【完結】初めて会うイケメンの旦那が甘やかしてくるんだが。ちょっと待ってこれどんな状況?

愛早さくら

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178・茶会の後⑥

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 嫌なわけではない。
 ただ、いまだにあまり理解が出来ないというだけの話。
 ラルの目に俺はいったいどんな風に映っているのだろうか。
 余程か弱く映っているのか、それとも、そういう問題ではないのか。
 俺は小さな子供ではないし、脆弱でも全くない。ただ、髪色や目の色が淡いせいか、どうも儚い印象を与える見た目をしているらしいということぐらいは把握していた。
 でも言ってしまえばそれまでで。
 ディーウィやオーシュは、そういう問題ではないのだと言う。
 接すれば接すれば危なっかしくて気になってしまうのだと。
 ならもしかしたら、ラルも同じなのか。

「心配してくれるのは嬉しいけど……でも、今後ラルと一緒にいるなら、こういうことだって必要だろう? 俺は愛玩動物みたくなるつもりはないんだけど」

 そもそもラルとの婚姻自体、俺の本意ではなかった。だが、ラルの見た目は好みだったし、俺のことが好きなのはとてもよく伝わってきて、悪い気はしなくて。
 触れられて、肌を合わせても嫌悪感などなく、ならば大丈夫かと割り切ったのだ。
 その後だって別に、ラルが俺を想ってくれるほど、俺はラルを想えていない。
 だが、同時に今更、離れることだって考えてはいなかった。
 ラルと出会って数ヶ月。まだ半年と経っていないけど、これから共に生きていくことに、全く抵抗がない程度には、ラルの伴侶という立場を、俺はすでに受け入れている。
 なら、この後どう過ごしていくのかを考えるのは、何らおかしなことではないと思うのだ。
 ラルに守られて、可愛がられて。それだけで生きていくのは、なんだか違う、そう思う。だからこそこういったことも、けない方がいいと考えていた。

「愛玩動物だなんてそんな……僕はそんなつもりでは、」
「わかってるよ」

 俺の発言に、ショックだと言わんばかりのラルからの反論を遮る。
 ラルにそんなつもりがないことぐらい、わかっている。
 ラルが多分、俺のことが、気にかかって仕方がないだけなのだということぐらい。
 心配で心配で構わずにはいられないのだろう、それは決して俺を馬鹿にしていたり、それこそ、愛玩動物のように考えているからではないとは思う。
 ないとは、思うのだけれど。

「わかってる。ラルにそんなつもりはないってことぐらい。でも、あまりに過保護にされるばかりだと、そんな風にも感じてしまう。それは理解して欲しい。俺は小さな子供ではないし、か弱い存在なわけでもない。そりゃ、確かに今は身重だから、普段より気を付けた方がいいことは多いとは思うけど……それだって、余程の何かがなければ、何があるはずもない」

 そもそも、俺を害せる存在こそ少ないのだと。ラルはいい加減理解するべきなのだ。
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