2 / 27
1945
佐世保 〜突如現る大艦隊〜
しおりを挟む
「長官…なんでしょうあの船は」
「まさか、我々が出撃した間に佐世保に敵艦隊が上陸!?」
「ですが、海軍旗を掲げている不明艦もおります」
「一体全体どうなっているんだ」
バラバラバラバラ
プロペラが上部についたよくわからない機体が
接近してくる 機体の横にはでかでかと日の丸
「こちらはー日本国海上自衛隊護衛艦いずも所属SH-60だ 貴艦らの所属を明らかにせよ」
「長官どうしましょうか 所属は言うべきですよね」
「日本国………大日本帝国ではないのか まぁ、仕方がない 探照灯を使用して伝えよ」
ピカッピカピカピカッピカッ
此方ハ大日本帝国海軍第二艦隊旗艦戦艦大和 天一号作戦発令後出撃
被雷ニヨリ作戦中止 反転シ佐世保ヘト帰港ス
「了解した ただちに修理が必要な艦はあるか ないのであればその場で停止せよ」
ピカッピカピカピカピカッ
大和葛城浸水アリ 日向浸水多量傾斜八度
尚沈没ニ瀕シテイル艦ハナシ コノ場デ停船ス
「いったい、それにしてもどうなってんだ………」
………
海上自衛隊佐世保総監 会議室
佐世保総監である佐村海将が口を開く
「さて、、今集まっているのは他でもない
佐世保港外に突如出現した
大日本帝国海軍第二艦隊を名乗る艦艇群についてだ説明を頼む」
「SH-60からの観測によると艦艇群は
大和型と思われる戦艦1 伊勢型航空戦艦らしき艦2 金剛型と思われし艦1
雲龍型航空母艦と思われる艦2 青葉型と思われる艦1 利根型と思われる艦1
阿賀野型と思われる艦1 その他駆逐艦と思われる艦10で構成されています」
「先ほど調べますと、1945年 天一号作戦で出撃し
暴風雨に巻き込まれ、艦隊が行方不明になったという事故と
全く同じ編成をしていることがわかります」
(まさかあの戦艦大和をこの目で見ることができるのか…?)
護衛艦まや艦長の野上1佐は驚きと興奮に満ち溢れた目で話を聞く
「ですが、なぜこの艦隊が佐世保沖に現れたのかは不明です
ちなみに戦中の米軍報告として戦艦一隻と巡洋艦、空母各一隻に
魚雷命中とありますが、おそらく大和を戦艦とした時に日向を巡洋艦と誤認したものでしょう
尚、日向は浸水量は不明ですが約八度傾斜しています できるだけ早期にドック入りが良いのではないかと」
「とのことだ 質問は」
各官僚から次々と手が上がる
「海将!あの艦隊をどうされるおつもりでしょうか
中国との戦闘が続く今、戦闘可能な艦艇は少しでも多いほうが良いと思います!」
「それに関しては、今内閣と海上幕僚長たちが話し合っている それによって処分が決まるだろう」
(そうだな 大和型の装甲であれば対艦ミサイルは致命傷にはならない
魚雷でさえ数発は耐えうるだろう 味方に取り込めば大きい
それに雲龍型、いや天城と葛城は一応は正規空母だ
甲板さえ耐熱処理すれば使えないこともない
あぁぁぁもう、ワクワクしてきた 海自やっていて良かった………)
若干浮いてるが、野上1佐は元々ミリオタなので仕方がない
「あぁ、そういえば 艦艇群をみていないという方もおられると思いますので
ヘリからの写真を貼っておきます」
そして、スクリーンに張り出されたのは
数は少ないものの、今の傷だらけの海上自衛隊には比べ物にならないほどの
威容と圧力を誇る艦隊だった
大和、天城、葛城を中心として輪形陣を組み
周りを駆逐艦が護衛している
葛城の飛行甲板に穴が空いているように見える
米艦載機の空襲は受けてないはずだが…
「にしても、日本海軍をこの目で見ることができようとはなぁ」
1945 4/5に徳山沖を出撃し
夜間に潜水艦の雷撃を受けそのまま佐世保へ向かうために北上
その途中で暴風雨に遭い 全艦が遭難し
一隻も今まで見つかっていなかった
その艦隊が今 多少の損害はあろうと
浮いた状態ですぐそこに現れたのだ
感動という他ない
「…………美しい」
鑑賞に浸っていると
街からサイレンが鳴り響く
ウゥゥゥゥゥゥヲォォォォ
くぅぅーしゅーーけーーほーー
空襲警報のサイレンだ
にしては空自の戦闘機隊などが飛んでいない
「報告!敵航空部隊はステルス 対馬の防空指揮所が目視で確認しました
佐世保上空まで10分」
「防空隊は!」
「築城基地のF-2がスクランブル発進 上空到達まで8分」
「各艦防空戦闘へ!」
急に慌ただしくなり、乗艦のイージス艦まやが次々と対空ミサイルをVLSから投射している
港を見ていると視界の端で何かが光った 海上だ
ピントを合わせると
一隻の艦 陽炎型の……雪風か
盛んに光を発している 解読…してみるか
えっと……
クウシュウケイホウガ……エタ ボウクウセン…ノサンカノカヒヲトウ
オウトウナキバアイ……ジユウニタイクウセントウヲオコナフ
なるほど 空襲警報が聞こえたから
第二艦隊として防空戦闘をやるというのか
「海将!!!」
解読したことを伝える
「そうか そのまま対空戦闘をしてもらおう 戦慣れした海軍さんのお手並み拝見とするか」
(海将 意外とそういうところあるんですね)
島々の影から黒い煙が上がるのが見える
対空戦闘のために艦艇が罐を焚いているのだろう
キラッと遠方の空に敵機の翼端が光った気がした
その瞬間 窓ガラスが震え、轟音が鳴り響いた
ドォォォォォォォォォン
そして、数秒後に空に黄色い火花が散った
(三式弾!!!!!)
………
日本海軍戦艦大和防空指揮所
「雪風発光信号終わり 応答なし 対空戦闘へ移行します」
「北北西から高速の反応多数あり 空襲警報の元かと」
「主砲三式弾装填 仰角最大 敵さんを吹っ飛ばせ」
「主砲三式弾そーてーん」
グオォォォォン
2000tを軽く超える砲塔が旋回し
目標予測地点へと砲口を向ける
伊勢、日向、榛名も同じだ
「撃て」
大和測距儀の指揮で大和が発砲 数秒遅れて各艦も発砲
佐世保湾を主砲発砲の轟音が埋め尽くし
晴天の空を黄燐の燃える色で飾った
「まさか、我々が出撃した間に佐世保に敵艦隊が上陸!?」
「ですが、海軍旗を掲げている不明艦もおります」
「一体全体どうなっているんだ」
バラバラバラバラ
プロペラが上部についたよくわからない機体が
接近してくる 機体の横にはでかでかと日の丸
「こちらはー日本国海上自衛隊護衛艦いずも所属SH-60だ 貴艦らの所属を明らかにせよ」
「長官どうしましょうか 所属は言うべきですよね」
「日本国………大日本帝国ではないのか まぁ、仕方がない 探照灯を使用して伝えよ」
ピカッピカピカピカッピカッ
此方ハ大日本帝国海軍第二艦隊旗艦戦艦大和 天一号作戦発令後出撃
被雷ニヨリ作戦中止 反転シ佐世保ヘト帰港ス
「了解した ただちに修理が必要な艦はあるか ないのであればその場で停止せよ」
ピカッピカピカピカピカッ
大和葛城浸水アリ 日向浸水多量傾斜八度
尚沈没ニ瀕シテイル艦ハナシ コノ場デ停船ス
「いったい、それにしてもどうなってんだ………」
………
海上自衛隊佐世保総監 会議室
佐世保総監である佐村海将が口を開く
「さて、、今集まっているのは他でもない
佐世保港外に突如出現した
大日本帝国海軍第二艦隊を名乗る艦艇群についてだ説明を頼む」
「SH-60からの観測によると艦艇群は
大和型と思われる戦艦1 伊勢型航空戦艦らしき艦2 金剛型と思われし艦1
雲龍型航空母艦と思われる艦2 青葉型と思われる艦1 利根型と思われる艦1
阿賀野型と思われる艦1 その他駆逐艦と思われる艦10で構成されています」
「先ほど調べますと、1945年 天一号作戦で出撃し
暴風雨に巻き込まれ、艦隊が行方不明になったという事故と
全く同じ編成をしていることがわかります」
(まさかあの戦艦大和をこの目で見ることができるのか…?)
護衛艦まや艦長の野上1佐は驚きと興奮に満ち溢れた目で話を聞く
「ですが、なぜこの艦隊が佐世保沖に現れたのかは不明です
ちなみに戦中の米軍報告として戦艦一隻と巡洋艦、空母各一隻に
魚雷命中とありますが、おそらく大和を戦艦とした時に日向を巡洋艦と誤認したものでしょう
尚、日向は浸水量は不明ですが約八度傾斜しています できるだけ早期にドック入りが良いのではないかと」
「とのことだ 質問は」
各官僚から次々と手が上がる
「海将!あの艦隊をどうされるおつもりでしょうか
中国との戦闘が続く今、戦闘可能な艦艇は少しでも多いほうが良いと思います!」
「それに関しては、今内閣と海上幕僚長たちが話し合っている それによって処分が決まるだろう」
(そうだな 大和型の装甲であれば対艦ミサイルは致命傷にはならない
魚雷でさえ数発は耐えうるだろう 味方に取り込めば大きい
それに雲龍型、いや天城と葛城は一応は正規空母だ
甲板さえ耐熱処理すれば使えないこともない
あぁぁぁもう、ワクワクしてきた 海自やっていて良かった………)
若干浮いてるが、野上1佐は元々ミリオタなので仕方がない
「あぁ、そういえば 艦艇群をみていないという方もおられると思いますので
ヘリからの写真を貼っておきます」
そして、スクリーンに張り出されたのは
数は少ないものの、今の傷だらけの海上自衛隊には比べ物にならないほどの
威容と圧力を誇る艦隊だった
大和、天城、葛城を中心として輪形陣を組み
周りを駆逐艦が護衛している
葛城の飛行甲板に穴が空いているように見える
米艦載機の空襲は受けてないはずだが…
「にしても、日本海軍をこの目で見ることができようとはなぁ」
1945 4/5に徳山沖を出撃し
夜間に潜水艦の雷撃を受けそのまま佐世保へ向かうために北上
その途中で暴風雨に遭い 全艦が遭難し
一隻も今まで見つかっていなかった
その艦隊が今 多少の損害はあろうと
浮いた状態ですぐそこに現れたのだ
感動という他ない
「…………美しい」
鑑賞に浸っていると
街からサイレンが鳴り響く
ウゥゥゥゥゥゥヲォォォォ
くぅぅーしゅーーけーーほーー
空襲警報のサイレンだ
にしては空自の戦闘機隊などが飛んでいない
「報告!敵航空部隊はステルス 対馬の防空指揮所が目視で確認しました
佐世保上空まで10分」
「防空隊は!」
「築城基地のF-2がスクランブル発進 上空到達まで8分」
「各艦防空戦闘へ!」
急に慌ただしくなり、乗艦のイージス艦まやが次々と対空ミサイルをVLSから投射している
港を見ていると視界の端で何かが光った 海上だ
ピントを合わせると
一隻の艦 陽炎型の……雪風か
盛んに光を発している 解読…してみるか
えっと……
クウシュウケイホウガ……エタ ボウクウセン…ノサンカノカヒヲトウ
オウトウナキバアイ……ジユウニタイクウセントウヲオコナフ
なるほど 空襲警報が聞こえたから
第二艦隊として防空戦闘をやるというのか
「海将!!!」
解読したことを伝える
「そうか そのまま対空戦闘をしてもらおう 戦慣れした海軍さんのお手並み拝見とするか」
(海将 意外とそういうところあるんですね)
島々の影から黒い煙が上がるのが見える
対空戦闘のために艦艇が罐を焚いているのだろう
キラッと遠方の空に敵機の翼端が光った気がした
その瞬間 窓ガラスが震え、轟音が鳴り響いた
ドォォォォォォォォォン
そして、数秒後に空に黄色い火花が散った
(三式弾!!!!!)
………
日本海軍戦艦大和防空指揮所
「雪風発光信号終わり 応答なし 対空戦闘へ移行します」
「北北西から高速の反応多数あり 空襲警報の元かと」
「主砲三式弾装填 仰角最大 敵さんを吹っ飛ばせ」
「主砲三式弾そーてーん」
グオォォォォン
2000tを軽く超える砲塔が旋回し
目標予測地点へと砲口を向ける
伊勢、日向、榛名も同じだ
「撃て」
大和測距儀の指揮で大和が発砲 数秒遅れて各艦も発砲
佐世保湾を主砲発砲の轟音が埋め尽くし
晴天の空を黄燐の燃える色で飾った
4
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
ソラノカケラ ⦅Shattered Skies⦆
みにみ
歴史・時代
2026年 中華人民共和国が台湾へ軍事侵攻を開始
台湾側は地の利を生かし善戦するも
人海戦術で推してくる中国側に敗走を重ね
たった3ヶ月ほどで第2作戦区以外を掌握される
背に腹を変えられなくなった台湾政府は
傭兵を雇うことを決定
世界各地から金を求めて傭兵たちが集まった
これは、その中の1人
台湾空軍特務中尉Mr.MAITOKIこと
舞時景都と
台湾空軍特務中士Mr.SASENOこと
佐世野榛名のコンビによる
台湾開放戦を描いた物語である
※エースコンバットみたいな世界観で描いてます()
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
信濃の大空
ypaaaaaaa
歴史・時代
空母信濃、それは大和型3番艦として建造されたものの戦術の変化により空母に改装され、一度も戦わず沈んだ巨艦である。
そんな信濃がもし、マリアナ沖海戦に間に合っていたらその後はどうなっていただろう。
この小説はそんな妄想を書き綴ったものです!
前作同じく、こんなことがあったらいいなと思いながら読んでいただけると幸いです!
近衛文麿奇譚
高鉢 健太
歴史・時代
日本史上最悪の宰相といわれる近衛文麿。
日本憲政史上ただ一人、関白という令外官によって大権を手にした異色の人物にはミステリアスな話が多い。
彼は果たして未来からの転生者であったのだろうか?
※なろうにも掲載
明日の海
山本五十六の孫
歴史・時代
4月7日、天一号作戦の下、大和は坊ノ岬沖海戦を行う。多数の爆撃や魚雷が大和を襲う。そして、一発の爆弾が弾薬庫に被弾し、大和は乗組員と共に轟沈する、はずだった。しかし大和は2015年、戦後70年の世へとタイムスリップしてしまう。大和は現代の艦艇、航空機、そして日本国に翻弄される。そしてそんな中、中国が尖閣諸島への攻撃を行い、その動乱に艦長の江熊たちと共に大和も巻き込まれていく。
世界最大の戦艦と呼ばれた戦艦と、艦長江熊をはじめとした乗組員が現代と戦う、逆ジパング的なストーリー←これを言って良かったのか
主な登場人物
艦長 江熊 副長兼砲雷長 尾崎 船務長 須田 航海長 嶋田 機関長 池田
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる