23 / 77
21.緋龍に着いたハンスは
しおりを挟む
緋龍に着いたハンスは、宿に荷を預けると、さっそく城へと向かった。
セントーンからの使者はシャルとライを残して、すでに緋龍を発っていた。
しょせん献上品と、国軍大将とは名ばかりの平民以下だ。緋龍の皇帝がどのように扱おうとも、使者である貴族や神官には興味がない。
城壁の周囲を観光するような足取りで歩いていたハンスの姿は、いつの間にか消えていた。
皇帝からの招待であるのだから、客人として正面から入城も可能だろう。
だが緋龍から送られた使者が、ようやくセントーンに辿り着いた頃だと考えると、今アリスの兄として現れれば、いらぬ疑いを招きかねない。
城中に張り巡らされた呪具や呪符と、至る所に配備された警備兵を避け、ハンスはライの元へと進んでいく。
「ライ大将、ハンスです」
ハンスは風を鳴らして言葉を紡いだ。風の民独自の言語であり、常人には風鳴りにしか聴こえない言葉を、ハンスは風の民の友人、ジルから教えられていた。
父親が風の民であるライもまた、幼い頃から身に付けている。
周囲に警戒はしているが、いくら警戒してもし足りないこの状況で、二人がこの手段を選んだのは当然であろう。
「助かった。状況は?」
「大まかに」
「ゼノ様は?」
「戸惑っておられました。怒ってはいませんよ」
「そうか」
姿は見えずとも、目に見えて安堵している様子のライに、ハンスは苦笑する。
「ともかくここではあれなので、外に出れますか?」
元盗賊のハンスにとって、忍び込むことは容易い。しかし警備の厳しい緋龍の城中に長く滞在する危険を冒すほど、傲慢ではなかった。
「日中なら何とか」
「では、緑亀という宿に居ますので」
「了解」
待ち合わせ場所を伝えると、即座にハンスはその場から去った。
物影に身を潜めながら、ハンスは外へと向かう。城壁が見えた所で、わずかな匂いに飛び退った。
空中に突然、焔が上がる。
何の呪具や呪符にも接触してはいない。焔は能力者の力と判断し、相手を探すが、感知できる位置にはいないようだ。
焔はハンスと城壁の間に壁を作った。
異変に気付いた警備の兵達が、集まって来る。
ハンスはとっさに身を翻らせると、建造物の中に駆け込み、そのまま駆け続けた。焔は次々と現れてはハンスを襲う。
「しつこいな」
愚痴を溢すが追撃の手は緩まない。
至る所で上がる火の手に、兵達も走り惑い、侍女達の悲鳴が上がった。
ハンスは人目を避けて道を選ぶが、全ての視線を避ける余裕はなくなっている。わずかに影を目撃されつつも、その顔だけは誰の目にも触れさせなかった。
中庭の通路を突っ切り、槍を向けてきた兵を蹴倒すと、龍の彫刻が施された扉に肩をぶつけて転がり込んだ。
「ずいぶんと熱烈な歓迎をどうも」
素早く起き上がったハンスは、正面の椅子に泰然と座る緋龍皇帝緋凰に笑みを向ける。
緋龍の皇族の証である、緋色に燃える髪と瞳。武を尊ぶ国の皇族らしく、引き締まった体躯に隙は無い。
整った顔立ちだが、その表情は無愛想で冷たい印象を与える。
「良い度胸と判断力だ。それとも初めから狙いは俺か?」
緋凰は椅子に座ったまま、動揺する素振りも見せない。
ハンスは服の埃を払いつつ、世間話をするような軽い口調で答える。
「まさか。皇帝の命など、俺には興味ありませんよ」
飛び込んできた扉の向こうは、駆け付けて来た兵が囲んでいた。どうやら逃げ道は塞がれてしまったようだ。
「では何が目的で忍び込んだ? 見付けた鼠を生かして帰す程、緋龍は甘く無い」
言うや否や、再び焔が上がった。
ハンスを取り囲むように円形に燃える焔をちらりと一瞥すると、ハンスは口角を上げる。
「そうですね。以前お会いした時に酌み交わせなかった酒を、御一緒できないかと思いまして」
この状況にあって、にこりと微笑むハンスに、緋凰はついに眉をひそめる。しばらくハンスを凝視した緋凰は、目の前に立つ人物に思い至り、瞠目した。
「お前は、あの時の」
前緋龍皇帝が崩御する直前、シャルの石能を求めた皇帝とセントーンとの間に、不和が生じた。
責任を取らされたゼノは緋龍に赴き、処刑されることが決まる。刑の執行は、セントーンへの警告も兼ねて、セントーンの国境近くで行われることとなった。
しかしその場所へ、ゼノを救うためにシャルが赴いてしまう。
シャルを緋凰の焔で焼かれたと思い込んだゼノは暴走し、緋龍の軍を壊滅状態にまで追い込んだ。
そんな凄惨な状況下で、ゼノを肴に酒盛をしていた男がいたのだった。それが、今ここに立つ、ハンスだった。
「くく、あはははは」
上向けた顔を左手で覆い、笑い声を上げる緋凰に、兵達は顔を見合わせる。
「良い。皆下がれ」
焔を消すと、緋凰は集まっていた兵達に解散を命じた。
「なるほど。只者ではないとは思ったが、まさか我が城に侵入を許すとはな」
「いえいえ、まさか見つかってしまうとは。畏れ入りました」
互いに腹の底の分からない笑みを浮かべる。
緋凰は酒の用意と共に、部屋に誰も近付けないように命じた。
「それで何の用だ? まさか本当に、酒を飲みに来ただけではあるまい?」
酒を手に問う緋凰に、ハンスはわざとらしく片眉を上げた。
「おや? 皇帝陛下からのお呼びがあったと聞いて伺ったのですが?」
「俺がか?」
眉根を寄せて問いながら、緋凰は心当たりに気付いた。
「なるほど。セントーンの大将はお前の弟か?」
ゼノの処刑の場で、ハンスとライが親しく話していた姿を思い出したようだ。
しかしハンスは否定する。
「惜しいですね。俺はアリス神官の兄です」
「ほう。あの女はただの神官だと思っていたが?」
「俺もただの菓子職人ですよ」
ハンスの返しに、緋凰は不服そうに顔をしかめた。
「とぼけるな。第一お前は、ゼノに仕えているのだろう? ゼノは菓子を食わぬ」
「ええ、それには難儀しています」
肩を竦めるハンスに、緋凰は怪訝な表情をした。
ゼノと緋凰の母は仲の良い姉妹で、ゼノの母が亡くなっても、甥に会いに緋凰を連れてセントーンに何度も訪れた。
幼い頃から親しくしている緋凰は、ゼノの嗜好も記憶していた。
「お疑いならば、今宵の食後に作らせて頂きますよ? 絶品の菓子をね」
「それは楽しみだ。後で調理場に案内させよう。それで」
と、ハンスに軽く返した緋凰だったが、眼光を鋭くする。
「お前の妹の式は、どうする気だ?」
「緋龍国に負担を掛けさせる程、厚顔ではありませんよ」
鋭く射る様な眼光も、ハンスはさらりと笑顔でかわす。
「どの面提げて言うか? まあ良い。あの二人は許嫁ではないのだろう?」
「おや、お気付きでしたか」
しかめっ面をしてネタ晴らしを始めた緋凰を、ハンスは驚いたように目を丸くして見る。
そのわざとらしい所作に、緋凰の眉間の皺が深まる。
「俺を謀ろうとするからな。音を上げるまで付き合ってやろうと思ったが、案外しぶとい」
「ライ大将は真面目ですからね」
ハンスは白い歯を見せて、音もなく笑う。
セントーンからの使者はシャルとライを残して、すでに緋龍を発っていた。
しょせん献上品と、国軍大将とは名ばかりの平民以下だ。緋龍の皇帝がどのように扱おうとも、使者である貴族や神官には興味がない。
城壁の周囲を観光するような足取りで歩いていたハンスの姿は、いつの間にか消えていた。
皇帝からの招待であるのだから、客人として正面から入城も可能だろう。
だが緋龍から送られた使者が、ようやくセントーンに辿り着いた頃だと考えると、今アリスの兄として現れれば、いらぬ疑いを招きかねない。
城中に張り巡らされた呪具や呪符と、至る所に配備された警備兵を避け、ハンスはライの元へと進んでいく。
「ライ大将、ハンスです」
ハンスは風を鳴らして言葉を紡いだ。風の民独自の言語であり、常人には風鳴りにしか聴こえない言葉を、ハンスは風の民の友人、ジルから教えられていた。
父親が風の民であるライもまた、幼い頃から身に付けている。
周囲に警戒はしているが、いくら警戒してもし足りないこの状況で、二人がこの手段を選んだのは当然であろう。
「助かった。状況は?」
「大まかに」
「ゼノ様は?」
「戸惑っておられました。怒ってはいませんよ」
「そうか」
姿は見えずとも、目に見えて安堵している様子のライに、ハンスは苦笑する。
「ともかくここではあれなので、外に出れますか?」
元盗賊のハンスにとって、忍び込むことは容易い。しかし警備の厳しい緋龍の城中に長く滞在する危険を冒すほど、傲慢ではなかった。
「日中なら何とか」
「では、緑亀という宿に居ますので」
「了解」
待ち合わせ場所を伝えると、即座にハンスはその場から去った。
物影に身を潜めながら、ハンスは外へと向かう。城壁が見えた所で、わずかな匂いに飛び退った。
空中に突然、焔が上がる。
何の呪具や呪符にも接触してはいない。焔は能力者の力と判断し、相手を探すが、感知できる位置にはいないようだ。
焔はハンスと城壁の間に壁を作った。
異変に気付いた警備の兵達が、集まって来る。
ハンスはとっさに身を翻らせると、建造物の中に駆け込み、そのまま駆け続けた。焔は次々と現れてはハンスを襲う。
「しつこいな」
愚痴を溢すが追撃の手は緩まない。
至る所で上がる火の手に、兵達も走り惑い、侍女達の悲鳴が上がった。
ハンスは人目を避けて道を選ぶが、全ての視線を避ける余裕はなくなっている。わずかに影を目撃されつつも、その顔だけは誰の目にも触れさせなかった。
中庭の通路を突っ切り、槍を向けてきた兵を蹴倒すと、龍の彫刻が施された扉に肩をぶつけて転がり込んだ。
「ずいぶんと熱烈な歓迎をどうも」
素早く起き上がったハンスは、正面の椅子に泰然と座る緋龍皇帝緋凰に笑みを向ける。
緋龍の皇族の証である、緋色に燃える髪と瞳。武を尊ぶ国の皇族らしく、引き締まった体躯に隙は無い。
整った顔立ちだが、その表情は無愛想で冷たい印象を与える。
「良い度胸と判断力だ。それとも初めから狙いは俺か?」
緋凰は椅子に座ったまま、動揺する素振りも見せない。
ハンスは服の埃を払いつつ、世間話をするような軽い口調で答える。
「まさか。皇帝の命など、俺には興味ありませんよ」
飛び込んできた扉の向こうは、駆け付けて来た兵が囲んでいた。どうやら逃げ道は塞がれてしまったようだ。
「では何が目的で忍び込んだ? 見付けた鼠を生かして帰す程、緋龍は甘く無い」
言うや否や、再び焔が上がった。
ハンスを取り囲むように円形に燃える焔をちらりと一瞥すると、ハンスは口角を上げる。
「そうですね。以前お会いした時に酌み交わせなかった酒を、御一緒できないかと思いまして」
この状況にあって、にこりと微笑むハンスに、緋凰はついに眉をひそめる。しばらくハンスを凝視した緋凰は、目の前に立つ人物に思い至り、瞠目した。
「お前は、あの時の」
前緋龍皇帝が崩御する直前、シャルの石能を求めた皇帝とセントーンとの間に、不和が生じた。
責任を取らされたゼノは緋龍に赴き、処刑されることが決まる。刑の執行は、セントーンへの警告も兼ねて、セントーンの国境近くで行われることとなった。
しかしその場所へ、ゼノを救うためにシャルが赴いてしまう。
シャルを緋凰の焔で焼かれたと思い込んだゼノは暴走し、緋龍の軍を壊滅状態にまで追い込んだ。
そんな凄惨な状況下で、ゼノを肴に酒盛をしていた男がいたのだった。それが、今ここに立つ、ハンスだった。
「くく、あはははは」
上向けた顔を左手で覆い、笑い声を上げる緋凰に、兵達は顔を見合わせる。
「良い。皆下がれ」
焔を消すと、緋凰は集まっていた兵達に解散を命じた。
「なるほど。只者ではないとは思ったが、まさか我が城に侵入を許すとはな」
「いえいえ、まさか見つかってしまうとは。畏れ入りました」
互いに腹の底の分からない笑みを浮かべる。
緋凰は酒の用意と共に、部屋に誰も近付けないように命じた。
「それで何の用だ? まさか本当に、酒を飲みに来ただけではあるまい?」
酒を手に問う緋凰に、ハンスはわざとらしく片眉を上げた。
「おや? 皇帝陛下からのお呼びがあったと聞いて伺ったのですが?」
「俺がか?」
眉根を寄せて問いながら、緋凰は心当たりに気付いた。
「なるほど。セントーンの大将はお前の弟か?」
ゼノの処刑の場で、ハンスとライが親しく話していた姿を思い出したようだ。
しかしハンスは否定する。
「惜しいですね。俺はアリス神官の兄です」
「ほう。あの女はただの神官だと思っていたが?」
「俺もただの菓子職人ですよ」
ハンスの返しに、緋凰は不服そうに顔をしかめた。
「とぼけるな。第一お前は、ゼノに仕えているのだろう? ゼノは菓子を食わぬ」
「ええ、それには難儀しています」
肩を竦めるハンスに、緋凰は怪訝な表情をした。
ゼノと緋凰の母は仲の良い姉妹で、ゼノの母が亡くなっても、甥に会いに緋凰を連れてセントーンに何度も訪れた。
幼い頃から親しくしている緋凰は、ゼノの嗜好も記憶していた。
「お疑いならば、今宵の食後に作らせて頂きますよ? 絶品の菓子をね」
「それは楽しみだ。後で調理場に案内させよう。それで」
と、ハンスに軽く返した緋凰だったが、眼光を鋭くする。
「お前の妹の式は、どうする気だ?」
「緋龍国に負担を掛けさせる程、厚顔ではありませんよ」
鋭く射る様な眼光も、ハンスはさらりと笑顔でかわす。
「どの面提げて言うか? まあ良い。あの二人は許嫁ではないのだろう?」
「おや、お気付きでしたか」
しかめっ面をしてネタ晴らしを始めた緋凰を、ハンスは驚いたように目を丸くして見る。
そのわざとらしい所作に、緋凰の眉間の皺が深まる。
「俺を謀ろうとするからな。音を上げるまで付き合ってやろうと思ったが、案外しぶとい」
「ライ大将は真面目ですからね」
ハンスは白い歯を見せて、音もなく笑う。
0
お気に入りに追加
125
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
拝啓、大切なあなたへ
茂栖 もす
恋愛
それはある日のこと、絶望の底にいたトゥラウム宛てに一通の手紙が届いた。
差出人はエリア。突然、別れを告げた恋人だった。
そこには、衝撃的な事実が書かれていて───
手紙を受け取った瞬間から、トゥラウムとエリアの終わってしまったはずの恋が再び動き始めた。
これは、一通の手紙から始まる物語。【再会】をテーマにした短編で、5話で完結です。
※以前、別PNで、小説家になろう様に投稿したものですが、今回、アルファポリス様用に加筆修正して投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】巻き戻りを望みましたが、それでもあなたは遠い人
白雨 音
恋愛
14歳のリリアーヌは、淡い恋をしていた。相手は家同士付き合いのある、幼馴染みのレーニエ。
だが、その年、彼はリリアーヌを庇い酷い傷を負ってしまった。その所為で、二人の運命は狂い始める。
罪悪感に苛まれるリリアーヌは、時が戻れば良いと切に願うのだった。
そして、それは現実になったのだが…短編、全6話。
切ないですが、最後はハッピーエンドです☆《完結しました》
踏み台令嬢はへこたれない
三屋城衣智子
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
あなたのおかげで吹っ切れました〜私のお金目当てならお望み通りに。ただし利子付きです
じじ
恋愛
「あんな女、金だけのためさ」
アリアナ=ゾーイはその日、初めて婚約者のハンゼ公爵の本音を知った。
金銭だけが目的の結婚。それを知った私が泣いて暮らすとでも?おあいにくさま。あなたに恋した少女は、あなたの本音を聞いた瞬間消え去ったわ。
私が金づるにしか見えないのなら、お望み通りあなたのためにお金を用意しますわ…ただし、利子付きで。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
いつかの空を見る日まで
たつみ
恋愛
皇命により皇太子の婚約者となったカサンドラ。皇太子は彼女に無関心だったが、彼女も皇太子には無関心。婚姻する気なんてさらさらなく、逃げることだけ考えている。忠実な従僕と逃げる準備を進めていたのだが、不用意にも、皇太子の彼女に対する好感度を上げてしまい、執着されるはめに。複雑な事情がある彼女に、逃亡中止は有り得ない。生きるも死ぬもどうでもいいが、皇宮にだけはいたくないと、従僕と2人、ついに逃亡を決行するのだが。
------------
復讐、逆転ものではありませんので、それをご期待のかたはご注意ください。
悲しい内容が苦手というかたは、特にご注意ください。
中世・近世の欧風な雰囲気ですが、それっぽいだけです。
どんな展開でも、どんと来いなかた向けかもしれません。
(うわあ…ぇう~…がはっ…ぇえぇ~…となるところもあります)
他サイトでも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄で命拾いした令嬢のお話 ~本当に助かりましたわ~
華音 楓
恋愛
シャルロット・フォン・ヴァーチュレストは婚約披露宴当日、謂れのない咎により結婚破棄を通達された。
突如襲い来る隣国からの8万の侵略軍。
襲撃を受ける元婚約者の領地。
ヴァーチュレスト家もまた存亡の危機に!!
そんな数奇な運命をたどる女性の物語。
いざ開幕!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる