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沖縄突入作戦 略称 瑞月作戦

那覇砲撃作戦

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大規模航空戦ののち
後方からやってきた
伊勢、日向、はくおう、おおすみ、しもきたらの輸送艦隊と
合流した艦隊は一度南下し
西方に舵を取る

戦艦大和第一艦橋 

電信員や士官らが忙しく艦橋内を巡る

「現在時刻〇三〇二 砲撃予定時刻まで残り28分!」

「無人偵察機からのデータリンク完了 敵のトーチカは16基」

「敵航空機部隊は壊滅している模様 滑走路、バンカーに航空機なし」

「取舵用意 主砲、零式通常弾装填」

那覇空港近辺へ逆上陸を行うため
那覇市西方50キロ地点に機動艦隊が展開、
砲撃への最終調整を行っている


伊勢日向は揚陸のために砲撃の参加はしないが
大和、榛名、利根、青葉の4隻が縦列陣を組み
那覇沖合を滑走路に平行に航行を始める


0330時 射撃開始予定時刻

補給艦から詰め込まれた零式通常弾各艦200発ずつを
那覇空港に設営された中国軍基地に叩き込む
ヘンダーソン飛行場砲撃作戦では金剛、榛名の36㎝砲弾でも
十分な攻撃力があった
46㎝砲弾が降ってくればどうなるか想像するのは難しいことではない


「主砲右砲戦 敵基地を砲撃せよ 欠片も残すな 撃て」

長官が命を下すと
まず、大和が発砲しそれに榛名、利根、青葉と続く


ドォォォォォン キュッキュッキュッ

低俯角で放たれた弾丸は海面と空気の摩擦を起こしながら音をたて
滑走路やトーチカに突き刺さり爆炎を上げる

「一斉射目 効力射 敵施設の破壊を確認」

無人機のカメラを通して確認し、弾着観測射撃を行う

「第二射 撃て!」


何度も、何度も往復しながら砲弾を敵の陣地に撃ち込み続ける

約20分経過

13斉射で大和が放った砲弾は117発
榛名は40回の交互撃ち方で160発
利根、青葉は斉射を30回ずつ利根が120発、青葉が90発を撃ち込み
上陸部隊の橋頭堡を築く



   輸送部隊ヘ 海岸敵部隊ノ掃討完了セリ 上陸ヲ決行セヨ



砲撃部隊から発光信号が送られ
おおすみ型、伊勢型のウェルドッグが開き、LCACと水陸両用戦闘車、ゴムボートが海岸ヘ向かう
おおすみ型の飛行甲板からはAH–64対戦車ヘリとCH–47も飛び立つ

「敵陣地から発砲!」

撃たれた弾丸は幸いにも命中せず、海上に水柱を上げる

「駆逐戦隊 敵陣地を撃破せよ」

大和を含む戦艦砲では精度があまり期待出来ない

駆逐艦の12.7㎝砲の方が精度が良いとの判断だった


ドォン ドォン ドォン

駆逐隊が反復しながら敵の発砲炎目がけて射撃を行う

「目標1.3.4.5沈黙 射撃を続けます」


上陸したLCACから10式戦車が降りてC-130とCH–47から第一空挺団が降下
ボートからは第一水陸機動連隊が上陸し
AH–64アパッチ、AAV7が射撃を行いながら前進する

すでに航空戦力を失い、制空権のない中国軍に
上空からの攻撃を防ぐ術はない

茂みから15式軽戦車が射撃を行うが
発砲炎が出ると同時に上空のアパッチがヘルファイヤを放ち
戦車を鋼鉄の棺桶に変える

「第一小隊前へ!」

小銃を抱えた小隊が少しずつ前へ進む





その間にも弾着観測射撃を行いながら
大和ら砲撃隊は普天間、嘉手納飛行場への射撃を行う
戦闘機隊が飛んでくれば、上空を舞う輸送機部隊はひとたまりもない

「嘉手納滑走路に着弾確認 2番滑走路破壊
 次弾目標管制塔 北3の西4 射撃求む」

観測機からの要請に合わせて
主砲の照準を変え、ひたすら撃ち続ける




朝日が昇る午前6時
陸自主力部隊は上陸を完了、那覇空港を奪還し
海上からは未だ巨砲が火を吹いていた
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