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第一次徳之島沖海戦
敵艦隊追撃戦
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「なんてこった…長江が轟沈したぞ」
「艦長!敵水雷戦隊距離20000まで接近!」
「対水上戦闘!主砲交戦開始 転舵し、戦闘海域から離脱せよ
戦艦を含む奴らに巡洋艦如きで勝てるはずがない 撤退だ!」
「艦長!敵弾来ます!!!」
「くそっ」
つぶやいた瞬間轟音と共に
近くに砲弾が着水
硝煙の混ざった灰色の水柱を上げる
大和後部艦橋
「負傷者の救護を急げ!」
「こっちに人を回してくれ!まだ息がある奴がいる!」
「傷口を抑えろ!出血を減らせ!」
被弾によって吹き飛んだ後部艦橋では
死傷者が多く発生し
応急員やしばらく役目のない高角砲員、機銃員が救護に当たっていた
「分隊長!しっかり!」
「俺は…大丈夫だ 他のやつを先にしてくれ」
「大丈夫じゃないです!片足吹き飛んでるんですよ!」
このような会話がさまざまな場所から聞こえる
「オイ!さっさとしやがれェ!もう敵は主砲圏内なんだ!
テメェらがいたらこの巨砲も撃てねぇだろうが!アァ? 動けるやつはさっさと艦内入れや!」
後部艦橋測距儀員で奇跡的に大きな傷を受けなかった
原野大尉は部下を叱りつける
「お、応!」
なんとか動ける負傷者は自力で立ち上がり
救護兵に抱えられて運ばれる
伝令が艦内を駆け回り
各所に命令や報告を伝える
大和第一艦橋
「伝令! 後部艦橋負傷者全員艦内へ搬入完了しました
主砲射撃が可能です」
「了解 追撃戦だ 速力31ノット最大速力
主砲、副砲 左砲戦 対水上戦闘」
「宜候」
測距儀とレーダーで確認された距離、方位、速力を艦内で計算し
事前に作られた射表と組み合わせて射撃角を導き出す
「射撃指揮所指示の目標 左砲戦18000の目標 主砲仰角23 副砲38 方位312」
ググググググーッ
巨大な砲塔群が旋回し
逃げる敵艦の方へ向く
そして
「ってー」
射撃指揮室で引き金が引かれると同時に
巨大な砲弾が宙に投射される
ドォォォォォン
弾着まで約20数秒
その時間でさえも待ち遠しい
「だんちゃーく 今!」
水柱が立ち上がり
敵艦を覆い隠す
「主砲弾、全弾近 副砲弾は近、近、近、遠、直、近 1発命中」
「おぉよくやった」
「主砲上げ4の副砲上げ2」
砲術長が冷静に次の命令を伝える
「装填用意よし!」
「ってー」
途方もない運動エネルギーを持った
鉄の塊が敵艦へ向けて飛んでいく
軽巡洋艦矢矧艦橋
「敵艦体捕捉 フリゲー4隻と駆逐艦2隻」
「左同航魚雷戦!目標敵一番艦」
「左同航魚雷戦!目標敵一番艦」
副長が復唱し
艦全体に命令が行き渡る
「配下の駆逐艦部隊は」
「駆逐隊ごとに攻撃せよ 同士討ちは絶対にするなよ」
「宜候!」
駆逐艦涼月艦橋
「だそうです 魚雷戦命令が」
「ハハっやってやろうじゃねぇか 上等上等
左魚雷戦用意!最大戦速で突っ走れ 敵弾にあたんじゃねぇぞ!」
「応!」
「とーりかーじ いっぱぁぁい」
グググ
二千トン強の船体が軋みながら
急旋回する 旋回が終わると同時に急加速
「主砲撃ち方用意 目標敵一番艦
敵弾が撃ってきたら反対の方向に避けろ いいな?」
「応!」
「正面砲戦!目標敵一番艦 仰角19 撃ち方はじめ!」
「冬月はついてきてるか?」
「はい 真後ろに着いてきてます
38ノットくらい出してるみたいです」
「うちの艦の造船波使ってんのか あったまいいなぁ」
「弾着確認!命中弾2発 敵艦の艦橋部に命中」
「次弾装填!水雷長!敵艦までの距離は!」
「残り10000!」
「8000切ったら教えろォ!魚雷戦じゃ」
「了解」
「敵艦発砲!」
「面舵一杯!」
ギギギ
ドバッシャーン
「被害知らせ!」
着弾の衝撃はないものの
装甲の張っていない駆逐艦は
至近弾の断片で機関がイカれる事もある
「先ほどの着弾による被害なし!」
「しゃっ 距離は!」
「9000!」
「主砲撃ち方はじめ 敵艦に艦首を向けろ
被弾面積を最小限に!」
「ってー!」
ドン ドン
高初速の10センチ弾が敵艦を襲う
「命中弾2発 敵艦艦首部に命中 敵艦の砲を潰しました!」
「よくやった!距離は」
「8000!」
「面舵一杯 魚雷戦」
「魚雷投射開始!」
プシュッ プシュッ
「敵2番艦発砲!」
「当たるかっ!魚雷はまだか」
「投射完了!」
「後進一杯 面舵一杯 回避急げ!」
ドバッシャーン
「被害知らせ!」
「被害なし!」
「最大戦速!離脱しろ 見張り!魚雷命中見とけよ!」
「応!」
中国海軍フリゲート艦三明
「被弾により艦前部の武器システム全損!」
「くそっ」
「艦首ソナーも破壊されました!」
「くっ」
「敵艦撤退して行きます」
「なんとか耐えたか… 被害が拡大しない速力で撤退だ」
その時艦に衝撃が走る
ガガガァァン
「何が起きた!損傷報告!」
「魚雷を食らったようです
艦後部がもぎ取られました航行不能!傾斜増大三十度!転覆します!」
「見張りは何をしていた!」
「雷跡見えませんでした!」
「…日帝の酸素魚雷か 総員退艦」
艦から脱出した後後続の駆逐艦や
フリゲートにも次々と魚雷が突き刺さり
沈んでいった
大和第一艦橋
「追撃やめ 艦隊に招集命令」
「戦果は」
「航空巡洋艦1隻撃沈 巡洋艦2隻、駆逐艦2隻、フリゲート4隻撃沈です」
「損害は…」
「大和直撃弾により後部艦橋損壊 磯風沈没 矢矧被弾4発2番砲損傷
冬月被弾1発 以上」
「まぁ…悪くはないか かがに戦果を送れ もう直ぐ昼だ
日が出ている間に合流するぞ」
「宜候」
「艦長!敵水雷戦隊距離20000まで接近!」
「対水上戦闘!主砲交戦開始 転舵し、戦闘海域から離脱せよ
戦艦を含む奴らに巡洋艦如きで勝てるはずがない 撤退だ!」
「艦長!敵弾来ます!!!」
「くそっ」
つぶやいた瞬間轟音と共に
近くに砲弾が着水
硝煙の混ざった灰色の水柱を上げる
大和後部艦橋
「負傷者の救護を急げ!」
「こっちに人を回してくれ!まだ息がある奴がいる!」
「傷口を抑えろ!出血を減らせ!」
被弾によって吹き飛んだ後部艦橋では
死傷者が多く発生し
応急員やしばらく役目のない高角砲員、機銃員が救護に当たっていた
「分隊長!しっかり!」
「俺は…大丈夫だ 他のやつを先にしてくれ」
「大丈夫じゃないです!片足吹き飛んでるんですよ!」
このような会話がさまざまな場所から聞こえる
「オイ!さっさとしやがれェ!もう敵は主砲圏内なんだ!
テメェらがいたらこの巨砲も撃てねぇだろうが!アァ? 動けるやつはさっさと艦内入れや!」
後部艦橋測距儀員で奇跡的に大きな傷を受けなかった
原野大尉は部下を叱りつける
「お、応!」
なんとか動ける負傷者は自力で立ち上がり
救護兵に抱えられて運ばれる
伝令が艦内を駆け回り
各所に命令や報告を伝える
大和第一艦橋
「伝令! 後部艦橋負傷者全員艦内へ搬入完了しました
主砲射撃が可能です」
「了解 追撃戦だ 速力31ノット最大速力
主砲、副砲 左砲戦 対水上戦闘」
「宜候」
測距儀とレーダーで確認された距離、方位、速力を艦内で計算し
事前に作られた射表と組み合わせて射撃角を導き出す
「射撃指揮所指示の目標 左砲戦18000の目標 主砲仰角23 副砲38 方位312」
ググググググーッ
巨大な砲塔群が旋回し
逃げる敵艦の方へ向く
そして
「ってー」
射撃指揮室で引き金が引かれると同時に
巨大な砲弾が宙に投射される
ドォォォォォン
弾着まで約20数秒
その時間でさえも待ち遠しい
「だんちゃーく 今!」
水柱が立ち上がり
敵艦を覆い隠す
「主砲弾、全弾近 副砲弾は近、近、近、遠、直、近 1発命中」
「おぉよくやった」
「主砲上げ4の副砲上げ2」
砲術長が冷静に次の命令を伝える
「装填用意よし!」
「ってー」
途方もない運動エネルギーを持った
鉄の塊が敵艦へ向けて飛んでいく
軽巡洋艦矢矧艦橋
「敵艦体捕捉 フリゲー4隻と駆逐艦2隻」
「左同航魚雷戦!目標敵一番艦」
「左同航魚雷戦!目標敵一番艦」
副長が復唱し
艦全体に命令が行き渡る
「配下の駆逐艦部隊は」
「駆逐隊ごとに攻撃せよ 同士討ちは絶対にするなよ」
「宜候!」
駆逐艦涼月艦橋
「だそうです 魚雷戦命令が」
「ハハっやってやろうじゃねぇか 上等上等
左魚雷戦用意!最大戦速で突っ走れ 敵弾にあたんじゃねぇぞ!」
「応!」
「とーりかーじ いっぱぁぁい」
グググ
二千トン強の船体が軋みながら
急旋回する 旋回が終わると同時に急加速
「主砲撃ち方用意 目標敵一番艦
敵弾が撃ってきたら反対の方向に避けろ いいな?」
「応!」
「正面砲戦!目標敵一番艦 仰角19 撃ち方はじめ!」
「冬月はついてきてるか?」
「はい 真後ろに着いてきてます
38ノットくらい出してるみたいです」
「うちの艦の造船波使ってんのか あったまいいなぁ」
「弾着確認!命中弾2発 敵艦の艦橋部に命中」
「次弾装填!水雷長!敵艦までの距離は!」
「残り10000!」
「8000切ったら教えろォ!魚雷戦じゃ」
「了解」
「敵艦発砲!」
「面舵一杯!」
ギギギ
ドバッシャーン
「被害知らせ!」
着弾の衝撃はないものの
装甲の張っていない駆逐艦は
至近弾の断片で機関がイカれる事もある
「先ほどの着弾による被害なし!」
「しゃっ 距離は!」
「9000!」
「主砲撃ち方はじめ 敵艦に艦首を向けろ
被弾面積を最小限に!」
「ってー!」
ドン ドン
高初速の10センチ弾が敵艦を襲う
「命中弾2発 敵艦艦首部に命中 敵艦の砲を潰しました!」
「よくやった!距離は」
「8000!」
「面舵一杯 魚雷戦」
「魚雷投射開始!」
プシュッ プシュッ
「敵2番艦発砲!」
「当たるかっ!魚雷はまだか」
「投射完了!」
「後進一杯 面舵一杯 回避急げ!」
ドバッシャーン
「被害知らせ!」
「被害なし!」
「最大戦速!離脱しろ 見張り!魚雷命中見とけよ!」
「応!」
中国海軍フリゲート艦三明
「被弾により艦前部の武器システム全損!」
「くそっ」
「艦首ソナーも破壊されました!」
「くっ」
「敵艦撤退して行きます」
「なんとか耐えたか… 被害が拡大しない速力で撤退だ」
その時艦に衝撃が走る
ガガガァァン
「何が起きた!損傷報告!」
「魚雷を食らったようです
艦後部がもぎ取られました航行不能!傾斜増大三十度!転覆します!」
「見張りは何をしていた!」
「雷跡見えませんでした!」
「…日帝の酸素魚雷か 総員退艦」
艦から脱出した後後続の駆逐艦や
フリゲートにも次々と魚雷が突き刺さり
沈んでいった
大和第一艦橋
「追撃やめ 艦隊に招集命令」
「戦果は」
「航空巡洋艦1隻撃沈 巡洋艦2隻、駆逐艦2隻、フリゲート4隻撃沈です」
「損害は…」
「大和直撃弾により後部艦橋損壊 磯風沈没 矢矧被弾4発2番砲損傷
冬月被弾1発 以上」
「まぁ…悪くはないか かがに戦果を送れ もう直ぐ昼だ
日が出ている間に合流するぞ」
「宜候」
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