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45.セントーンに着いた緋蝶は
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セントーンに着いた緋蝶は、歓迎を受けた。
国に入ってしばらくは、敵視する視線を感じたが、それは先の皇帝がゼノの処刑を命じ、国境近くで争ったからだろう。
中にはゼノの力により緋龍が敗退し、その償いに姫を差し出して来たのだと、蝶緋たちを見下している民もいた。
しかし城下が近くなるにつれて、民の間には祝福の色が濃くなっていった。
緋龍の現皇帝が、ゼノの従兄弟である事は、民の間にも知られている。大国である緋龍から姫をめとるという事実は、セントーンにも利が大きい。
そして何より、ゼノの婚礼を喜ぶ心が強く現れていた。
だが蝶緋の心は、王宮が近付くにつれて沈んでいった。
共に嫁ぐはずだった玉緋は、アリスという娘のために緋龍に残り、ゼノに嫁ぐのは蝶緋一人になってしまった。
玉緋がいれば、遠く離れたセントーンでも寂しくはないだろう、あの冷たい眼をした王子と顔を会わせることも、耐えられるだろうと考えていたのに、と、蝶緋はまぶたを落とした。
「御加減でも?」
「いいえ、平気よ」
従者に気遣われ、蝶緋は慌てて笑顔を取り繕う。
「長旅でございましたから。もうしばらくの御辛抱です」
蝶緋は頷いた。
馬車に揺られる旅は、今までにも経験している。
だが今回は、婚礼のための品々を運ぶために従者も多く、歩みは遅い。その上セントーンに入ってからは、民衆の注目も有り、外を歩いて体をほぐすことも出来なかった。
城下の喧騒を抜け、ようやくセントーンの王宮に辿り着いても、休む暇もなく、セントーン国王とセス王子への挨拶に向かわなければならなかった。
「御父上様、御兄様、そして御母上様、蝶緋にございます」
「うむ」
セントーン国王は、気難しい顔で頷くだけだった。労いの言葉一つ、掛けてはくれない。
その態度で、蝶緋は自分が歓迎されていないのだと察した。
「なんだ、蝶緋だったの。てっきり玉緋が来るのかと思ってた」
セスの言葉に、ずきりと蝶緋の胸が痛む。
「至らぬ点もあるとは存じますけれども、どうか御許しください。セントーン王家に相応しい妻となれますよう、精進致しますので。何卒、御指導の程、よろしく御願い致します」
蝶緋は震えそうになる手を、衣の裾を強く握り締めて抑えた。
挨拶を終えると、彼女は用意されていた部屋に戻される。そこで式まで過ごすのだ。
部屋から勝手に出る事も、夫婦となるゼノに会う事も、式までは許されない。
挨拶のために纏っていた正装を脱ぎ、平素の衣に着替え椅子に腰掛けると、急に疲れが襲って来た。目眩を感じた蝶緋は、背もたれに手を添えて支えた。
侍女がお茶の入った茶器を差し出す。
柔らかい芳香に、気持ちが幾ばくか落ち着いた気がする。口に含むとわずかな酸味が有り、疲れがほぐれていった。
「ありがとう」
蝶緋の言葉に、侍女は驚き目を丸くした。
セントーンの王族――少なくとも王宮に住まう三人が、使用人に礼を述べる事などない。貴族達ですら、茶を差し出した程度では、当然の事と気にもとめない。
それなのに、セントーンよりも大きな国の姫が、礼を述べたのだ。
侍女の驚嘆と感動は、大きかった。
「何か御入り用のものはございませんか? 疲れの取れそうな、菓子など用意させましょうか?」
差し出がましいかと思ったが、目の前の姫は、余りに可憐で、弱っているようにさえ見えた。好ましい姫を慮り、侍女は思い切って尋ねた。
「ありがとう。そうね、少し頂こうかしら」
微笑みを返した蝶緋に、侍女は思わず息を飲み、顔を赤らめる。
絶世の美形と謳われるセスに仕え、美貌には慣れたつもりだったが、蝶緋にはセスとは違う、儚い美しさがあった。
「すぐに御用意します」
「ありがとう」
侍女は頭を垂れ礼を取ると、部屋を出た。
蝶緋は一人、取り残された。
緋龍から連れてきた従者達は、別の部屋を宛がわれている。これから蝶緋の世話は全て、セントーン側が行う。
大きく息を吐き出すと、背もたれに体を預け、まぶたを落とした。
よほど疲れていたらしい。すぐに意識が混濁していった。
どのくらい目を閉じていたのか、部屋の外から聞こえてくる声に、蝶緋は目を開ける。
「失礼致します」
「どうぞ」
扉が開き、先程の侍女が、茶や菓子の乗った台車を押して現れた。
続いて現れた人影に、蝶緋は一気に目が覚めた。慌てて姿勢を正し、壁に掛けられていた鑑に自分の姿を探す。
髪や化粧に、目立つ不備はないと見て、すぐに視線を戻す。
「僕も一緒して良いよね? 蝶緋」
問われて蝶緋は、耳まで紅くしてうつむいた。
「も、もちろんです。セス王子」
花嫁の部屋に、男性が入ることは禁じられている。それはセスも蝶緋も知っているはずだが、どちらも拒否しなかった。
せめて二人切りにはしないようにと、侍女は自分に言い聞かせる。
「良い匂いがしたからさ。蝶緋の御茶菓子だって聞いて、付いて来たんだけど、僕も食べても良いよね」
「もちろんです。どうぞ御取りください」
「ありがとう、蝶緋」
子供のように笑顔を振り撒くセスに、蝶緋は頬を赤く染めたままだった。
「あれ? いつもより甘いや」
焼き菓子を口にしたセスは、首を傾げる。
「そうなのですか?」
「うん、蝶緋も食べなよ」
「はい、頂きます」
言って蝶緋は菓子に手を伸ばし、一口食べた。
長旅と緊張で疲れていた体と心に、染み込むようだ。しかしその味に、蝶緋は違和感を覚えた。
「どうしたの?」
表情の変化をセスに気付かれて、蝶緋は言葉を探す。
セントーンから緋龍に来た菓子職人は、将軍寮に仕えていると聞いた。ならばセントーンの王宮の菓子は、どれ程の味だろうかと、姉妹たちと囁き合っていたのだ。
しかし今しがた口にした菓子の味は、それに劣っているように感じた。
答えない蝶緋に、セスの顔から笑顔が消えていく。
彼の心境を鋭く察した蝶緋は、早く答えなければと、口を開いた。
「いえ、長旅のせいか、少し味覚がおかしくなっているようです」
「そう? 美味しくない?」
「いえ、そんな事は」
慌てて言い募る蝶緋に、セスは顔を曇らせながら、食べ掛けの菓子を口に放り込んだ。
沈黙が走り、蝶緋は居たたまれない気持ちになる。
「ゼノのね」
セスの口からその名が出て、蝶緋は小さく震えた。
「住んでる寮の菓子は、美味しかったんだ。ゼノが留守にしてから、食べれなくなっちゃったけど」
蝶緋は自分の味覚は誤ってはいなかったのだと知ると同時に、違和感を覚える。
国に入ってしばらくは、敵視する視線を感じたが、それは先の皇帝がゼノの処刑を命じ、国境近くで争ったからだろう。
中にはゼノの力により緋龍が敗退し、その償いに姫を差し出して来たのだと、蝶緋たちを見下している民もいた。
しかし城下が近くなるにつれて、民の間には祝福の色が濃くなっていった。
緋龍の現皇帝が、ゼノの従兄弟である事は、民の間にも知られている。大国である緋龍から姫をめとるという事実は、セントーンにも利が大きい。
そして何より、ゼノの婚礼を喜ぶ心が強く現れていた。
だが蝶緋の心は、王宮が近付くにつれて沈んでいった。
共に嫁ぐはずだった玉緋は、アリスという娘のために緋龍に残り、ゼノに嫁ぐのは蝶緋一人になってしまった。
玉緋がいれば、遠く離れたセントーンでも寂しくはないだろう、あの冷たい眼をした王子と顔を会わせることも、耐えられるだろうと考えていたのに、と、蝶緋はまぶたを落とした。
「御加減でも?」
「いいえ、平気よ」
従者に気遣われ、蝶緋は慌てて笑顔を取り繕う。
「長旅でございましたから。もうしばらくの御辛抱です」
蝶緋は頷いた。
馬車に揺られる旅は、今までにも経験している。
だが今回は、婚礼のための品々を運ぶために従者も多く、歩みは遅い。その上セントーンに入ってからは、民衆の注目も有り、外を歩いて体をほぐすことも出来なかった。
城下の喧騒を抜け、ようやくセントーンの王宮に辿り着いても、休む暇もなく、セントーン国王とセス王子への挨拶に向かわなければならなかった。
「御父上様、御兄様、そして御母上様、蝶緋にございます」
「うむ」
セントーン国王は、気難しい顔で頷くだけだった。労いの言葉一つ、掛けてはくれない。
その態度で、蝶緋は自分が歓迎されていないのだと察した。
「なんだ、蝶緋だったの。てっきり玉緋が来るのかと思ってた」
セスの言葉に、ずきりと蝶緋の胸が痛む。
「至らぬ点もあるとは存じますけれども、どうか御許しください。セントーン王家に相応しい妻となれますよう、精進致しますので。何卒、御指導の程、よろしく御願い致します」
蝶緋は震えそうになる手を、衣の裾を強く握り締めて抑えた。
挨拶を終えると、彼女は用意されていた部屋に戻される。そこで式まで過ごすのだ。
部屋から勝手に出る事も、夫婦となるゼノに会う事も、式までは許されない。
挨拶のために纏っていた正装を脱ぎ、平素の衣に着替え椅子に腰掛けると、急に疲れが襲って来た。目眩を感じた蝶緋は、背もたれに手を添えて支えた。
侍女がお茶の入った茶器を差し出す。
柔らかい芳香に、気持ちが幾ばくか落ち着いた気がする。口に含むとわずかな酸味が有り、疲れがほぐれていった。
「ありがとう」
蝶緋の言葉に、侍女は驚き目を丸くした。
セントーンの王族――少なくとも王宮に住まう三人が、使用人に礼を述べる事などない。貴族達ですら、茶を差し出した程度では、当然の事と気にもとめない。
それなのに、セントーンよりも大きな国の姫が、礼を述べたのだ。
侍女の驚嘆と感動は、大きかった。
「何か御入り用のものはございませんか? 疲れの取れそうな、菓子など用意させましょうか?」
差し出がましいかと思ったが、目の前の姫は、余りに可憐で、弱っているようにさえ見えた。好ましい姫を慮り、侍女は思い切って尋ねた。
「ありがとう。そうね、少し頂こうかしら」
微笑みを返した蝶緋に、侍女は思わず息を飲み、顔を赤らめる。
絶世の美形と謳われるセスに仕え、美貌には慣れたつもりだったが、蝶緋にはセスとは違う、儚い美しさがあった。
「すぐに御用意します」
「ありがとう」
侍女は頭を垂れ礼を取ると、部屋を出た。
蝶緋は一人、取り残された。
緋龍から連れてきた従者達は、別の部屋を宛がわれている。これから蝶緋の世話は全て、セントーン側が行う。
大きく息を吐き出すと、背もたれに体を預け、まぶたを落とした。
よほど疲れていたらしい。すぐに意識が混濁していった。
どのくらい目を閉じていたのか、部屋の外から聞こえてくる声に、蝶緋は目を開ける。
「失礼致します」
「どうぞ」
扉が開き、先程の侍女が、茶や菓子の乗った台車を押して現れた。
続いて現れた人影に、蝶緋は一気に目が覚めた。慌てて姿勢を正し、壁に掛けられていた鑑に自分の姿を探す。
髪や化粧に、目立つ不備はないと見て、すぐに視線を戻す。
「僕も一緒して良いよね? 蝶緋」
問われて蝶緋は、耳まで紅くしてうつむいた。
「も、もちろんです。セス王子」
花嫁の部屋に、男性が入ることは禁じられている。それはセスも蝶緋も知っているはずだが、どちらも拒否しなかった。
せめて二人切りにはしないようにと、侍女は自分に言い聞かせる。
「良い匂いがしたからさ。蝶緋の御茶菓子だって聞いて、付いて来たんだけど、僕も食べても良いよね」
「もちろんです。どうぞ御取りください」
「ありがとう、蝶緋」
子供のように笑顔を振り撒くセスに、蝶緋は頬を赤く染めたままだった。
「あれ? いつもより甘いや」
焼き菓子を口にしたセスは、首を傾げる。
「そうなのですか?」
「うん、蝶緋も食べなよ」
「はい、頂きます」
言って蝶緋は菓子に手を伸ばし、一口食べた。
長旅と緊張で疲れていた体と心に、染み込むようだ。しかしその味に、蝶緋は違和感を覚えた。
「どうしたの?」
表情の変化をセスに気付かれて、蝶緋は言葉を探す。
セントーンから緋龍に来た菓子職人は、将軍寮に仕えていると聞いた。ならばセントーンの王宮の菓子は、どれ程の味だろうかと、姉妹たちと囁き合っていたのだ。
しかし今しがた口にした菓子の味は、それに劣っているように感じた。
答えない蝶緋に、セスの顔から笑顔が消えていく。
彼の心境を鋭く察した蝶緋は、早く答えなければと、口を開いた。
「いえ、長旅のせいか、少し味覚がおかしくなっているようです」
「そう? 美味しくない?」
「いえ、そんな事は」
慌てて言い募る蝶緋に、セスは顔を曇らせながら、食べ掛けの菓子を口に放り込んだ。
沈黙が走り、蝶緋は居たたまれない気持ちになる。
「ゼノのね」
セスの口からその名が出て、蝶緋は小さく震えた。
「住んでる寮の菓子は、美味しかったんだ。ゼノが留守にしてから、食べれなくなっちゃったけど」
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