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損傷艦帰還
空に舞う魁星
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砲撃も完了し、連れてきた陸自部隊は
無事に上陸、那覇市内を制圧中だ
大和ら海上打撃群は損害を受けた艦を内地に戻し
修繕を行うこととしていた
大和司令室
「司令、かがより入電
内地へ帰還させし艦 以下の通り
大和、榛名、葛城、雪風、いなづま
護衛としてさみだれ、さざなみ、はぐろを配置す」
「了解……まぁ大和もこの大怪我じゃあどうにもならんか」
損傷艦隊は葛城を中心とする輪形陣を組み
20ノットほどで北上を始める
その映像は遙か上空……
宇宙の監視衛星から捉えられていた
4月9日 1840時
輪形陣を組み喜界島東方20キロを航行中の帰還艦隊
はぐろのSPYレーダーに反応
「レーダーに反応あり 方位300より高速で接近中の機体12機
速度マッハ1.5 距離300km 残り12分で本艦隊上空に到達します」
「対空戦闘用意!各員戦闘配置につけ!葛城隊発艦急げ!」
各艦のブザーが鳴り響き
各部署から離れていた乗組員たちが配置につく
大和搭載の零式水偵も照明弾を搭載してカタパルトで打ち出されていく
空母葛城飛行甲板
「機体を上げろ、時間がないぞ」
「甲板上にある機体に優先的に乗れ!」
運の悪いことに艦載機の約半数を格納庫内に収納して
整備を行っていた葛城からはたった4機しか発艦できなかった
しかし、その4機のパイロットは
一航戦所属から第二艦隊に編入された選りすぐりのパイロット達
1番機 霧本飛曹長
2番機 宮城一飛曹
3番機 日下上飛
4番機 白野上飛
「発艦用意よし、発艦します!」
次々と甲板を蹴って発艦していく
轟音を響かせる姿を甲板員と残ったパイロット達は
見えなくなるまで手を振っていた
艦隊直掩防空戦闘機隊 一番機 霧島飛曹長機
「霧本より各機へ
なんとしても艦隊を守りきれ 撃墜数の大小は問わん」
「宜候 交戦します」
レーダーに映る敵影がどんどん近づいてくる
距離は170㎞ 残り60㎞を切ればAMRAAMの射程内
ピーーーーー
コクピット内にレッドアラートが鳴り響く
ロックオンされた
「まだだ、まだフレアは撒くな 撃たれてからだ」
天城隊の交戦をビデオ映像で確認した飛曹長は
あまりに早くフレアを撒きすぎると
その後の打つ手が減ってしまうことを危惧していた
ビーーーーー
ミサイルアラート
距離的に長距離ミサイルのPL–15と考え、
チャフをばら撒く
ピッピッピッ
ミサイルアラートが消えてロックオンアラートのみになる
敵機との距離残り120…116…113…110…100
「今!」
ロックオンしていたAMRAAMをウェポンベイから敵機に放つ
「FOX3!FOX3!」
放たれたAMRAAMは一瞬でマッハ4まで急加速し
あっという間にF–35を追い抜き
敵機へ向かっていく
「弾着、今」
レーダーから赤点が2つ消える
「敵航空機 4機撃墜確認 敵航空機の脅威レベル低下 交戦を続けろ」
距離が縮まっても反応が変わらないので
おそらくJ–20 格闘戦なら互角か
「格闘戦に入る ツーマンセルをバラすなよ」
「応」
2機で編隊を組みJ–20の後ろを取ろうとするが
一部のJ–20が急に硬度を下げていく
「しまった!艦隊の防御が間に合わん!」
護衛艦はぐろ CIC
「防空戦闘機隊の網を越えた機体が6機
反応が大きいため対艦ミサイルをぶら下げているのではないかと」
「各艦 対空戦闘 艦隊上空に味方機はなし 誤射の心配はない」
「主砲対空戦闘用意よし」
「前甲板VLS SM–2 SAM ファイヤ」
音を響かせて日の落ちた南方の海に明かりを灯す
「主砲左砲戦三十度仰角三十八に備え」
敵機の反応を示す赤点が大和の主砲射程40キロに入り
大和が発砲する轟音が艦内にも響き渡る
ズドォォォン
「大和 主砲三式弾射撃 無効射」
敵機までの位置、36キロ
まや搭載のMk,45 5インチ速射砲の射程内に入った
「対空戦闘攻撃始め」
「てっ!」
ドン ドン ドン
対空砲弾が闇夜に放たれ炸裂する音が響き渡る
「艦長!葛城より第二次直掩隊発艦用意完了とのこと!」
「タイミング悪りぃな! 最短時間で出せ
さっさとしねぇとミサイルが来て艦もろともおじゃんだぞ!」
「応!」
「SM–2着弾まで 3、 2、1、今」
J-20のうち 2機が吹き飛ぶのが目視でも見えた
残り20キロ
各艦の高角砲、速射砲が砲門を敵機に向けて
火を吹き始める
とほぼ同時に嫌な報告
「敵機ミサイル発射!低高度を対地速度秒速500mで突っ込んできます!」
「CIWS自動照準モードで起動 はぐろ取舵いっぱい」
はぐろの200mを超える艦体がググーッっと旋回し
艦橋前部と格納庫後部にあるCIWSが接近してくるミサイルに砲口を向ける
迫り来る赤点(ミサイル)は6発
CIWSの処理能力を考えるとギリギリ対処可能なラインのはず…だった
東方にレーダー反応が現れる
「方位150より反応16 恐らく潜水艦発射YJ–18 弾着まで1分20秒」
どうする損傷艦艦隊
無事に上陸、那覇市内を制圧中だ
大和ら海上打撃群は損害を受けた艦を内地に戻し
修繕を行うこととしていた
大和司令室
「司令、かがより入電
内地へ帰還させし艦 以下の通り
大和、榛名、葛城、雪風、いなづま
護衛としてさみだれ、さざなみ、はぐろを配置す」
「了解……まぁ大和もこの大怪我じゃあどうにもならんか」
損傷艦隊は葛城を中心とする輪形陣を組み
20ノットほどで北上を始める
その映像は遙か上空……
宇宙の監視衛星から捉えられていた
4月9日 1840時
輪形陣を組み喜界島東方20キロを航行中の帰還艦隊
はぐろのSPYレーダーに反応
「レーダーに反応あり 方位300より高速で接近中の機体12機
速度マッハ1.5 距離300km 残り12分で本艦隊上空に到達します」
「対空戦闘用意!各員戦闘配置につけ!葛城隊発艦急げ!」
各艦のブザーが鳴り響き
各部署から離れていた乗組員たちが配置につく
大和搭載の零式水偵も照明弾を搭載してカタパルトで打ち出されていく
空母葛城飛行甲板
「機体を上げろ、時間がないぞ」
「甲板上にある機体に優先的に乗れ!」
運の悪いことに艦載機の約半数を格納庫内に収納して
整備を行っていた葛城からはたった4機しか発艦できなかった
しかし、その4機のパイロットは
一航戦所属から第二艦隊に編入された選りすぐりのパイロット達
1番機 霧本飛曹長
2番機 宮城一飛曹
3番機 日下上飛
4番機 白野上飛
「発艦用意よし、発艦します!」
次々と甲板を蹴って発艦していく
轟音を響かせる姿を甲板員と残ったパイロット達は
見えなくなるまで手を振っていた
艦隊直掩防空戦闘機隊 一番機 霧島飛曹長機
「霧本より各機へ
なんとしても艦隊を守りきれ 撃墜数の大小は問わん」
「宜候 交戦します」
レーダーに映る敵影がどんどん近づいてくる
距離は170㎞ 残り60㎞を切ればAMRAAMの射程内
ピーーーーー
コクピット内にレッドアラートが鳴り響く
ロックオンされた
「まだだ、まだフレアは撒くな 撃たれてからだ」
天城隊の交戦をビデオ映像で確認した飛曹長は
あまりに早くフレアを撒きすぎると
その後の打つ手が減ってしまうことを危惧していた
ビーーーーー
ミサイルアラート
距離的に長距離ミサイルのPL–15と考え、
チャフをばら撒く
ピッピッピッ
ミサイルアラートが消えてロックオンアラートのみになる
敵機との距離残り120…116…113…110…100
「今!」
ロックオンしていたAMRAAMをウェポンベイから敵機に放つ
「FOX3!FOX3!」
放たれたAMRAAMは一瞬でマッハ4まで急加速し
あっという間にF–35を追い抜き
敵機へ向かっていく
「弾着、今」
レーダーから赤点が2つ消える
「敵航空機 4機撃墜確認 敵航空機の脅威レベル低下 交戦を続けろ」
距離が縮まっても反応が変わらないので
おそらくJ–20 格闘戦なら互角か
「格闘戦に入る ツーマンセルをバラすなよ」
「応」
2機で編隊を組みJ–20の後ろを取ろうとするが
一部のJ–20が急に硬度を下げていく
「しまった!艦隊の防御が間に合わん!」
護衛艦はぐろ CIC
「防空戦闘機隊の網を越えた機体が6機
反応が大きいため対艦ミサイルをぶら下げているのではないかと」
「各艦 対空戦闘 艦隊上空に味方機はなし 誤射の心配はない」
「主砲対空戦闘用意よし」
「前甲板VLS SM–2 SAM ファイヤ」
音を響かせて日の落ちた南方の海に明かりを灯す
「主砲左砲戦三十度仰角三十八に備え」
敵機の反応を示す赤点が大和の主砲射程40キロに入り
大和が発砲する轟音が艦内にも響き渡る
ズドォォォン
「大和 主砲三式弾射撃 無効射」
敵機までの位置、36キロ
まや搭載のMk,45 5インチ速射砲の射程内に入った
「対空戦闘攻撃始め」
「てっ!」
ドン ドン ドン
対空砲弾が闇夜に放たれ炸裂する音が響き渡る
「艦長!葛城より第二次直掩隊発艦用意完了とのこと!」
「タイミング悪りぃな! 最短時間で出せ
さっさとしねぇとミサイルが来て艦もろともおじゃんだぞ!」
「応!」
「SM–2着弾まで 3、 2、1、今」
J-20のうち 2機が吹き飛ぶのが目視でも見えた
残り20キロ
各艦の高角砲、速射砲が砲門を敵機に向けて
火を吹き始める
とほぼ同時に嫌な報告
「敵機ミサイル発射!低高度を対地速度秒速500mで突っ込んできます!」
「CIWS自動照準モードで起動 はぐろ取舵いっぱい」
はぐろの200mを超える艦体がググーッっと旋回し
艦橋前部と格納庫後部にあるCIWSが接近してくるミサイルに砲口を向ける
迫り来る赤点(ミサイル)は6発
CIWSの処理能力を考えるとギリギリ対処可能なラインのはず…だった
東方にレーダー反応が現れる
「方位150より反応16 恐らく潜水艦発射YJ–18 弾着まで1分20秒」
どうする損傷艦艦隊
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