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149・不快な結果と⑦
しおりを挟むなにぶん、この分だと、俺の元にまで届いていない俺にも関係してきそうな情報とかもありそうだと、そう思えたからである。
今夜にでもと脳内で予定を立てて、引き続き、次はラサスがひとまずはと、届けられた招待状を仕分けていくのを眺める。
「このようなものでしょうか」
どうやら招待状は凡そ3つに分けられたようである。
ラサスは目の前のテーブルへと、3つに分けた招待状を置きながらそれぞれの説明をした。
「奥様。正確には旦那様にお伺いしなければ確かなことは申し上げられませんが、まずこちらは招待を受けても問題にならないだろうと思われる方々からの招待状です」
指し示されたのは一番少ない集まりで、たった数通しか存在しない。
「こちらは、逆に受けるのをお勧めできない方々からの招待状」
次に示されたのは二番目に少ない招待状の束。とは言え一番初めに問題ないとされたそれの倍近くはある。
「そして最後のこちらはどちらとも言えません。そもそも我がリヒディル公爵家との関りが薄く、おそらくは好奇心。受けても受けなくとも大きく影響することはないだろうと思われる方々からの招待状です」
最後のそれは、招待状全体の半分以上を占めていた。
俺は目を細める。
どちらでもいいとはまた。
と、言うことは最初の数通は、受けてもいいではなく、受けた方がいい招待状なのだろう。
そしてそれよりも多い受けない方がいい招待状。
ちなみにどの招待状にも、まだ返信はしていない。
俺は出来るだけ茶会になど参加したくはなく、可能なら全てお断りしたいとまで思っている。
だが、ひとまず最初の数通は受けなくてはいけないのだろう。もしくはそうしなかったとして、丁寧に扱わねばならない相手方ばかりだということだ。
一応、俺は何処から来た招待状なのかを全て一度、目を通しはしたのだけれど、ほとんど誰の名前も判らなかったものだから、詳細になど覚えてはおらず、分けられた所で誰が誰なのかなど全く理解できなかった。
わかった名前は二つだけ。
あの夜会であいさつを交わした辺境伯だという女性と、不快な男のみである。
特に後者の名前を見た時には、いっそ滑稽だと噴き出してしまったものだった。
前者の辺境伯からの招待状は、見た限りきっちり、受けた方がいい数通に含まれている。
そして不要で無能で不快な男は当然、受けない方がいい招待状の束の中。
俺はその束を見てしばし考えた。
これが多いのか少ないのかなどわからない。だが、片手の指では余るぐらいの量。ならばいっそ。
「こちらから招待してみる、か?」
呟いた言葉に、ディーウィとラサスの注目が、俺に集まったのが感じられる。俺は彼ら二人を順番に見つめ返した。
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