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152・不快な結果と⑩
しおりを挟む「招待状そのものは、まとめてあるから、また、ラルにも確認しておいて欲しいんだけど、でもここ数日で結構来ててさ。全体の量も多いし、ラサスに聞いた、あまり良くない者達からってのもそれなりにあって。だから全部なんてとても参加できないし」
そもそも、俺は今身ごもっている。腹にはラルの魔力で成し、ラルの魔力で育てている最中の子供がいて、元より通常よりも無理が効かない。むしろより、大事にすべき時期だ。
敵意溢れる場所に出向いたり、そうでなくとも頻度高く出歩くことそのものが、以ての外で。
ちなみにラルは初め、茶会を開く、ことそのものには賛成であるという様子を見せていた。
「いいんじゃない? 一度で済ませた方がフィリスの負担にもならないだろうし」
そうまで言っていたというのに、招待する予定の者たちを告げたら、途端、苦く顔を歪めたのである。
わからないでもない。
なにせ向こうからの正体にさえ応じない方がいいだろう者達が中心だったのだから。
後は敢えてのあの女性辺境伯閣下ご自身か、そうでなくとも彼女の息のかかった者と、毒にも薬にもならないどうでもいいと言って差し支えない者たちが幾人か。半数以上は、昼間にラサスが関わらない方がいいと指示した者たちが占めていた。
つまり陛下曰くの不要な無能候補たち。当然意図を持ってのことである。
面倒くさいことは一気に片付けてしまいたい。言ってしまえばただそれだけのことで。ラサスは悪くはないんじゃないかと言っていたし、それだけ偏らせれば、誰の目にも思惑など透けて見えることだろう。それは勿論、招待する予定の相手達にも。その上での敢えての手段。
おそらくそうすることで公爵家にとって不利になるようなことにもならない。諸々踏まえての懸念事項などただ一つ。それはつまり俺自身の安全性、それのみだった。
もっとも、それだって俺があちらに向かうのではなくこちらに呼ぶのだから、それほど心配するようなことになるとも思えない。
だけどラルにとっては当たり前に気になることなのだろう。
「フィリスの思惑もわかるけどね、だからと言ってそれは反対しない理由にはならないよ」
「でも、こっちに呼ぶんだし、ラルが心配するようなことなんて早々起こらないと思う」
自分で言っていて、我ながら空々しいな、そう思った。
何も起こらない、本当にそう思っていたならば、そもそもこんなことを言い出したりなんてしない。
勿論、それはラルにも伝わっている。
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