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151・不快な結果と⑨
しおりを挟むとは言え、ラルに話を通さなければらないことに変わりはない。
相談も必須だし、隠し事などするつもりもないのだから、むしろ彼には協力してもらおうとさえ思う。問題があるとするなら反対するかもしれない可能性。
なにせディーウィでさえ顔をしかめたのだ。そもそも、この国の貴族についてすら俺に教えようとしないラルである。
それが、あまり関わらない方がいいだろう者達を招いての茶会など。反対するのが目に見えている。
だからと言って、俺はやはり、存外に悪くない案だとしか思えないのだ。
と、言うか退屈で。
このまま手をこまねいて退屈を感じ続けるよりは、こちらから迎え撃って、後々の安寧を手に入れるのも悪くはないと思ったのだ。何より暇つぶしになりそうだし。
俺に敵意を向ける誰かなど、正直に言って、まったく何も怖くなどない。ただ、煩わしそうだとは思う。そんな煩わしさなど勿論、ない方がいいとも。
「僕は反対だよ。決まってるだろう?」
そして夜、ラルにその話をしたら当然のように咎められた。
ラルと俺は寝室を共にしている。夫婦なのだから当然だろう。
そこで夫婦ゆえの営みを濃く、甘くねっとりと随分長い時間行い続けるのだけれど、勿論、そんなことしかしない、だなんてわけではなく、当たり前に会話もすれば、些細な触れ合いだけで時間を過ごすこともあった。
そんな中で伝えた俺の話に、だけどラルは途端に機嫌を悪くした。
俺に触れている手に力が籠る。痛い、というほどではないけど、これは多分怒っているんだろうな、そう思った。
勿論、それが、俺に向かっているわけではないことぐらいわかる。そもそも、くだらない招待状など送ってきている、それ自体についても腹立たしく思っている所があることだろう。
もっとも俺はラルが怒っていても、別にちっとも怖くはないのだけれど。ただ、もし俺が何か不快にさせてしまっていたとしたら申し訳ないなと思うし、もしそれでラルに嫌われたりしたら、それは俺としても歓迎したくないことだな、とも思う。だけどそれだけ。過剰な恐怖を覚えるようなものでは決してなく、だから俺は宥めるように肩を竦めた。
すっかり寝支度も整えたベッドの上だった。
甘く肌を触れ合わせる前の二人っきりのひと時に、そう言えばと、忘れる前に伝えた結果だ。
俺はラルの腕の中で、少し困ったような顔を彼へと向けていた。
そんな顔一つでラルの機嫌が直るだなんて思ってはいないのだけれども。
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