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第一次徳之島沖海戦
呉出撃
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2027年4月6日
奇しくも天一号作戦で出撃した日と全く同じ日
呉湾には大量の艦が集結していた
航空機搭載型護衛艦かが、航空母艦天城、葛城
防空戦艦大和、榛名、揚陸巡洋艦青葉、防空巡洋艦利根、矢矧
駆逐艦冬月以下8隻 護衛艦まや以下12隻FFMもがみ以下7隻
輸送艦おおすみ型3隻、高速揚陸艦はくおう
総計39隻 今の日本の持つ海上打撃戦力の半数ほどを集めた大艦隊
それらの艦が縦列陣を組み、呉湾を出撃する
戦艦大和第一艦橋
「第二水上艦隊旗艦かがより入電 そのままの進路で航行し
豊後水道を突破する すでに音響測定艦を駆使し掃海は行った」
「了解 と伝えておけ」
「数ヶ月前にもこんなことやりましたね」
「あぁ… 今度こそは」
長官たちの決意をもと
レイテ沖以来の日本の大艦隊は瀬戸内海を躍進した
……………
4月7日0432時
護衛艦かが艦橋
「上空哨戒中のライトニング3番機からデータリンク
高速で接近中のアンノウン反応 恐らく対艦ミサイル」
「艦隊全艦にデータリンク 防空戦闘 急げ」
護衛艦まや艦橋
「かがよりデータリンク 対艦ミサイル接近中 対空戦闘」
「対空戦闘用意」
「対空戦闘」
「主砲右27度仰角32に備え」
「CCI指示の目標は28度、53マイルの目標」
「ESSM、攻撃始め」
VLSから火炎が迸り、音速の矢が
向かってくる対艦ミサイルに向けて投射される
戦艦大和第一艦橋
「対空戦闘用意 オートメラーラ速射砲右砲戦右二十七度仰角三十二に備え」
「艦橋指示の目標群 ESSM投射せよ」
「ESSM投射開始」
VLSのセルが突き破られまやと同じように音速の矢が向かう
戦艦大和 高角砲分隊1番砲
「総員対空戦闘配置!」
ブザーと共に流れてきた声で少し寝ぼけていた
高角砲内の全員が飛び起きた
「防空指揮所指示の目標 ふたななにみぃふた!」
グゥーーーーン
大きな音を立てて高角砲が照準を合わせる
と、その瞬間遠方で火球が上がる
「ミサイルが吹き飛んだか」
ESSMが10発の対艦ミサイルに命中し
空中で爆発した火球だった
ブーーーーー
主砲の発射を伝えるブザーが鳴る
ブーーーーー
ブーーーーーー
鳴り終わった同時に轟音が鳴り響き
1.5トンの金属の塊が宙に投射される
「くるぞくるぞくるぞ~」
パァァァァァァァァァァ
二七式対空弾が空中に可燃性ゴムや断片をばら撒き
ミサイルを撃墜はできずとも多少なりともダメージを与える
今回は運良く撃墜ミサイルが1発あったようだ
「高射分隊たいくーせんとー」
12.7糎高角砲の射程に入るのをじっと待つ
「うちーかーたはじめー」
待ってましたとばかりに右舷高角砲が一斉に火を噴く
カタログスペックで14発/分
しかし訓練と利根で使われた発射装置のショートにより
毎分20発まで向上させた
ミサイル接近までが短時間なので砲塔内の即応弾だけでこと足りるため
この射撃速度を実現できた
各艦が統制射撃を行い
どの艦の砲撃かは不明だが2発を撃墜
残り7機
12キロを切ると127㎜、8キロになると76㎜が火を吹き始める
特に76㎜は発射速度が80発/分で実質CIWSみたいなものであり
大和には2基搭載されている
弾幕形成により4発撃墜
残り2キロ
最終兵器CIWSと手動照準25㎜の出番だ
「CIWS、自由交戦モード 機銃分隊撃ち方はじめ」
バァァァァァァ バリバリバリバリ
機銃の発射音でほぼ何も聞こえなくなる
途端に空中に光が膨れ上がり
爆発を起こした
「ミサイル全弾撃墜」
飛び散った破片が甲板に散らばってくる
総員甲板清掃を下令しようとしたその時だった
天城搭載の彩雲艦偵からの情報が入ったのは
セセセセセセセセセ(セ連送 我敵戦闘機ノ攻撃ヲ受ク の意味)
敵艦隊見ユ 駆逐艦 昆明級2隻 蘭州級2隻 計4隻
フリゲート艦艦種不明4隻
空母1隻ヲ含ム艦隊其方ヘ向カフ
日本国万歳 第二艦隊二幸運アレ
敵艦隊見ユ 駆逐ーーーーーー
プロペラ機の彩雲でジェット戦闘機に敵うはずがない
途中で通信が切れたのは撃墜されたのだろう
第二艦隊、いや日本国海上自衛隊第五水上艦隊初の死者であった
「方角は」
「偵察機の発進方向は丁度真西 距離で言うなれば200キロ地点
両艦隊が第二戦速で向かえば2時間で主砲射程圏内です」
「かがに伝令 こちら大和 これより艦隊と分離し
大和、天城、矢矧、利根、駆逐艦5隻を持って彩雲発見の敵艦隊へ向かう
防空艦としてまや、もがみ、みくまを同行させたし 許可願う」
数分後
「かがより返答
第五艦隊の指揮は貴殿に委ねられている 交戦を許可する
防空艦にはまや、ちょうかい、みくまを同行させる」
かが司令部からも許可が降りた
「さて、帝国海軍…いや海上自衛隊の実力、支那人にとくと見せつけてやろう
場数はこっちの方が遥かに踏んでる 大和は早々沈まぬ」
ここに、第一次徳之島沖海戦の火蓋が切られた
両艦隊接触まで残り2時間3分
奇しくも天一号作戦で出撃した日と全く同じ日
呉湾には大量の艦が集結していた
航空機搭載型護衛艦かが、航空母艦天城、葛城
防空戦艦大和、榛名、揚陸巡洋艦青葉、防空巡洋艦利根、矢矧
駆逐艦冬月以下8隻 護衛艦まや以下12隻FFMもがみ以下7隻
輸送艦おおすみ型3隻、高速揚陸艦はくおう
総計39隻 今の日本の持つ海上打撃戦力の半数ほどを集めた大艦隊
それらの艦が縦列陣を組み、呉湾を出撃する
戦艦大和第一艦橋
「第二水上艦隊旗艦かがより入電 そのままの進路で航行し
豊後水道を突破する すでに音響測定艦を駆使し掃海は行った」
「了解 と伝えておけ」
「数ヶ月前にもこんなことやりましたね」
「あぁ… 今度こそは」
長官たちの決意をもと
レイテ沖以来の日本の大艦隊は瀬戸内海を躍進した
……………
4月7日0432時
護衛艦かが艦橋
「上空哨戒中のライトニング3番機からデータリンク
高速で接近中のアンノウン反応 恐らく対艦ミサイル」
「艦隊全艦にデータリンク 防空戦闘 急げ」
護衛艦まや艦橋
「かがよりデータリンク 対艦ミサイル接近中 対空戦闘」
「対空戦闘用意」
「対空戦闘」
「主砲右27度仰角32に備え」
「CCI指示の目標は28度、53マイルの目標」
「ESSM、攻撃始め」
VLSから火炎が迸り、音速の矢が
向かってくる対艦ミサイルに向けて投射される
戦艦大和第一艦橋
「対空戦闘用意 オートメラーラ速射砲右砲戦右二十七度仰角三十二に備え」
「艦橋指示の目標群 ESSM投射せよ」
「ESSM投射開始」
VLSのセルが突き破られまやと同じように音速の矢が向かう
戦艦大和 高角砲分隊1番砲
「総員対空戦闘配置!」
ブザーと共に流れてきた声で少し寝ぼけていた
高角砲内の全員が飛び起きた
「防空指揮所指示の目標 ふたななにみぃふた!」
グゥーーーーン
大きな音を立てて高角砲が照準を合わせる
と、その瞬間遠方で火球が上がる
「ミサイルが吹き飛んだか」
ESSMが10発の対艦ミサイルに命中し
空中で爆発した火球だった
ブーーーーー
主砲の発射を伝えるブザーが鳴る
ブーーーーー
ブーーーーーー
鳴り終わった同時に轟音が鳴り響き
1.5トンの金属の塊が宙に投射される
「くるぞくるぞくるぞ~」
パァァァァァァァァァァ
二七式対空弾が空中に可燃性ゴムや断片をばら撒き
ミサイルを撃墜はできずとも多少なりともダメージを与える
今回は運良く撃墜ミサイルが1発あったようだ
「高射分隊たいくーせんとー」
12.7糎高角砲の射程に入るのをじっと待つ
「うちーかーたはじめー」
待ってましたとばかりに右舷高角砲が一斉に火を噴く
カタログスペックで14発/分
しかし訓練と利根で使われた発射装置のショートにより
毎分20発まで向上させた
ミサイル接近までが短時間なので砲塔内の即応弾だけでこと足りるため
この射撃速度を実現できた
各艦が統制射撃を行い
どの艦の砲撃かは不明だが2発を撃墜
残り7機
12キロを切ると127㎜、8キロになると76㎜が火を吹き始める
特に76㎜は発射速度が80発/分で実質CIWSみたいなものであり
大和には2基搭載されている
弾幕形成により4発撃墜
残り2キロ
最終兵器CIWSと手動照準25㎜の出番だ
「CIWS、自由交戦モード 機銃分隊撃ち方はじめ」
バァァァァァァ バリバリバリバリ
機銃の発射音でほぼ何も聞こえなくなる
途端に空中に光が膨れ上がり
爆発を起こした
「ミサイル全弾撃墜」
飛び散った破片が甲板に散らばってくる
総員甲板清掃を下令しようとしたその時だった
天城搭載の彩雲艦偵からの情報が入ったのは
セセセセセセセセセ(セ連送 我敵戦闘機ノ攻撃ヲ受ク の意味)
敵艦隊見ユ 駆逐艦 昆明級2隻 蘭州級2隻 計4隻
フリゲート艦艦種不明4隻
空母1隻ヲ含ム艦隊其方ヘ向カフ
日本国万歳 第二艦隊二幸運アレ
敵艦隊見ユ 駆逐ーーーーーー
プロペラ機の彩雲でジェット戦闘機に敵うはずがない
途中で通信が切れたのは撃墜されたのだろう
第二艦隊、いや日本国海上自衛隊第五水上艦隊初の死者であった
「方角は」
「偵察機の発進方向は丁度真西 距離で言うなれば200キロ地点
両艦隊が第二戦速で向かえば2時間で主砲射程圏内です」
「かがに伝令 こちら大和 これより艦隊と分離し
大和、天城、矢矧、利根、駆逐艦5隻を持って彩雲発見の敵艦隊へ向かう
防空艦としてまや、もがみ、みくまを同行させたし 許可願う」
数分後
「かがより返答
第五艦隊の指揮は貴殿に委ねられている 交戦を許可する
防空艦にはまや、ちょうかい、みくまを同行させる」
かが司令部からも許可が降りた
「さて、帝国海軍…いや海上自衛隊の実力、支那人にとくと見せつけてやろう
場数はこっちの方が遥かに踏んでる 大和は早々沈まぬ」
ここに、第一次徳之島沖海戦の火蓋が切られた
両艦隊接触まで残り2時間3分
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