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損傷艦帰還
反戦
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少し短めですが…どうぞ
どうにか損傷艦隊は豊後水道を通過し
上空の直掩機に守られながら
呉基地へと帰還する
そこではひと足さきに帰還していた矢矧が
第二船渠に入渠し、失った艦尾を治しているところだった
「大和は第4船渠でいいのだな?」
「えぇ、呉鎮からもそう言われています」
3隻ほどのタグボートが大和を押して
船渠に入れる
しばらくすると後ろから扉船がやってきて入り口を閉め
排水を開始する
だんだんと水位が減少し
大和はドックの中に座礁する形となった
しばらく任務のない乗組員たちは
次々と艦から降り
休暇へと向かう
機関科員だけは半舷上陸だ
榛名は造船船渠入り
JMUを出て市街地へ公用車で向かう伊藤長官ら
道沿いには反戦のポスターが貼りたくられており
様々な場所でデモが行われていた
「今日は大和が帰って来ましたからね
反戦論者の方々の活動が活発ですよ」
「なぜだ?失われた国土の回復をするのはいけないのか」
「武器を持つことすらいけないそうですよ
あの方々は憲法9条という盾で常に守られているそうですから」
(…今も昔も変わらないか)
戦前は米英に劣らぬ日本軍が
国を完璧に守っていると国民は思っていた
今はどうだ
実体すらない憲法というものに縋っている
「誰も、死にたくて戦ってるわけではない
誰かが守らなくては何も始まらないだろうに」
ゆめタウンと大和ミュージアムの間を通る時に
森下少将が気づく
「なぜ大和ミュージアムは閉じているんだ?」
近代化改装中の数少ない休暇で
大和ミュージアムを来訪した時
大和の真の性能や用兵を学び
実戦に大きく役立ったと感じていたため少し気になったのだ
「大和ミュージアムも閉館してますよ」
「なぜ」
「反戦テロがあったんですよ
大型資料展示室、零式艦戦が置かれてるところで
小型爆弾を爆発させる自爆テロがあったんです」
「………」
「零戦は主翼が折れて海竜は外板がへこんで…それで臨時休館中です」
「そう…か」
2人の幹部はこの日本での自分達の存在意義に早くも疑問を持ち始めていた
どうにか損傷艦隊は豊後水道を通過し
上空の直掩機に守られながら
呉基地へと帰還する
そこではひと足さきに帰還していた矢矧が
第二船渠に入渠し、失った艦尾を治しているところだった
「大和は第4船渠でいいのだな?」
「えぇ、呉鎮からもそう言われています」
3隻ほどのタグボートが大和を押して
船渠に入れる
しばらくすると後ろから扉船がやってきて入り口を閉め
排水を開始する
だんだんと水位が減少し
大和はドックの中に座礁する形となった
しばらく任務のない乗組員たちは
次々と艦から降り
休暇へと向かう
機関科員だけは半舷上陸だ
榛名は造船船渠入り
JMUを出て市街地へ公用車で向かう伊藤長官ら
道沿いには反戦のポスターが貼りたくられており
様々な場所でデモが行われていた
「今日は大和が帰って来ましたからね
反戦論者の方々の活動が活発ですよ」
「なぜだ?失われた国土の回復をするのはいけないのか」
「武器を持つことすらいけないそうですよ
あの方々は憲法9条という盾で常に守られているそうですから」
(…今も昔も変わらないか)
戦前は米英に劣らぬ日本軍が
国を完璧に守っていると国民は思っていた
今はどうだ
実体すらない憲法というものに縋っている
「誰も、死にたくて戦ってるわけではない
誰かが守らなくては何も始まらないだろうに」
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森下少将が気づく
「なぜ大和ミュージアムは閉じているんだ?」
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「なぜ」
「反戦テロがあったんですよ
大型資料展示室、零式艦戦が置かれてるところで
小型爆弾を爆発させる自爆テロがあったんです」
「………」
「零戦は主翼が折れて海竜は外板がへこんで…それで臨時休館中です」
「そう…か」
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