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26.ハンスは片眉を上げて
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「あのね、異国から来た旅人が襲われたら、困るのよ」
「それこそ大丈夫ですよ。ただの平民ですから、外交問題にはなりません」
「ただの平民だから、厄介なんじゃない」
ハンスは片眉を上げて、続きを促がすように女を見た。
「平民の口は軽いわ。帰国して緋龍で襲われたって話を一人がしたら、緋龍は危険な国だって噂が、その国中に拡がるのよ」
「なるほど」
「これだけの国だから粗忽者もいるけど、緋龍は暴力的な国なんかじゃ無いわ」
軍服の女の言葉にハンスは同情するが、少し考え違いをしていると思った。
他国の者が緋龍を恐れるのは、その巨大な国家と権力、そして何よりも、他国の追従を許さない軍事力にある。
皇族に生まれた男子は皆、軍に所属している。さらに国の男子は身分を問わず軍役を課せられる。
従って軍人は多く、平民でさえいざとなれば相応の兵力となる。それが緋龍独自の仕組みである事に、この若い女軍人は気付いていない。
「そんなに心配なさらなくても、国に帰ったらちゃんと言いますよ?」
「何て?」
「緋龍で無頼に絡まれたら、美人が助けてくれるって」
女は立ち止まり、うつむいて肩を震わせる。
「どうかしましたか?」
「ばっかじゃないの?!」
耳まで朱に染めた女は肩を怒らせ、ハンスの前をずかずかと大股で歩き出した。
「それで、どこの宿に泊まっているのよ」
「ああ、そこです」
振り帰った軍服の女に、ハンスは目に付いた宿を示した。もちろん、その宿にハンスは泊まってなどいないのだが。
「そう」
頷くと、女は宿に入っていった。
「何してるの? 早く入りなさい」
宿の外で様子を見ていたハンスを、女は訝しそうに見る。
その間に、宿から主らしき男が出てきた。
「玉緋様のお知り合いで御座いますか」
軍服の女を見た宿の主は目を丸くし、次いで宿の入り口から顔を出してハンスを見た。
「違うわ。市場で絡まれていたから送って来たの」
「見たところ、すでに宿を取っておられるようですが?」
「ええ、ここに泊まっているのでしょう?」
雲行きが怪しくなってきたと、ハンスは気配を弱め、建物の影に移動する。
「いいえ。うちのお客様では御座いませんよ」
「そう」
玉緋はその場から立ち去ろうとしていたハンスとの間合いを、一気に詰めた。
「どういう事かしら?」
表情は笑顔だが、目は据わっている。ハンスは深く息を吐いた。
「嘘を吐いたことは謝りますがね、宿を教えたくないやつもいるんですよ? ぎょくひ様」
ハンスは諭すように玉緋に言う。
「つまり、やましい理由が有るわけね?」
「大した理由じゃありませんよ。役人と一緒に帰ったら、主人が驚くでしょう?」
睨みつける玉緋にも、ハンスは顔色一つ変えずにもっともな理由を述べる。
「だったら見つからないように、宿の近くまで送ってあげるわよ」
あくまで宿まで見届けるという姿勢を、玉緋は崩さない。
仕方無く、ハンスは玉緋を伴って歩き出した。入り口の見え辛い宿を見つけるか、適当に入って主に小銭を握らせれば、玉緋を欺けるだろう。
城へ戻る時間が遅くなりそうだと、ハンスは溜め息を吐いた。
玉緋だけならば、適当にあしらって巻いた後に、急げば良い。しかし市場からずっと尾行してくる男達が問題だった。
いつもなら放っておくのだが、ハンスが姿を眩ませば玉緋が狙われる。剣技の腕は大したものだが、女に自分のツケを払わせるのは気が引けた。
宿のありそうな方角に向かって進むハンスの袖を、玉緋が引いた。
「こっち」
玉緋もようやく尾行に気付いたようだ。
周囲を巻き込まず戦える場所に向かおうとしているのだと判断したハンスは、素直に従う。
人気の無い通りに近付くに従って、男達の数は増えてきた。姿を見せないように隠れているが、その人数も立ち位置も、ハンスには丸見えだった。
「城下にも、こういう場所があったんですね」
口ではそう言ったが、それの存在は珍しくは無い。
崩れかけた建物の並ぶ裏通り。本来の住民を失った箱には、ならず者達が寝泊まりしているのだろう。
街中で暴れるより被害は少ないが、無頼の男達と一戦交えるには適した場所とは言えない。
ここは玉緋にとっては敵地だ。
「良いこと? 私から離れないでちょうだい」
そう言うと、玉緋は足を止め大剣を抜き放った。
「さあ、かかって来なさい」
姿を現した男達の数は、前に五人、後ろに七人。他に四人ほど隠れているが、玉緋も気付いているようだ。
ハンスは玉緋の脇に控え、見物と決め込む。
頭目と思われる男の合図で、男達は一斉に襲い掛かった。
玉緋は無駄のない軽やかな動きで、男達を捌いて行く。剣技だけならば、ライも手を焼くだろう腕前だ。
ハンスは玉緋と男達の動きを読み、自然な動きで玉緋の邪魔にならぬよう、男達の動きを撹乱した。
圧倒的な力の差で男達を倒す玉緋に、隠れていた男達の仲間が矢を放つ。しかし振り向き様に玉緋は大剣で払い落とす。勝負は見えていた。
頭目の男が顔を歪ませていたが、不意に口許が弛んだ。玉緋は気付いていない。
「伏せろ」
とっさに叫んだハンスの声に応じ、玉緋は地に伏せた。その上空を、甲高い笛の音と共に突風が吹く。
「能力者」
すぐに立ち上がった玉緋は刀を構え、呼吸を整える。頭目の男を見据えながら、向かってくる残りの男を打ち倒していく。
頭目の男の指がわずかに動き、再び突風が玉緋を襲う。
「右に飛べ」
ハンスの声に素早く反応して難を逃れた玉緋だが、彼女自身が能力を使う気配は無い。突風は容赦無く玉緋を襲う。
どこから来るか分からない突風に、玉緋は翻弄され、能力を持たない男達の攻撃に対する攻防も乱れ始めた。呼吸が乱れ、男達に押されている。
突風に足を取られ姿勢を崩した玉緋に、まだ残っていた男達が刃を向けて襲い掛かった。
「逃げなさい!」
最後の抵抗を試みる玉緋が、ハンスに向かって叫ぶ。
「馬鹿ですか? あなたは」
「何?」
玉緋の腕をつかむと、ハンスは刃の雨から玉緋を引っ張り出した。
「少し休んでいてください」
背後に玉緋を庇うと、ハンスは残りの刃物を持った男達をあっと言う間に片付ける。
男達が手にしていたはずの刃物は、いつの間にかハンスの手に移っており、気付けば建物の影に隠れていた男達に向かって飛んでいた。
「さて、残るは二人。できたら退いてほしいんですけどね」
頭目の男に向かって、ハンスは笑む。
「女の後ろに隠れている腰抜けかと思ったが、違うみたいだな。だがそれで勝ったつもりか?」
頭目は醜く笑う。その脇に控えるように立つ、前髪で顔の半分が覆われた男がハンスを睨む。それと同時に、突風がハンスに向かって吹いた。
「退く気は無い、か」
風に揺れる柳のように揺れたハンスは、そのまま流れるように前髪で顔を隠す男の後ろを取る。
驚いた表情で男は風を呼ぶが、ハンスは軽くかわして男の首筋を打った。
青ざめた顔の頭目が後退りしたが、その背後には、玉緋が立つ。
「逃げられるわけないでしょう?」
にっこりと微笑んだ玉緋に、顔色を青くした頭目はへたり込んだのだった。
「あなた、軍人だったのね」
無頼の男達を捕縄で縛りながら、玉緋はどこか冷たい視線をハンスに向けている。
「腑抜けの振りをした理由は何? 緋龍国を探りに来たの?」
「まさか」
玉緋に刃を向けられ、ハンスは眉を跳ねて驚いた表情を作る。
「答えなさい」
強い眼差しは、黙秘を許さない。ハンスは軽く諸手を挙げて、小さな溜め息を吐く。
「面倒に巻き込まれたくなかっただけですよ。騒ぎを起こせば、主に迷惑がかかりますからね。それと、俺は軍人じゃありませんよ」
苦笑を浮かべるハンスに、玉緋は眉根を寄せた。
「嘘。能力者相手に素手で立ち向かって倒すなんて、余程の訓練を受けてる証拠だわ」
「買いかぶり過ぎですよ。では俺はそろそろ失礼しますね。ああ、役人には声を掛けておきますよ」
さっさと立ち去ろうとするハンスを玉緋は呼び止めるが、捕らえた無頼者達を放置する訳にもいかない。
地団駄を踏みながら、玉緋はその場に残された。
「それこそ大丈夫ですよ。ただの平民ですから、外交問題にはなりません」
「ただの平民だから、厄介なんじゃない」
ハンスは片眉を上げて、続きを促がすように女を見た。
「平民の口は軽いわ。帰国して緋龍で襲われたって話を一人がしたら、緋龍は危険な国だって噂が、その国中に拡がるのよ」
「なるほど」
「これだけの国だから粗忽者もいるけど、緋龍は暴力的な国なんかじゃ無いわ」
軍服の女の言葉にハンスは同情するが、少し考え違いをしていると思った。
他国の者が緋龍を恐れるのは、その巨大な国家と権力、そして何よりも、他国の追従を許さない軍事力にある。
皇族に生まれた男子は皆、軍に所属している。さらに国の男子は身分を問わず軍役を課せられる。
従って軍人は多く、平民でさえいざとなれば相応の兵力となる。それが緋龍独自の仕組みである事に、この若い女軍人は気付いていない。
「そんなに心配なさらなくても、国に帰ったらちゃんと言いますよ?」
「何て?」
「緋龍で無頼に絡まれたら、美人が助けてくれるって」
女は立ち止まり、うつむいて肩を震わせる。
「どうかしましたか?」
「ばっかじゃないの?!」
耳まで朱に染めた女は肩を怒らせ、ハンスの前をずかずかと大股で歩き出した。
「それで、どこの宿に泊まっているのよ」
「ああ、そこです」
振り帰った軍服の女に、ハンスは目に付いた宿を示した。もちろん、その宿にハンスは泊まってなどいないのだが。
「そう」
頷くと、女は宿に入っていった。
「何してるの? 早く入りなさい」
宿の外で様子を見ていたハンスを、女は訝しそうに見る。
その間に、宿から主らしき男が出てきた。
「玉緋様のお知り合いで御座いますか」
軍服の女を見た宿の主は目を丸くし、次いで宿の入り口から顔を出してハンスを見た。
「違うわ。市場で絡まれていたから送って来たの」
「見たところ、すでに宿を取っておられるようですが?」
「ええ、ここに泊まっているのでしょう?」
雲行きが怪しくなってきたと、ハンスは気配を弱め、建物の影に移動する。
「いいえ。うちのお客様では御座いませんよ」
「そう」
玉緋はその場から立ち去ろうとしていたハンスとの間合いを、一気に詰めた。
「どういう事かしら?」
表情は笑顔だが、目は据わっている。ハンスは深く息を吐いた。
「嘘を吐いたことは謝りますがね、宿を教えたくないやつもいるんですよ? ぎょくひ様」
ハンスは諭すように玉緋に言う。
「つまり、やましい理由が有るわけね?」
「大した理由じゃありませんよ。役人と一緒に帰ったら、主人が驚くでしょう?」
睨みつける玉緋にも、ハンスは顔色一つ変えずにもっともな理由を述べる。
「だったら見つからないように、宿の近くまで送ってあげるわよ」
あくまで宿まで見届けるという姿勢を、玉緋は崩さない。
仕方無く、ハンスは玉緋を伴って歩き出した。入り口の見え辛い宿を見つけるか、適当に入って主に小銭を握らせれば、玉緋を欺けるだろう。
城へ戻る時間が遅くなりそうだと、ハンスは溜め息を吐いた。
玉緋だけならば、適当にあしらって巻いた後に、急げば良い。しかし市場からずっと尾行してくる男達が問題だった。
いつもなら放っておくのだが、ハンスが姿を眩ませば玉緋が狙われる。剣技の腕は大したものだが、女に自分のツケを払わせるのは気が引けた。
宿のありそうな方角に向かって進むハンスの袖を、玉緋が引いた。
「こっち」
玉緋もようやく尾行に気付いたようだ。
周囲を巻き込まず戦える場所に向かおうとしているのだと判断したハンスは、素直に従う。
人気の無い通りに近付くに従って、男達の数は増えてきた。姿を見せないように隠れているが、その人数も立ち位置も、ハンスには丸見えだった。
「城下にも、こういう場所があったんですね」
口ではそう言ったが、それの存在は珍しくは無い。
崩れかけた建物の並ぶ裏通り。本来の住民を失った箱には、ならず者達が寝泊まりしているのだろう。
街中で暴れるより被害は少ないが、無頼の男達と一戦交えるには適した場所とは言えない。
ここは玉緋にとっては敵地だ。
「良いこと? 私から離れないでちょうだい」
そう言うと、玉緋は足を止め大剣を抜き放った。
「さあ、かかって来なさい」
姿を現した男達の数は、前に五人、後ろに七人。他に四人ほど隠れているが、玉緋も気付いているようだ。
ハンスは玉緋の脇に控え、見物と決め込む。
頭目と思われる男の合図で、男達は一斉に襲い掛かった。
玉緋は無駄のない軽やかな動きで、男達を捌いて行く。剣技だけならば、ライも手を焼くだろう腕前だ。
ハンスは玉緋と男達の動きを読み、自然な動きで玉緋の邪魔にならぬよう、男達の動きを撹乱した。
圧倒的な力の差で男達を倒す玉緋に、隠れていた男達の仲間が矢を放つ。しかし振り向き様に玉緋は大剣で払い落とす。勝負は見えていた。
頭目の男が顔を歪ませていたが、不意に口許が弛んだ。玉緋は気付いていない。
「伏せろ」
とっさに叫んだハンスの声に応じ、玉緋は地に伏せた。その上空を、甲高い笛の音と共に突風が吹く。
「能力者」
すぐに立ち上がった玉緋は刀を構え、呼吸を整える。頭目の男を見据えながら、向かってくる残りの男を打ち倒していく。
頭目の男の指がわずかに動き、再び突風が玉緋を襲う。
「右に飛べ」
ハンスの声に素早く反応して難を逃れた玉緋だが、彼女自身が能力を使う気配は無い。突風は容赦無く玉緋を襲う。
どこから来るか分からない突風に、玉緋は翻弄され、能力を持たない男達の攻撃に対する攻防も乱れ始めた。呼吸が乱れ、男達に押されている。
突風に足を取られ姿勢を崩した玉緋に、まだ残っていた男達が刃を向けて襲い掛かった。
「逃げなさい!」
最後の抵抗を試みる玉緋が、ハンスに向かって叫ぶ。
「馬鹿ですか? あなたは」
「何?」
玉緋の腕をつかむと、ハンスは刃の雨から玉緋を引っ張り出した。
「少し休んでいてください」
背後に玉緋を庇うと、ハンスは残りの刃物を持った男達をあっと言う間に片付ける。
男達が手にしていたはずの刃物は、いつの間にかハンスの手に移っており、気付けば建物の影に隠れていた男達に向かって飛んでいた。
「さて、残るは二人。できたら退いてほしいんですけどね」
頭目の男に向かって、ハンスは笑む。
「女の後ろに隠れている腰抜けかと思ったが、違うみたいだな。だがそれで勝ったつもりか?」
頭目は醜く笑う。その脇に控えるように立つ、前髪で顔の半分が覆われた男がハンスを睨む。それと同時に、突風がハンスに向かって吹いた。
「退く気は無い、か」
風に揺れる柳のように揺れたハンスは、そのまま流れるように前髪で顔を隠す男の後ろを取る。
驚いた表情で男は風を呼ぶが、ハンスは軽くかわして男の首筋を打った。
青ざめた顔の頭目が後退りしたが、その背後には、玉緋が立つ。
「逃げられるわけないでしょう?」
にっこりと微笑んだ玉緋に、顔色を青くした頭目はへたり込んだのだった。
「あなた、軍人だったのね」
無頼の男達を捕縄で縛りながら、玉緋はどこか冷たい視線をハンスに向けている。
「腑抜けの振りをした理由は何? 緋龍国を探りに来たの?」
「まさか」
玉緋に刃を向けられ、ハンスは眉を跳ねて驚いた表情を作る。
「答えなさい」
強い眼差しは、黙秘を許さない。ハンスは軽く諸手を挙げて、小さな溜め息を吐く。
「面倒に巻き込まれたくなかっただけですよ。騒ぎを起こせば、主に迷惑がかかりますからね。それと、俺は軍人じゃありませんよ」
苦笑を浮かべるハンスに、玉緋は眉根を寄せた。
「嘘。能力者相手に素手で立ち向かって倒すなんて、余程の訓練を受けてる証拠だわ」
「買いかぶり過ぎですよ。では俺はそろそろ失礼しますね。ああ、役人には声を掛けておきますよ」
さっさと立ち去ろうとするハンスを玉緋は呼び止めるが、捕らえた無頼者達を放置する訳にもいかない。
地団駄を踏みながら、玉緋はその場に残された。
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