【完結】初めて会うイケメンの旦那が甘やかしてくるんだが。ちょっと待ってこれどんな状況?

愛早さくら

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48・確認①

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 なお、その反面、いったん食事が終わると、組み伏せられまた魔力を注がれたりするのだが、それはともかく。
 俺がようやく寝台から降りるのをラルがよしとしたのは、1週間ほどをそんな風にして過ごしてからのこと。
 ようやく屋敷内の案内をしてくれたのだが、ずっと俺に寄り添い続けるラルは、仕事などはどうしているのだろうかと疑問に思った。
 どうも、もちろん、仕事はあったし、何なら溜まっていたらしいと分かったのはその更に翌日の午後。
 例の出迎えてくれた執事のような人……――正しく執事であっているらしい。ラルの父親である先代公爵の頃から仕えている人なのだとか。名をガランサウスと言い、主にラサスと呼ばれているらしい。そのラサスがにっこりと非常ににこやかな笑みでラルを呼びに来たことによって発覚したのだった。
 ラルはラサスに追い立てられるようにして、非常に名残惜しそうに俺から離れて執務室に向かっていった。
 そして俺は久しぶりにラルから離れて一人になったのである。
 やることが何もなかった。
 とりあえず、初日に案内されたサンルームのある居間のような部屋でソファに腰を落ち着ける。ディーウィとオーシュが当たり前の顔をして側に控えていた。
 他の使用人は気でも使ったのか、どうやら席を外してくれているらしい。3人っきりだ。
 俺は腕を組んでしばらく考える。
 その下、腹の中、ラルが求めるまま、逆らわずに望んだ子供はすこぶる順調だった。おそらくこのまま何事もなければ、しっかり安定してくれるのは間違いない。
 では何を悩むことがあるのか。それは勿論、今、この瞬間、俺にやることが何もないということだ。
 退屈が、俺はあまり好きではなかった。何かやることがある方が気が休まる。
 ラルは俺に何も求めていないようだった。ただラルの側でラルを受け入れていればいいらしい。勿論、子供が生まれたらそうはいかなくなるだろうとは思う、思うのだけれど。
 問題は今だ。今の、退屈この上ない時間。
 とりあえず、とこの一週間考えずに済んでいたことに意識を向けることにした。
 ラルの家である、このリヒディル公爵邸は、ナウラティスほどとはいかずとも、どうやら安全なようだったので、考える必要がなかったのだ。でも。

「なぁ、オーシュ」
「おう」
「道中、捕らえた連中ってどうなってたっけか」

 まさか捕まえたままここまで連れてくるだなんてことは出来なかったので、途中適当な兵士だとかに引き渡していたはずだ。

「あ~……どうなってたっけなぁ……色々聞きだした後はぼろ雑巾みたいになっちまってたし、ラル様の指示通り、アンセニースの役人に引き渡してそのままだな」

 オーシュはいつの間にかラルを、ラル様、なんて呼ぶようになっていたらしい。
 ラルの指示だというが、対応としては妥当な所だろう。おそらく今頃は更なる取り調べを受けた後、罪人として裁かれているはず。

「じゃあ、その後、ココに来てから・・・・・・・は?」

 あえてこの一週間、気付かないふりで口に出していなかったことを訊ねると、オーシュはひょいと肩を竦めた。

「聞きたいか? それ」
「把握はしておいた方がいいかとは思ってる」
「なるほど。じゃあ伝えとくか」

 当然、何もないわけがないということだった。
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