7 / 77
05.ゼノは王子であることに
しおりを挟む
ゼノは王子であることに、苦しんでいた。側にいるハンスもライも、それを理解している。
てっきりライと同じ立ち位置にいるエリザも、ゼノの気持ちを理解しているとシャルは思っていたのだ。
「無礼者」
腰から抜いた鞭を、エリザはシャルに振り下ろす。ただの令嬢ではない。軍に所属する女の振るう鞭だ。
シャルは地面に倒れた。
「神官とはいえ平民のお前が、私の顔を凝視するなど許されると思っているの?」
「申し訳ありません」
土を握りめたシャルの手に気付いたエリザは、もう一度鞭を振り落とした。ぴしりと音が鳴り、シャルは目を瞑ったが、痛みは無かった。
「申し訳ありません。妹は幼少の頃から療養所に入っていたために、社会常識に疎いのです。代わりに兄である私が鞭を受けますので、許して頂けませんか?」
「ハンス兄さん」
顔を上げたシャルとエリザの間には、膝を折ったハンスが頭を垂れていた。
「あなたがこの女の兄? ちゃんと躾ておきなさい。ゼノ様への身分を弁えぬ態度、次に目にしたら、陛下に御報告して処罰して頂きます」
「寛大なる御猶予を、ありがとうございます」
更に頭を深く下げたハンスと、彼に習い頭を垂れたシャルの姿を確認すると、エリザは去っていった。
「ごめんなさい」
涙を溢すシャルの頭を、ハンスの大きな手が撫でる。
「なに、大した事はないさ。何年王族に仕えていると思っているんだい?」
微笑むハンスの手を、シャルは両手で握り締めた。ハンスの頬に浮かんだ赤い線は、跡もなく消えていく。
「私、分かっているつもりだった。でも、解ってなかった。ゼノとハンス兄さんと、ライさん、皆優しくて、幸せで、浮かれてた。身分の事なんて、頭から消えてたの」
「うん。良いんだ、それで」
ハンスは慰めるが、シャルは頭を振った。
「良くない! 皆に迷惑掛けてる」
「良いんだよ。俺も殿下も、迷惑なんて思っていない。小鳥ちゃんと一緒にいれて、本当に嬉しいんだよ」
ハンスはシャルを抱きしめる。腕の中で、シャルは泣き続けていた。
ようやく泣き止んだシャルを、ハンスは以前、共に暮らした小屋に連れて行く。
「少し埃を被ってるけど、問題は無さそうだ」
「兄さん?」
戸惑うシャルの頭に手を置くと、ハンスは膝を曲げて目線を合わせた。
「俺の部屋でも良いけど、他の厨房仲間もいるからね。ここの方が、気を使わなくて良いだろう?」
首を傾げるシャルに、ハンスは笑う。
「また一緒に暮らそう? 殿下には俺から伝えておくから」
「でも」
「俺と暮らすのは嫌かい?」
シャルは首を横に振る。
「じゃあ、このおんぼろ小屋に住むのが嫌かい?」
「そんなこと、ない。私が子供の頃に住んでいた家だって」
「じゃあ決まりだ」
掃除を頼むよ、と言い残して、ハンスは厨房へ戻っていった。
残されたシャルは、戸惑いつつも小屋の掃除を始める。
夕食時に戻って来たハンスは、二人分の食事を手にしていた。机代わりの酒樽を囲み、久し振りに二人だけの食事を楽しむ。
シャルが眠りに就くと、ハンスはこっそり抜け出して、ゼノの部屋へと向かった。
窓を開けて待っていたゼノは、ハンスの気配を察すると風を呼び、自ら降りてきた。
「何があった? ハンス」
ハンスの前に降り立つなり、急き込むように尋ねる。
いつもは共に食事をしていたのに、シャルの食事は用意されなかった。神官の仕事が忙しいのかと、心配しつつも一人で食事を終え、お茶を飲みながらシャルの帰りを待つ。
だが、いつになっても戻って来る気配がない。
何かあったのかと執事に尋ねると、
「兄の方から、『今日は戻らない、ゼノ様の許可は頂いている』と伝えられたのですが」
と、眉をひそめられた。
否定すればハンスとシャルが咎められる事になるので、そうであったなと頷いたが、内心は不安に充ちていた。
「シャルは無事なのか?」
つかみがからんばかりに詰め寄るゼノを、ハンスは宥める。
「落ち着いてください、殿下。小鳥ちゃんは無事ですし、もう寝ました」
「そうか、それで何があった?」
淡々と答えてはいるが、ゼノの興奮は収まってはいない。
事実を話せば、そのまま飛び出してエリザに危害を加えかねない勢いだ。
「何も。ただ、やはり殿下のお側に置いておくのは、問題が有ると判断しただけです」
「どういう意味だ?」
常識の範囲で答えるが、ゼノは納得しない。
ハンスは内心で溜め息を吐いた。ゼノの興奮に引っ張られないよう、気持ちを落ち着かせる。
「殿下、殿下は王族です。そして小鳥ちゃんは、神官宮に勤め出したとはいっても平民です」
ゼノは眉をひそめた。
今更、ハンスが身分を持ち出してくることは不自然だ。何かが起こったのだと、不安が胸を焦がす。
「ここに客が訪れることは滅多に有りませんが、皆無ではありません。殿下のように身分に囚われない方は、稀なのです。貴族や神官等が、殿下と小鳥ちゃんのやり取りを目にしたら、どう思うでしょうか? 将軍寮の使用人達の中にさえ、疑問視する者もいるのですよ」
「それは……」
否定したくとも、ハンスの言っていることは正しい。
知っていながら今まで見ぬふりをしてきたのだ。シャルと共にいたいがために。
「殿下のお気持ちは理解しています。けれど、分不相応な待遇は控えるべきです。元々神官長は、兄である俺に小鳥ちゃんを預けました。俺の元に置いておくほうが、自然ではありませんか?」
「ふざけるな」
膨れ上がった怒気は風を呼び、ハンスの頬を傷付けた。
「シャルを奪うつもりか? ならば、お前でも容赦はせぬ!」
ハンスは深く息を吐いた。
ゼノは本気でハンスを疑っているわけではない。冷静であれば、このような言葉は口にしなかっただろう。
これは子供の癇癪のようなものだ。ゼノはシャルのことに関しては、気持ちの制御が乱れやすい。
「その様なつもりは、毛頭ありません。ただ、殿下の御側に置いておく訳にはいきませんし、かと言って、一人にするのも危険かと」
「シャルは私が守る」
説明するハンスを遮り、斬りつけるように言葉を発する。
それでも感情を揺らすことなく、ハンスはゼノと向かい合う。
「そう言って、何度しくじれば気が済むのですか? 気持ちだけで守りきれるほど、世界が甘く無いことは、充分にご存知のはずでは?」
「黙れ!」
叫んだゼノの声に、ハンスは周囲を警戒した。
王族であり将軍であるゼノと、一介の菓子職人に過ぎないハンスでは、身分の差が大きすぎる。このように会っている所を、他人に気取られる訳にはいかないのだ。
「その様な事は、言われずとも解っている。それでも私は……」
「殿下」
ハンスに背を向けると、ゼノは宙に浮き部屋へと戻った。
しばらくゼノの部屋を見つめていたハンスも、小屋へと帰っていく。
ゼノは灯りも点けない暗い部屋の中から、ハンスの後ろ姿を見送っていた。
ハンスが歩いて行く先は、厨房へ戻った彼に与えた使用人部屋の方角ではなく、以前に暮らしていた小屋の方角だった。
あの小さな小屋に二人で暮らしていると考えると、胸を掻きむしりたい衝動に駆られる。せめて各々に部屋のある、小さな家をと思ったが、使用人のための家を建てるなど、それこそ聞いた事がない。
「何故、王族になど生まれた? 何故……」
それが贅沢な願いだという自覚はあった。
少し前迄は、声を聞くことさえできなかった。それより前は、生きているかどうかさえ定かでは無かったのだから。
「傍に居たい。私だけのものにしたい。誰にも触れさせたくなどない。シャル……」
絶えることなく溢れ出て来る欲望は、自身の醜さを自覚させる。それは彼女を失うかもしれないという恐怖となり、ゼノの精神を蝕んだ。
「シャル」
胸元に手を置くと、寝巻きの上から胸を掴む。
てっきりライと同じ立ち位置にいるエリザも、ゼノの気持ちを理解しているとシャルは思っていたのだ。
「無礼者」
腰から抜いた鞭を、エリザはシャルに振り下ろす。ただの令嬢ではない。軍に所属する女の振るう鞭だ。
シャルは地面に倒れた。
「神官とはいえ平民のお前が、私の顔を凝視するなど許されると思っているの?」
「申し訳ありません」
土を握りめたシャルの手に気付いたエリザは、もう一度鞭を振り落とした。ぴしりと音が鳴り、シャルは目を瞑ったが、痛みは無かった。
「申し訳ありません。妹は幼少の頃から療養所に入っていたために、社会常識に疎いのです。代わりに兄である私が鞭を受けますので、許して頂けませんか?」
「ハンス兄さん」
顔を上げたシャルとエリザの間には、膝を折ったハンスが頭を垂れていた。
「あなたがこの女の兄? ちゃんと躾ておきなさい。ゼノ様への身分を弁えぬ態度、次に目にしたら、陛下に御報告して処罰して頂きます」
「寛大なる御猶予を、ありがとうございます」
更に頭を深く下げたハンスと、彼に習い頭を垂れたシャルの姿を確認すると、エリザは去っていった。
「ごめんなさい」
涙を溢すシャルの頭を、ハンスの大きな手が撫でる。
「なに、大した事はないさ。何年王族に仕えていると思っているんだい?」
微笑むハンスの手を、シャルは両手で握り締めた。ハンスの頬に浮かんだ赤い線は、跡もなく消えていく。
「私、分かっているつもりだった。でも、解ってなかった。ゼノとハンス兄さんと、ライさん、皆優しくて、幸せで、浮かれてた。身分の事なんて、頭から消えてたの」
「うん。良いんだ、それで」
ハンスは慰めるが、シャルは頭を振った。
「良くない! 皆に迷惑掛けてる」
「良いんだよ。俺も殿下も、迷惑なんて思っていない。小鳥ちゃんと一緒にいれて、本当に嬉しいんだよ」
ハンスはシャルを抱きしめる。腕の中で、シャルは泣き続けていた。
ようやく泣き止んだシャルを、ハンスは以前、共に暮らした小屋に連れて行く。
「少し埃を被ってるけど、問題は無さそうだ」
「兄さん?」
戸惑うシャルの頭に手を置くと、ハンスは膝を曲げて目線を合わせた。
「俺の部屋でも良いけど、他の厨房仲間もいるからね。ここの方が、気を使わなくて良いだろう?」
首を傾げるシャルに、ハンスは笑う。
「また一緒に暮らそう? 殿下には俺から伝えておくから」
「でも」
「俺と暮らすのは嫌かい?」
シャルは首を横に振る。
「じゃあ、このおんぼろ小屋に住むのが嫌かい?」
「そんなこと、ない。私が子供の頃に住んでいた家だって」
「じゃあ決まりだ」
掃除を頼むよ、と言い残して、ハンスは厨房へ戻っていった。
残されたシャルは、戸惑いつつも小屋の掃除を始める。
夕食時に戻って来たハンスは、二人分の食事を手にしていた。机代わりの酒樽を囲み、久し振りに二人だけの食事を楽しむ。
シャルが眠りに就くと、ハンスはこっそり抜け出して、ゼノの部屋へと向かった。
窓を開けて待っていたゼノは、ハンスの気配を察すると風を呼び、自ら降りてきた。
「何があった? ハンス」
ハンスの前に降り立つなり、急き込むように尋ねる。
いつもは共に食事をしていたのに、シャルの食事は用意されなかった。神官の仕事が忙しいのかと、心配しつつも一人で食事を終え、お茶を飲みながらシャルの帰りを待つ。
だが、いつになっても戻って来る気配がない。
何かあったのかと執事に尋ねると、
「兄の方から、『今日は戻らない、ゼノ様の許可は頂いている』と伝えられたのですが」
と、眉をひそめられた。
否定すればハンスとシャルが咎められる事になるので、そうであったなと頷いたが、内心は不安に充ちていた。
「シャルは無事なのか?」
つかみがからんばかりに詰め寄るゼノを、ハンスは宥める。
「落ち着いてください、殿下。小鳥ちゃんは無事ですし、もう寝ました」
「そうか、それで何があった?」
淡々と答えてはいるが、ゼノの興奮は収まってはいない。
事実を話せば、そのまま飛び出してエリザに危害を加えかねない勢いだ。
「何も。ただ、やはり殿下のお側に置いておくのは、問題が有ると判断しただけです」
「どういう意味だ?」
常識の範囲で答えるが、ゼノは納得しない。
ハンスは内心で溜め息を吐いた。ゼノの興奮に引っ張られないよう、気持ちを落ち着かせる。
「殿下、殿下は王族です。そして小鳥ちゃんは、神官宮に勤め出したとはいっても平民です」
ゼノは眉をひそめた。
今更、ハンスが身分を持ち出してくることは不自然だ。何かが起こったのだと、不安が胸を焦がす。
「ここに客が訪れることは滅多に有りませんが、皆無ではありません。殿下のように身分に囚われない方は、稀なのです。貴族や神官等が、殿下と小鳥ちゃんのやり取りを目にしたら、どう思うでしょうか? 将軍寮の使用人達の中にさえ、疑問視する者もいるのですよ」
「それは……」
否定したくとも、ハンスの言っていることは正しい。
知っていながら今まで見ぬふりをしてきたのだ。シャルと共にいたいがために。
「殿下のお気持ちは理解しています。けれど、分不相応な待遇は控えるべきです。元々神官長は、兄である俺に小鳥ちゃんを預けました。俺の元に置いておくほうが、自然ではありませんか?」
「ふざけるな」
膨れ上がった怒気は風を呼び、ハンスの頬を傷付けた。
「シャルを奪うつもりか? ならば、お前でも容赦はせぬ!」
ハンスは深く息を吐いた。
ゼノは本気でハンスを疑っているわけではない。冷静であれば、このような言葉は口にしなかっただろう。
これは子供の癇癪のようなものだ。ゼノはシャルのことに関しては、気持ちの制御が乱れやすい。
「その様なつもりは、毛頭ありません。ただ、殿下の御側に置いておく訳にはいきませんし、かと言って、一人にするのも危険かと」
「シャルは私が守る」
説明するハンスを遮り、斬りつけるように言葉を発する。
それでも感情を揺らすことなく、ハンスはゼノと向かい合う。
「そう言って、何度しくじれば気が済むのですか? 気持ちだけで守りきれるほど、世界が甘く無いことは、充分にご存知のはずでは?」
「黙れ!」
叫んだゼノの声に、ハンスは周囲を警戒した。
王族であり将軍であるゼノと、一介の菓子職人に過ぎないハンスでは、身分の差が大きすぎる。このように会っている所を、他人に気取られる訳にはいかないのだ。
「その様な事は、言われずとも解っている。それでも私は……」
「殿下」
ハンスに背を向けると、ゼノは宙に浮き部屋へと戻った。
しばらくゼノの部屋を見つめていたハンスも、小屋へと帰っていく。
ゼノは灯りも点けない暗い部屋の中から、ハンスの後ろ姿を見送っていた。
ハンスが歩いて行く先は、厨房へ戻った彼に与えた使用人部屋の方角ではなく、以前に暮らしていた小屋の方角だった。
あの小さな小屋に二人で暮らしていると考えると、胸を掻きむしりたい衝動に駆られる。せめて各々に部屋のある、小さな家をと思ったが、使用人のための家を建てるなど、それこそ聞いた事がない。
「何故、王族になど生まれた? 何故……」
それが贅沢な願いだという自覚はあった。
少し前迄は、声を聞くことさえできなかった。それより前は、生きているかどうかさえ定かでは無かったのだから。
「傍に居たい。私だけのものにしたい。誰にも触れさせたくなどない。シャル……」
絶えることなく溢れ出て来る欲望は、自身の醜さを自覚させる。それは彼女を失うかもしれないという恐怖となり、ゼノの精神を蝕んだ。
「シャル」
胸元に手を置くと、寝巻きの上から胸を掴む。
0
お気に入りに追加
125
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
拝啓、大切なあなたへ
茂栖 もす
恋愛
それはある日のこと、絶望の底にいたトゥラウム宛てに一通の手紙が届いた。
差出人はエリア。突然、別れを告げた恋人だった。
そこには、衝撃的な事実が書かれていて───
手紙を受け取った瞬間から、トゥラウムとエリアの終わってしまったはずの恋が再び動き始めた。
これは、一通の手紙から始まる物語。【再会】をテーマにした短編で、5話で完結です。
※以前、別PNで、小説家になろう様に投稿したものですが、今回、アルファポリス様用に加筆修正して投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】巻き戻りを望みましたが、それでもあなたは遠い人
白雨 音
恋愛
14歳のリリアーヌは、淡い恋をしていた。相手は家同士付き合いのある、幼馴染みのレーニエ。
だが、その年、彼はリリアーヌを庇い酷い傷を負ってしまった。その所為で、二人の運命は狂い始める。
罪悪感に苛まれるリリアーヌは、時が戻れば良いと切に願うのだった。
そして、それは現実になったのだが…短編、全6話。
切ないですが、最後はハッピーエンドです☆《完結しました》
踏み台令嬢はへこたれない
三屋城衣智子
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
素顔を知らない
基本二度寝
恋愛
王太子はたいして美しくもない聖女に婚約破棄を突きつけた。
聖女より多少力の劣る、聖女補佐の貴族令嬢の方が、見目もよく気もきく。
ならば、美しくもない聖女より、美しい聖女補佐のほうが良い。
王太子は考え、国王夫妻の居ぬ間に聖女との婚約破棄を企て、国外に放り出した。
王太子はすぐ様、聖女補佐の令嬢を部屋に呼び、新たな婚約者だと皆に紹介して回った。
国王たちが戻った頃には、地鳴りと水害で、国が半壊していた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
あなたのおかげで吹っ切れました〜私のお金目当てならお望み通りに。ただし利子付きです
じじ
恋愛
「あんな女、金だけのためさ」
アリアナ=ゾーイはその日、初めて婚約者のハンゼ公爵の本音を知った。
金銭だけが目的の結婚。それを知った私が泣いて暮らすとでも?おあいにくさま。あなたに恋した少女は、あなたの本音を聞いた瞬間消え去ったわ。
私が金づるにしか見えないのなら、お望み通りあなたのためにお金を用意しますわ…ただし、利子付きで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる