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*23・昼間とは違う
しおりを挟むラルは昼間よりよほど丁寧に、だけどやはり性急に、俺の肌をあらわにしていった。
やりやすいようにだろう、体を少し離されると、なんだか寂しい気がしたが、きっとすぐに再度抱きしめてくれるのだろうことを知っている。だからそれはほんの一時だけのことだ。
案の定、逸る手つきで俺の素肌を暴いたラルは、自身の衣服も乱雑に取り払うと、今度は素肌のまま、俺を抱きしめる。
少ししっとりと汗ばんで感じられるのは、興奮しているが故だろうか。直接、触れるラルの肌はひどく熱くて、これもまた、昼間との明確な違いで。
昼間は衣服を乱した程度で、素肌同士でなんて触れ合わなかったから。そしてそれもまた、俺は気持ちよく感じている。
触れ合ったところ全てから、微弱ながら、熱く魔力が流れ込んできた。
こんな風になるのは、きっとラルが俺にそうしたいと思っているからだ。
「ラル」
そう呼んだ俺の声が、自分でも驚くほど甘く濡れていて、なんだか恥ずかしくなるけど、ラルもまた、赤く顔を上気させて、
「フィリス」
切ないばかりに俺を呼んだので、同じだなと俺は思った。
「すみません、フィリス、すみません、」
謝りながらラルは、真っ直ぐに俺の臀部へと触れ、奥に潜む窄まりににゅるんと指を滑り込ませた。
先程から濡れている感触を自覚できる程度に意図して体液を分泌していたので、ラルの硬く太い指はぐちょと何かに遮られることもなく、俺の腹の中へと沈み込んでいった。
「ぁっ……!」
「また……魔術を、使用して下さったんですか? 柔らかくて……昼間よりすごい」
ぐちゅぐちゅと荒い息で、俺の中をかき回しながら耳元にそう吹き込まれて、俺はこくこくと首を縦に振る。
なんだか俺の方こそラルを求めているかのようで、なんて浅ましいのだろうとも思ったのだけれど、ラルの声には喜色が滲んでいるので構わない。
腹の中を指で探られる違和感に、微かな疼きが混じりはじめる。これもまた、昼間は感じられなかったことだ。
「ぁっ……ぅ、んん、……っ」
びくと体を震わせると、ラルがははと微かに笑った。
「感じてくれているんですか? 可愛い、フィリス」
フィリス。
欲に塗れた声が俺を呼び、ラルの指の動きが、だんだんと大胆に、また、何処か乱雑になっていく。
「ああ、フィリス、すみません、すみません、一度、あの……」
注ぎたい。
もう耐えられないと、ラルが情けなく弱音を吐き、
「あの、後ろからの方が楽だと聞いています、だから、」
促されるまま、うつ伏せの体勢を取ると、ラルは途端に、俺の背中を覆うように覆い被さると同時、熱い高ぶりを俺の尻や太もも、あるいは腰にぐいぐいと押し当ててきて、あまりの熱さに俺は、ラルがどれほど切羽詰まった状態なのかを知った。
俺はラルを手助けするかのように、くいと尻を突き出し、前から手を伸ばして、奥の窄まりに触れ、くいとその部分を自分で広げた。
なんだか興奮する。ラルの熱を思い出す。昼に一度受け入れた、逞しいそれ。それがまた、俺の中へと入ってくるのだ。
熱い衝動。
昼間は、なんだか嵐のようで翻弄されるばかりで。気持ちがいいだとか悪いだとか、そういうものではなかった。ただ俺が感じていたのは、熱さと衝撃だけだ。
でもきっと今度は違う。それがもう、俺にもわかっている。
「ああ、フィリス、すみません、かわいい、フィリス。愛しています」
フィリス。フィリス。
位置を調整したのだろう、ラルの熱い切っ先が、俺の尻穴に触れ、そして。
「ぁあっ!」
ぐぷ、ずず。俺の腹を押し開いていくラルの熱棒は、やはり信じられないぐらいに大きく、俺の腹を内側から、これでもかと圧迫していったのだった。
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