ
 各艦自衛を怠るな 最大戦速一杯」

艦橋横と後部艦橋横、計4基のCIWSが旋回し
伊勢に向かってくるミサイルだけを識別する

バァァ  バァァ


2秒間ずつのバースト射撃を行なって
ミサイルを叩き落とす


伊勢は被弾しなかったものの
各艦から悲痛な報告がもたらされる

「利根被弾!2番煙突付近火災発生!」

「冬月至近弾 機関部不調 速力低下」

「くそっ、敵機は」

「避退していきます……レーダーに第二波捕捉 来ます!」

「チッ……………」

その時、レーダーに敵機群とは違うまた別の反応が現れる

「レーダーコンタクト 機数5 速度マッハ1.5 機種F-15C
 方位250より急速接近中 台湾軍機です!」

「通信を繋げ 対空砲火網に味方機が包まれんようにな」


上空の台湾機から通信が入る

⦅こちら 中華民国空軍 志航基地所属特務中尉 舞時景都
 TACネーム アリス これよりソルティス隊全機にて貴艦らの直掩任務を行う⦆

「舞時…?日本人か まぁいい
 了解した 貴君らの大いなる活躍に期待している」

⦅Roger.Alice engage  All aircraft follow me.⦆


F-15の編隊がバンクをしながら敵機に向かっていく
その姿は頼もしい以外の何物でもなかった
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

戦艦タナガーin太平洋

みにみ
歴史・時代
コンベース港でメビウス1率いる ISAF部隊に撃破され沈んだタナガー だがクルーたちが目を覚ますと そこは1942年の柱島泊地!?!?

ソラノカケラ    ⦅Shattered Skies⦆

みにみ
歴史・時代
2026年 中華人民共和国が台湾へ軍事侵攻を開始 台湾側は地の利を生かし善戦するも 人海戦術で推してくる中国側に敗走を重ね たった3ヶ月ほどで第2作戦区以外を掌握される 背に腹を変えられなくなった台湾政府は 傭兵を雇うことを決定 世界各地から金を求めて傭兵たちが集まった これは、その中の1人 台湾空軍特務中尉Mr.MAITOKIこと 舞時景都と 台湾空軍特務中士Mr.SASENOこと 佐世野榛名のコンビによる 台湾開放戦を描いた物語である ※エースコンバットみたいな世界観で描いてます()

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

意味がわかるとえろい話

山本みんみ
ホラー
意味が分かれば下ネタに感じるかもしれない話です(意味深)

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

明日の海

山本五十六の孫
歴史・時代
4月7日、天一号作戦の下、大和は坊ノ岬沖海戦を行う。多数の爆撃や魚雷が大和を襲う。そして、一発の爆弾が弾薬庫に被弾し、大和は乗組員と共に轟沈する、はずだった。しかし大和は2015年、戦後70年の世へとタイムスリップしてしまう。大和は現代の艦艇、航空機、そして日本国に翻弄される。そしてそんな中、中国が尖閣諸島への攻撃を行い、その動乱に艦長の江熊たちと共に大和も巻き込まれていく。 世界最大の戦艦と呼ばれた戦艦と、艦長江熊をはじめとした乗組員が現代と戦う、逆ジパング的なストーリー←これを言って良かったのか 主な登場人物 艦長 江熊 副長兼砲雷長 尾崎 船務長 須田 航海長 嶋田 機関長 池田

GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲

俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。 今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。 「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」 その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。 当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!? 姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。 共に 第8回歴史時代小説参加しました!

信濃の大空

ypaaaaaaa
歴史・時代
空母信濃、それは大和型3番艦として建造されたものの戦術の変化により空母に改装され、一度も戦わず沈んだ巨艦である。 そんな信濃がもし、マリアナ沖海戦に間に合っていたらその後はどうなっていただろう。 この小説はそんな妄想を書き綴ったものです! 前作同じく、こんなことがあったらいいなと思いながら読んでいただけると幸いです!

処理中です...