Fragment of thought ～思考の欠片～

本編

時計仕掛け

現れては消えていく
まるで夏の花火のようだね
僕の隣で君が呟く

君の空に僕はいつまでも消えない
真っ赤な花火を描くよ
君の隣で僕が囁く

浴衣姿の君を思い出す度に
心を締め付ける少し早い夏の日

今度、逢う時はどんな姿を見せてくれるの？
一緒に見るもの聞くものがみんな
大切な君を何層にも大きくするよ

誰かを好きになった時から
時間の大切さを知ったよ
時計を憎たらしい奴とも思うのさ
さぁ 二人の時計を止めて
互いの鼓動を感じようよ

手のひらの中で解けていく
まるで雪の結晶のようだね
僕の後ろで君が呟く

君の周りにいつまでも解けない
真っ白な僕の想いを積もらせるよ
振り向きざまに僕が囁く

ダッフルコートの君を思い出す度に
心を締め付ける少し遅い冬の日

今度、逢う時は、どんな君に着替えるの？
違う場所で感じるもの 理解するもの
何層にもなった君がまた新たな顔を覗かせるよ

誰かを好きになった時から
時間の大切さを知ったよ
時計を憎たらしい奴とも思うのさ
さぁ 二人の時計を止めて
互いの鼓動を感じようよ

遠い場所で同じことを感じて
近い場所で違うことを考えて
でも、二人の時間はいつも一緒だね
それはね 僕達が時計台の番をしているんだよ
暑い日も寒い日も絶対に狂わないように
神様がゼンマイを巻いてくれるから・・・